ソードアート・オンライン-君と共に在るために-   作:ちぇりぶろ(休載中)

6 / 88
第6話ですね
今日はユウキといったらこれだよねという話です
タイトルで分かるかな


では、どうぞ!


【6】ギルド結成

 現在のレベル

 タクヤLv.40

 ユウキLv.38

 

 2023年03月12日 09:00 第1層 はじまりの街 中央広場

 

 タクヤ「…ユウキ。本当にやるのか…?」

 

 ユウキ「当たり前じゃん!だから、こうやって待ってるんだから!」

 

 オレ達は数ヶ月ぶりにはじまりの街にやって来ていた。

 この場所で終わりが始まった場所…

 今でもここには約6割程のプレイヤーが存在している。

 今の最前線は25層…あと75層も存在している。

 一体いつこのゲームは終わるのか…。

 オレ達はいつになったらこの悪夢から目覚められるのだろうか…。

 ここに残っているプレイヤーの為にも…オレ達、攻略組が頑張るしか道は残されていないのだ。

 今ここに居るのもその一環だ。

 

 ユウキ「はぁやくだぁれかぁ来ないかなぁ〜」

 

 タクヤ「…一応アルゴに頼んで各層にビラをまいて回って貰ってるから来る奴は来るだろうけど…」

 

 オレはビラを一枚取り出し、溜息をつきながら見た。

 

【集まれ!!あの攻略組2人がギルドを立ちあげるぞ!!】

 

 タクヤ「…すごい安っぽい記事だな」

 

 ユウキ「そう?ボク、こういうシンプルなの嫌いじゃないけどなー」

 

 そう…オレ達は今日ここでギルドを結成しようとしていた。

 言い出したのは当然ユウキだ。数日前アスナはキリトと別れ、"血盟騎士団”なるギルドに入った。これはキリト曰く、

 

「アスナには皆を先導する素質がある。だから、信頼できる人からギルドに誘われたら入れって言っておいた。ソロには絶対的な限界があるからな…」

 

 タクヤ(「あいつが心配だったからアスナに頼んだけど、別れたって事はもう大丈夫…なんだろうな…」)

 

 ユウキ「う〜早く来ないかな〜…どんな人が来るんだろ〜…

 楽しみだな〜…待ちきれないよ〜…」

 

 タクヤ「もしもしユウキさん?確実に来るとは限らないからね?

 あくまで興味持って来たからすぐに加入とかしちゃダメだからね?」

 

 ユウキ「ぶー!そんなのわかってるよーだっ!!」

 

 絶対に分かってねぇだろうなぁ…

 とか思いながらもどんな奴が来るか気になるっちゃ気になる。

 

「あの〜…」

 

 ユウキ「!!もしかして…!!ビラを見て来てくれたのっ!!?」

 

「はい…!!そうなんですよ。

 あの攻略組の方がギルドを作ると聞いて…」

 

 タクヤ「あれで本当に来たのかよ…」

 

 あんなスーパーの広告の裏に書いた様なもので来るとは…

 

 タクヤ「っと…とりあえず…名前とレベルを…」

 

「あっ!はい!すみません!!」

 

 緊張しているのだろうか、若干落ち着きが見られない。

 

 シウネー「私はシウネーと言います!

 武器は両手長柄でレベルは27です!よろしくお願いします!!」

 

 深々と頭を下げたおっとりとしたシウネーなるプレイヤーは

 満面の笑みをオレとユウキに向ける。

 

 タクヤ(「レベルはそこそこ…、両手長柄ならスイッチの範囲も広く持てる…。」)

 

 ユウキ「シウネーさん!!合格っ!!」

 

 タクヤ&シウネー「「!!?」」

 

 ユウキはもの数秒でシウネーのギルド加入を認めてしまった。

 

 シウネー「ほ…本当ですか!!わぁ…」

 

 タクヤ「ユウキ!!ちょっとこっち来い!!

