魔法少女育成計画 己の大切な人を生かしたい   作:紀野感無

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さて、魔王戦第二ラウンド。
他の魔法少女たちはどうなるのか。

レプリカ、珠たちの運命やいかに



それではどうぞ


26話

☆レプリカ

 

…死んだのは、動物使い(御世方那子)に…人形使い(リオネッタ)も死んだか。あとは…探偵風(ディティック・ベル)のやつもか。

意外だね。

もっと死ぬもんだと思っていた。

でもそれくらいの損害で羽を二枚確実に潰せたのは大きい。

 

「やれやれだ。私の計算としてはもうちょっと潰す予定だったんだがな。特にプフレの奴は生かしておいては危険だからな。だが全員の練度、死への覚悟などが格段に洗練されていた。予定が大幅に狂ってしまったよ。全く」

 

「…私として意外だったのが、チビメイドが生きていることですよ。あんな速攻死にそうな、小心者で弱虫が、生き残るのが不思議です」

 

「チビメイド……ああ、のっこちゃんとかいうのかな?まあ…あれは、な。うん、まあいいだろう。さて、周りが集結する前にもっとお前との戦闘を楽しまないとな」

 

「…集結もなにも、するつもりもないですよ。師匠、私に集団戦なんて無理なことは、知ってるでしょう?だから…こうしましょう」

 

私は魔法の壁を作り出す魔法…ヴェス・ウィンタープリズンの魔法で一辺が数百メートルの箱を、私と師匠が入るように囲う。その上で材質を変形させるものを使いダイヤモンド並みの硬さに。そこから物質強化の魔法で更に硬くした。

 

「これで互いにどちらかが死ぬまでできます。さぁ…思う存分、()りあいましょう?」

 

そうレプリカは笑って言う。

 

 

「ああ、さっきよりかは動きが幾分制限を食らうが、まあこの程度のハンデはちょうどいいだろう。お前も使う魔法が幾分か絞られるからな」

 

「はっ…部屋を囲った程度がハンデになるなら私はあなたを倒すのに苦労してませんよ。これでも珠の身の安全と引き換えに、貴女を倒せるようになれ、と言われていたものでね。倒す為に出来ることならなんでもしたものですよ」

 

「そういえばそんなこともあったな。森の音楽家クラムベリーが推薦しただけはある、と確か思っていたような気がするな。お前の戦闘の才能…いや、殺し合いの才能だな。それが他と頭一つ抜けているのは直ぐに見抜けた。私が輩出してきたどの魔法少女よりも、お前は才能がある」

 

「らしい、ですね。…さて、そろそろ無駄話はこの辺にして、やりあいましょう?師匠。今までの鬱憤を、晴らしてあげます」

 

「その前に、1つだけお前に聞いておきたいことがな。あるんだが」

 

「…?」

 

「お前、珠に固執しすぎじゃないのか?そのためにわざわざ()()()()()()()()()()()()()()のがなぁ。私には理解ができん」

 

…珠に固執?それの何が悪い。あの子を一途に想って何が悪い。

あの子のために全てをしてあげようと思って何が悪い。

 

「すまんすまん。言い方を変えよう。お前は珠のために文字通り全てを差し出しているが、お前は珠に何を望む?相思相愛ならば、もう果たしているだろう?」

 

 

パムにそう問われたレプリカは、顔をひどく歪ませたような、狂気の笑顔を見せる。

 

 

 

「望み?そんなことたかが知れている。世間一般では、謎の考えに至った奴が私は本当は正義だ、何だかんだ叫んでいるが、全て見当違い。

 

 

私の望みは、珠の望みの全ての成就。球が喜んでいられたのなら、どうでもいい。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

珠が生きて、笑って、幸せならば、他はもう何もいらない。

 

…でも、この世には優しい優しい、誰よりも優しい珠を、魔法の殺傷力が高いというだけで()()()()()()に引きずり込もうとする輩が多すぎる。

だから、私はその全てを殺す。

 

完膚なきまでに、潰す。

珠に手出しをしようという気が起こらないほど、この世に知らしめてやる。

 

 

『私を怒らせたらどうなるか』ということを。

 

 

そのためならば…たとえ、私の身が滅びかけ、壊れ、弄られるとしても厭わない。

…これで、答えに、なりました?」

 

クスッ…ああ、十分だ。だが、お前自身にプライド、矜持はないのか?それだと、ただの感情の奴隷だ」

 

「プライド?矜持?ナンデスカ、ソレ。そんなもの、()()()()()()()()()()()()()()

