ソードアート・オンライン-君と共に在るために-   作:ちぇりぶろ(休載中)

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という事で第7話ですけどこの小説を書き始めて1週間ぐらい?経ちましたが徐々にペースが下がってる気がしますね
とりあえず出来る限り頑張りたいと思います


では、どうぞ!


【7】忘れられない思い出

 現在のレベル

 タクヤ Lv.55

 ユウキ Lv.52

 ジュン Lv.48

 テッチ Lv.47

 タルケン Lv.46

 ノリ Lv.46

 シウネー Lv.45

 

 

 2023年05月16日 13時50分 第27層 ロンバール 宿屋

 

 この日オレ達スリーピング・ナイツは攻略を休み、久しぶりのプライベートに入っていた。

 結成されて以来休みという休みがなかった為、ここら辺で心身共に休ませようというユウキの考えだった。

 そして、オレは珍しくユウキと別行動を取り、1人主街区を歩いていた。

 

「あっ!タクヤ君!!」

 

 タクヤ「ん?なんだ…アスナじゃないか。こんな所で何やってんだ?今攻略してるのは37層だろ?」

 

 アスナ「今日は休みを貰ったの。来週誕生日だからね!

 プレゼントとか準備しないと…」

 

 タクヤ「へぇ…誕生日って誰がだ?」

 

 アスナ「え?」

 

 タクヤ「え?」

 

 オレは何かまずい事を言ってしまっただろうか…。

 アスナの顔がみるみる汚物を見るような顔になってる気がする。

 

 アスナ「…はぁ…」

 

 タクヤ「な、なんだよ!いきなり…」

 

 アスナ「呆れているのよ…。あーあ可愛そうなユウキ…」

 

 タクヤ「はぁ?なんでそこにユウキが出てくるんだよ?」

 

 アスナ「来週の5月23日はユウキの誕生日なのっ!」

 

 タクヤ「えっ!?そうだったのか…あいつ何にも言わねぇから…」

 

 来週、ユウキの誕生日だったとは知らなかった。

 知ってしまったから何か贈らなければならない。

 

 タクヤ「あれ?でも、23日って…」

 

 アスナ「うん…。その日はフロアボス戦なのよ。

 だから、ボス戦が終わってからって事になると思う。」

 

 ユウキの誕生日がボス戦とかぶるなんてタイミングが悪い。

 

 アスナ「じゃあ、私行くから!タクヤ君もプレゼント用意しとかなきゃ駄目だからね!」

 

 そう言い残してアスナは人混みの中に消えていった。

 オレは1人取り残され、思った。

 

 タクヤ(「オレ…ユウキが欲しい物が分からないぃぃぃっ!!!!」)

 

 ユウキは普段から別に物欲を出している訳ではない。

 むしろ、オレが買おうと思った物にたいして…

 

 ユウキ『それ…あんまり意味無い気がするんだけど…』

 

 とか言ってくるし、ユウキが何か自分の物を買っている所すら半年経った今でも見た事がない。

 

 タクヤ「そもそも女の子にプレゼントとかやった事ないからなぁ…」

 

 今まで生きてきてこの方、そういったイベントはオレの人生に存在しなかった。

 

 タクヤ「…あぁぁぁぁぁっ!!!!

 こうなったらさり気なく聞いてみるしかねぇ!!!!」

 思ったが吉日…オレはすぐさまユウキの元へと戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2023年05月16日 15時10分 第27層 ロンバール カフェテラス

 

 

 sideユウキ_

 

 ボクは今27層のロンバールにあるカフェでお茶を飲んでいた。

 

 ユウキ(「みんなには休みだって言ったけど、やる事ないなー…。

 タクヤも1人でどっか行っちゃったし…それなら一緒につれていってくれても良かったのになー…」)

 

 今ここにはいないタクヤの事をグチグチ言っていても何も始まらない。

 

「ユウキー!!」

 

 ユウキ「ん?あれ?向こうにいるのって…」

 

 遠くの道から誰かが走ってくる。

 

 タクヤ「ユウキ!!こんな所にいたのかっ!!」

 

 ユウキ「タクヤっ!!ど、どうしたのっ!!?」

 

 急いで走ってきたのはタクヤだった。僕に何か用事でもあるのかな?