 シウネーさんはちょっと待ってて…」

 

 オレはユウキを呼び出し、シウネーが聞こえない距離まで来ると耳打ちをする。

 

 タクヤ「お前…もうちょっと考えてから行動しろっていつも言ってるだろうが…」

 

 ユウキ「うひゃっ!くすぐったいよ…それに近い…//」

 

 タクヤ「人の話を聞け!!そりゃあの人入れるのは別に反対しねぇけど、

 次からはもうちょっと考えてから結論を出してくれ。」

 

 ユウキ「うん…わかった…//」

 

 とりあえずユウキには注意しておいたし、こんなのがリーダーだったら締まるものも締まんねぇからな。

 

 タクヤ「お待たせ…シウネーさん。オレはタクヤ…これからよろしく!」

 

 シウネー「は、はい!!こちらこそよろしくお願いします…!!」

 

 まだ緊張は取れていないが、まぁその内慣れてくるだろう。

 オレ達3人は自己紹介を済ませ、次の人が来るまで喋っていた。

 

 シウネー「私…今まで攻略組って凄く遠い存在だって思ってたんですけど…このチラシを見て()()()()()()()()って書いてあって、一か八か行ってみようって思ったんです…」

 

 タクヤ「へぇ、レベルは問わないってそんな…」

 

 今なんでおっしゃいましたか?レベルは問わない?

 

 タクヤ「ユウキく〜ん…ちょっといいかな〜?」

 

 ユウキ「えっ!!?タクヤ何でそんな怖い顔してるのっ!!?」

 

 その後、オレはユウキの頭をゲンコツでぐりぐりした。

 

 ユウキ「うぅ…う…グス」

 

 シウネー「だ、大丈夫ですか?」

 

 タクヤ「大丈夫大丈夫…圏内だから死なねぇって」

 

 ユウキ「死ななくても痛いのは痛いんだぞ!!感覚的にだけど!!

 それでもこんないたいけな少女に暴力奮うなんてどうかしてるよ!!」

 

 タクヤ「へぇ?一体どこにいたいけな少女がいるのかな〜?」

 

 ユウキ「むっかぁぁっ!!あったまきた!!決闘《デュエル》で勝負だ!!」

 

 シウネー「あのー…」

 

 タクヤ「別に構わねぇよ?いつもみたいにピーピー泣かなかったらな」

 

 シウネー「あのー…」

 

 ユウキ「な、泣いてなんかないもん!!目にゴミが入っただけだもん!!」

 

 シウネー「あのー…」

 

 タクヤ&ユウキ「「なにっ!!?」」

 

 シウネー「ひっ…あのお客さんが…」

 

 シウネーはオレとユウキにビビりながらもケンカを止め、客の存在を教えてくれた。

 

「ど、ども…」

 

「はじめまして…」

 

 挨拶を交わされると、途端にさっきまでの事が恥ずかしくなってきた。

 ユウキも顔が赤いからおそらくオレと同じ気持ちだろう!!

 

 タクヤ「は…はははは…」

 

 ユウキ「と…とりあえず自己紹介してもらおうかな…」

 

 オレとユウキは石段に腰掛け2人の男性に目を向けた。

 

 ジュン「僕の名前はジュン!!武器は両手剣でレベルは33!!ビラを見てビビッときたんだよね!!よろしくお願いします!!」

 

 ジュンと名乗った元気溢れた少年はレベルも悪くない…。

 両手剣ならパワーがありそうだ。

 

 テッチ「僕の名前はテッチって言います。片手長柄を使っていてレベルは32です。ジュンとは前からコンビ組んでてギルドに入ろうって誘われたので来ました。よろしくお願いします!!」

 

 テッチと名乗った巨漢の男性は、全身の装備を見る限りタンク役をやっているだろう。これなら大抵の攻撃は防げるからな。

 2人とも戦力になるぞ…。

 

 タクヤ「彼らなら入れてもいいんじゃないか?ユウキ(リーダー)…」

 

 ユウキに顔を向けると横には苦痛というか悩み悶えているようだった。

 

 ユウキ(「んー…両手剣の子は前衛やってもらって…あ、でもボクも前衛だからかぶっちゃうだろうし…体がたくましい彼はタンクは決定…でも、ほんとうにこれでいいのか…う〜ん…」)

 

 タクヤ「はぁ…ダメだこりゃ…2人とも合格だよ。オレはタクヤ!