 

「ま、だろうな。さて長話が過ぎた。始めようか」

 

「ええ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜箱の外〜

 

「はぁ、はぁ。どうなっている」

 

レプリカたちの元に、避難していた魔法少女も含め、今生き残っているのが全員終結した。

離れていては余計に危険、という判断になったからだ。

 

一番怪我がひどいのはラピス・ラズリーヌとクランテイル、メルヴィルだろうか。

 

「多分あの中でレプリカが魔王と戦っている。援護をしようと思ったがまずあの壁が破壊できない」

 

プフレの先ほどの問いにクランテイルが答える。

 

「…珠!」

 

「は、はいっ!」

 

皆が傷を治しているなかプフレが勢いよく珠の名前を呼ぶ。

 

「珠、君は前に『レプリカが段々と感情がなくなっているかのような』と表現していたが、今回はどうだ?不安では、ないのか?」

 

「…」

 

そう問われ珠はしばらくの間黙った。

そして口を開く。

 

「はい。正直言ってまだ…心配です。でも…前の時よりは何と言うか、大丈夫だと思います」

 

「そうか…だとすると…少し厄介だな

 

「え?」

 

「何でもない。さてレプリカが押さえてくれている間に私たちは体制を万全のものにしておこう。怪我のしているものは回復薬を使用し、もし足りないなら言ってくれ。私が買ってくる」

 

そんな時だった

 

 

急に壁が破壊された。

全員が即座に警戒をしたなか、そこから出てきたのは……

 

 

「がっ…」

「そら、次だ。【煉獄の炎(ゲヘナ)】!」

「ちぃっ…」

 

レプリカとパムだった。

 

パムがレプリカの顔を鷲掴みにして壁を殴り破壊。

その後に外に出て地面に思い切り叩きつけ、そこからさらにレプリカの真下から炎が巻き上げる。

 

そんな炎の中でレプリカはパムの腹を蹴り上げる。

お返しとばかりにレプリカの周りで竜巻が起きパムを包み込む。

 

「はあっ!」

「があっ!」

 

パムは破壊光線を撃ち、レプリカも同じように破壊光線を撃つ。

2人の間がかなり近かったこともあり、2人を巻き込んだ大爆発が起きた。

 

「はぁはぁ…ゲボッ…チッ。まだ致命傷には、至ってませんか。そろそろ死んでくれません?」

 

「こっちのセリフだ。そろそろ力を使い果たせ。殺しても殺しても殺しきれないだろう」

 

レプリカの右腕はなく、身体中の至る所から血が流れ出ている。

パムは逆に左腕がなくなっていて、だけど出血自体はそんなに酷くない、と言ったところだろうか。

 

「ゲホッ…相変わらずのこの毒。効きすぎなんですよ」

「よく言う。すぐに中和出来ると言うのに」

 

軽口を叩き合ってはいるが、そんな状態ではないのは明らかだ。

現にレプリカは魔法の複数、過去最高の7つ使用により今までにないほど体の中身がズタボロになっている。

 

「そんな事はどうでもいい。とっとと、続きを始めますよ、師匠」

「そうだな。勢い余ってお前の作った檻はぶち壊してしまったが、まあ大丈夫だろう。ああ、その他大勢の魔法少女諸君。手助けをしたいのなら、ご自由に」

 

不敵に笑いパムは皆に向かって言い放つ。

現代魔法少女最強のプライドたるものからか。それとも…レプリカ1人では相手にとって不足だと考えているのか。

 

はたまた……

 

 

 

 

 

☆魔王パム

 

たっく、レプリカもいい加減集団戦を学べというに。

 

元が他人を信用していないからそれも土台無理な話ではあるが。

 

「どうした?こないならこちらから行くぞ」

 

「…もう準備は、終わってるんですよ」

 

レプリカは腕を上に振り上げる。すると周りにワラワラと土人形のようなものが大量…数十体程か?それだけ出現した。

 

「見た限りは…私の羽より少し弱い、といったところかな?いいね。俄然やる気が出る」

 

「何を言ってるのやら。盲目しました?この土人形どもは貴方の羽の耐久値、攻撃力とともに半分以下ですよ。ただ…材料はいくらでもある。壁にも矛にも、目隠しにも陽動にも、何にでも使って捨てれる使い捨て駒。さぁ…ここからは本当の総力戦です。貴女とタイマンで殺し合うのは中々楽しいですがこちらも珠の身がかかっているんでね。今ある全てを、使いますよ」

