魔法少女育成計画 己の大切な人を生かしたい   作:紀野感無

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はい、ようやく無印最終話です。

自分なりに納得のいく形で終わらせたつもりですが……また何かあれば感想欄で。

そうそう、新たな魔法少女の能力は某奇妙な冒険に出てくるキャラをパクってはいません。
というか、言われてから気づきました。

それではどうぞ。


16話 無印最終話

「さーーてと、スイッチを入れようか…」

 

僕は、羽菜達と最終チェックをした後、とある倉庫街に来た。

どうやら、ここにファヴ達がいるらしい。

 

そして、羽菜達は、魔法少女に関しては捕獲が望ましいが、最悪殺してしまっても構わない、だそう。

まあ、それなら分かりやすい。

 

思う存分やれる。

あ、もちろんクラムベリーさんの時のような無茶はしないよ?あんな戦法は二度としない。

ちなみに、内臓もなんとか治りました。

 

 

と、私情はここら辺にしよう。

 

スイッチを切り替え、僕はただの殺し合いに意識を集中させる。

 

「レプリカ、それじゃあよろしくね」

「はい……お気をつけて」

 

そして、羽菜と別行動に移った。

 

 

 

 

 

 

 

「にしても、なかなか便利な魔法にしてくれたね、ファヴ」

『別に、ファヴが決めたわけじゃ無いぽん。魔法は、その人の特性に沿ってるから、たまたまそうなっただけぽん』

 

うん、私の魔法はなかなか殺し合いには向いている。

 

【触れたものを爆弾に変えるよ】という魔法だった。

それに、私は爆弾狂だ。これほどそそるものはない。

 

だけど、爆弾の威力はものの大きさにより、しかも自分の好きな時に起爆できる、というものではないらしい。

あくまでも、爆弾が爆発するキッカケを決めるだけらしい。

例えば、私以外の誰かが触れた瞬間、や何かが触れてから数秒後、とか、まあ色々だ。

けど、欠点もある。

 

この魔法は、掌で触れないと発動しない。

 

それだけが欠点と呼べる欠点だった。

まあ、けど要は手をやられなければいいだけだ。

 

「それよりファヴさー、ちゃんと私の他に仲間作ったの?」

 

『そこは抜かりないぽん。……といっても、二人しか役に立ちそうなのがいなかったんだけど』

 

「へぇ、今会えるの?」

 

『会えるというか、すぐそこにいるぽん』

 

と、ファヴに促され後ろを見ると

 

「…へえ、あんたらか」

「ちーっす」

「どうも……」

 

片方は、なんというかチャラい。

黒と銀を混ぜたような色の髪が腰まで伸びていて、白銀のドクロのピアス、ネックレス、ドクロ模様の靴、とにかくドクロづくめだった。

けど、なぜか露出多め。

意味わからん。

もう片方は、すっごい臆病そうだ。

猫耳に、猫の尻尾のようなものが付いていて、手も猫のようになっている。

腹だしの状態もあり、過激な猫のコスプレのようだった。

 

「あたしは、マグネ。魔法は、【物と物を磁石のようにくっつけることができるよ】だ」

「わ、私は……ティタです…。ま、魔法は、【周りから見えなくなるよ】です」

「私はゾルフ。魔法は【触ったものを爆弾に変えられるよ】だ。あんた達が協力者、でいいんだよね?」

 

「ああ、ファヴに『悪い魔法少女に追われてて助けて欲しい』って言われたんだよ」

「わ、私も……です」

 

どうやら、二人とも同じらしい。

にしても、ティタ。その格好でその魔法って……。いや、私も人のことは言えないけどさ。

 

「ま、いいか。とりあえず、私たちの敵は確定してるだけでも4人。けど、そのうち脅威になり得るのは多くても二人、あとは雑魚」

 

「ふーん」「それで……何をすれば?」

 

「簡単な話だよ。敵を全員蹴散らせばいい。もちろん殺しても構わない」

 

 

魔法少女になってから、予想外のことが起こり続けているが、元の生活より何倍も楽しい。

これは、たとえ騙されているとしてもやるしかないね。

人生、楽しけりゃそれでいいんだから。

 

