ソードアート・オンライン-君と共に在るために-   作:ちぇりぶろ(休載中)

3 / 88
第3話と言うことでさくさくっと書きました
でも、1話の文章量とかわからなくてどこまで書いたらいいのかいつも悩むんですよね



ではどうぞ!


【3】最初の壁

 2022年12月03日 10:00 第1層 迷宮区内ボス部屋前

 

 ディアベル「よし、全員そろったな!これからボス戦だ!!みんな気合い入れていこう!!」

 

「「「おぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」」」

 

 先頭でディアベルが全員の士気を上げている。

 あんなタイプのプレイヤーがこれからの攻略には必要になってくるだろう。

 ここにいるプレイヤーもそう思ってるから、このボス戦に参加しているのだから。

 オレ達は列の最後尾にいる。

 オレ的にはあのビラが出回っている為、キバオウなんかとは顔を合わせたくないからいいのだが。

 

 キリト「よし…最終確認だ。オレとアスナ…タクヤとユウキでコンビを組んで取り巻きの番兵《センチネル》をスイッチしながら撃破。手が空いたらメインであるレイドのフォローでいいな?」

 

 タクヤ「あぁ!ばっちりだ!」

 

 ユウキ「うぅ〜ドキドキしてきた…」

 

 アスナ「あんまり気負いすぎないでね、ユウキ」

 

 ユウキ「う…うん!」

 

 オレは目の前に立ち塞がっている門を見つめた。

 ようやくここまで来た。あのクソ兄貴をぶっ飛ばす為の第1歩だ。

 アイツは今、どこで何をしているのだろうか…。

 オレ達をこんな所に閉じ込めて、何の目的でデスゲームなんかを始めたのか…。いろいろ考えつくがやっぱりわからない。

 元々昔から何を考えているのかわからないヤツだったが今はよそう…。

 この戦いに勝つ…!!ただそれだけを考えればいい。

 

 ディアベル「じゃあ、みんな!!オレから1つ!!生きて帰ろうぜ!!」

 

「「「おぉぉぉぉっ!!!」」」

 

 ギギギ…

 

 先頭が今、扉を開く。あの中にボスが待ち受けている。

 

 ディアベル「行くぞぉぉぉぉぉっ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 突撃ィィっ!!!!」

 

 

 グオォォォォォオォォォォッ!!!!!!

 

 

 こうしてオレ達のボス戦が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 グルルルルルルッ

 

 部屋の中は広く、戦闘しやすい所だった。

 その中央に座している巨大なモンスターが第1層フロアボス…

 イルファング·ザ·コボルドロードだ。

 

 ディアベル「よし…情報通りだ。みんな!!予定通り各隊事にスイッチしながら攻めるんだ!!タンク隊!!前に出て攻撃を防いでくれ!!」

 

 エギル「おぉっ!!」

 

 キバオウ「まかしとってくなはれ!!ディアベルはん!!」

 

 コボルドロードがオレ達に気づき、瞬間周りに取り巻きの番兵《センチネル》が3体ポップした。

 

 ディアベル「センチネル組!!まかせたっ!!」

 

 タクヤ「おうっ!!」

 

 まずはオレが先陣をきってセンチネルに突撃をかける。

 センチネルもオレを敵と判断し、片手斧を振りかざした。

 

 タクヤ「おせぇっ!!」

 

 ザァァン グモォォォッ

 

 オレはガラ空きになったセンチネルの胴体に剣撃を叩きつける。

 

 タクヤ「ユウキ!スイッチ!!」

 

 バッ

 

 ユウキ「おっけー!!」

 

 オレが1体のセンチネルの行動を止め、すかさずユウキが止めに入る。

 

 ユウキ「はぁぁぁぁあぁぁっ」

 

 キィィィィン

 

 ユウキの剣にエフェクトが入る。片手直剣用スキル"スラント”だ。

 

 グモォォォッ パァァァン

 

 ユウキのソードスキルは見事センチネルに直撃しポリゴンへと四散した。

 