 …んでこっちの頭抱えたバカがユウキ、隣の落ち着いてる方がシウネー…。シウネーも今日入ったばかりだからみんなで仲良くやってくれ」

 

 ジュン「よろしくお願いします!!タクヤ、ユウキ、シウネー」

 

 テッチ「頑張ります!!よろしくお願いします!!」

 

 シウネー「よろしくお願いします」

 

 ユウキ「だから…こっちが…こうで…それで…」

 

 ビシッ

 

 ユウキ「いたっ」

 

 ユウキに難しい事をやれと言ったオレが馬鹿だったな。

 次からはオレがやろう。

 

 ユウキ「え?何?2人とも合格したの?わぁおめでとう!

 一緒に頑張ろうね!ボクはリーダーのユウキ!よろしくね!」

 

 ジュン&テッチ「「え?リーダー?」」

 

 2人に説明するのはめんどくさいなぁ…。

 とりあえず、昼飯時なのでオレ達は近くのレストランに寄って腹ごしらえをする事となった。あと2人ぐらい集まったらギルドクエストに行かなければならない。

 ギルドを結成するには第3層にあるギルドクエストをこなし、報酬のギルドフラッグを所持していなければギルドとして認められないのだ。

 

 ユウキ「そういえばさ…」

 

 タクヤ「なんだよ…」

 

 ユウキ「ギルドの名前決めてなかったよ!」

 

 シウネー「そうなんですか?」

 

 タクヤ「あぁ、ギルド作るってなったのがつい3日前だったからな…」

 

 ジュン「つい最近じゃん!!攻略組は決断も早ぇんだな!!」

 

 事実はただ単にアスナに対する嫉妬だった。

 偶然アスナに出会い、ギルドに入った事を知ったユウキは…

 

 ユウキ「ボクもギルドつくるつくる〜!!」

 

 と言った具合に地団駄を踏んで今に至るのだ。

 

 テッチ「じゃあ、名前を考えないとだね…」

 

 タクヤ「だな…でもなぁ…オレそういうの苦手なんだよなぁ…」

 

 ユウキ「実はボクも…3人は何かない?」

 

 ジュン「はい!はい!僕あるよ!名付けて"バーニングナイツ”!!

 どう?活かすだろ!!」

 

 シウネー「うーん…ないかなー…」

 

 ジュンの名前は無惨にも夢へ散った。

 それからことごとく却下され続けたジュンは真っ白に燃え尽きてしまった。

 

 タクヤ「まぁ、まだ時間はあるんだ…ゆっくり決めようぜ。

 さっ!そろそろ再開しようか?」

 

 ユウキ「そうだね!それじゃみんな!頑張っていこー!!」

 

「「「「おぉぉっ!!」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2023年03月12日 13時10分 第1層 はじまりの街 中央広場

 

 ユウキ「来ないねー…」

 

 シウネー「来ませんね…」

 

 そう簡単に来たら苦労はしない。

 むしろ、3人も集まっただけでも驚きだ。

 

 ジュン「暇だなー…」

 

 テッチ「まぁまぁ、そう言わないで…」

 

 確かに、こう何もないと暇を持て余してしまう。

 だからと言って、ここを離れた後に加入希望者が来てしまったら本末転倒だ。ここは我慢して待つしかあるまい。

 

「あのーちょっといいですかぁ?」

 

 ユウキ「来た!!…て、酒くさっ!!?」

 

「す、すみません…!だから、あれほど飲まないように言ったじゃないですか!!」

 

「いいじゃん別にー…私は飲みたい時に飲むのー!!あっははは!!」

 

 オレ達の所に来たって事は加入希望者なのだろう…

 ただ、1人の女性は酒を煽っており連れの男性に肩を貸してもらいながら千鳥足で歩いている。

 

 タルケン「申し訳ありません…。わたくしはタルケンと言います。

 武器は両手長柄でレベルは30になりました。そしてこちらが…」

 

 ノリ「どーもぉ!!私はノリって言いマース!!武器は両手斧でーす!!

