俺が魔王になって勇者倒すってただそれだけの話 作:勇なま
俺は普通の人間だった。
普通に暮らして普通に生きて。
結婚は出来なかったが、いやピー某の類いの経験は出来なかったが、それでも普通に暮らしていた。
空から女の子が降ってくると思うか?
俺はあの日、空から降ってきた女の子を助けようと両手を拡げた。
けれど女の子は俺の頭の上に直撃して俺は即死だった。
運が悪かったんだ。
決して白い布が見えて目を瞑ってしまったわけではない。
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目を覚ますと薄暗い空間にいた。
周りには何もない。
「ここは?」
「やあやあ。死後の世界にようこそ」
急に後ろから声をかけられて慌てて振り替える。
そこには白い翼を生やした幼い女の子が立っていた。
「.......」
俺はこの時理解した。
目の前の幼女は普通の幼女ではない。
-------------------危ない幼女だと。
「おーい。話し聞いてますかー?」
「コスプレ幼女とか、何処のギャルゲーだっての」
独り言のつもりだった。
確かに声の音量は抑えたし聞こえないように言った筈だった。
「こ、コスプレ.....幼女だ、と?」
ぷるぷると体を震わせながら目に涙を浮かべて此方を睨んでいる、コスプレ幼女を見るに聞こえてしまったようだ。
「ああ、悪い悪い。聞こえちゃったか。でも幼女がなんでここに?てかここどこ?」
「あ、あんた....良い度胸してるじゃない.....ミスしたから下手に出てやったのに.....もういいわ。殴る。グーで!!」
拳を強く握り危ない事を言い始めた幼女は、少しずつ俺に近付いてくる。
「まあ、落ち着け。お前の年齢がいくつか分からんが幼女なのにはかわりないだろ?」
「わ、た、し、は.....19歳だぁあああああ!!」
「は?」
........。ありえない。某とあるアニメのピンク髪の先生みたいな見た目してるくせに19歳だ、と?
「はぁはぁ.....もういいわ。一発殴って水に流してあげる。顔に」
「いやいや、悪かったって。歳を知ってれば幼女なんて言わなかったさ」
「ほ、本当か?.....」
俺以外にも幼女と言われたことが多々あるのか少し嬉しそうにモジモジさせながら頬を朱に染めている。
ぶっちゃけ可愛いが、悪いななんせ幼女すぎる見た目が許容外だ。
「にしても合法ロリだったとはなー」
「歯を食いしばれこのくそやろうがぁああああ!!」
「ぐほぉっ!?」
いきなり飛んできた正拳突きに俺は意識を手離した。
..............。
「ここは....」
「よお、ようやく起きやがったか」
声がする方を見ると俺に正拳突きをかましてくれた合法ロリが座っていた。
「痛ててて、て?あれ?痛くない?」
意識を手離すほどの衝撃を顔面に受けたはずなのにまるで痛くなかった。
「当たり前だろ?ここは死後の世界なんだからな」
「死後の世界って?」
「はぁ......ようやくこの話が出来るのか。いいかよく聞けよ?」
「やーだ♪うぼぉっ....」
今度は腹に蹴りが飛んできた。ちょっとしたおじさんジョークなのに.....。
「さてと、お前は死んだ」
「うん、知ってる」
「っ!お前死んだときの記憶残ってるのか?」
目を見開いて此方に寄ってくる、ロリ。正直正拳突きがトラウマで、あまり近寄ってきてほしくはない。
「そりゃあるけど?」
「まじかよ...本来死んだときの記憶ってのは、もし生きていたときの為に脳が勝手に消しちまうんだよ」
「どうしてだ?」
「そりゃそうだろ?んな、死にそうになった時のトラウマなんか抱えてたらショックで死ぬ可能性もあるしな」
「ふーん」
「いや、ふーん、て.....ほんとに分かってるのか?」
「俺の脳はおさぼりさんって事だろ?」
「......ああ、もういいや。本題に移るぞ」
「いやいや、早いよ。もう少し粘ろうよ」
「.......」
「おい、今明らかに何こいつめんどくせえみたいな顔しただろ?そういうの傷付くから本当にやめてほしいんだよねー。やってる方は分かんないかもしれないけどさ、やられてる方の気持ち、考えたことある?いやーほんとに」
「....もういい」
「は?」
「説明するのもめんどくさい。あんたをある世界に飛ばす。異論反論抗議質問等言っても良いけど全て答えないし受け付けないから。どうぞ」
いや、どうぞって......。
「何も無いわね?それじゃあ、飛ばすから」
「ちょ、ちょっと待ったぁ!」
「なによ」
「貴方の名前を教えてほしい」
「.....それじゃあ、いいわね?」
駄目だ.....冗談が通じないほどお怒りらしい。
「さ、さっきミスしたって言ってたけどあれは」