 

 

 

 

 

☆レプリカ

 

結局なにが正しく、なにがダメなのかよくわからない。

 

珠を、珠だけを守るべきだと、思っていた。

それが一番正しい選択なんだと。

 

それ以外の選択肢は、基本的にはダメなんだと、思っていた。

けど、珠が、()()()()()()という選択肢を、認めてくれたんだから。

その瞬間に、僕の中ではダメだった選択肢が正しくなった。

 

確かに、珠を守るのは最優先事項だった。

けど、それ以外にも、僕の意思で守りたいと思える人間----例えば、スノーホワイトとか-----を守るのも、アリなのかと思い始めてきた自分がいる。

 

正直、今でもこの選択肢に嫌悪感を抱かないかと言われたら、確かに感じてはいる。

 

けど、それ以上に、清々しい気持ちがあった。

 

こんな、僕でも一人の人間らしく、他人を守ろうと思ってもいいんだ、と。

 

改めて、僕は、もう僕ではないんだと思う。

万全ではない。

 

 

だけど、万全でないが故に、万全以上だ。

 

 

「……と、ここか」

 

とある倉庫の前に着く。

そこは、扉もシャッターも閉まっていた。

 

「エコーロケーション……」

 

音を操り、超音波で内部を探る。

すると3人の魔法少女らしき人物が確認できた。

 

「よし……殺しあう(やる)か」

 

遠くから見ているであろうマナに3人いることを伝え、4次元袋から、一つの黒い物体を取り出す。

 

閃光弾だ。

 

シャッターに珠の魔法で小さな穴を開け、その中に武器強化の魔法で強化しているそれを、力強く投げ込む。

爆破と同時に、中に突撃する。

 

まずは……

 

「ま、こうするのが一番、だよねぇ」

 

壁生成の魔法で、3人を分断する。これにより少しは時間が稼げるはずだ。

 

僕は、爆弾にする魔法を使う方を相手にすることは事前に言っておいた。

 

「………あれ?なんでこいつ生きてんの?確実に、殺したと思ったんだけど」

『魔法のせいだぽん。意識を刈り取って殺さない限り、絶対に死なないぽん』

「ふーん」

 

「サーーテト……そこの魔法少女にファヴ、ラクに、シネルと、オモウナヨ?」

「そんなこと全く思ってないしやられる気もないけどねーっ!」

 

すると、いきなり近づいてきた。

接近戦?まあ、やることは変わらないけど。

 

まずは……手を切り落とす。

 

やけに、首や顔を狙ってくる。

それを、紙一重でかわし続ける。

 

一度蹴り飛ばし距離を稼ぐ。

 

「ちっ……」

 

すると、大量の石のようなものを投げてきた。

 

確か、触れたものを爆弾に変える、だったか?

なら……

 

「触って爆発するなら……触らなけりゃいい」

 

スイムの魔法を使う。

すると、石は体を透過し後ろの床にあたり爆発していった。

 

「なっ⁉︎」

「はいっと」

「ぐっ…」

 

驚いた隙に、右手を、相手の左手首をめがけてふりおとす。手首に当たった瞬間に、刀の刃の部分に変化させたため、予定だった、手を切り落とす、の半分がいとも簡単にできた。

 

……うん、ぶっちゃけ、こいつ弱い。

 

軽くやり合った程度だけど何となくわかる。こいつ、弱い。

まあ、けど油断はしない。

 

何せまだふたり……

 

「っ⁉︎」

 

そんなことを考えていると、突如背中から吹っ飛ばされた。

いや、違う。背中に痛みは感じない。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「ニィッ、ナーーイス!」

「っ!」

 

とっさのことに、反応が遅れ、左手首を掴まれてしまう。

右足を、刃物に変化させ、右手を切り飛ばしてやろうとした瞬間、左手が爆散した。

 

「っっっっ!!!」

 

いったいなぁ!サラッと左手消しとばしてきた。

あ、人のこと言えないか。

 

更に、顔を掴んできそうだったのでバックステップで距離を取ろうとした。

 

