魔法少女育成計画 己の大切な人を生かしたい   作:紀野感無

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今回は、リスタート編の続き+後書きの場でおまけがあります。

それではどうぞ。


6話

「……」

 

見張りというのは、二番目に神経を使うことだと思う。

眠らずに、周りにずっと気を配ってるんだから。

 

一番目?そんなもの決まってますよ。珠に……

 

 

 

(以下数時間に及ぶため割愛)

 

 

 

「納得いかん」

 

まあ。何に納得いかないかは察してくださいよ。

 

「…毎回、意味わかんないくらい私の周りにモンスター湧くね。どういったゲームバランスなんだか……」

 

さて、見張りを始めてから5回目のモンスターポップアップしました。

小鬼が6〜7匹くらいで湧いてきた。

 

そして目の前にいた私と、私から離れている奴はあろうことか珠を狙おうとしていた。

 

けど、私がそれを真っ先に潰しにかかると、小鬼のリーダー的な奴が私を囲いに来た。

けどまぁ、別に警戒するような敵じゃない。

骸骨よりかは強いけど、それでも雑魚だ。

 

面倒だったから、思いっきり走り回ってその勢いでどんどんと小鬼の頭を潰していく。

 

それが終わると、キャンディーがまた溜まっていた。

 

「3万ねぇ…こんなにも使わないんだけど」

 

武器防具はぶっちゃけいらないし、回復アイテムもいらない。

その他のアイテムは攻略するのに必須みたいになってるけどそこまで高額じゃない。

 

要は、宝の持ち腐れ、とかいう感じになってる。

けど万が一があるから持ってるに越したことはない。

 

「ふぁぁ……。眠…」

 

この人間としての基本的な欲求は本当にいらない。

 

眠気が再来して来たから、()()自分の左腕を折る。

 

「っ…あー、目ぇ覚める」

 

痛みにより無理やり頭を覚醒させ、アリスの魔法を…

 

「あ、あのっ!だ、大丈夫なんですか⁉︎」

 

使って治そうとすると後ろから声がかけられる。

そこにはペチカがいた。

 

「あー、うん。大丈夫」

 

「だ、大丈夫じゃ…それ、折れて…。モンスターにやられたんですか⁉︎」

 

「いいや、ちがう。自分で……やったものだから、大丈夫」

 

「でも……むぐっ…」

 

「いいから…黙って見てて……」

 

慌てふためくペチカの口を右手で塞ぎ折った左腕を目の前に持って来て魔法を使い、完治させる。

 

「ほら…。この程度なら、すぐに治る…」

 

「ケホッ…そ、そうなんですか…」

 

「で、ペチカ。なんで起きてるの…?見張りは、私がやるって言ったと思うんだけど…」

 

「え⁉︎え、えーと…その……」

 

すると、ペチカは口籠った。

 

「そ、その。レプリカさんに。お、お礼をしようと、思って……」

 

「お礼?」

 

「は、はい…」

 

聞き間違いだろうか?この目の前の魔法少女は私にお礼をすると言ったのだろうか。

 

「改めて、初めてこのゲームに参加した日に、助けてくれたことも含めて、お礼をしたいと思って……」

 

「……?」

 

初日?私なんかしたっけ?

 

「何も…覚えがないんだけど……」

 

「た、助けてくれました。それに、今回の事でも、私を見捨てないでくれて……。それで、その…これを……」

 

と、ペチカにスープが入ったお椀を渡された。

 

「わ、私の魔法で作ったんです。味は…皆さんの折り紙つきです」

 

「…まぁ、もらえるのならもらっておく」

 

と、ペチカからお椀を受け取ると、ペチカは小さく、よかった、といい安堵していた。

 

いったい私にどんなイメージを持っているのやら。

そんなことを思いながら一口飲む。

 

「ど、どうですか…?」

 

「…ナニコレ、何をどうやったらこんな美味いの作れるの…」

 

本当に、なんの冗談でもなく、意味わからんくらい美味しかった。

珠にも食べさせてあげたい。

 

「うん…どうも、ご馳走さま」

 

「い、いえ…」

 

なんで照れてんの?