 レベルはタルケンと同じ30でーす!!みなさんよろしくー!!」

 

 タルケンを名乗ったプレイヤーはミドルレンジが得意そうだ。シウネーと組んでもいいかも知れない。

 ノリと名乗ったプレイヤーは性格はともかく、女性が両手斧を使うとは意外だった。彼女もミドルレンジで期待できるかもしれない。

 酒癖は今度から直していけば問題ないだろう…多分…。

 

 タクヤ「じゃあ、2人ともこれからよろしく!オレはタクヤ。

 んで左からジュン、テッチ、シウネー…そして、オレらのリーダーのユウキだ」

 

 ユウキ「よろしくね!2人とも!」

 

 タルケン「ひゃっ、よ、よろしくおねがいしまひゃ…!!」

 

 ノリ「いい加減女の子と話す時舌噛むの治しなさいって!!」

 

 タルケン「そ、そんな事言われましても仕方ないじゃないですか…」

 

 ユウキ「まぁまぁ、これでボク達はギルドの仲間だ!!

 ホントに集まってくれてありがとう!!

 このメンバーでこれから攻略組として参加するからみんな頑張っていこー!!」

 

「「「おぉぉっ!!!!」」」

 

 こうしてオレ達7人はギルドとしてこのゲームを攻略するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2023年03月12日 21時42分 第20層 主街区 宿屋

 

 タクヤ「じゃあ、明日の11時に3層に集合な!」

 

「「「了解!!」」」

 

 オレ達は初めてのパーティ戦に20層のフィールドでモンスター相手に実践練習を行っていた。

 驚いた事にみんな、レベルなどお構いなく体のみのこなしだけでモンスターを掌握していたのだ。

 全員が+5ほどは実レベルよりも高い。

 装備もそう珍しいものでもなくだ。

 連携もしっかりしてたし、この分だと全員で攻略組に名を馳せる事も夢ではなくなってくるな。

 

 ユウキ「みんな…もう行っちゃうの?」

 

 オレ達はフィールドから帰ってきた後、レストランで歓迎会を開きつい今しがた会を終えたところだ。

 

 シウネー「私達もこれからユウキとタクヤさんと行動を共にしますので自分のホームや友人に挨拶しておこうかと…」

 

 ジュン「僕とテッチもそうなんだ!」

 

 タルケン「私もノリをホームまで送ってから挨拶回りと考えています」

 

 テッチ「本当に大丈夫か?」

 

 タルケン「いつもの事ですから…」

 

 タクヤ「まぁ…頼んだよタルケン」

 

 ノリは完全に泥酔しておりタルケンがホームまで送ってくれる。

 

 タクヤ「みんなも気をつけて帰れよ…ほら、ユウキも…」

 

 ユウキ「うん…みんな!明日もちゃんと来てね!おやすみ!!」

 

 シウネー「はい!!じゃあまた明日!!」

 

 ジュン「ばいばーい!!」

 

 タルケン「失礼します!!」

 

 みんなそれぞれのホームへと帰っていった。

 

 タクヤ「ユウキ…オレ達も帰ろうぜ」

 

 ユウキ「ねぇ、タクヤ…」

 

 タクヤ「ん?」

 

 ユウキ「今ボク…すっごく楽しいよっ!!!」

 

 タクヤ「…そうか…オレもだ!」

 

 確かに、この世界に来てこんなに賑やかだったのは初めてだった。

 ギルドっていうのも案外悪くないかもな。

 

 ユウキ「じゃあ、帰ろっか?」

 

 タクヤ「そうだな、今日は疲れた…」

 

 オレ達は自分のホームへと歩を進めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2023年03月13日 11時00分 第3層 洞窟ダンジョン

 

 今日オレ達はギルドフラッグを入手する為第3層にやって来ている。

 ギルドフラッグがなければギルドとして認めてもらえない為、これはギルドを作るにあたっての必須条件だ。

 

 ユウキ「じゃあ、これからギルドフラッグのクエストをやるよ!!

