剣で傷をつけると、自分の思い通りに操る、というものらしい。
傷がつけられなければ、なら対処などいくらでもある、が「剣が触れると」だと話は変わってくる。
ここから解放されたときに、注意しておかなければ。
〜犬吠埼家〜
☆珠
久しぶりに、嬉しい、という感情をミヤビちゃんといる時以外に感じた気がする。
前にクラスの中でペア発表をする時に、同じクラスの子の1人と仲良くなれた。その時も嬉しかった。
その子は、私を友達に紹介してくれると言ってくれた。ただただ、それが嬉しくて、私はそれについて行ってしまったことがあった。
もし、
ソレをしなければ、きっと……
「犬吠埼さん?どうしたの?」
「へっ⁉︎あ、はい、大丈夫です」
「そう?」
「はい、本当に大丈夫です。…あ!着きました。ここです」
と、気づくと自分の家に着いた。少し昔のお屋敷風の家、といえばいいのだろうか。親戚から譲ってもらったらしい。
……
「た……ただいまっ!!」
「おかえりー」
いつもより、頑張って大きい声で言ってみるも、ミヤビちゃんの小さな声がしただけで、ずっと、欲しいと思っている人からはやっぱり返事は無かった。
靴を見る限りはお母さんと妹がいるはずだけれど。
後ろの2人を見るとどうすればいいのか困っていた。とりあえず、部屋にあげればいいのかな…?
「え、えっと。とりあえず…ど、どうぞ」
「「お、お邪魔します!」」
と、2人を家にあげると、私以外の声がしたのが変と思ったのかお母さんが出てきた。
「…?どちら様?」
「あ、私達珠の友達で、同級生の姫川小雪っていいます!」
「ぼ、僕も友達で、岸辺颯太っていいます」
「珠に…友達?あなた達、何かの冗談?」
けど、小雪ちゃんと岸辺君を見た途端に怪訝そうな顔をされた。
「ほ、本当…だよ。お母さん。今日…友達に……なって…」
「淡雪に何かされたんじゃないの?2人とも。本当のことを言ってちょうだい」
と、私の言葉を無視したお母さんは、関係ないはずの、ミヤビちゃんの名前を出して2人に問い詰めていた。
「違います!私達の意思で友達になったんです!」
「……まあいいわ。どうぞ上がってゆっくりしてくださいな」
と、小雪ちゃんが言い返すと、お母さんはそういうとめんどくさそうな顔をしながら元いた部屋へ戻って行った。
「……」
「た、珠…。大丈夫?」
「は、はい…。あっ、ど、どうぞ。わ、たしの部屋に……行きましょう」
小雪ちゃんに心配されたけど、悲しいことに、慣れてしまっていた。
私の今の現状に。
けど。どうしてもこの感覚悲しみは慣れない。
「……が言いたいわけ?」
「だ…ら………だってば!」
階段を上がっていると、ミヤビちゃんの部屋から何か言い争っている声が聞こえた。
耳を澄ましていると……ミヤビちゃんと妹、弟だったのがわかった。
「……いいか、よく聞けよ?お前ら。お前らが母親から何を言われてるか知らないけど、僕はお前らの家族になった覚えもない。私の中でも、書類上でもね。僕のものは、珠のものではあるけど、お前らのものじゃない。
それに、僕のお金は、僕の両親が、僕に残してくれた唯一の形見だ。間違っても、お前らに使う金じゃない。
それを、寄越せだ?好きなものを買えだ?買わないならお母さんに言いつけるだ?
それに、僕に珠から手を切れだ?理由言ってみろよ」
「だから!ミヤビが珠に構うせいで!僕たちが学校でも変な目で見られるんだって!」
「で?」
「私達、もう嫌なの!お姉ちゃん達のせいで!私たちが学校でも辛くなる!」
「だから?」
「あーもう!珠から手を引けって言ってるんだよ!」
段々と、声が大きくなっていて、話の内容がわかった。
「……人が扉の外に集まってきたね。そら、さっさとでてけ。ここはお前らが入っていい部屋じゃない。入っていいのは今は珠だけだ」
「っ……!」「…今に見てろよ!行こう!」
と、扉が勢いよく開いたかと思うと、妹と弟が私たちに目もくれずに怒りながら下に降りていった。
「……ああ、珠。ごめん、見苦しいところを。それと……えーと、どちらさん?」
と、ミヤビちゃんがこっちに気づいた。
「あ、えーと。私は姫川小雪」
「僕は岸辺颯太」
「ふーん……。珠とはどう言う関係で?」
「友達だよ」
「……そう」
と、ミヤビちゃんはさっきまでの怒っている声とは一転し、とても安堵したような声になっていた。
「…あ、ミヤビちゃん。少し話したいことあるんだけど……いいかな?入って」
「ん…いいよ。あ、お二人もどうぞ」
「「し、失礼します…」」
☆姫川小雪
淡雪ミヤビさんの姿を見て、固まってしまった。
記憶に間違いがない限り、前に学校である男子生徒に馬乗りになって殴っていた生徒だった。
珠はこのことを知らない風だった。
「えーと……ミヤビちゃん。あのね……」
「……うん、いいんじゃないかな?」
「あ、あの……その。2人とも。もしかして、なんですが……。その、魔法少女…ですか?その…お二人の『魔法少女育成計画』でのアバターが、その……」
と、そうちゃんと話してた通りのことになった。
目の前の子は、なんの冗談でも比喩でなく、『魔法少女』なんだと、何となくだけどわかった。
「……?そっちの男も魔法少女?男なのに?」
「っ、そ、それに関しては…そうだね。変身したほうが早いかな?いい?そうちゃん」
「う、うん。……なんだか恥ずかしいけど」
「珠も…いいかな?って……あれ?一般人には魔法少女って認識はできてもはっきりと覚えられないんじゃ……。それと正体も知られたらダメだったような……」
と、淡雪ミヤビさんの言葉に何か矛盾を感じた。