 キリト「よし!この調子でオレ達も行くぞ、アスナ!!」

 

 アスナ「えぇ!!」

 

 キリトとアスナも1体のセンチネルを難なく倒し、残り1体のセンチネルも同様に倒した。

 

 タクヤ「この調子なら…メインのフォローに入れるかもしれねぇ!!」

 

 ユウキ「うん!!ボク達ならできるよ!!タクヤ!!」

 

 オレ達は確かな手応えを感じながら、リポップするセンチネル狩りを続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 グオォォォォォオォォォォッ

 

 ディアベル「範囲攻撃来るぞ!!B隊、D隊退避!!」

 

 ドゴォォォォォン

 

 キバオウ「今のうちにHPイエローのもんは回復しとけぇ!!」

 

 センチネルを倒しながらメインの戦闘を確認してみたが、どうやらオレ達が手を貸さなくてもやりきれそうな程に上手く連携が出来ている。

 流石は、トップランカーと言ったところか。

 順調にHPゲージバーも2本目を削り切り、後半分で全損出来る。

 

 ユウキ「タクヤ!!スイッチお願い!!」

 

 タクヤ「おぉっ!」

 

 ダッ

 

 タクヤ「うぉぉぉぉぉっ!!」

 

 ザァン グモォォォッ

 

 タクヤ「よし!これで終いだぁぁぁっ!!」

 

 キィィィィン グモォォォッ パァァァン

 

 オレは新しく覚えた片手直剣用スキル"ソニックリープ”を放ち、センチネルのHPを吹き飛ばした。

 

 ユウキ「ナイスだよ!!タクヤ」

 

 キリト「いい調子だな!タクヤ」

 

 アスナ「ナイス連携!!」

 

 タクヤ「お前達もな!!」

 

 グオォォォォォオォォォォッ

 

 タクヤ&ユウキ&キリト&アスナ「「「「!!!?」」」」

 

 メインの様子を伺うと残りのHPゲージバーは残り1本となっていた。

 情報通りだと、ここから…!

 

 ディアベル「パターンが変化するぞ!!みんな、作戦は頭に入ってるな?

 タンク隊を軸にヒットアンドアウェイだ!!行くぞ!!」

 

 戦闘も終盤に差し掛かってきた。コボルドロードが副武装の湾刀《タルワール》に持ち替えてくる。今までの範囲攻撃より強力なものになるはずだ。まだまだ油断はできない。

 

 キリト「!!…あれは…」

 

 タクヤ「どうした?キリト」

 

 キリト「湾刀《タルワール》ってどんな武器だったっけ…?」

 

 アスナ「確か…イスラム圏の…!!?」

 

 キリト「ディアベル!!全員退かせろ!!!」

 

 コボルドロードは背中の湾刀《タルワール》を抜き出し…

 

 タクヤ「あれは…!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「「野太刀!!!?」」

 

 

 ディアベル「!!」

 

 コボルドロードは湾刀《タルワール》ではなく、野太刀を抜き出し、レイド組に襲いかかった。

 

 ドゴォォォォォン

 

「「うわぁぁぁぁぁっ」」

 

 タンク隊ごとレイドを半壊させたコボルドロードの渾身の一撃がレイド全体に恐怖を刻んだ。

 

「ま、まずい…」

 

「体が…!!」

 

 ユウキ「一時行動不能《スタン》!?」

 

 ディアベル「くっ…!!」

 

 タクヤ「ディアベル!!…くそっ!!C隊動ける奴はイエローの奴の援護に回れ!!手が空いてる奴はボスを引きつけろ!!」

 

 ダッ

 

 ユウキ「タクヤ!!?」

 

 オレは単身コボルドロードに突撃をかけた。

 コボルドロードも俺に気づき、攻撃の態勢をとる。

 

 タクヤ「なめんじゃ…!!」

 

 キィィィィン

 

 タクヤ「ねぇぇぇぇぇっ!!!!」

 

 オレは"ソニックリープ”をコボルドロードに叩きつけた。

 だが…

 