 

 タクヤ「…ユウキ…」

 

 ユウキ「どうしたの?」

 

 タクヤ「…オレと付き合ってくれ!」

 

 ユウキ「うん、いいよ……って

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 えぇぇぇぇぇぇぇっ!!!?」

 

 え?今何が?どうして?状況が飲み込めないよぉ。

 タクヤ…今付き合ってって言った?…付き合ってって事はボクと?

 

 ユウキ「え…えぇと…あのね//ボクもね、タクヤの事…キライじゃあ…ないんだけど…///こうゆうのってさ…もっとこう…順番みたいなのが…///」

 

 タクヤ「は?いや、いいから早くついてこい」

 

 そう言ってタクヤはボクの手を引っ張りタクヤの方へと持ってくる。

 体を体で受け止められた事で、周りからは公衆の面前でボク達が抱き合ってるように見えるだろう。

 

 ユウキ(「きゃぁぁぁ!!なんか…なんか…すごいよぉ!!//

 ちょっと強引だけど優しく受け止めてくれて…///」)

 

 タクヤ「さぁ!とりあえず行くぞ」

 

 ユウキ「は…はい///」

 

 もうボクは何も考えられません///

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ユウキ「…でここは?」

 

 タクヤ「防具屋だけど…?」

 

 ユウキ「ボクが言いたいのはなんで防具屋なのって事!

 …最初のデートはもうちょっとおしゃれな所とか…//

 景色が綺麗な所とか…//

 あっ、でもまだ付き合うって決めたわけじゃないんだけど…///ボソボソ…とにかくもっと他の所はないのっ!?」

 

 タクヤ(「ここには欲しい物は何もないのかっ!!?

 どうする?オレにはもう何が欲しいかなんてわかんねぇ!!

 ユウキも若干不機嫌みたいだし…」)

 

 ユウキ「タクヤ?」

 

 タクヤは何故か頭を抱えたまま動こうとはしない。

 

 タクヤ「悪ぃ…用事思い出した。先に帰っててくれ…」

 

 ユウキ「え?よ、用事って…?」

 

 タクヤ「じゃっ!!そういう事だから!!」

 

 それだけを言い残してタクヤはまた全速力で主街区を突っ切っていった。

 

 ユウキ「な…なんだったの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2023年05月16日 17時00分 第27層 ロンバール 転移門前

 

 sideタクヤ_

 

 オレはメッセージでシウネーを呼び出し、転移門前で待っていた。

 すると、転移門が起動し中からシウネーが現れた。

 

 シウネー「お待たせしました、タクヤさん。

 それでどうしたのですか?」

 

 タクヤ「あぁ、シウネーの力を借りたいんだ!!」

 

 シウネー「か、顔を上げてください!!

 私なんかでよければ力になります!!」

 

 タクヤ「ありがとう!!じゃあ、早速なんだけど…」

 

 オレは諸々の事情をシウネーに説明した。

 アスナからユウキの誕生日の事を聞いた事や、プレゼントに何を贈ればいいのか悩んでいる事など…

 

 シウネー「そうですね…ユウキは女の子なんですし、何か洋服をプレゼントしてみてはどうでしょう?」

 

 タクヤ「洋服か…でも、それ戦闘中に着れるのか?」

 

 シウネー「えっ?いえ…流石に戦闘中にはちょっと…」

 

 タクヤ「だよな…。じゃあ、戦闘中にも着れる性能のいい装備を…」

 

 シウネー「それはないんじゃないかと…。

 後は、アクセサリーとか小物系はどうでしょう?