 

「……そうだね、ちょっと、端末を貸して…」

 

「え?は、はい」

 

ペチカから端末を借り、そこにマジカルキャンディーを5000個とガチャをやりまくって当たった鍋やら色々な調理器具を送る。ガチャにはレアアイテムあるとか言うくせして日常用品しか当たらんのはどう言うことだ。

 

その端末を返すと、ペチカは目を点にしながら私と端末を見て、その後に面白いくらい慌てふためいた。

 

「こんな…」

 

「いいから、どうせ私は使わない……。このまま私が持っておくよりかは君が持っておいた方がいい…。…ああ、また湧いて来た…。ああ、もう。めんどくさいな」

 

ペチカの言ってることを右から左に聞き流しながら周りを警戒していると、また小鬼が湧いた。

 

「ていうか、本当に私の周りにだけやたらと湧くように設定でもされてんの…?まあ、いいんだけど…」

 

「あ、あの…私は」

 

「ペチカは黙って見てて…。これは私の仕事」

 

そう言うと同時にまず真っ先にリーダー格を潰しに行った。

何回かやってわかったけど、リーダーを潰さないと、ちょっとだけめんどくさい。

 

「……これ、ネズ公を叩きのめさなくても私といれば勝手に貯まるんじゃ…。まあ、いいや」

 

2分くらいかけて、小鬼を潰し終える。

 

「(にしても……いつまで()()()()()()んだろうね。まぁ、いいんだけど…)」

 

 

 

 

 

〜翌日(さっきの出来事の4時間後)〜

 

 

 

「……眠い」

「だ、大丈夫?」

「うん」

 

見張られてるせいで、ずっと神経を張り詰めておく羽目になり、結果としていつも通りになった。

多分だけど誰かは見当はついてる。けどまぁ、わざわざ止めるのもめんどくさいし、ほっといてもいいかな。

 

「…ああ、珠」

「?」

「朝ごはん、食べてないならペチカに頼んで見たら?ものすっごい美味しいよ」

「え?そうなの?」

「うん」

 

本当に、神の料理とか言いたいくらいの旨さでしたわ。

だから、今後自分でいつでも好きな時に出せるようにコピーさせてもらった。

 

「ミヤビちゃんはどうするの?」

 

「私は…引き続き見張り…。万が一が…あるからね。だから、安心して食べてきて…」

 

「うんっ、あとでミヤビちゃんにも持って来てあげるね!」

 

そう言って珠はペチカ達の方に行った。

 

「…今日、あのネズ公を潰すって約束だけど…、殺さずに、かぁ……。難しいな」

 

心をへし折るだけなら、とある魔法を使えば楽なんだけど。どうせそんなものを使わなくても最悪の場合殺せばいい、って考えだったから持って来てないんだよね。

 

「……まぁ、そんなことを考えたところでしょうがないか…」

 

また無心で辺りを警戒する。

みんながご飯を食べ終わるまでのだいたい2時間くらい、ずっと起きようとしてたけど、睡眠欲には勝てず、10分ほど寝てしまった。

 

しかも、集まって来た全員に寝顔を見られると言うおまけ付きだった。

穴があったら入りたい、とはあのことを言うのかと思ったよ。

 

 

 

 

 

 

〜チェルナーマウスの場所〜

 

「……相変わらず図体だけでかい…」

 

ネズ公の居場所はすぐにわかった。

40メートルくらいのネズミなんてあいつくらいだ。

 

念のためその他全員は私から後ろ10メートルくらいまで離れるようにしてもらったけど、50メートルくらいにしてもらったほうがよかったかな?

 

「……これくらい、かな?」

 

ネズミが気づきそうな距離かつ、すぐさま反撃を受けないような距離……だいたい20メートルくらい離れたところでネズミに近づくのをやめる。

 

話し合いに応じてくれたら早いんだけど、私の直感的に言うと絶対に応じてこない。

まあ、そうなった時は

 

 

 

単なる害獣駆除になるだけだ。

 

 

珠とスノーホワイト以外は、どうなろうが、私には知ったことじゃない。

 

 

 

 

 

〜2分後〜

 

「…やっぱり、ただ図体でかいだけの木偶の坊だ。こいつ」

 

ん?今は40メートルサイズのネズミ相手にしてますよ。

会話?そんなもの開始1分くらいで終わったよ。

 

珠を『そんな足手まといを守ってるなんて〜』って馬鹿にして来たので私がブチ切れた。そっから記憶が1分くらいない。

けど私は悪くない。

 

その後はネズ公とか珠とかペチカが何か言ってたけど、とりあえず全力のスピードでネズミの腹に突っ込んだ。

流石に吹っ飛ばせるまではいかなかったけど、僅かに後退させたしダメージも与えれた。

 

ネズミがブチ切れて、がむしゃらに攻撃をして来たので、全力で避けてた。

けど、あまりにもノロいので途中からはスピードをセーブした。

 