 

「ああ、それでいい。もとより私は全員を相手にするつもりなのだからな」

 

だから…私も手加減をなしで、行こうか。

 

 

 

「まずは頭数を減らすか。【明けの明星(ルシファー)】!」

 

「全員退避!」

 

手始めに煩わしい土人形へ向かって光を収束し光線を放ってやる。

 

「〜♪いいねぇ。じゃあ…」

 

魔法少女を1人もやれず、土人形も群がっていたからか全て破壊できなかった。

何より魔法少女達が全員避けてるのは想定外だ。

 

「させるか…。…ハッ!」

「おっと」

 

氷漬けの最下層(コキュートス)】を発動させ全員の動きを周りの空気ごと凍らせてやろうと思ったがその前にレプリカが接近してきた。左腕をこちらへ向かって突き出してくる。

その瞬間、刀へ変形してきた。それが予想できたから首を横に逸らすだけで避ける。

 

「フッ!」

「同じ手を何度もくらうか」

 

避けた瞬間、また、私の左腕を切り落とした時のように突いた左腕を鎌へ変形させ振り下ろしてくる。

させる前に腕を蹴り上げ、羽を発光させ目くらましをする。

 

 

「それで不意打ちのつもりか?ナメられたものだな」

 

「ぐ…」

 

 

目くらましをした直後、真後ろに誰かが急接近してきた。

後頭部を狙って殴りかかってきたがソレを避け腕を掴み投げ飛ばす。

 

「おお、2代目ラピス・ラズリーヌか。前の戦闘ではあまり君のことを見れていなかったからな。先代からお前の優秀さはよく聞いてるよ」

 

投げ飛ばしたのは、青い服で黒髪の、正に正統派魔法少女。そして私と同じく【魔法の国】の正式な魔法少女。

ラピス・ラズリーヌの一番弟子だったはずだ。

 

「師匠と知り合いなんすか?」

 

「ああ。何度か手合わせもしている。彼女はとても優秀な魔法少女だったよ。そして…君もだ。先代ラピス・ラズリーヌと魔法こそ違えど、まさに生き写しのような戦闘。一度彼女とは…死ぬまでやってみたかった。だがまぁ、この際君でもいいだろう。さぁ…ラピス・ラズリーヌ。殺し合おうか」

 

「そんなのは…ごめんっす!」

 

ラズリーヌは砂を思い切りこちらへ向かって蹴り上げてきた。

砂埃を、羽を使ってガードし、その場にしゃがむ。

 

テレポートをしてきていたラズリーヌの腕が虚空を貫く。

しゃがんだ体制から後ろに向かって蹴りを放つ

メキッという音ともにラズリーヌの体が吹き飛ぶのを感じる。

 

「っと。そういえば遠距離の奴もいたな」

 

羽の自動操縦で飛んできた矢を防ぐ。

飛んできた先をみるとクラムベリーのような魔法少女がいた。

 

「…」

 

「煩わしいな」

 

遠距離からチマチマと。

羽を使おうとすると羽を狙撃される。どうやら腕だけは確かなようだ。

 

だが…私をナメすぎだ。

 

「【神々の黄昏(ラグナロク)】」

 

あらかじめ地面の中へ仕込んでいた羽を使い、地割れを起こす。

それによりあたり一帯にまだ群がろうとしてきていた土人形、ほか魔法少女を襲う。

全員跳んで回避していたがそれならそれで良い。

 

跳んでいる魔法少女たちのど真ん中へ向かって羽根を高速で撃ち出す。

 

「【災厄(カタストロフ)】!」

 

羽を起爆させ、超新星…とまではもちろん行かないがかなりの規模の爆発を起こす。

そしてすぐさま残りの一枚の羽を分裂させ二枚に戻す。

 

今度はレプリカが横から迫ってくるのが横目で見えた。

するといきなり地面が液体化し体が一瞬沈む。それに抗おうとした瞬間を狙われ殴り飛ばされる。

 

「たたみかけろ!」

 

しかも上空に目をやると、まるで何かに風穴を開けられたかのように爆風の中央がくり抜かれていて、あまり良いダメージは期待できない。

 

…めんどくさくなってきたな。

 

 

 

「そろそろ、数を減らそうか。様子見は終わりだ」

 

 

 

魔法少女側が総力戦を使ってきた。

相手の残りは…9人か。

では…2人ほど減らすとするか。

 

特に一番厄介な、あの2人だな。

 