「……」

「あれぇ、どうしたの?距離とらないの?」

 

なぜか、少しだけしか離ることができなかった。

 

「(残りの二人のうちのどっちかの魔法かな……。とりあえず、時間稼ぐか)いやぁ、離れる必要もないかなって思いまして……。あなた、それほど強くないですし」

 

「またまたー、強がっちゃってまぁ。左手消し飛んだのにねぇ」

 

「……左手?左手って()()()()()()()

 

「何って、さっき爆発させ……た……」

 

「……ん?何がです?」

 

うん、やっぱアリスの魔法便利だね。これくらいの傷なら集中させれば早く治る。

 

僕は、治した左手をあえて手前に持ってきた。するとまあ見事なリアクションをしてくれる。

 

「………で、私の左後ろにいる人?あなたですよね?私に、よくわからない魔法をかけたのは……」

 

「「⁉︎」」

 

治癒が終わった直後に音を操って敵の位置を探ると、ちょうど左後ろのコンテナ?の陰に一人いた。

もう一人は、羽菜が相手してくれているらしい。

 

「……あーあ、バレるのはや」

「ちゃんと隠れてくんないと」

「いやいや、絶対に死角に入ってたって。何らかの魔法を使われたか……外に協力者がいるか」

 

と、出てきたもう一人……ヤケに髑髏づくしな魔法少女と、目の前の魔法少女。

二人に、前後に陣取られる。

 

「で……今、私をこいつに引き寄せる魔法を使ってるのは……あなたですよね?」

 

「あーあ、だいたいバレちゃってるし。そーだよ。正解。じゃあ、ご褒美にちゃんと自己紹介してあげようか」

 

あ?なんでそんな上から目線なんだ?もしかして見くびられてる?

 

「私はマグネだ。魔法は、もう悟られているとは思うけど【物と物を磁石のようにくっつけることができる】だ。ちなみに、人間の時は殺人鬼をしてました♪」

 

「はぁ、私はゾルフ。魔法は、【好きなものを爆弾に変えられる】だ。マグネに習うと、人間の時は爆弾作って色々爆破してた」

 

「……」

 

なんだ、こいつら。バカなのか?

なぜわざわざ自分から魔法なんかをバラす。

まあ、ちゃんとした内容がわかったからよしとしようか。

 

僕の魔法は、受けたり見たりしただけでコピーはできるけど、使った際に魔法の効果の認識が間違っているととんでも無いことになる。

 

「あれ?そっちは自己紹介なし?」

「そこはしましょうよ」

 

「あなた達に……合わせる理由がないんですけど」

 

「ま、それもそーかっ!」

 

「⁉︎」

 

ゾルフが石を投げつけてきて、それを顔をそらして避ける。

すると、なぜか石が戻ってきた。

 

「……だっるい」

 

石に音の衝撃波をぶつけ、爆発させる。

 

「うーん、おかしいなぁ。ファヴから聞いた話だと魔法少女は一人一つの魔法なはずなのに」

 

と、そんなことをゾルフが言っている。

 

 

『そいつの魔法は他の魔法のコピー・ストックなんだぽん。しかも、コピーした魔法をずっと使えるようにするには元の魔法の使い手を殺さないといけないんだぽん。いま、レプリカは12種類の魔法を持ってるようなものぽん』

「………はい?」

 

ファヴの説明が、半分以上適当なのは気のせいだろうか。

 

 

「あー、そゆこと。ってか、あんた、私と同じじゃん♪殺人鬼、魔法少女なのに殺人鬼…。プフッ。あははは!これほど愉快な人間はそういない」

「まあ、愉快な人間、の部分で言えば私たちも否定できないけどね」

「それもそーか!」

 

うっせぇ……。マグネがめちゃくちゃうるせえ。

ていうかさ、ファヴ。あからさまにこっちを悪者に仕立て上げようとしてるね。

 

まあ、別にいいけども。こいつらは全員生かすつもりなんか毛頭ない。

 

それにバカみたいに喋っててくれていたおかげで……()()()()()()

 

「スゥーーーッ………珠!」

「は?」「え……きゃあっ⁉︎」

 

後ろの、マグネが突如足元にできた穴に驚き落ちる。

僕は、それと同時に壁創生をしてゾルフを囲った。

また、音の衝撃波をあたり一面に放ち、爆弾をことごとく潰した。

 

爆破の規模からして、おそらくだけど、爆弾に変えた際のその物体の質量に比例して爆破力が大きくなる感じかな?