 さっき伝えた通りフォーメーションは前衛がボクとタクヤ…タンク役がテッチとジュン…後衛がシウネー、タルケン、ノリだよ!!

 ジュンとタクヤはタンクと前衛をスイッチね!!」

 

 タクヤ&ジュン「「了解」」

 

 ユウキ「後衛の3人だけど常に回復できる準備と逃走経路を把握しててね!!」

 

 シウネー&タルケン&ノリ「「「了解!!」」」

 

 ユウキはたった1日でずいぶんリーダーらしくなっちまったな。

 

 ユウキ「じゃあ、いっちょやろう!!!!」

 

「「「「「「おぉぉっ!!!!」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2023年03月13日 11時35分 第3層 洞窟ダンジョン内

 

 シウネー「だいぶ歩きましたね…」

 

 テッチ「うん…だけど、全然それらしい敵がいないね」

 

 歩く事35分…オレ達は討伐対象であるモンスターを探しながらダンジョンを探索しているのだが、それらしいモンスターは全く現れず、ただ奥へと進んでいるだけだった。

 

 ジュン「あー!!なんかすげー不完全燃焼だー!!」

 

 ノリ「あー私も酒飲みたくなってきたー」

 

 タルケン「み、みなさん!下層だからって油断は禁物ですよ!」

 

 タクヤ「あぁ、タルケンの言う通りだ。

 周囲に警戒しながら先に進もう…」

 

 とは言ったものの、こう何も起きずに時間だけが進むのは肉体的にも精神的にも疲労を感じてしまう。

 ユウキ「…よし。みんなちゅうもーく!!」

 

 一同「「?」」

 

 ユウキ「ここからモンスターを誰が1番倒せるか勝負だよ!

 ビリになった人は今日の祝勝会を奢りだからね!」

 

 一同「「えぇっ!!?」」

 

 グルァァァッ

 

 ユウキ「じゃあ!よーい…ドン!!」

 

 キィィン パァァン

 

 ジュン「あっ!抜けがけずりー!!」

 

 ユウキ「ちっちっ…勝負の世界にずるいなんてないんだよ、ジュン!」

 

 タクヤ「…ったく」

 

 テッチ「これは負けてられないね」

 

 シウネー「私も頑張りますよ!」

 

 みんなの警戒が緩んだわけではない。

 こういうちょっとした遊びは普通のゲームなら当たり前の事だ。

 ユウキはこんな世界でも楽しむ気持ちを忘れていない。

 それにみんな、感化され、思い出したのだ。

 ゲームは友達と楽しくやる事を…。

 そういう所はオレも見習わなくちゃいけない。

 

 タクヤ「よしっ!やるか!!…それにちょっと試したい事あるしな…」

 

 それからオレ達は、現れたモンスターを誰が1番倒せるかという小さな目標を得て、洞窟の奥へと先程よりも早いペースで進んでいった。

 

 タルケン「これで5匹目です!!」

 

 ノリ「甘いね〜こっちは7匹目だよ〜」

 

 シウネー「みなさんすごいですね…私なんかまだ4匹なのに…」

 

 タクヤ「気にするなシウネー…。ユウキはあぁ言ったけど今日はオレの奢りだから…」

 

 オレは他には聞こえないようにシウネーに耳打ちした。

 確かに、みんな実践慣れしてるが個人差がある。

 それにこの中じゃシウネーは1番レベルが低いからな。

 こればっかりはしょうがない。

 

 シウネー「いいですか?…タクヤさんはもう10体以上倒してるのに…」

 

 タクヤ「あぁ、元々そのつもりだったしな…でも、だからって手は抜くんじゃねぇぞ?」

 

 シウネー「はい!!自分なりに精一杯頑張ります!!」

 

 タクヤ「おう!!その調子だ…」

 

 とりあえずこれで大丈夫だろ…オレもあれやるか…

 

 シュゥゥン

 

 ユウキ「あれ?タクヤ…武器を外してどうしたの?」

 

 タクヤ「ん?ここのレベル差なら問題ないからな…熟練度上げだよ」

 

 ユウキ「何の熟練度?」

 