 グオォォォォォオォォォォッ ザァァン

 

 タクヤ「がっ!!?」

 

 キリト「タクヤ!!」

 

 コボルドロードは怯まず、オレに一撃食らわせてきた。

 吹っ飛ばされ、HPゲージバーを覗くと一気に8割削られレッドゾーンに入っていた。

 

 タクヤ「くっ…早く…回復しねぇと…」

 

 オレはポーションをストレージから取り出そうとするが体が自由に動かない。

 おそらくさっきの一撃で一時行動不能《スタン》になってしまったようだ。

 

 タクヤ(「早く…早く…切れろ…!!」)

 

 徐々にコボルドロードはオレに近づいてくる。

 

 タクヤ(「早く…!!早く…!!切れろ…!!切れろ…!!切れろ…!!」)

 

 

 グォォォォオォォォォッ

 

 コボルドロードの射程圏内に入った。

 

 ユウキ「タクヤ!!逃げてっ!!」

 

 タクヤ「…くっそぉぉっ!!!!」

 

 俺は死を直感した。

 この距離じゃユウキ達の援護は期待出来ない。

 

 キリト「タクヤ!!?」

 

 アスナ「タクヤ君っ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 ここで終わるのか…?

 

 

 

 

 

 

 

 ブゥゥン ガッキィィィン

 

 

 

 ユウキ&キリト&アスナ「「「!!!!」」」

 

 タクヤ「な…!!あんたは…!!」

 

 そこにはコボルドロードの攻撃を受け止めたエギル率いるタンク隊がいた。

 

 エギル「今の内に退避しろっ!!!!」

 

 ユウキ「タクヤ!!こっちに…!!」

 

 体が動かないオレをユウキが引っ張ってその場を退避した。

 タンク隊もそれを確認すると攻撃を押し戻し退避してくる。

 

 タクヤ「へっ…悪ぃな、エギルさん…!!」

 

 エギル「エギルでいい…ったく、すごい無茶をしたもんだな…」

 

 ユウキ「ホントだよ!!エギルさんが来なかったら今頃タクヤなんかパーンだったよ!!」

 

 タクヤ「悪かったよ…てか、パーンってなんだよパーンって!!」

 

 オレはポーションを飲み終え回復したのを確認する。

 

 キリト「タクヤ!!大丈夫か?」

 

 タクヤ「おかげさまでな…でも、あっちは大丈夫そうじゃないぜ…」

 

 アスナ「!!」

 

 コボルドロードはオレから他のプレイヤーに標的を変え、暴れ回っている。

 それをタンク隊やスイッチを利用してなんとか耐えているが、レイドが半壊されたのは正直痛すぎる。

 

 タクヤ「あのままじゃジリ貧だ…。」

 

 キリト「…タクヤ…」

 

 タクヤ「?なんだよ…」

 

 キリト「今からオレと2人でアイツの攻撃を捌く!いけるか?」

 

 タクヤ「…正直な所、攻撃が速すぎて俺の攻撃じゃ1歩分足りない…」

 

 コボルドロードはあの図体からは信じられない程のスピードで攻撃してくる。たった2人であの攻撃を捌ききれるかどうか怪しい…。

 

 キリト「あぁ…だから、タイミングはオレが指示する。そこに一撃加えれば良くて一時行動不能《スタン》する…。おそらく、あのレイドも長くもたない…」

 

 タクヤ「…はぁ…しゃあねぇな!やってやるよ!!」

 

 アスナ「私達に何か出来る事はある?」

 

 キリト「アスナ達は回復の間に合ってない奴らのサポートに回ってくれ!そうすればまだ立て直せる…」

 

 ユウキ「わかったよ!まかせて!そっちも無理しないようにね!」

 

 タクヤ「わかってるよ!じゃあ、行くか!!キリト!!」

 

 キリト「おう!!!」

 

 ダッ

 

 オレとキリトは全速力でコボルドロードに迫った。

 

 キリト「ディアベル!!ここはオレ達が引きつけるから、その間にレイドを立て直してくれ!!」

 