 

「っ!」

「無駄…だね」

 

這い上がったマグネに近づくと、また体が変なとこに引き付けられそうになるが、こっちもマグネの魔法を使って、無理矢理、前へ進む。

 

そして、目の前まで近づき、迎え撃とうとしていたらしいがそれを避け、カウンターを顎に決める。

 

よし、隙を作れた。

 

僕は、遠慮なく散弾銃に変化させた右手でドクロの頭を撃ち抜いた。

 

「……?」

 

「あっぶ……なぁ」

 

けど、弾は不自然な軌道を描いて別の場所に飛んでいった。

 

……ああ、魔法を使えばできるか。

 

しくじった。ゼロ距離で撃つべきだったか?

まあいい。なら

 

もっと意外性のある方法で行こうか。

 

僕は、右手を刀に変化させた。

それを見たドクロは、フラつきながらも構えた。

 

 

それを見て、僕は()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

それに、ドクロが驚きの顔をする。

まあ、それもそうか。

誰だって、自分の腕を、自ら切り落とす奴なんていない。

 

「っ⁉︎」

 

切り落とした腕を持ち、切り口をドクロの目に向かって振る。

すると、飛び出た血が目に付着した。血の目隠しだ。

 

また、腕を振ったのと同時に今度はさっきコピーしたばかりのゾルフの魔法を使う。

番号は、多分12。ドクロ野郎の魔法が13だろう。

 

そして、その予想も命中していた。

 

爆弾に変化させた左腕をドクロの顔にぶつける。

ドクロの魔法により動かされなかったのは、おそらくは見えていないからだろう。

 

 

ドクロ野郎の顔に当たった腕は、ハデに爆発をした。

 

 

「ふぅ…一人終わり」

 

左腕を治しながら爆煙が晴れるのを待つと、そこには顔の欠けた一人の人間がいた。

もう息もしていないだろう。

 

後ろを見ると、やっと出て来たのかゾルフがいた。

壁の破壊にどれだけ手間取っているのやら。

 

……いや、あの魔法の壁をいとも簡単に壊してたクラムベリーさんがチートなのか。

 

まあ、あと一人だ。

あとの一人は羽菜がやってくれているだろうから別にいい。

 

あとは、こいつを殺すだけだ。

 

珠は、穴を開けて不意打ちしたらすぐに戦線離脱するよう伝えてあるから、もういないだろう。

というか、いてもらったら困るけど。

 

にしても……

 

「あなた方……弱いですね。期待外れというか…なんというか……」

 

相手の弱さに、がっかりしている自分がいる。

なんでだろうか。

クラムベリーさんの影響か?

 

「弱いってさ、私も入ってんの?」

 

ゾルフが聞いてくる。

 

「ええ…そうですよ。思った以上に、弱いです」

 

「へぇ…」

 

ピキピキ、と音を立てそうな雰囲気でひたいに青筋を浮かべているように見える。

どうやら、沸点は低いらしいね。

どっかのカラミティナンタラとおんなじだ。

 

「さてと……あなたみたいな雑魚に構ってる余裕はないので……さっさと死んでもらいますね」

「やれるものな……ら?」

 

地面を蹴ると同時に足元で音を爆発させ、その推進力をつかい、猛スピードで突撃する。右手を刀に変化させ、首を貫いた。

 

ゾルフの口から鮮血が溢れ出てくる。

 

「ほら……やっぱり弱い…。これくらいを避けれないんだから…」

 

「こ……のぉ!」

 

けど、まだ抵抗する地下はあったようで、一度刀を引き抜き掴まれる前に距離を取る

 

あとは、放っておいても死ぬだろうけど、そんなこと思うと、大概やりきれてない。

だから、ちゃんとトドメを刺そうか。

 