「よっ…」「ああっ!!!」

 

ネズミの懐に潜り込み、体を駆け上がり、顔に到着して、ためらいなく右目を潰す。

 

「うおぉ…っと」

 

ネズミが痛みのあまりに体を振り回しまくる。振り落とされないように、手をネズミの肩の部分にねじ込み、体を固定する。

 

 

実はと言うと、私はこのネズミの魔法も使ってる。

攻撃する瞬間にのみだけど、手を少し大きくしたりしてる。使い方的には、ミナエルの魔法の【人以外のなんにでもなれるよ】に似ている。

 

 

叩き潰されそうだったからスイムスイムの魔法を使ってネズミの体の中に潜った。

慌てふためいているネズミの耳の下あたりから外に出て肩に降りてる最中に全力でほおを蹴った。4〜5メートルくらいの大きさにした足でね。

 

「まーだ、抵抗……するんだ」

 

ネズミはもがきながら私を潰そうとして、私はまたネズミの中に潜る、を繰り返した。

 

何か所も、抉って、殴って、蹴って

 

一方的にやってて、ネズミが弱音を吐きかけた頃に、事態は変わった。

 

「ストーップ!ストーップ!やりすぎっすよ!」

 

突然、目の前に宝石が投げ込まれたかと思うと、別の魔法少女が現れた。

 

「もう十分っす!チェルっちも、無理せずに!」

「でもでも……」

「とりあえず、2人とも矛を収めて。チェルっちも、治療するから魔法を解いてくれっす」

 

と、青いワンピースに白い毛のマントを羽織って白黒ストライプの尻尾を生やした魔法少女になだめられながらネズミは魔法を解き、私たちと同じくらいのサイズになった。

 

「ほら、回復薬っす」

「あ、ありがとぅ…」

 

と、気づいたらネズミに与えてたダメージの半分以上が回復していた。

 

「チェルっち、この人は戦う相手じゃねーです。それに、荷が重すぎる」

「んだ」

 

と、()()()()()()()()()()()()()()()魔法少女らしき声が何もない虚空の空間から響いてきた。

 

「〜〜〜〜〜……」

「大事な仲間だから、君1人が無理をしなくてもいい、だそうです」

 

「……で、私たちは狩場に入ってもいいんです?」

 

「〜〜〜〜………」

「はい、いいっすよ、と言ってます。というか、やりすぎじゃないです?」

 

「そこのネズミが会話をしようとしないのが悪い…。それに、そんなことを命じたあんたらも悪い……。要は、私に喧嘩を売ろうって考え自体が悪い…。それに、私からしたら、こんなものはまだ可愛いものですよ…。死んでないだけマシ、ですよ……」

 

ネズミを見ると、恐怖で声を漏らしながら青い魔法少女の後ろに姿を隠した。

 

「まあ、てことで今後は私とあそこにいるコックのような人と犬のような人の()()には、手出しをしないでくださいね…。もしまたやるようなら…次は殺すしますから。それじゃあ、さよな…」

 

 

ピロリン♪

 

 

珠たちのところに戻ろうとすると、魔法の端末から、いつものファルが出てくるときになる音がなった。

 

『皆さん、緊急かつ重要なお知らせがございますぽん。少し早いですが荒野の街に強制ワープさせていただきますぽん』

 

 

 

 

 

〜荒野の街〜

 

気づくと、また全ての魔法少女が集められていた。

噴水のところで、ファルが何かを言ってる。

 

『この度、ファルとマスターの間による情報の食い違いがあったことが判明したぽん。まずはそのことを謝罪させていただきますぽん。ダメージフィードバックの県についでですぽん。大まかには変わっていません。多少、怪我を負っても、現実には一切ダメージは入りませんぽん。ですが死んだときにのみ、多大な負荷が現実の体にもかかりますぽん』

 

と、その辺りで私を除く全員がザワザワし始めた。

 

『つまりは、死を意味しますぽん』

 

誰かに質問をされ、それにファルが返すと、前見たことあるような光景になった。

 

みんなが、そのことについてファルを責めている。

けどまぁ、この辺りからは聞いてても退屈だったから噴水のところに寄りかかって目をつぶってた。

 

『このゲームを終わらせるしか、方法はないぽん。みんなで力を合わせて、【魔王】を討ち取ってくださいぽん』

 

「…魔王?」

 

けど、1つだけ気になったことが出てきた。

 

『他に質問はないかぽん?ないなら……はい、レプリカ、何ですぽん?』

 