 それだったら形に残りますし、思い出にもなりますよ!」

 

 なるほど、流石は大人の女性だ。女心というものがわかっている。

 オレはその案を頂く事にし、シウネーとはそこで別れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2023年05月16日 18時10分 第27層 ロンバール 宿屋付近

 

 sideユウキ_

 

 ユウキ「さっきの一体何だったんだろう…?」

 

 つい先程、タクヤと別れたボクは1人宿屋へと帰っていた。

 さっきは少しテンパってしまったが、冷静に考えるとあのタクヤがあんな事言う訳ないよね。

 

 ユウキ「はぁ…。なんだろう…この脱力感…」

 

 ボクは肩を落としながら歩いているといつの間にか宿屋に着いていた。

 宿屋に入りいつもの席に座って飲み物を頼んでいるとシウネーとノリが帰ってきた。

 

 ユウキ「あっ、おかえり2人とも!」

 

 シウネー「ただいまユウキ」

 

 ノリ「たっだいまー!!」

 

 2人も席に座るとシウネーはコーヒーを、ノリはお酒を頼んだ。

 コーヒーとお酒をNPCが二人の前に配膳すると2人はゆっくりそれを味わう。

 

 ノリ「っかぁー!!やっぱ1日の締めはこれに限るよぉ!」

 

 シウネー「ノリ…あなたなんか親父臭いわよ…」

 

 ノリ「誰が親父臭いだこのやろ〜!!」

 

 全然怒っているようには見えないが、もう酔ってしまったんだろうか。

 

 シウネー「2人とも今日は何をしていたの?」

 

 ノリ「アタシは武器の強化素材を集めにタルケンと行ってたよ」

 

 ユウキ「ボクは特にやる事なくてダラダラしてたんだけど、途中タクヤが来てさ!防具屋とかに連れてかれてそしたらいきなり用事が出来たとか言ってどっか行っちゃって1人でここまで帰ってきた…」

 

 なんか言ってて悲しくなってきたような気がする。

 

 シウネー「あっ!ユウキ!!23日誕生日よね?」

 

 ノリ「え?そうなの?」

 

 ユウキ「う、うん…そうだけど、シウネーなんで知ってるの?」

 

 シウネー「あぁ、タ…じゃなくてアスナさんに今日偶然会って聞いたのよ!誕生会開かないとね!!」

 

 ノリ「おう!!盛大に盛上げてやるからなー!!」

 

 ユウキ「そうだったんだ…ありがとう2人とも!!」

 

 まさか、誕生会を開いてくれるとは思わなかったな…。

 あっちの世界じゃ、そういう事なかったから…。

 

 シウネー「どうしたの?ユウキ…」

 

 ユウキ「ううん!何でもないよ!楽しみにしてるからね!」

 

 もしかして…タクヤも知ってるのかな?そんな事ないか…。

 だってあの鈍感なタクヤだもん。でも…もし…知っててくれたら…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 嬉しい…かな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 sideタクヤ_

 

 タクヤ「…という訳なんだ。頼むよ、キリト」

 

 キリト「あぁ、もちろん構わないぜ」

 

 オレは第35層の狼ヶ原にいるキリトに会いに行っていた。

 

 キリト「ユウキの誕生会か…なんかそういうの、いいな…」

 

 タクヤ「お前だってギルドマーク付いてるって事はギルド入ったんだろ?どうだよ?そっちは…」

 

 キリト「そうだな…なんていうか、居心地がいいんだ。アットホームな雰囲気があって落ち着く…」

 

 タクヤ「そっか…。ってもうこんな時間か…オレは行くよ!

 キリトもレベリングもいいけど無理はすんなよな!!」

 

 キリト「それをお前が言うのか?」

 

 オレはキリトと別れ、みんなが待つ27層へと帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2023年05月16日 21時10分 第27層 ロンバール 宿屋

 

 タクヤ「ただいまー…てあれ?」

 

 オレが宿屋に帰ってくると中には誰もおらず、ポツンとテーブルでユウキが1人寝ていた。

 

 タクヤ「…みんなはもう寝たのか…。もしかしてオレを待ってたのか?」

 

 テーブルの上にはまだ暖かいハーブティーがあり、ついさっきまでユウキが起きていた証拠になった。

 

 タクヤ「…悪ぃ事したな。…ユウキ、起きろ!ユウキ…!」

 

 体をさすってもユウキは起きなかった。

 これ以上密着するとハラスメントコードが出てしまうので仕方なくユウキが起きるまで待つ事にした。

 

 ユウキ「…タクヤ…」

 

 タクヤ「…ふぅ」

 