足元する安定していないゾルフに近づき、そこらへんにあった、そこそこ大きい瓦礫を掴む。

 

「んじゃあ……ゾルク……だっけ?最後は……君の魔法で殺してあげるよ……。自分の魔法によって死ぬなんて、どんな気持ちなんだろうね?」

 

言っている最中に、倒れたが、目から怒り狂っているのはわかった。

絶対に殺してやる、って目でこっちを見ていた。

 

「じゃあね…………えーと、誰だっけ?まあいいや」

 

 

僕は、瓦礫に目の前に倒れている魔法少女の魔法を使い、顔めがけて力一杯投げつけた。

ぐしゃっと言う音と同時に、盛大な爆発音が鳴り響いた。

 

 

 

 

 

 

 

色々と、落ち着けたあと、僕は死体を漁って、マスター用端末を探し出した。

 

『レ、レプリカ?ちょっと話が……』

 

機械から声が聞こえるのは気のせいだろう。

ぽん、ぽんって何度も連呼されている気がするけど気のせいだ。きっとただの朝のアラームか何かだ。

壊したところで誰にも被害はいかないだろう。

 

まあ、その前に一応羽菜達に断りを入れないといけない。

ちゃんと、改めて了承を得てから壊そう。

僕は、待っているであろうマナや羽菜、珠達のところに行く。

 

 

『お願いぽん!ファヴはまだ…………

 

 

死にたくないぽん!』

 

 

 

 

 

〜集合場所にて〜

 

「……ほんとに、捉えたんですね……」

「ええ、割とすぐに降伏してくれて助かったわ」

 

どうやら、3人のうち僕とやらなかった一人は生きていたらしい。

羽菜によって捕らえられていたが、泣き崩れている。

 

こんなの聞いていない、とか色々と嘆いているが、まあどうでもいいか。

 

「あなたの方はどうなったの?」

 

「マスター用端末は…回収してます。後の二人は……()()()()()()()()()()()()()()()始末しました」

 

まあ、嘘だけども。

 

「うん、わかったわ。私たちは、この子から事情を聞いて、ファヴに騙されてたってことがわかったから、この子たちは監視をつけた上で解放するってことになったわ」

 

「……まあ、そこに関しては私はどうでもいいですが……。あ、珠。ありがとうね。多分、珠がやってくれなかったらもっとめんどくさいことになってた」

 

「う、うん!」

 

珠がすごい嬉しそうな顔で頷く。あ、やばい。キス(あのこと)があったせいかまともに顔見れない。

 

「……で、あなた達も襲われたんですね…」

「ふん、これくらい大したことない」

 

マナの周りや、リップル達も多少血を被っていた。

 

 

閑話休題

 

 

「で、こいつは……私の好きにしていいんですよね?」

 

「うん、構わないよ」「むしろ派手にぶっ壊してやれ」

と、羽菜とマナからも許可を改めてもらった。

僕は、地面に端末を置き、スイムの持っていた武器-----ルーラを持つ。

武器の名前に気づいたのはさっき取り出した時に刻印があったからだ。

 

やっぱり、僕とスイムスイムは似た者同士らしいな。

本当に、こんな出会いをしなかったらラ・ピュセルのような友達になりそうだったのにね。

 

『お願いだから待ってくれぽん!』

 

よくわからない虫のようなものが鳴いているのは気にせずに行く。

 

「珠……スノーホワイト…アリス……リップル、何かあれば今のうちに……」

 

「私は特に何も……」「……」

 

リップルが答え、アリスは横に首を振った。

 

「「あ、私は一つ聞きたいことが…」」

 

と、珠とスノーホワイトの声がぴったり重なる。

 

『スノーホワイト!たま!お願いぽん。二人からも何か言ってくれぽん!』

 

「す、スノーホワイトから…どうぞ…」

「うん、ありかわとう……。ねえ、ファヴ。なんでこんなことしたの?」

 

『え?えーと…それは……』

 