「.....言ってない」
明らかに声のトーンが下がっている。
そして目線も下に案外分かりやすい奴なのかもしれない。
「言ってないもん.....」
あ、やばい可愛いかも。
「そっかぁ~。言ってないのかぁ。それで何をミスったの?」
「.......あなたはこの世界の理を知ってる?」
「いや知らないけど?」
「この世界で生きていく為には『体』と『魂』が必要なの。死ぬと『体』から『魂』が抜けて死後の世界であるここに来る。そして輪廻転生は知ってるわよね?」
「たぶん?」
「何で疑問系なのよ....。死んだ魂は次の『体』を探して見付けたらその『体』の中に『魂』が入るの。そして記憶は無くなり一から生を受ける。これの繰り返しが輪廻転生よ。だけど元々決まっている『体』というのがあるの」
「元々決まっている?」
「魔王。この『魂』だけは魔王の『体』に入ってもらう事になっているの」
「なんで?」
「魔王は必ず勇者に負ける。そんな負け犬確定な『体』に入りたい『魂』なんてあると思う?」
「......無いな」
「だから私は、ここで魔王の『体』には魔王の『魂』が入るように見張っているのよ」
「え、何それ。合法ロリ何者?」
「あんた....また殴られたいの?」
拳を再び力強く握るロリ。
「いや待って、謝るから!というか名前を教えてくれなかったんだから俺のせいじゃなくね?」
「うっ.....わ、私の名前は.....か、神よ.....」
小声で神とか言いやがったよ、このロリ。
「ワンモアプリーズ?」
「.....だから、神よ、神!神様よ!神だって言ってるのよ!」
「うごぉっ!?」
またもや殴られる俺氏。
「痛っ....て痛くないんだったな。てかよ、いくら痛くないって言ってもすぐ殴るの良くないぜ?」
「誰のせいよ!誰の!」
俺のせいだとでも?いやそれはないだろ。
だって先に手を出した方が悪いって習ったし。
「それよりも神様(笑)」
「神様で良いのよ!(笑)とか付けないでよ!泣くわよ!?」
「いやいや泣くなよ。流石に40代の俺が19歳の女の子(神様(笑))泣かすとか絵的にまずいだろ」
「絵的にって何よ!というか女の子に()で神様付けるのは良いけど、そこに笑付けないでよ!」
どうやら突っ込みは得意なようだ、良かった良かった。
ギャグだけだとしらけるんだよねー。
「さて話も纏まったことで」
「何も纏まってないような気もするけど....ようやく送れるわね」
「んでさ、俺って何になるの?」
「魔王よ」
「は?」
「だから魔王よ」
こいつさっき魔王は一人だけ永遠ループじゃなかったの?エンドレス魔王様ばんざーいじゃないの?
「.......おいこら紙」
「神よ」
「お前の役目は見張りなんだよな?」
「そうよ」
「てことは....お前見落としたな?魔王の『魂』を」
「.......てへぺろ♪」
な、なぐりてぇ......。
えいっ。
「痛い.....あんた女の子の頭平気な顔して殴るとかどういう了見よ!」
「うるせえ!神様(笑)(仮)」
「笑に仮まで付けましたね!流石に怒りますよ!」
「あーあー!怒ってみやがれ、この神(笑)が!」
「もう我慢の限界です!特別勇者が多くて魔王になりたい世界ランキングワースト1位に送ってあげますよ!感謝してください!」
「何を感謝するんだよ!むしろ罵るわ!この役立たず!」
「あーもう!貴方があちらの世界で使えるのは、魔法と言われる類いのものです。物理攻撃多少はありましたが無くしました!ざまぁみろです!手下もいますがこの世界では勇者はゴロゴロいますからね!勇者の村なんて村もあるくらいなんですから!先々代の魔王なんて勇者レベル64に負けた過去最低の魔王でしたね!貴方はどうなるか楽しみにしておきますよ!」
「ちょっと待て!魔王はループなんだろ?何故負け方が変わるんだ?」
「当たり前だ!記憶は失ってこその輪廻転生だからな!お前には特別に記憶を残したまま飛ばしてやる、感謝しろ!」
初めて感謝するところだよそこは!
「ありがとうございます!」
「こいつ....ほんとに感謝してきやがった...」
「神様(ロリ)が言ったのに何を言ってるのか」
「送る前にもう一回殴ってやる!」
「うるさい!早く送りやがれ!」
「ああ、もう!行ってこい!」
神様(笑)が両手を拡げると俺の周りに魔方陣ぽいのが現れて全身を包み込んだ。
「じゃあな。ひんぬー神(笑)」
最後のお別れで言ったつもりのジョークだった。
「誰が貧乳だぁあああああああ!!!.....あ」
「あ」
俺と目線が合いあることに気付く。
魔方陣の中に俺と神様(笑)も入っていた。
「いやぁああああああ!!!」
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