魔法少女育成計画 己の大切な人を生かしたい   作:紀野感無

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はい、10話目です。
さて、トップスピードは生き残れるのか。

生き残るメンバーはどうなるのか。

そういえば
今回の話を書いていて、ほそくをしなければ、と思った点がありまして。

レプリカの魔法で、額と額を合わせ、スノーホワイトやアリスのような魔法の効果を共有している時なのですが。
額を合わせている間は、レプリカは全くの無防備になります。
魔法を使う相手に集中しなければいけませんし、その間は自分に対して魔法を使えません。もちろん、他の魔法も使えません。

こんな感じですかね。

それではどうぞ


10話

僕とリップルがスイムの姿を確認した直後、スイムは薙刀のようなものをおおきく振りかぶってきた。

 

リップルがトップスピードを抱えて転がり、僕はとっさに横に飛んだ。薙刀が刺さった床が豆腐のように切れていた。

 

「(まだダメージが抜けきってない……一時退却するか?)」

 

と、そんなことが頭をよぎる。

死にかけであろうトップスピード?知らん。別にあいつの生死はそんな興味ない。

 

「ああああ!」

 

が、リップルはそうでもなかったらしい。

リップルは怒り、スイムに突撃していった。

 

 

「(ダメだ…死ぬのはダメだ。……あと……半年は……生きなきゃ……。子供を旦那に見せてやらなきゃ……)」

 

 

ん?なんだ、今の声。スノーホワイトの魔法?

あれ?僕、使った自覚ないんだけど。

 

なんで?

 

ていうか、ちょい待て。トップスピードさん。あんた、もしかして……子供を文字通りお腹に抱えてる?

 

「はぁ……だから他人には極力関わりたくないんだよなぁ……。関わるのは珠だけでいいのに……。………トップスピード。少しだけじっとしておいてください…」

「(あ…夕飯のカレーの具材。買ってないや……)」

「勝手に死ぬみたいな雰囲気にならないでください。でないと………私がリップルに殺される気がします…」

 

僕は、トップスピードを仰向けにし、叫んだ。

 

「リップル!30秒でいいから時間を稼いで!トップスピードを治す!」

 

うん、正直柄にもない。けどしょうがない。ここで見捨てたら後味悪いし、それにリップルにも狙われそうだし。

 

リップルは一瞬こっちを見て頷き再度スイムに集中した。

 

僕はトップスピードに集中する。

 

額同士を合わせアリスの魔法を使う。

正直言おう。アリスの魔法はチート。死なないもん。

 

「うん、傷が一箇所しかないから……すぐに終わ……」

「レプリカ!」「させない……」

「⁉︎」

 

急に、肘から先が無くなった感覚が体を駆け抜けた。

それと同時に心臓部分が熱い。

 

 

え?なんだ、なにが起こった。

 

 

自分の体をわずかに動く顔で見下ろしてみる。

 

そこには、肘の先が無くなっており、さらには心臓のあるあたりは何かに刺された形跡が残っている。

 

「(まずい……!アリスの魔法を…)」

「もう……しくじらない」

「やめろ!」

 

そして、魔法を使おうとした僕にトドメを刺そうと武器を振りかぶったスイムをリップルが蹴飛ばしにかかる。

 

が、スイムの魔法によりそれは当たらなかった。

 

「死んで……たまるか!私は………僕は……珠に生きてくれって……頼まれた……。だから……こんなところで死んでたまるか!」

 

無理矢理、自分の中に残ってるわずかな力でその場から離脱する。

その際に耳が切り落とされたが脱出できればいい。

落ち着いたところで魔法が使えさえすれば。

 

ビルから落ちている間にも、主に心臓にアリスの魔法の効力を集中させて傷の治りを速くする。

幸いにも、内臓などと胸の外見だけは治った。

これで致命傷にはならないはずだ。

 

が、不安定な体制で落ちたため、着地できるわけもなく地面に激突する。が、さすがは魔法少女の体だ。

それくらいだと大丈夫だった。

 

「はぁはぁ…トップスピード。すいません。あなたの夢、叶えてあげられませんでした。けど……別に僕は頼まれたわけでもないから責めないでくださいね?」

 

僕は、ビルの屋上を見ながらそう言い放ちその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

〜チャットルーム〜

 

『さてさて今週の脱落者ですがぽん何時もより大変に多くなっておりますぽん。お聞き逃しの無いようご注意くださいぽん』

 

チャットを見るとファヴが今週の脱落者を発表し始めていた。

僕?僕は怪我を完全に治すまで家に帰るわけにはいかないのでしばらく裏路地で休んでます。

義父や義母に何か言われても面倒だし。

 

『では言いますぽん。

 

ヴェス・ウィンタープリズン

カラミティ・メアリ

シスターナナ

ユナエル

トップスピード

 

の計5人が脱落と相成りましたぽん』

 

……やっぱり、無理だったか。

スノーホワイトの魔法の時は額を離していてもしばらくは効力が続いていたから、ひょっとすると、と思っていたんだが。

あ、ていうかシスターナナ死んでたのね。乙。

あんなのはどうでもいい。

 