「なんで……なんでそうちゃんが死なないといけなかったの…?死ぬところを見てたんだよね?そうちゃんの死のこと、犠牲って言ってたんだから…。どんな気持ちで見てたの?答えて」

 

『……』

 

「……うん、答えれないならいい。答えてくれたら少しは弁明してあげようかと思ったけど。たま、いいよ」

「あ、いや……私も、スノーホワイトと同じような内容だったから…」

 

「うん、わかった……。じゃあ、もう壊すね」

 

『ま、待ってくれぽん!わかった!話すから!』

 

と、僕が構えた瞬間、また喚き始めた。

うっとおしいな。さっさと潰されろよ。

 

『……ファヴは、もともと【魔法の国】の選抜試験が退屈だっただけなんだぽん。そんなとき、ある事件が起きて、受験生一人を除いて、監督含めて全員死んだんだぽん。それで、そいつを合格者として、マスターになってもらったんだぽん。

そいつは、強者を求めていた。ファヴは、退屈しのぎをしたかった。それで利害の一致がしたんだぽん。それで、従来の、生ぬるい試験をやめて、殺し合いを仕向けるようにしてたんだぽん。

 

……けどまぁ、ラ・ピュセルとかトップスピード、スイムの死に様には正直笑ったぽん。

あれだけ、生きる生きるって言ってたやつが、あっさりと死んで行く様は見ものだったぽん。

 

もう少しちゃんと頭を働かせさせすれば死なずに済んだかもしれないのに……。

ま、ファヴとしては楽しめたから結果オーライだぽん』

 

スノーホワイトも、僕も、珠も、リップルも、アリスも、マナも、羽菜も、怒りを浮かべていた。

 

ていうか、本当にバカだろ。なぜ自分から爆薬投下したのかな?本当に死をお望みなのかな?

 

あ、違うか。スノーホワイトの魔法があるから正直に言わざるを得ないのか

 

『は、話したぽん。だから……』

 

僕は薙刀(ルーラ)を高く構える。

 

『え⁉︎ちょ、ちょっと待ってくれぽん!話がちが…』

 

「よく周りを見ろよ。クソマスコット。誰一人、お前を生かそうって考えてるやつはいないってことに。じゃあな、マスコット」

 

『まっ……』

 

ガシャアン!

 

薙刀は、あっさりと、マスター用端末を真っ二つにした。

すると、同時にファヴの映像が乱れ、最後には消えた。

 

「はぁ……これで、やっと終わった……」

 

 

 

 

…-いや、違う。まだ()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜数ヶ月後〜

 

完全無課金を謳い文句にしていたソーシャルゲーム、魔法少女育成計画は、突如サービス停止になった。

 

多くのプレイヤーから不満が殺到したが、その波も数ヶ月経つ頃には消えていた。

 

そして、N市では……

 

 

2()()()魔法少女が、よく目撃されていた。

 

 

1人は、忍者のようで、片腕がなく隻眼。

もう1人は、犬を大きくしたような。いや、擬人化と言われることの方が多い。

 

そんな2人の魔法少女がよく目撃されていた。

 

逆に、銀の魔法少女は、目撃情報が全くと言っていいほどなくなり、逆に白い魔法少女は世界中様々なところで目撃されていた。

 

 

 

 

 

☆たま

 

「「…」」

「きたね」

 

スノーホワイトとラ・ピュセルが、よく集合していた鉄塔に、3人の魔法少女が集まった。

 

私に、リップル。

そして、()()()()()()()

 

「たまは、頑張ってるんだね。あとスノーホワイト。魔法の国がメール送ったはずなんだけど見た?」

 

「ううん。見る前に消しちゃったから」

 

「だろうね。担当地域以外での活動を慎んでくれだってさ」

 

「……やめないよ」

 

「そういうと思った」

 

「小さな親切だけじゃ…何も変わらない。見てるだけじゃ何も動かない。じゃあ、リップル、お願い」

「お願いします」

 

スノーホワイトに続き、私もお願いをする。

 

「……強いだけが、魔法少女じゃない。私はそう思うんだけど」

 

「もう後悔はしたくない。後悔する前に自分で選びたいから」

 