 オレはストレージからブランケットを取り出した。

 5月とはいえ、まだ夜は肌寒い。

 この世界で風邪はひかないが寒い中何もしないのもオレの良心が許さない。

 ユウキにブランケットをかけてやり、熱いコーヒーを注文した。

 

 タクヤ「…ふぁ…どーすっかなぁ…」

 

 口にはほろ苦いコーヒーで包まれ、眠りかけていたオレの頭を目覚めさせる。ユウキの誕生日プレゼント…シウネーや他の友人の意見などを聞いて、オレにしか用意出来ないものをユウキに贈りたい。

 多分、そうじゃなきゃダメなような気がする。

 オレ達は今までずっと互いの背中を支えあってきた。

 その恩返しも兼ねている誕生日プレゼントはそこらで手に入るようなものではいけない。

 

 タクヤ「…お前は何が欲しいんだよ」

 

 当然、答えは返ってこない。ユウキの頬をつつきながら言った。

 

 タクヤ「寝てる時は大人しい癖に…」

 

 ユウキ「ん…ん…?」

 

 タクヤ「やべっ!…起こしちまったか…」

 

 ユウキ「あ…タクヤ…おかえり…」

 

 重い瞼を擦りながら体を起こす。

 

 タクヤ「オレを待っててくれてたのか?」

 

 ユウキ「うん…みんなは先に寝ちゃったけど…」

 

 タクヤ「悪ぃな…帰りが遅くなった」

 

 ユウキ「ううん…別に気にしてないよ?」

 

 タクヤ「さっ!じゃあ、寝るか…。

 ユウキ、部屋まで連れてってやるからおぶさりな」

 

 ユウキ「え?いいの?」

 

 タクヤ「待ってて貰ったお礼と起こしちまったお詫びも兼ねてな」

 

 ユウキが遠慮してたが、半ば無理やりおぶらせ部屋まで送り届けた。

 

 ユウキ「ありがとう、タクヤ…おやすみ…」

 

 タクヤ「あぁ…おやすみ」

 

 こうしてオレ達の休日は幕を閉じたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2023年05月23日 12時00分 第37層 迷宮区 ボス部屋前

 

 オレ達スリーピング・ナイツと血盟騎士団並びに攻略組の面々は第37層のボス部屋の前に集合していた。

 約半年で37層か…。

 このペースで進めたら後1年でこのゲームはクリアされる。

 だが、そんな簡単な話ではないとこれまでの戦いで確信が持てた。

 特に、25層のボス戦は今まで味わった事のない恐怖と強さだった。

 攻略組はその戦いで3割以上の損害が出ている。

 それを機に攻略組を去るギルドやパーティが後を絶たなかった程オレ達は苦しめられた。

 

「やぁ…タクヤ君…」

 

 オレに声を掛けてきたのは、真紅の鎧と十字架を象った盾と長剣を携えた1人のプレイヤーだった。

 

 タクヤ「ヒースクリフ…団長…」

 

 ヒースクリフ「団長はつけなくてもいいのだよ?タクヤ君…」

 

 タクヤ「で…なんか用か?」

 

 ヒースクリフ「そう邪険にしないでくれたまえ…。

 私はこうしてギルドやパーティのリーダーに挨拶がてら調子を聞いて回っているだけなのだから…」

 

 ヒースクリフ団長…アスナが所属しているギルド"血盟騎士団”のギルドマスターだ。

 その類まれな指揮と統率力で瞬く間に攻略組のトップに立った男だ。

 アスナも彼の事を尊敬しているみたいだが、オレは何故か…理由などはこれっぽっちもないがこの人の事は好きになれない。

 

 タクヤ「別に…普段通りだよ。

 後な…リーダーはオレじゃなくてユウキだ!