「魔王って……誰のこと?私たちの中の誰かのこと…?それとも、魔王、っていうモンスターのこと?それとも、【魔王パム】のこと?」

 

『それに関してはゲームを進めていけばわかりますぽん。今は申し訳ないけど、お答えできないぽん。すまないぽん』

 

「…ですよね」

 

『さて、もうないようなのでファルは失礼するぽん』

 

そう言ってファルは消えて言った。

どうせ、やることもないから、と眠りについた。

 

 

「聞いて欲しいことがある!!』

 

 

でも、プフレのでかい声によって起こされた。

 




おまけ編

【追想】

「颯太……僕は、もう疲れたよ。

毎日毎日、あれをしろこれをしろ、命令を聞かないなら封印する、って脅されて、()()をさせられて、全部僕が罪を被ることになって、いろんな魔法少女に命を狙われて、それでいて珠には会うことすら許されない。
……まあ、会えないのはしょうがないんだけど……。

最初こそ、スノーホワイトと一緒に、颯太のお願いの通りに、珠と同じくらいの大切な存在だと思って、手を貸していたけど、スノーホワイトもいまや僕を狙う魔法少女の一人だ。

それでも、僕は君との約束を守りたい、と心のどこかで思ってる自分がいる。

…最初は、魔王パムの元で鍛えられていた……いや、ボコられてたのも、強くなって、珠とスノーホワイトの力になれたら、という思いと、影ながら守れるように、って思いがあったけど、いまはその感情をはっきりと肯定ができない。

だって、守ろうと思って強くなった力を、ずっと悪用され続ける。それ自体は何でもないけど、僕は……

いつか、珠を敵に回してしまいそうで……とてつもなく、怖い。
いつか、珠を手にかけてしまいそうで……怖い。
そんな考えに及ぶ自分自身が……怖い。

ねえ、信じられるかい?いま魔法の国の人事部ってところに所属してる魔法少女6〜7人にね、とある条件を飲む代わりに制約……いや、()()()()()()()()()

逆らうたびにね、昔の記憶が消えていく、そんな呪いをね。

激痛が走る程度だと僕は止められない、と判断したからだとか。
外す方法も、わからない。魔法に対しては、魔法しか意味がないというから、今はその方法を裏で探しながら面では着々と命令をこなす日々だよ。
そんな生活にね……もう疲れたんだ。

でも、…珠を守るため、って割り切ればね、何とかなるんだ。不思議だよね。今はね、次第にこう思ってるんだ。
犬吠埼珠(あのこ)を守るためなら、悪の道でも何でもやってやろう、って。

ていうか、そうでもしないと、やってられない。
実は、さっき怖いと言ったけど、本当は、違う。いや、違わないけど、それ以上に怖いことがある。

やっぱり、僕にとっての珠は、人生と同じで、大事な人で、何を差し置いても、一番にくる子で、その子に殺されるというのなら、何も抵抗をせずに受け入れる。

本当に怖いのはね……珠がその後に他の魔法少女に狙われるかもしれない、ってことや、私が死んだってことにあの子が耐えられるのか、その後にどうなるかってこと。

きっと珠のことだから、私を殺してしまったり、死んだことを聞いたときに、ひどく取り乱す。
そこにつけこんで、プフレみたいな、そんなクズが珠を利用するんじゃないか、ってことが、とてつもなく心配なんだよね。
珠の魔法は、使いようによっては、どんな魔法よりも人を殺しやすい。

あの子は、人殺しなんてものは嫌いで、血を見るのもダメだったから。そんな生活になってしまったときに、壊れてしまうんじゃないかってとても心配なんだ。

だから……ラ・ピュセル。珠のことを…スノーホワイトと一緒で構わないから、見守ってて欲しいんだ。今日は、そのお願いに…きたんだ。……どうやら、客が来たみたいだから、そろそろ僕は失礼するよ。それじゃあ、またね。ラ・ピュセル。岸辺颯太。思考回路がおかしいから、少し話が繋がってないかもしれないけど、許してね。今の僕は……昔の僕以上に、()()()()()

一通り話終わった後、僕はラ・ピュセル----岸辺颯太----の墓の前から立ち上がり、終わる2分くらい前から横にいた、白い魔法少女と向き合う。

あの殺し合いの後も、何回も相まみえていて、なんども、忠告をした、白い魔法少女と、少し離れた場所で

()()

戦闘を、開始した。

レプリカについて(本編には全く影響しません)

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