 グルァァァッ

 

 タクヤ「これだよっ!!」

 

 オレは現れたモンスターの間合いに入り込み、拳を浴びせた。

 

 ジュン「な、殴った!!?」

 

 テッチ「でも、殴ってもダメージ判定ないんじゃ…」

 

 だが、テッチの言葉とは真逆にモンスターはポリゴンとなって四散した。

 

 ユウキ「えぇっ!!?何それっ!!」

 

 タクヤ「へっへっへっ…オレが身につけた"体術”スキルだ」

 

 タルケン「そ、そんなスキルがあるなんて…!!」

 

 ユウキ「そんなのいつの間に取ったの!!?」

 

 タクヤ「2層に上がってすぐだったな、アルゴに面白いクエストがあるって聞いて行ってみたらこれだよ…」

 

 オレは拳を見せながらモーションをとる。すると、拳にエフェクトが発生し、スキルが発動する。体術スキル"正拳突き”

 

 ユウキ「えぇ〜ずっと一緒にいるのになんで誘ってくれなかったの!!」

 

 タクヤ「誘ったじゃねぇか?でも、あの時断っただろ?」

 

 ユウキ「あ…」

 

 タクヤ「まぁ、まだ実戦では使い物にならないしな…。

 だから、こういう下層で熟練度上げしてるって訳!」

 

 ノリ「流石は攻略組だね!!私達より全然すごいや!!」

 

 シウネー「それにユウキだってもう20体ぐらい倒してて1番ですからね…」

 

 ジュン「うぉー!!僕も負けてられないぜぇ!!」

 

 ユウキ(「…そういえば、この前追加された絶剣スキル…

 何度試しても使えなかったんだよね…どうしてだろ?」)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2023年03月13日 13時10分 第3層 洞窟ダンジョン内 最奥部

 

 ユウキ「ここだね…」

 

 タクヤ「あぁ…みんな陣形を整えて!!行くぞっ!!」

 

「「「おぉっ!!」」」

 

 扉を開き最後の部屋へと足を踏み入れる。

 中央でボスが待ち構えていた。

 

 グオォォォォォッ

 

 HPバーは3本だが、レベルは10となっている。

 やはり、第3層じゃあこんなものか…。

 

 タクヤ「落ち着いてやれば確実に倒せるからな」

 

 ジュン「よーし!!やるぞぉ!!」

 

 ボスが痺れを切らして先制攻撃を仕掛ける。

 武器は両手斧を有しており、パワー型と言った所だ。

 

 ユウキ「テッチ!!タンク頼んだ!!」

 

 テッチ「まかせてっ!!」

 

 ガキィィン

 

 鈍い音が部屋中に響き渡っている。

 テッチの金属製の盾がボスの攻撃をはじき、後退させる。

 

 テッチ「スイッチ!!」

 

 ユウキ&ジュン「「おっけー/了解っ!!」」

 

 キィィン

 

 2人はソードスキルを発動させ、追撃に入った。

 

 グルァァァッ

 

 ノリ「これだったら楽勝だねっ!!」

 

 タルケン「わたくし達も行きましょう!!」

 

 後衛の3人も攻撃を仕掛ける。

 

 ボスはモーションを起こし、ソードスキルの態勢に入る。

 

 タクヤ「テッチ!!もう1回タンクやれるか?次は2人でやるぞ!!」

 

 テッチ「了解!!」

 

 オレとテッチはボスのソードスキルを全力でパリィする。

 ボスも思わず態勢を崩し倒れた。HPも残り2割といった所だ。

 

 タクヤ「今だ!!全員アタックだ!!ソードスキルも遠慮なく使ってくれ!!」

 

 そして、オレ達はソードスキルの集中攻撃を決め、見事ボスを倒したのだ。

 後は報酬のギルドフラッグを手にいれるだけだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2023年03月13日 19時00分 第20層 主街区 レストラン

 

 ユウキ「えー…コホン…それじゃあ、今日はギルド結成に乾杯!!