 そこん所は間違わないでくれ!」

 

 ヒースクリフ「いやなに…それは分かっているとも。

 この後、彼女にも挨拶するつもりだったからね。

 君と…キリト君には個人的に挨拶しているだけだ。

 願わくば血盟騎士団に入って欲しいと言うのが本音だがね…」

 

 タクヤ「生憎…オレとキリトはもうギルドに入ってる。アンタの誘いは断るしかできねぇな…」

 

 ヒースクリフ「ふむ…なら、仕方ないな。

 では、私はこれで失礼するよ…。君の善戦を期待している…」

 

 そう言い残してヒースクリフはまた違うギルドの方へと向かって行った。

 

 タクヤ「…何が仕方ないな、だ!そんな事思ってねぇ癖に!!」

 

 個人的に何かされたわけではない。

 むしろ、信頼を寄せられている自負がある。

 だが、オレの中でもやもやした気持ちが蔓延っている。

 

 ユウキ「タクヤ!そろそろボス戦だよ!」

 

 タクヤ「あ、あぁ!今行く!」

 

 とりあえず、あいつの事を考えるのはよそう。

 今は目の前のボス戦に集中しなくちゃいけない。

 

 ユウキ「じゃあみんな!!今日もいっちょ勝負だよっ!!!!」

 

 スリーピング・ナイツ「「「おぉぉぉっ!!!!」」」

 

 そして、扉が開かれてオレ達はボス部屋に入り、ゲームクリアへの1歩をまた前進するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2023年05月23日 17時55分 第27層 ロンバール レストラン

 

 アスナ「じゃあ…38層到達の祝いとユウキの誕生日も兼ねて乾杯!!」

 

「「「「「「乾ぱぁぁい!!!!」」」」」」

 

 オレ達は27層にあるNPCレストランを貸切にして祝勝会とユウキの誕生会を兼ねてのパーティを行っていた。

 オレとアスナがユウキの知人を全員に声をかけた結果、結構な大所帯になっていた。

 

 

 

 

 sideユウキ_

 

「よっ!ユウキちゃん!オレ達も来たぜ!!」

 

 ユウキ「わぁ!クラインさん!!久しぶりだねッ!!」

 

 クライン「あぁ、今日のボス戦は急遽行けなかったが38層のボス戦の時は行くからよ…まかせとけっ!!…っとその前に言う事があったな…。誕生日おめでとう!!これはオレら風林火山からだ!!受け取ってくれ!!」

 

 そう言って渡してくれたのは美しい花束だった。

 

 ユウキ「わぁ!ありがとうクラインさん!!」

 

 タクヤ「クラインもちゃんとプレゼント用意出来たんだな」

 

 クライン「おいそりゃあどういう意味だよ!!タクヤ!!」

 

 タクヤ「どうもこうもガサツそうに見えたんで思わず口が…」

 

 クライン「んだとぉっ!!」

 

 タクヤとクラインさんは言い合いながらもその光景はどこか微笑ましいように感じた。

 

 アスナ「ユウキ!」

 

 ユウキ「あっ!アスナ!!…それにキリトもっ!!」

 

 キリト「こんばんはユウキ…。今日はお疲れ…そして、おめでとう」

 

 アスナ「おめでとう!!ユウキ!!」

 

 ユウキ「うん!!2人ともありがとう!!」

 

 やっぱり誕生日を祝ってもらうのってすごく嬉しい。

 こういうのは初めてに近い経験かもしれない。

 そういう意味では、この会を開いてくれたアスナに感謝だ。

 

 アスナ「はいこれ!!私からユウキにプレゼント!!」

 

 アスナがストレージから取り出した大きな袋には綺麗なラッピングが施され、開けるのに多少の躊躇がある程だ。

 

 アスナ「ユウキ!!開けてみて!!」

 

 ユウキ「うん!!…わぁ!綺麗なドレスだね!!」

 

 中から出てきたのはボクの髪の色に近いパープルカラーのドレスだった。

 刺繍も凝っていて、現実世界で買うとなればそれなりの値段になるはずだ。

 

 ユウキ「こ、これ…高かったんじゃないの?」

 

 アスナ「ううん…それは私の知り合いのアシュレイさんって人に作ってもらったんだ。かかったのは材料費ぐらい…。

 それに、ユウキ今日が誕生日なんだから気にしなくていいよ!」

 

 ユウキ「うん!ありがとう!大事にするよ!」

 

 キリト「しまったな…オレとかぶったかも…」

 

 ユウキ&アスナ「「えっ!!?」」

 

 あのキリトがボクにドレスをプレゼント出来るなんて夢にも思わなかったよ。まるで、キリトじゃないみたい。

 

 キリト「…2人とも。すごく失礼な事考えてるだろ…。ったく」

 

 キリトがボクにアイテム欄から直接渡してきた。

 直接渡してきたって事は防具かな?