 ディアベル「でも、そんな軽装じゃ…!!」

 

 グォォォォオォォォォッ

 

 タクヤ「なんとかするっ!!!!」

 

 ザァン

 

 オレが一太刀浴びせると運良く一時行動不能《スタン》になった。

 

 タクヤ「さぁ!!今の内に急げ!!」

 

 ディアベル「あぁ!!ありがとう!!」

 

 コボルドロードの一時行動不能《スタン》が切れ、再度攻撃に転じるがそれをキリトがパリィして弾く。

 

 キリト「スイッチ!!」

 

 タクヤ「うぉぉぉぉっ!!」

 

 オレは片手用直剣スキル“スラント”でコボルドロードの脇腹に命中させた。

 それでも頑丈な奴はまだ倒れない。

 

 タクヤ「キリト!!スイッチ!!」

 

 キリト「はぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

 キリトは片手用直剣スキル“ソニックリープ”を発動させ、コボルドロードにダメージを与える。

 それを何度も何度も繰り返していた。

 

「あいつら…2人だけでボスを相手にしてるぞ…」

 

「しかも、黒髪の方はボスの攻撃をキャンセルしてるのか?」

 

 キバオウ「あいつ…盾無しのソードマンで強いヤツ…まさか…!!」

 

 ディアベル「よし!回復が済んだ者からレイドを立てるんだ!!」

 

 そろそろいい頃合か…ボスのHPは1本の2割と行った所か…。これなら囲んでゴリ押しで倒せるレベルだ。

 

 タクヤ「キリト!!」

 

 キリト「あぁ!!一旦退くぞ!!」

 

 オレとキリトはコボルドロードから距離を置き、レイドに加わった。そこにユウキとアスナも合流する。

 

 グォォォォオォォォォッ

 

 ディアベル「よし!!オレが出る!!」

 

 キリト「!!?…ここは囲んで行くのがセオリー…まさか…!!」

 

 ディアベルはソードスキルのモーションに入り、怯んでいるコボルドロードに突撃する。

 しかし…

 

 

 

 グォォォォオォォォォッ

 

 

 

 ディアベル「!!?」

 

 コボルドロードは体勢を立て直した。

 そして、野太刀に赤白いエフェクトを発現させる。

 

 キリト「!!…ディアベル!!モーションを起こすなぁぁぁっ!!!」

 

 だが、既にディアベルはモーションを起こし、ソードスキルを発動していた。

 それに合わせて、コボルドロードは刀用ソードスキル“旋車”を発動させた。

 ディアベルよりコボルドロードのソードスキルの方が数段に速く、ディアベルはその攻撃をモロに食らってしまった。

 

 タクヤ「ディアベルぅぅっ!!!!」

 

 オレはすぐにディアベルに駆け寄りポーションを飲ませようとするが、それをディアベルは何故か拒んだ。

 

 ディアベル「もう…ダメだ…オレのHPは0に…なる…」

 

 キリト「ディアベル!!…なんであんな事を…!!」

 

 後ろから駆け寄ったキリトがディアベルに尋ねた。

 

 ディアベル「君も…βテスターなら…わかるだろ?」

 

 キリト「!!…LAB(ラストアタックボーナス)か…」

 

 ディアベル「2人とも…後は頼む…ボスを…倒して…くれ…」

 

 キュゥゥ パァァァァン

 

 無機質な音を響かせながらディアベルはポリゴンの残骸と化した。

 

 タクヤ「…ディアベルぅぅぅぅっ!!!!」

 

 キリト「くそっ!!!!」

 

 どこか疑っていた所があった。

 この世界で死んでも現実世界に帰れるんじゃないかと…本当は死んでないんじゃないかって…。

 人の死がこんなあっさりしてるものな訳がない…。

 だから…そう思いたかった。

 目の前で仲間が死んだ。

 ゲーム特有のポリゴンが四散してアバターを砕く無機質な音…。

 それら全てがリアリティを感じさせなかった。

 でも…今…実際に…ディアベルが死んだ。

 オレ達は大切なリーダーを失ったのだ。

 どんな所でもリーダーを失えば統率は取れなくなり、連携も崩壊する。

 まさに今がその状況だ。

 

