あぁ、
また、彼は死ねなかった。
何度死のうと思っただろう。
何度死ぬ為に心臓や脳を穿っただろう。
それでも、彼は死ねなかった。
否、死んで楽になる事を赦されなかった。
死ねない度に彼は嘆いた。
所詮この身はただの爆弾だというのに。
他人ごと巻き込んで消えることしかできない能無しだというのに。
何故相手だけ逝ってしまうのだろうか。
何故、自分は逝けないのか。
何ならいっそのことこの世から消えてしまいたい、そう思った。
死ななくても構わない。ただ消えてしまいたい、と。
だから彼は自分の頭に
やっと逝ける。と彼は歓喜に震えた。
そして、彼は彼が1番望むものを手に入れた。
...
.........
...............
.....................
「...何これ?」
私――博麗 霊夢はそう言わずにはいられなかった。
目の前には頭に空いた穴からから血を流している男が横たわっている。
別に死体があるだけだろう、と思うかもしれないが見た感じこの
普通外界から幻想入りする場合、外界で既に死亡していたとしても生きている状態で飛ばされることが多い...というか今まで幻想入りした外界の人間、もしくは妖怪は皆生きていた。
が、この
彼の左手には変な無骨な鉄の塊が握られており、そこから煙が出ている。...恐らくこれで自身の頭を射抜いたのだろう。
近くにその塊から出たらしき弾が落ちていた。
あの月兎が使ってる弾幕もこんな感じだったかしら?と軽い既視感を覚えながらもこの男を暫く観察してみることにした。
耳が隠れるほど伸びた髪、
しかし、その髪は女性のように黒く艶めいている。
体つきはかなりよく、所謂細マッチョ。
そしてその肉体をわかりにくくさせているフード付きの黒いロングコート。
オマケに顔はとんでもなく美形ときた。
きっと外界ではさぞ女性にモテたんだろうなぁとか思いながら見ていると彼の腰についている『
そーっと手を伸ばしてすこしだけ拝借することにした。
それは全体的に白く、近代的な雰囲気がプンプンする真ん中に柄(?)らしき物がついている円盤だった。
側面には、
『E-001 ion blade』
と彫られていたが正直読めてもあまり意味がわからなかった。
「...ぅぅ」
「え?」
呻き声に驚いて振り向いて見ると男の身体から白く光る粒子が出ていた。
それらが彼の頭に空いた穴を修復していく。
修復魔法!?
霊夢は一瞬回復魔法の一種か、と思ったが魔力や霊力の動きはない。
「...あぁ、そうか。またか」
男はゆらりと身体を起こした。
驚きで身体が動かない霊夢の方を向いて彼はこう言った。
「また死ねなかったのか、僕は」
博麗神社
「...成程、拳銃自殺して死んでいた僕を君が見つけ、介抱してくれてたのか」
「いや、流石に死人は介抱できないわよ」
そうか、と霊夢のツッコミを男は軽くスルーした。
軽くショックを受けている霊夢を完全に無視して男はお茶を啜り始めた。
さっきまで死んでいたとは全く思えない。
「そうだ、巫女さん」
「何よ?」
霊夢はジト目で男を睨むが彼は一切気にせず、
「そう言えば僕、名乗り忘れていたな」
言われてみれば、確かに蘇生したてのときに霊夢は名乗ったがこの男、今まで一切名を名乗っていなかった。
「ええ、そうね。じゃあ聞かせて。何て名前なの?」
「僕は