あ、でも、よくよく考えるとスイム達をボコった時に天使で額を合わせた際の効果の持続に関しては検証してたんだよね。

確か、額を離してから10秒くらいで再生が終わってたんだよ。

スノーホワイトの魔法の時は10分くらいあったんだけど。

まあ、額を離した後の効果の共有時間は魔法によって差があると見ていいだろう。

 

『残る魔法少女は

 

スイムスイム

スノーホワイト

たま

ハードゴア・アリス

ミナエル

森の音楽家クラムベリー

リップル

レプリカ

 

以上8名。

おおっ!ついに!当初予定していた八名以下に!素晴らしいぽん!』

 

え?あ、マジすか。

やったね。もう終わりだ。珠も死なずに済んで僕も死なずに済ん『けど……残念なことにこれで終わりとはいかなくなりましたぽん』

 

 

 

 

 

 

 

は?

 

 

 

 

 

 

 

『みんなに使ってもらってるアイテム。アレのせいで魔力の供給がまた足りなくなってしまったぽん。いやー、

これは完全に誤算だったぽん。

というわけで、魔法少女のみんなには申し訳ないけど八名だった枠が()()になったぽん。

魔法少女の数が四人になるまで頑張ってキャンディー集めをしてくれだぽん。みんなならきっと残れるぽん。

それじゃさよならー』

 

………このふざけたマスコットへの怒りはどこへぶつけたらいい。

ふざけるなよ?なんの権利があってお前が珠の命の決定権を握る。

 

「おい、クソマスコット」

 

『はいはい。なにぽん。ていうか、クソマスコットはひどいぽん』

 

「うっせえよ。なにが魔力が足りない、だ。あんなアイテム増やして殺し合いに持っていってるくせにさ。それでなにがキャンディー集めをしろだ。

キャンディーなんか関係ないだろ。

正直に言っとけよ。殺し合いをしてください、って。

それなら僕はたまとスノーホワイト以外の他の魔法少女といくらでも殺しあってやるよ」

 

『あー、1人で勝手に盛り上がってるとこ申し訳ないけど。

 

別にもう殺し合いになってるようなものだからわざわざいう必要ないしー。

正直、弱くてどうしょうもないバカ犬を救うために戦うレプリカは立派かもしれないけど、刺激的なものを見たいファヴからしたらレプリカのやってることって正直つまんねぇんだよ。

あんなバカ犬を守って王子様気取りか?いや、犬を守るから主人気取り?まあどっちでも……』

 

 

 

 

グシャァァ!

 

 

 

 

「マスコットだかなんだか知らんが手を出せないと思って調子に乗るんじゃねえ」

 

あー、手痛い。

思わず端末を握りつぶしちゃった。変身?してるからこそこんな芸当ができるんですよ。

 

さーーてと

 

 

 

 

 

ファヴのクソ野郎をどうやってズタボロにしてやろうか。

あいつはもう許さん。

 

 

 

 

 

 

 

☆クラムベリー

 

『マスター、本当に良かったぽん?いや、別にファヴが嫌われるのは構わないんだけど』

「いいんですよ。レプリカは、もっとイかれた方が面白みがある。その為には、彼を怒らせる必要もありますしね。次会う時が楽しみです。その時もお願いしますね」

『はぁ、殺されても知らないぽん』

 

まあ、それはそれでいい。

私が殺されたというのなら、私はそれまでだったということだ。

 

「じゃあ、レプリカに連絡をしてください。今日の12時にここへくるようにと」

『あー、それなんだけど。レプリカのやつ、魔法の端末を壊しちゃったんだぽん。だからダイレクトに伝えるのは難しい……』

「なら、他人を経由すればいいでしょう」

『わかったぽん、はぁ、マスコット使い荒いぽん』

 

 

 

 

 

 

 

☆リップル

 

「………何で私のところに頼みに来たの」

『いやー、一番近いのがリップルなんだぽん。だから、お願いできないかぽん?』

「……チッ」

『というか、やってくれないと困るんだけどー。ぞれじゃよろしくぽん』

「あ、まっ…」

 

断りを入れようとするとファヴはそそくさと消えてしまった。

 

「…………チッ」

 

いまはそんな気分じゃない。友達を…………たった1人の友達を失い、

さらに、また死ぬかもしれない要素が増えてしまった。

 

だが、そんなことを言っている暇もないため、重い足取りでファヴに言われた場所へ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

☆ミヤビ

 

体の傷を完全に治し、帰路に着くと先ず目に見えたのは警察。

不思議に思い道路の方から家の様子を見る

 

すると、そこにはテレビなんかでしか見たことのないような、keep outの黄色いテープ。しかも、それが貼られているのは…………

 

珠と僕の家だった。

 

「………っ!」

「あっ、こら!」

 

得体の知れない不安にかられ警察を押しのけ家の中に入る。

 