スノーホワイトが、リップルの問いに即答する。

リップルに見られる。

スノーホワイトにもみられる。

 

「私は……もう、2度と、自分の弱さのせいで、大事な人に、辛いことを背負わせたくない。だからこそ、強くなりたい。もちろん、戦うのは怖いです。相手を殺すのも、怖いです。でも……

 

怖がったせいで、大切な人や、私の周りの人が苦しむのは、もっと怖いんです。それに、大切な人が、()()()()()()()()()()()()大切な人が帰ってきてくれたときに、私1人でも大丈夫だって、安心させてあげたい……。って、なんか変なこと言っちゃった。名前も、顔もわからないのに…」

 

私の記憶には、大切ななにかがポッカリと抜けたような感じだった。

それはスノーホワイトやリップルも同じなのかはわからない。

けどなにか確実に忘れていることはわかる。

 

でも、だからこそ、思い出したときに、悲しませないよう、強くありたい。

 

「うん、わかった……そういえば、アリスの居場所知ってる?」

 

「わ、私はわからないです…」

「私は聞いてるよ。【魔法の国】が行ってる試験がちゃんと行われているかどうかの捜査をしてるって」

 

「そう……。話がずれたね。それじゃあ始めようか」

「うん」「はい!」

 

と、私、リップル、スノーホワイトの3人で、今日も戦闘訓練が始まった。

 

 

 

 

 

 

☆ミヤビ

 

僕は、殺し合いが幕を閉じたあと、クラムベリーさんにより紹介された『魔王パム』の元を訪れた。

理由としては、個人的にさらに強くなっておきたいのもあり、魔法の国からも、もっと強くなれ、と言われたからだ。

 

正直、もう自ら戦うというのはしたくなかった。なぜなら、ぼくは戦うこととなると大抵加減できずに相手を殺してしまうことが多いから。それに、力は珠を守るために使おうと思っていたから。ひっそりと、見えない場所で珠やスノーホワイトの手助けをしようと考えていた。けど、あんな()()()()を出されたんじゃどうしようもない。

 

 

(……魔法の国から許可がおりた。その代わり、お前は魔法の国、荒事専用の切り札として扱えるようになるまで強くなれ。その代わり監視などはすべて免除とする、とのことだ。要は、お前を駒として扱いたいんだとさ。相変わらず【魔法の国】は馬鹿げている)

 

 

まあ、僕を駒として使って、その代わりにたま()の身の安全が保障されるなら安いものだろう。

 

その代わり、魔王パムクラスになれ、というとてつもない難易度のものを課されたが。

 

正直、魔王は強いとか、そんなレベルじゃない。文字通り、魔王のようだった

クラムベリーさんクラスが5人くらい同時に襲いかかってきているようなものだ。

 

魔法のコピーもして見たが無駄に終わったし。

けど、毎日、通い詰めてバカみたいに特訓した努力が報われたのか、気づけば魔王パムに教えられている魔法少女の中----確か、魔王塾、だったかな?その中では敵無しになった。気づくと、結構広いところで名前を知られるようになった。

 

……まあ、魔王と1vs1でやると負けまくりだけど。

20回やって1回勝てばいい方だ。ほんとに、あれは人外並みだ。あ、いや人外だった。

 

 

と、まあ僕の身の回りはこんな感じでいいだろう。あ、ちなみに顔バレすると面倒なことが多いので基本的に姿は変えております。はい。

 

 

 

「にしても……通り過ぎるのがダメで墓参りは許されるって……未だに基準がよくわからんね」

 

今は、ラ・ピュセル-----岸辺颯太の墓の前だ。

1ヶ月に1回、欠かさず来ている。

 

もう日課のようなものだ。

 

珠たち?もちろん会わないよう最新の注意を払ってますよ。

 

そして、今日も線香と花を添えて、手を合わせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜さらに数ヶ月後〜

 

☆珠

 

私は、今日の分の人助けしてを終え、【魔法の国】の管理下にあるホテルに来た。

 

私は、事情で家がない。

そのことを相談したら、ここを紹介された。

 