ラピス・ラズリーヌにテレポートをされる前に魔法少女の軍勢の中へ跳躍する。

まず狙うべきは…

 

「前菜から、だよな」

 

「チッ…」

 

メルヴィルだ。あの程度の遠距離はどうにでもなるが、あの『色を変える』という魔法は少々厄介だ。

 

死を偽造され不意を討たれるくらいならば先に殺して仕舞えば良い。

 

「邪魔はさせんぞ。【巨大な門衛(ハダーニエル)】」

 

一枚羽を使ってメルヴィルと私の身を囲うように箱を作り出しそこからハダーニエルで強固な壁に。それを広げる。

先ほどレプリカにやられたことを真似をしてみたが…意外と良いな。

 

「〜〜〜〜」

 

「すまんな、私じゃ何を言ってるのか理解できん。だから…拳で、魔法で、語り合おうか」

 

残りの一枚の羽をまずは【吠え猛る風(ミーノース)】を使い風を起こす。

その風の方向を操作し、渦潮のようにメルヴィルを引き寄せ風の檻に閉じ込める。

 

「お、やっぱりそうか。自分にも色彩が使えるな」

 

暴風の中心を見ると、メルヴィルの姿が綺麗に横にずれていた。

 

「〜〜!」

 

弓矢を放ってくるも、暴風により全て防ぐ。

さて、これにて1人目だ。

 

暴風の中メルヴィルへ近づく。

そして腕が十分届く位置へたどり着く。

 

「じゃあな。メルヴィル。森の音楽家クラムベリーの紛い物よ」

 

弓矢を蹴飛ばし、無防備になったのを見て心臓へ向かって手を突き刺す。

 

 

 

 

 

 

「ナイス〜…メルヴィル。君は、十分、役目を果たした」

 

 

 

 

 

その瞬間に感じたのはレプリカの気配。が、感じた瞬間に先に私の腹を何かが貫いた。

 

「がふっ…」

 

「いくら…周りを警戒していようとも、羽を二枚使い切っていたなら、いくらあなたといえども、見えないところからの攻撃は防ぎようがない…。久しぶりに貴女から一本取れましたよ」

 

自身の腹を見てみると()()()()()()()()()大剣が出てきて突き刺さっていた。

 

「チッ…やけにおとなしいと思ったら…そういう、ことか…」

 

マズイと思い暴風を消し、メルヴィルを大剣ごと蹴飛ばす。

巨大な門衛(ハダーニエル)】を解除し粘着性の高い物質へ変化させ傷口を覆う。

単なる止血にしかならないが、風穴が開きっぱなしよりかは良いだろう。

 

「行くよー……全員、魔王へ…突撃…」

 

レプリカは全員へそう告げるとしっかりと全員が突撃してきた。

羽を一枚を自律人形にして捌くもレプリカによってその自律人形を止められ、その隙に他の魔法少女がこちらへ攻めてくる。

 

「ゲホッ…ガフッ…」

 

激しく動くとそれに伴い出血と激痛が走る。それによって一手、二手と行動が遅れてしまう。

特に厄介なのがラピル・ラズリーヌだった。

他はヒットアンドアウェイなのにこいつだけひたすら付きまとってくる。

 

…だがまぁ、私も舐められたものだ。

 

「…フッ!」

 

傷の痛みを無理やり我慢し、ラピス・ラズリーヌと対峙する。

テレポートを駆使してこちらを()らんとやってくるがその全てを防いでやる。

 

それに、テレポートの仕方もだいぶ読めてきた。

 

基本的に…死角からしか襲ってこない。

ならば、あえて死角を作るまで。

 

 

死角を作ってやるといい具合に食いついてくれる。

そしてテレポートした先からの攻撃を真っ向から受け止めてやる。

 

コイツは拳に一番頼っており、蹴りなどは一切使ってこないから何をしてくるのかも読める。

 

 

 

しかし、その後の攻防が紡がれることは、ない。

なぜなら…

 

 

 

「いい、目隠しだったよ。ラピス・ラズリーヌ。それじゃあ…さよなら、だ」

 

 

 

ラピス・ラズリーヌの背後から、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

対魔法少女用のものをさらに強化したソレは、ラピス・ラズラーヌの心臓付近を的確に貫き、パムの胸を深く抉った。









さて、もうすぐリスタート編が終わりを迎えそうです。
頑張って書き上げますよー。


読んでくださりありがとうございます

レプリカについて(本編には全く影響しません)

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  • 嫌い(受け入れられない
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