 なら、キリトでも充分考えられるな、と勝手に思ってしまった。

 

 キリト「試しに着てみてくれ」

 

 ユウキ「うん!わかった…」

 

 ボクは装備欄からキリトから貰った防具を来てみる。

 ボクの防具はたちまち変わり、綺麗な紫の記事に赤の飾りが彩られた防具が露になった。

 

 キリト「それは37層のボスのLAB(ラストアタックボーナス)の"ナイトリー・クローク”。ユウキのステータスに合ってると思ってさ」

 

 ユウキ「これ…すごく動きやすいしアジリティもすごい上がってる!!

 ありがとうキリト!!これからもこれを装備するよ!!」

 

 キリト「気に入ってもらって何よりだ」

 

 アスナ「…ていうか、あなたまたLAB取ってたのね!

 抜け目のない人だわ…」

 

 キリト「き、今日もたまたまだよ…たまたま…」

 

 キリトは思わぬダメージを受け、アスナにタジタジになっている。

 その後もエギルさんや、スリーピングナイツのみんなからプレゼントを貰った。楽しい宴会は遅くまで続き、ボクは夜風に当たりにテラスに出た。

 するとそこにはイスにもたれ掛かったタクヤが1人でいた。

 

 ユウキ「どうしたの?タクヤ…みんなまだ中にいるよ…?」

 

 タクヤ「あぁ、ユウキは?どうしたんだ?」

 

 ユウキ「ボクは少しお酒飲んじゃったから夜風に当たりに来たんだ」

 

 タクヤ「そっか…。なら、丁度いいかもな…」

 

 ユウキ「え?」

 

 タクヤはイスから立ち上がりボクに近づいてくる。

 ボクは少し戸惑いながらもそれをどこか心待ちにしながら待っていた。

 

 タクヤ「ユウキ…今更だけど…誕生日おめでとう…」

 

 ユウキ「あ、ありがとう。嬉しいよ…」

 

 何故か、ボクの心はドキドキしていた。何故だか胸が苦しい…。

 でも、不思議と嫌な気分じゃなかった。

 

 タクヤ「なんかみんなの前で渡すの照れくさかったから遅くなっちまったけどこれ…オレからのプレゼント…」

 

 タクヤはそう言って渡してくれたのは小さな箱だった。

 

 ユウキ「…開けていい?」

 

 タクヤ「あぁ…。気に入ってもらえるといいんだけどよ…」

 

 ボクは箱を開けてみると、そこには1つのペンダントが入っていた。

 

 ユウキ「これ…」

 

 タクヤ「それ開く仕組みになってんだけど、開けてみてくれ…」

 

 タクヤの言う通りに開けてみるとそこには1枚の写真が入っていた。

 

 タクヤ「前にスリーピング・ナイツで初めてボス戦やった時の写真なんだけどよ…。

 シウネーに相談したら形に残る物がいいって言われてそれを思いついたんだよ。」

 

 ユウキ「…嬉しいよ!タクヤ!!ボク、すっごく嬉しいよ!!」

 

 胸が高鳴るのを感じる。どのプレゼントでも起きなかったこのこみ上げてくるこの気持ちは…。

 

 タクヤ「そのペンダント…何枚も写真入れられるらしくて、今はまだ1枚だけだけどこれからまたみんなで…思い出として残してくれたらって思うんだ」

 

 ユウキ「…タクヤ…」

 

 タクヤ「…そ、そういう事だから大事にしろよ!!」

 

 ユウキ「うん…ボクの宝物にするよ…」

 