 

「どうすればいいんだ…?」

 

 

 タクヤ&キリト「!!」

 

 

「あんな奴どうやって倒せば…」

 

 

 ユウキ「ちょっと…みんな!!」

 

 

「ディアベルさんが死んだんじゃ、もう…」

 

 

 アスナ「…っ…!」

 

 エギル「こりゃあ…」

 

 

 キバオウ「ディアベルはん…ディアベルはぁぁん…!!」

 

 タクヤ「…ギリッ…」

 

 

「うわぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

 

 

「「「「!!?」」」」

 

 オレ達が悲しんでいた矢先、プレイヤーの1人がコボルドロードの標的になっていた。

 

「あぁ…あ…」

 

 プレイヤーは足がすくんで動けないようだ。

 だが、そのプレイヤーを助けに行こうとする者はいなかった。

 

 グオォォォォォオォォォォッ

 

 野太刀を振りかざし、プレイヤー目掛けて振り下ろす。

 

「うわぁぁぁぁ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ガッキィィィィィィン

 

「…え?」

 

 タクヤ「早く退け!!オレも長くもたねぇぞ!!」

 

「あ…あぁ!!ありがとう!!」

 

 オレは間一髪の所で間に合い、プレイヤーはすぐにその場を離脱した。

 オレも野太刀を振り払い一旦その場を退く。

 

 タクヤ(「悲しんでる場合じゃねぇ…!!あいつは…ディアベルはボスを倒せって言った!!なら、オレ達は…オレは…」)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 タクヤ「コイツをぶっ殺すっ!!!!」

 

「「「!!!!」」」

 

 タクヤ「うぉぉぉぉぉっ!!!!」

 

 ザァン ザァン ザァン グオォォォォォオォォォォッ

 

 1発…2発…3発とコボルドロードに剣撃を叩きつける。

 攻撃の隙を与えない。絶対に倒す…。

 それがディアベルの最後の頼みだからだ。

 

 タクヤ「ディアベルは言った!!ボスを倒せと!!ディアベルは言った!!オレ達がこのゲームをクリアすると!!だったら今は悲しんでないでコイツを全力で攻撃しろ!!抗って見せろ!!それが!!ディアベルの意志だぁぁぁぁっ!!!!」

 

 オレは片手用直剣スキル"ホリゾンタル・アーク”をコボルドロードに叩き込んだ。コボルドロードは思わず後退した。

 

 グオォォォォォオォォォォッ

 

 タクヤ(「くそっ!!硬直《ディレイ》が…!!」)

 

 ガッキィィィィィィン

 

 タクヤ「!!」

 

 エギル「これ以上ダメージディーラーにタンクはやらせられねぇな!!

 タンク隊!!行くぞ!!」

 

「「おぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」」

 

 ユウキ「大丈夫!?タクヤ!!」

 

 キリト「お前は無茶しすぎだ…」

 

 アスナ「私達もまだやれるわ!!」

 

 タクヤ「みんな…」

 

 キバオウ「全員!泣いても笑ってもこれがラストや!!ディアベルはんの仇取りに行くでぇぇぇっ!!」

 

「「おぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」」

 

 全員がコボルドロードに突撃をかけた。コボルドロードも攻撃する間もなくダメージを受けている。

 

 キリト「お前がみんなをあぁさせたんだ…」

 

 タクヤ「……!!」

 

 ユウキ「だったら最後まで頑張らないとねっ!!」

 

 タクヤ「…はっ!どいつもこいつもめんどくせぇ奴らばっかりだな…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 でも…嫌いじゃねぇよ!!そういうのっ!!!!」

 

 キィィィィン

 

 タクヤ「これがラストアタックだ!!!!」

 

 オレは最後の力を一滴残さず絞り出し、ソードスキルのモーションに入る。

 