家の中で目に付いたのは…………

大量の血にまみれた義母と義父。どうやら、腹のところで真っ二つに切られたらしい。

そして、二階に上がってみると、義妹の死体があった。

 

そして、一階に戻ると()()()()()()()()()()血の跡。

 

嫌な予感を拭うことができず、かと言って、確かめないわけにもいかず、その血の跡をおう。

 

そこには…………

 

 

 

 

「ははっ、よかった……死体じゃない。()()()だ」

 

 

 

 

珠の部屋の中には、変身した後のたまの右腕()()、それと、床に空いていた穴だけがあった。

 

恐らくは逃げたのだろう。

 

誰がやったか。僕は自分に自問自答を投げかける。

周りの警察による警告が延々と言われてるがそんなものは気にしない。

 

 

スノーホワイトとハードゴア・アリスは、こんなことはしない。

クラムベリーさんも、あの人はわざわざこういうことはしない。

リップルもカラミティの時のことを考えると薄い。

むしろ、悪は許さない立場だろう。

たまは間違っても家族を殺すなんて真似はできない。

 

つまりは、結論はもう出ているも同然だ。

 

「スイムスイム…………ミナエル…………。ははっ、やっぱりあいつらは殺しておくべきだったか?」

 

まあ、過ぎたことを考えていても仕方ない。

おそらく、穴の先に珠がいるだろう。

 

きっと、泣いているのかも知れない。

 

1人で怯えているかも知れない。

 

腕から血が止まらなくて困っているかも知れない。

 

死にかけてるかも知れない。

 

だから、穴の中に向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

☆たま

 

「(なんで、どうして)」

 

たまの頭にはそんなことが何回も浮かんでは消え、浮かんでは消えていた。

 

「うっ……おぇぇ」

 

それと同時に、また家での惨事を思い出し吐いてしまう

 

なんで?なんでお母さんたちが殺されなきゃいけないの?

 

国道で、スノーホワイトとハードゴア・アリスと一緒に、できる限り人を助けて、みんなにいっぱい感謝されて、

自分でも人の役に立てるんだ、って嬉しくなって。

 

その矢先に、こうだ。

 

右腕があった場所を見るともう血が止まっている。

本当に逃げだせたのは奇跡だった。

 

家の中を何かの悪夢だと思いながら家の中を周って、ミヤビちゃんの部屋へ向かう最中に、スイムちゃんに会った。

 

そして、突然攻撃された。

 

よくわからないうちに、右腕が切り飛ばされた。

血が沢山出て、それで目の前が赤くなって。

 

無我夢中で穴を掘って逃げてきた。

今は、前にミヤビちゃんと一緒にラ・ピュセルとスノーホワイトと会って話をした場所だ。

自分でも、なんでこんなところに来たのかわからない。けど、気がついたらここにいた。

 

「ぐすっ……ミヤビちゃん」

「はーい」

「きゃっ!」

 

急に声がして振り返ると…

 

ミヤビちゃんがいた。

 

「み、ミヤビちゃん…?」

「はーい、犬吠埼家の親戚で、珠と幼馴染、そして同じ魔法少女でもある淡雪ミヤビですよー」

 

と、ものすごいお気楽な声で言ってくる。

多分、気分を和らげようとしてのことだろう。

 

「〜〜〜!」

 

みっともなく、泣きそうなのを必死にこらえながらミヤビちゃんに抱きついてしまう。

それを、優しく受け止めてくれた。

 

「ミヤビちゃん……お父さんや…お母さんが…」

「うん、辛かったね」

「なんで……何でこうなっちゃったの……。私は……私は……」

「うん、珠は優しいもんね。本当は、みんなとも仲良くしていきたかったんだもんね」

「うん……うん……」

 

「でも、珠。他人に優しいっていうのと、自分を犠牲にするっていうのは同じじゃないよ。辛い時は、思いっきり泣けばいい。悲しい時は、嘆けばいい。別に悪いことじゃない。その後に、どう動くかなんだから。思いっきり泣いて、悲しんでから、また一歩ずつでいいから歩き出そう」

 

「〜〜………うわぁぁぁ!」

 

ミヤビちゃんの、最後の言葉で、必死に堰き止めていた涙が溢れてしまう。

 

その時間だけは、永遠に続いた気がした。




どうでしょうかー。
さあて、そろそろスイムとミナエルとファヴへの悪い意味での執着が大変なことになって来ましたよー。さあ、どうなるんでしょうかねえ(ゲス)

感想でも言ってもらえたのですが、レプリカは個人的に好きだ、と言われて結構嬉しいです。

後は、他の方のまほいくssを読んでて、わりとラ・ピュセルのくだりをしっかりと書いている方が多くて、
これは自分もしっかり書いた方が良かったかー?って思ってたのですが。
その他のまほいくssを書いてる方に、ラ・ピュセルが死んだ前後のことを好評していただき、すごく嬉しく思ってます。
これからも頑張ります。

読んでくださりありがとうございます

レプリカについて(本編には全く影響しません)

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