 みんなお疲れ様!!」

 

「「「乾ぱーい!!」」」

 

 オレ達はギルドフラッグを手に入れ、ギルド申請も終えて、晴れてギルドとして認められたのだ。今はその祝勝会を行われている。

 

 ノリ「っぷはぁ〜!やっぱクエストあとの酒は最高だね!

 …ってタルケン全然飲んでないじゃないか〜私が注いでやるよ!」

 

 タルケン「も、もうこれ以上は…」

 

 ノリ「なんだい?…私が注いだ酒は飲めないって言うのかい?あん?」

 

 タルケン「い、いや、そういう事じゃなくてですね…」

 

 ノリ「だったら、樽ごと飲めや〜!!アッハハハハ!!」

 

 ノリはタルケンなの強引に酒を注いでいった。

 あいつらいつもあの調子なのか…。

 

 ノリ「ん?シウネー…あんたも酒が入ってないねぇ…」

 

 シウネー「え?いや…私、お酒は…」

 

 ノリ「シウネーも私の酒が飲めないって…」

 

 シウネー「っ!!飲みます飲みます!!」

 

 シウネーはノリの威圧に負けてしまいグラスに酒を注いでもらう。

 本当に弱いんだろうな…すごい震えてらっしゃる…。

 

 ジュン「今日は僕の勝ちだな!!ボスも合わせたら25はいってるもん!!」

 

 ユウキ「何をー!!ボスはボクの一撃で死んだんだから25はボクの方だ!!」

 

 テッチ「まぁまぁ落ち着いてよ2人とも…どっちもすごいじゃないか」

 

 ジュン「いいや!僕だ!!」

 

 ユウキ「違うよ!!ボクだよ!!」

 

 テッチ「もうその辺で…」

 

 ジュン「じゃあ、今から飲み比べで勝負だ!!どっちが先に潰れるか…!!」

 

 ユウキ「いいよ!どうせ勝つのはボクだしね!!」

 

 そう言ってテッチの静止を聞き入れず飲み比べを始めてしまった。

 

 タクヤ「…何やってんだ。どいつもこいつも…」

 

 オレは呆れながらもどこか落ち着くこの喧騒をしばらく聞いていた。

 ユウキも今までで1番楽しそうだ。あいつが笑顔ならそれでいい。

 

 ノリ「…て顔してるねぇ」

 

 タクヤ「!!?」

 

 シウネー「してますしてます…」

 

 タクヤ「!!?」

 

 いつの間にか両サイドにノリとシウネーが座ってきていた。

 タルケンは完璧にダウンしている。

 

 ノリ「実際どうなのさ?ユウキと一緒になって長いんだろ?」

 

 タクヤ「どうって…そりゃあ確かに、コンビ組んでた期間は長かったな。」

 

 シウネー「こう、なんか…思い当たる事とかないんですかぁ?」

 

 さっきから何が言いたいのか見えてこない。

 

 タクヤ「思い当たるも何もただコンビ組んでただけだ」

 

 ノリ「じゃあ、直球にユウキの事…女の子として好きなわけ?」

 

 タクヤ「ぶっ!!?な、何言ってんだ!!飲んだくれ!!」

 

 シウネー「ねぇねぇ…どんなんですかぁ?」

 

 タクヤ「お前もかっ!!?

 …てか、今までユウキの事そんな風に考えた事ねぇよ…」

 

 ノリ「うっそだァ!!絶対考えた事あるでしょぉ!!

 だって、男女のコンビなんて滅多に見ないよ!!」

 

 シウネー「少なからず意識してるんじゃないんですか?」

 

 こいつら…ノリはわかっていた事だが、シウネーまで酔うとこんなにめんどくさかったのか…。

 

 タクヤ「だーもう!!うっせぇなぁっ!!ユウキの事なんか何も思っちゃいねぇよ!!」

 

 ユウキ「ボクがどうかしたの?」

 

 タクヤ「!!?」

 

 オレは何故か妙な寒気を感じ取っていた。

 恐る恐る後ろわ振り返って見ると顔を真っ赤にしたユウキがいた。

 

 タクヤ「えっ、いや、な、なんでも…ない…」

 