 グオォォォォォオォォォォッ

 

 残りHPは僅か…

 

 ダッ

 

 タクヤ「うぉぉぉぉぉぉぉおぉぉぉっ!!」

 

 片手用直剣スキル"ホリゾンタル・アーク”を発動させ、残りHP数ドットのコボルドロードの巨体を真っ二つに斬り裂いた。

 

 

 

 

 

 

 グオォォォォォオォォォォッ パァァァン

 

 

 

 

 

 

 コボルドロードは遂にポリゴンへと四散した。それに伴い、番兵《センチネル》も次々四散していく。目の前にCongratulationの文字が現れた。

 

 

 

 

 

「「「よっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」」」

 

 

 

 

 

 ユウキ「やった!やったよぉぉっ!!タクヤぁぁぁっ!!!!」

 

 ユウキが感激のあまりオレに抱きついてきたが、今のオレにはそんな事を考えてる余裕がなかった。

 

 タクヤ(「倒した…本当に…やったよ…ディアベル…」)

 

 今ここにいないディアベルに報告し、今はこの喜びを仲間と分かち合うのが先だ。

 全員に報酬がストレージに加わっており、LAB(ラストアタックボーナス)として、俺にだけ【コードオブ・ミッドナイト】がドロップしていた。

 ボスを倒した事で、ボス部屋の照明も暗くなり第2層への扉が螺旋階段上に出現した。

 

 タクヤ「…」

 

 ユウキ「?どうしたの?ねぇ!タクヤったら!」

 

 タクヤ「…はぁぁぁぁぁぁ〜疲れだぁぁぁぁぁぁ〜」

 

 オレはその場に倒れ込んだ。

 こんなに疲労感に包まれたのは生まれて初めてだ。

 

 ユウキ「わわっ!大丈夫?タクヤ!!」

 

 タクヤ「…大丈夫だからどいてくんねぇかな?…重い…」

 

 ユウキ「なっ!?女の子に向かって重いって言うな!!せっかく人が心配してあげてたのに!!もうタクヤなんか知らないっ!!」

 

 タクヤ「はは…悪かったよ…そう怒んなって…」

 

 ユウキ「ふんっ!!」

 

 ユウキが完全にそっぽ向いたので、これ以上何言っても無駄だと悟りオレはその場に立ち上がった。

 

 キリト「お疲れ、タクヤ」

 

 アスナ「お疲れ、3人とも」

 

 タクヤ「お前らもな」

 

 エギル「Congratulation!!この勝利はアンタらのもんだ!!」

 

 タクヤ「そんな事ねぇよ…みんなの力があってこその勝利だ

 てか…おい、ユウキ。いつまで膨れてんだ?」

 

 ユウキ「プイッ」

 

「「「アッハッハッハッハッ」」」

 

 オレ達は勝った。ディアベルというかけがえのないリーダーを失ったが、オレ達は勝ったんだ。この調子で次の階層からも…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんでだよっ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 タクヤ「!!?」

 

 みんなで労をねぎらっている時、後ろの1つの集団はその輪に加わらず重い空気を漂わせていた。

 

「なんで…なんでディアベルさんを見殺しにしたんだ!!!!」

 

 タクヤ「…見殺し?」

 

「そうだ!!お前と黒髪の男はボスの攻撃パターンを知ってたじゃないか!!事前にその情報を伝えていればディアベルさんは死なずに済んだんだ!!」

 

「お前達!!さてはβテスターだな!!知ってて教えなかったんだろ!!」

 

 アスナ「!!…ちょっとあなた達…!!」

 

 確かに、ボスの攻撃をキャンセルし続けたのはオレとキリトだ。

 傍から見れば…特にディアベルのパーティだったヤツらからして見ればそう思われても不思議じゃない。

 オレはその抗議に何も言い返せなかった。

 

「言い返さないって事はやっぱりそうだったんだな!!