「…そうだね。一応、僕は、仮に君達が魔法少女だと仮定するなら、僕はそっちの男と同じ存在、だよ。…僕たちも変身したほうが早いから、僕たちも変身しようか。珠」
「うんっ」
と、私たちは全員で、マジカルフォンを取り出した。
もうこの時点でわかってはいたけど、みんな魔法少女だった。
その後は、みんなのタイミングで変身していって、私は『スノーホワイト』に、そうちゃんは『ラ・ピュセル』に変身した。
珠と淡雪ミヤビさんを見ると、珠は『たま』に、ミヤビさんは『レプリカ』になっていた。
「そうちゃん以外にも……男の子の魔法少女がいたんだね…」
「……なりたくて、なったわけじゃないんだけど……。まあ、今となっては…それもどうでも…いい。珠も魔法少女だったから…結果オーライ」
「そうなんだ…」
「あれ?そういえばミヤビちゃんの格好、どこかスノーホワイトに似てるね」
「…あんまり、魔法少女がよくわからなかったからね……でも、ここまで似てるとは…思ってはなかった」
「確かに……違うところって花とかがないのと、私の白いところが銀色と、機械質のゴーグル…くらい?」
それ以外は、本当に私に似ていた。
「……で、話…って?」
「そ、その……ですね…。ま、魔法少女、っていうのは、本当は……ただの、こ、口実、で……その……」
「…落ち着いて、話しなよ。私の感だけど…2人とも、無視したりしないよ…」
「う、うん…。すーはー……」
と、私とそうちゃんが何かわかってない中、珠が深呼吸をして、改めてこっちを向いた。
「あ、あの…っ!ふ、2人とも……その……わ、私と!あ、改めて……友達に…なってくれませんか……?」
と、顔を赤くしながら、珠が言ってきた。
「「……っ、あはは!」」
「え?え?あ、あれ…?」
もう、それがおかしくて、私もそうちゃんも笑ってしまった。
「……2人とも?何を笑ってんの…?」
「あ、あはは……ご、ごめん…」
「う、うん。勘違いしないで……あはは…」
ミヤビさんが怒った声を出してきたが、笑いを止められなかった。
「あはは……はー。た、珠?」
「は、はぃ…」
「私達、もう友達だよ?」「そうだよ、珠。小雪の言う通りだ。僕たちは、周りが何と言おうともう友達だ」
「で、でも…みんな、ミヤビちゃん以外、私と友達になってくれた人…は、みんな……」
「そんなこと関係ないよ。少なくとも何があろうと私たちは珠と友達だって思ってるよ」
「ゔぅ………!!!」
すると、よほど嬉しかったのか珠は目に涙を浮かべ始めた。
「……よかったね、珠」
「うん!」
「…そうだね、飲み物でも取ってこようか。…スノーホワイト。手伝ってもらっていいかな?」
「う、うん!もちろん!」
と、変身を解除したミヤビさんに言われて私も変身を解除してミヤビさんについていく。
「……ここら辺で、いいかな?」
「?」
少し歩き、廊下の奥までくると、ミヤビさんは足を止めた。
すぐ横には扉があった。そこに入るのかと思ったけど、違うのかな?
「…えーと、姫川さんだっけ?」
「う、うん。そうだよ」
「……珠の友達になってくれた人に言うのもあれなんだけどね。……姫川さん。数少ない僕からのお願いをしてもいいかな?」
「へ?う、うん…い、いいよ」
突然、そんなことを言われて、素っ頓狂な声を出してしまった。
「……頼むから、お願いだから、珠と友達になった以上、珠を裏切らないであげてくれ。もし、裏切ったりしたのなら……僕は、君を殺す」
「え?どういう……」
「そのままの意味だよ。…僕が見てきた人間の中で、君と岸辺颯太は一番信用できるんじゃないか、とは思ってる。でも、思ってるだけで絶対的に信用はしてない。いまは、珠以外の人間を、信用できない。…あまりにも、珠を害する敵が、ゴミ人間がこの世には多すぎたから」
「……」
「別に、私を軽蔑しようが、蔑もうが、構わない。けど、頼むから……珠を、あの子を悲しませることはやめてくれ。もう察してるのかもしれないけど、肉親にすら、見放されてる身で、学校でも見放されてる。魔法少女と、今の君たちは、唯一の拠り所なんだ」
「…軽蔑なんて、しないよ」
「ん?」
「あ、あなたの…やったことが正しいなんてことは言えない。でも…それでも、事情を聴けば聴くたびに、もっとやり方はあったんじゃないか、とは思うけど、どうしても軽蔑はできないよ…」
思わず、そんな言葉が出ていた。
「でも…うん。そうだね。絶対に、珠を裏切らないって約束をするよ。でもね…ひとつ提案いいかな?」
「…?何」
「私も、君と一緒に珠を守るよ。ダメ…かな?」
「……」
と、率直に思った事を言うと、何故かミヤビさんは目が点になっていた。
「あ、あれ?どうしたの…?」
「……いや、なんでも…ない。悪いね、こんな話をして……。さっさと飲み物を、持って行こう…」
「うんっ!」
どうやら、お偉いさんからすると、唯一無二の魔法を持っているのを殺されている、が私がそれをコピーして持っているから封印止まりらしい。
本当なら即殺す、とのことだが。
まあ関係ない。
珠さえ生きていれば、それで
レプリカについて(本編には全く影響しません)
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好き(受け入れられる)
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嫌い(受け入れられない
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どちらでもない