 ユウキ「さっき、ボクの事…話してたよね…」

 

 ノリ&シウネー(「こ、これはもしや…!!」)

 

 ユウキ「ボクの事好きとかどうとか…話してたよね…?」

 

 タクヤ「ま、待て!これはちょっとした事情があってだな…」

 

 ユウキ「グス…」

 

 タクヤ「へ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ユウキ「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」

 

 いきなりユウキが大泣きした。

 その泣き声は店中に響いてしまっている。

 

 タクヤ「ゆ、ユウキさんっ!!?」

 

 ユウキ「タクヤがボクの事キライって…キライって言ったぁぁぁぁ!!!!」

 

 タクヤ「え!?いや、誰もそんな事は…」

 

 ユウキ「ボクはタクヤの事好きなのに…タクヤはボクの事キライって…うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」

 

 タクヤ「お!!?おまっ…!!酒飲んだな!!酔ってんだろ!!!!」

 

 ユウキ「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!酔ってないもーん!!!!」

 

 こ…これは手に負えんぞ。

 ノリとシウネーも知らん顔してねぇで助けろよら。

 だが、それでも2人からの助けは来なかった。

 

 タクヤ「…あぁくそっ!!しゃあねぇ…!!」

 

 オレは最後の手段に出た。

 ユウキの前まで行き、そして抱きしめた。

 ユウキもそれに気づいたのか徐々に泣き止んでいった。

 

 ユウキ「タ、クヤ…」

 

 タクヤ「たいして酒も飲めねぇのに無理するからだ…

 オレも別にユウキの事嫌いじゃねぇよ…

 嫌いだったら今までコンビとか組んでねぇ…そうだろ?」

 

 ユウキ「…うん。今はそういう事にしてあげる」

 

 抱きしめた腕を引こうとすると一緒にユウキの体も寄りかかってきた。どうやら寝てしまったらしい。

 

 タクヤ「はぁ…まったく…仕方のねぇ奴だな…」

 

 ノリ「とかなんとか言って役得なくせにぃ!!」

 

 タクヤ「ノリ…お前後でゲンコツな」

 

 ノリ「げっ」

 

「「「あっはははは」」」

 

 タクヤ「あ、そうだ…最後にオレからユウキに代わってギルド名を発表する」

 

 ジュン「え?ついに決まったの?」

 

 タクヤ「あぁ、さっきの帰り道でユウキから聞いたよ。

 こいつ、寝ちまってるからオレが発表する…

 このギルドは…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ユウキ『ねぇ、タクヤ!ボク名前で良いの考えたよ!』

 

 タクヤ『へぇ、どんなの?』

 

 ユウキ『…ボク達ってさ、現実の世界じゃ寝たきりで多分病院とかにいるよね?』

 

 タクヤ『…あぁ、このゲームがいつ終わるとかわからない以上病院とかで延命処置が施されてるだろうな』

 

 ユウキ『でも、ボク達はここで戦ってる…寝たきりの自分を起こす為に戦ってる!だから…ボク達のギルドの名前は…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 タクヤ「ギルド…"スリーピング・ナイツ”だ!!」

 

 テッチ「スリーピング…」

 

 シウネー「ナイツ…」

 

 ジュン「…いいじゃん。すげーいいよそれ!!」

 

 ノリ「うん…なんかこう…しっくりくるって言うかさ!!」

 

 タクヤ「よし!じゃあ、決まりだ!

 明日からスリーピング・ナイツはこのゲームをクリアする為にボスを攻略していく!!気合入れていこーぜっ!!」

 

「「「おぉぉっ!!」」」

 

 こうして、オレ達スリーピング・ナイツはまだ見えぬゴールに1歩…前進したのだった。

 

 

 

 

 現在のレベル

 タクヤ Lv.40

 ユウキ Lv.38

 ジュン Lv.33

 テッチ Lv.32

 タルケン Lv.30

 ノリ Lv.30

 シウネー Lv.27




どうだったでしょうか?
スリーピング・ナイツ全員集合ですね
これからどういう展開になるのか乞うご期待下さい


では、また次回!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。