 答えろよ!!βテスター!!」

 

 キバオウ「ちょっ…ジブンら!!」

 

 今、アイツらに何を言っても耳を貸さないだろう。それだけの悲しみをこのボス戦で味わってしまったからだ。

 

 ポン

 

 タクヤ「!!キリト…」

 

 キリト「…今度はオレの出番だな…」

 

 タクヤ「は?」

 

 そう言い残して、キリトはパーティに近づいていく。

 

 キリト「あぁ、知ってたさ…」

 

「「「!!!!」」」

 

 キリト「オレはβテストで誰も到達できてない所まで登った!!

 刀スキルを知ってたのは上の階で飽きるほど経験したからさ!!

 他にもいろいろ知ってるぜ?情報屋なんか眼中に無い程になぁ!!!」

 

 タクヤ「キ…キリト…何言って…」

 

「そ、そんなのもはやチートやチーターじゃないか…!!」

 

 オレは目の前で何が起きているのか理解出来なかった。

 いや、理解したくなかった。

 

「βのチーター…お前はビーターだっ!!!!」

 

 キリト「ビーター…か。いいなそれ…そうだ!オレはビーターだ!!

 今度から他のβテスター共と一緒にしないでくれ」

 

 すると、キリトが今度はオレ達に向き直り、こう言った。

 

 キリト「お前達も今までご苦労だったな!だが、この1ヶ月間、下手すぎるプレイを見てうんざりした!!ビギナーのお前達は足でまといだ…オレは1人で行く。せいぜい死なない程度に頑張るんだなっ!!」

 

 タクヤ「キ…リ…ト…?」

 

 キリトはそう言い残してオレ達の横を通り過ぎた。

 

 キリト「ボソッ…ごめんな…ありがとう…」

 

 タクヤ&ユウキ&アスナ「「「!!!!」」」

 

 キリトは螺旋階段に足をかけ、1人第2層へと向かった。

 

 タクヤ(「まだ…間に合う…動けよ…オレの足…!!頼むから…動いてくれよ…!!!」)

 

 だが、それでもオレの足はキリトを追うことが出来なかった。

 

 ユウキ「タクヤ…」

 

 タクヤ「わかってる!!分かってるんだ…!!」

 

 アスナ「…」

 

 アスナは静かにキリトを見つめていた。彼女もキリトの後を追えずにいる。

 

 アスナ(「あなたはどうして…!!でも、それがキリト君が臨んだ道なら…私は…!!」)

 

 タクヤ「ぐ……っキリトぉっ!!!!」

 

 キリトの足が止まる。振り向きはしないが止まってくれている。

 

 タクヤ(「なんでお前は…!!全部1人で抱え込んじまうんだよ!!オレ達がいるじゃねぇかよ…!!」)

 

 そう心の中で思っているのに、どうして声に出ねぇんだ!!

 次第にキリトは歩を再度進める。

 

 キリト(「これでいい…これでいいんだ…。

 βテスターへの不満をオレが引き受ける事でアルゴや他のβテスター達に危害が及ぶ事は極力無くなる。

 それにタクヤやユウキ、アスナにも…だから、これでいいんだ…」)

 

 タクヤ「オレはっ!!!!」

 

 キリト「!!」

 

 タクヤ「オレは強くなる!!お前よりももっと!!もっと!!強くなる!!足でまといだって?そんなセリフ2度とたたけねぇぐらい強くなる!!!

 だから!!!…絶対ェ…後で吠え面かくんじゃねぇぞぉっ!!!!!」

 

 オレは部屋中に響くように喉をからして叫んだ。

 今のオレにはこんなちっぽけな事しかできない。

 でも、いつか必ず…お前を完璧に守れるぐらい強くなって、お前を救い出す。

 だから、それまで待っていてくれ。

 キリトは振り向かず扉を開け、第2層へと進んでいった。

 

 エギル「あいつの言いたかった事は…」

 

 アスナ「…分かってます」

 

 ユウキ「…グスッ…タクヤぁ…」

 

 タクヤ「もっと強くならなきゃいけねぇ…今より強く…だから、ここで立ち止まってる訳にはいかねぇ…!!…アスナ」

 