 やっぱりそうなんだ。

 あの時…マクアフィテルのクエストに行った時からだ。

 あのおじいさんにも言われた。ボクも本当は気づいてたんだ。

 でも、この気持ちを出して今の関係が崩れるんじゃないかって…そう思ったら怖くなってずっと奥底にしまい込んでた。

 でも、しまい込んでいたはずなのに…また出てきてしまった。

 やっぱりこの気持ちに…自分に嘘はつけないや

 ボクは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ユウキ「…タクヤの事が好きだ…」

 

 タクヤ「え?」

 

 言ってしまった。僕の気持ちを…。でも、後悔はしていない。

 これ以上しまい込むのは無理だったんだ。

 だから、ボクは言った。この気持ちを声に出した。

 

 ユウキ「…」

 

 タクヤ「…ユウキ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 sideタクヤ_

 

 オレはユウキにプレゼントも渡せたし、喜んでくれた。

 その表情に若干ときめいてしまった自分がいた。

 でも、その思いはすぐに心の底に追いやった。

 

 タクヤ(「あっぶねぇ…一瞬可愛いとか思っちまった…!!

 ガキ相手に何やってんだオレはっ!!

 ロリコンとか言われたらどうすんだ!!

 …それに…今はそんな事に現を抜かしてる場合じゃないんだ…

 兄貴を…止めるまでは…オレは…!!」)

 

 ユウキ「…タクヤの事が好きだ…」

 

 タクヤ「え?」

 

 今なんて言った?好きって言ったのか?ユウキが?オレを?

 何かの間違いだろう。あのユウキがオレにそんな感情抱くわけねぇ。

 …もし、もしそうだとしたら…オレは…なんて言うんだろう…。

 オレはそれに答えが出せるのか?

 まだオレ達はこの世界から脱出も出来てねぇ…。

 それに生きてここから出られるかもわからねぇ。

 そんな状態で答えが出せるのか?

 

 ユウキ「…」

 

 タクヤ「…ユウキ…」

 

 ユウキ「…いいよ。今は何も言わなくて…」

 

 タクヤ「!!」

 

 ユウキ「…タクヤにはやらなきゃいけない事があるんでしょ?」

 

 タクヤ「なっ!?」

 

 何でそんなことがわかるんだ。オレ、顔に出てたか?

 

 ユウキ「タクヤってさ…いつも笑ってるように見えてどこか遠い所を見てたんだよ…デスゲームが始まった時から。デスゲームが始まる前は心の底から笑ってた。初対面だったボクでも分かったんだ…」

 

 タクヤ「…」

 

 確かに、デスゲームが始まる前は兄貴の事を憎んでもこの世界まで憎む事はなかった。むしろ、好きになっていた。

 でも、あの日…あの時から…オレは心の底で無意識にこの世界までも憎んでいたのか…。

 

 ユウキ「タクヤはそれを終わらせるまで他の事は考えられないよね?

 だって、タクヤって結構単純で鈍感だもん!

 だから、今はまだ答えてくれなくていいよ…。

 でも…ボクがタクヤの事を好きなのは変わらないからね!

 それが終わった時、答えてくれたらボクは嬉しいな…」

 

 タクヤ「…オレは…このゲームの…けじめをつけなくちゃいけねぇ…。

 他の奴らじゃなくて…オレが…オレだけがしなくちゃいけねぇ…!!

 それがなんだとか…は今は言えねぇけど…でも、いつか!!きっと!!

 話せると思うから…!!だから、その時、この気持ちも伝えるよ!!

 約束する…だから、ユウキ…待っててくれるか?」

 

 ユウキ「…うん。いつまでも…待ってる…」

 

 オレは気付かない内にユウキを強く抱きしめていた。

 

 今は…今だけは…これだけだから…許してほしい。

 

 ユウキ「タクヤ…好き…大好きだよぉ…」

 

 タクヤ「…今はこれで我慢してくれ…」

 

 レストランからは誰もが嬉々として心から楽しんでいる。

 だが、月夜の下の2人は時間の流れに身を委ね、ただ静かに今を生きていた。

 

 

 

 




どうだったでしょうか?
ちょっと早いと思ったんですけどここでユウキの気持ちを出させていただきました。
その答えはいつ聞けるのか…僕次第ですね!
とりあえずまだ恋仲の関係にはなっておりませんのであしからず…

では、また次回!
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