基本的に何をしてもタダ。

とても嬉しいことだった。

 

ベットで寝れてご飯もちゃんと食べれて。

 

なのに、私の心の中にはいつも穴が空いている。

 

何をしても、決して埋まらない穴が。

原因は、よくわかっていない。

 

多分、顔も名前もわからない『誰か』が原因なんだろう。

 

「本当に……誰なんだろうな」

 

ぐぅぅぅーー

 

 

「………/////」

 

 

と、とりあけずご飯を食べに……。

 

 

 

 

 

あれから、目の前で人が死ぬところとかも、たくさん見て来た。けど、未だに【死】というものには慣れない。

 

いや、慣れちゃいけない。慣れたら、人としてダメになる。

 

でも、悪いことばかりかと言えばそうでもない。

 

人を助けて、ありがとうと言われる、それが何より嬉しい。

だからこそ、私は魔法少女を続けられる。

 

何度も、助けられなかったことに嘆いた。泣いた。

けど、それでも続けなければいけない気がしていた。

 

それに、先ほど述べた通り、みんなに感謝される、それだけで私は続けられた。

 

きっと、大事な人も帰って来てくれると信じれた。

 

「それにしても…相変わらずここのご飯美味しい〜。ほっぺ落ちそう」

 

「………さい!ここは関係者以外立ち入り禁止で……」

「あーもう、うるさい……。君ら、私を知らないの…?」

「なにを…」

 

と、ここを管理している人が誰かと言い争っている。

次第に、声が大きくなっていった。

多分、こっちに来ているのかな?

 

管理人さんは、目の前の人が、少し変なそぶりをした瞬間、いきなり姿勢を正した。

 

「うん……よろしい。って、そうじゃなくて、気楽にしてればいいよ…。世代的には、私の方が後輩に当たるんですから……」

「は、はいっ!」

「だから……」

 

と、言い争っていた相手が、こっちに気づいた。

 

第一人称は、不健康そうな人。だった。

だから、思わず警戒してしまった。

 

「……久しぶり、珠」

 

 

……え?

 

 

「まあ、警戒されるのはしょうがないか…。記憶がないんだもんね……。ごめんね、変なこと言っちゃって…。じゃあ、私のことは忘れて……」

 

と、どこか悲しそうな顔をしながら去っていく。

なんだろう。あの人は、()()()()()()()()()()()

 

いや、そんなものじゃない。

 

()()()()()()()()()()()()()()

 

「あ、あのっ…!」

 

私の体は、気づいたら去っていく人を追いかけていた。

 

「……ん?どうしたの…?」

 

目の前の、スノーホワイトを()()にしたようなひとが振り返ってこっちを見る。

 

 

 

 

「……ミヤビちゃん?」

 

 

 

 

 

半端無意識に、その名前を呼んだ。

 

「……っ⁉︎」

 

銀色のひとが、息を詰まらせた。

 

それにより、さらに確信していった。

この人が、大事な人だと。

 

「な、なんで……記憶は、ないはず……」

 

「…なんとなく……かな?」

 

「っ⁉︎〜〜〜……!」

 

目の前の人が、だんだん泣きそうになっていく顔を見ながら、私は、ポッカリと空いていた穴がだんだん埋まっていく感覚がした。

 

記憶も、だんだんと戻って来ていた。

 

 

 

 

 

そうだ、なんで忘れていたんだろう。

世界で一番大切で、大好きで、かっこいい人のことを。

 

 

 

 

 

「〜〜〜………!ミヤビちゃんミヤビちゃんミヤビちゃん!」

 

私は、またみっともなく泣きながら、周りに人がいるのに抱きついてしまった。




はい、どうでしたか?

ようやく、一区切りついたという感じですかね。

さて、不明な点が何点か出て来たと思いますが、そこは考察をして欲しいと思っています。

にしても、本来考えてたものとだいぶ変わってしまいました。
始めた当初、生き残るのはリップル、スノーホワイト+オリ主、珠、クラムベリーの予定でした。

けど、気づくとこうなってました。
本当に自分の思考回路はイミフです。


それでは、読んでくださり有難うございます!

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