 アスナ「何?タクヤ君」

 

 タクヤ「悪ぃんだけどよ…しばらくあいつの事見ててやってくんねぇかな…」

 

 アスナ「…うん。元々そのつもりだったよ」

 

 タクヤ「後、これも渡しておいてくれ…」

 

 アスナ「これって…LAB(ラストアタックボーナス)!!」

 

 タクヤ「今のオレよりアイツにやった方がいい。元々オレのステータスに合わねぇからな…」

 

 アスナ「うん…わかった」

 アスナに【コートオブミッドナイト】を渡し、キリトに届けるよう依頼した。

 アスナがそばに居ればあんまし無茶しないだろう。オレはオレでやる事が増えた。今はそれに集中したい。

 

 ユウキ「タクヤ…」

 

 タクヤ「ユウキ…お前はどうする?」

 

 ユウキ「グズ…タクヤについて行くよ!一緒に強くなってキリトをギャフンと言わしちゃおっ!!」

 

 タクヤ「あぁ!アスナ先に行っててくれ。オレ達は後で行くから…

 あっと、後な…」

 

 アスナ「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アスナ「分かったわ。じゃあ二人共またね!」

 

 ユウキ「うん!!またね」

 

 オレとユウキはアスナと別れ、それぞれの道を歩んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2022年12月03日 17:00 第2層 草原フィールド

 

 sideアスナ_

 

 アスナ「キリト君!!」

 

 キリト「!…アスナ」

 

 私は第2層へ上がり、そこで夕日を眺めていたキリト君に声をかけた。

 

 アスナ「タクヤ君とユウキとエギルさん…それにキバオウさんから伝言!」

 

 キリト「…はは、なんだよ…その顔ぶれは…」

 

 アスナ「エギルさんはまた今度もボス戦しようって…キバオウさんはジブンの考えにはやっぱり共感できへん!ワイはワイなりのやり方でクリアを目指すって」

 

 キリト「…そうか」

 

 アスナ「ユウキは今度会った時はボクと決闘(デュエル)しようって…」

 

 キリト「ユウキは強いからな…もしかしたら負けるかもな…」

 

 アスナ「最後にタクヤ君なんだけど…」

 

 キリト「…!!」

 

 アスナ「次会ったらぶん殴る…だそうよ」

 

 キリト「…タクヤらしいな」

 

 アスナ「それとこれ…タクヤ君からキリト君にって…」

 

 私はタクヤ君から預かってきたものをキリト君に渡す。

 

 キリト「これってLAB(ラストアタックボーナス)の…」

 

 アスナ「オレのステータスには合ってないからキリト君にあげるって」

 

 キリト「そうか…アイツ、そんな事を…」

 

 アスナ「後、私…しばらくキリト君とパーティ組むから!」

 

 キリト「えぇっ!?なんで…オレはビーターで…!」

 

 アスナ「そんなの私には関係ないわ…キリト君はキリト君じゃない。

 私達はちゃんとあなたの事を知ってるもの!」

 

 キリト「!!…」

 

 アスナ「さっ!早く行かないと夜になるわよ。急いで2層のアクティベート済ませないと!」

 

 キリト「…あぁ」

 

 私とキリト君は夕日が沈みかけながら街へと向かった。

 

 キリト(「タクヤ…オレももっと強くなる!この手で全て守れるように…!!だから、その時は…」)

 

 アスナ「キリト君!急がないと夜になるわよー」

 

 キリト「あぁ…今行くよ!」

 

 

 

 タクヤLv.17

 ユウキLv.14

 キリトLv.15

 アスナLv.14

 

 2022年12月03日 アインクラッド第1層 突破 残り…99層

 

 




どうだったでしょうか?
これを機にタクヤ&ユウキとキリト&アスナの二手に別れます。
この小説のメインはタクヤとユウキなんでそっちを主軸に書いていきます。
両方書ければいいんですけど初心者なもんで手当り次第って感じです
次からは少しオリジナル展開に入ろうかなぁって思ってます

では、また次回!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。