ソードアート・オンライン-君と共に在るために- 作:ちぇりぶろ(休載中)
先日活動報告にも挙げていた挿絵に関してですが、今年中には実装します!
タクヤや他のオリジナルキャラの特徴がイマイチ掴めないと度々言われていましたので挿絵を上げた時に参照にしてください。
とりあえずテストとしてユウキのイラストを近日中に上げますのでお楽しみに!!
では、どうぞ!
【78】鍛錬
2025年12月25日06時00分 埼玉県川越市 桐ヶ谷邸
まだ空が白け、小鳥の囀りすら聞こえて来ない早朝。
桐ヶ谷邸にある道場から空を切る音が鳴り響いていた。
和人「ふっ…!!ふっ…!!」
竹刀を両手で固定し、何千何万と同じ動作を繰り返す。
体中には汗が滴り、体温も外の気温など物ともしない程に上昇していた。
桐ヶ谷和人はただひたすらに目の前を見据えて竹刀を振り続ける。
和人(「またオレは…助けられた」)
竹刀を振りながら終業式での騒動を思い起こしていた。
大勢の不良をたった1人で鎮圧し、危険に怯えていた和人達を拓哉は守ってくれた。
これで彼に救われたのは一体何度目だろう。
数え切れない程救われ、その度に傷を負って、それでも笑ってくれる。
彼のどこにそのような強さがあるのか和人はSAOに囚われていた頃からずっと疑問に思っていた。
大切なものを守る為、愛した者達を守る為に力をつけ、立ち向かっていけるのだと和人は明日奈と結ばれた時に知る事になった。
和人(「オレももっと力をつけないと…明日奈を守れない…!!」)
さらに力が入った和人は雑念をかき捨て竹刀を無心で振る。
すると、道場に和人と同じ道着を着た妹の直葉が入ってきた。
直葉「あれ?お兄ちゃん?…どうしたの?」
和人「あぁ…スグ、おはよう」
直葉「おはよう…ってそうじゃなくて!!どういう風の吹き回しなの?
お兄ちゃん、朝起きれないからって剣道の練習なんてしてなかったじゃん」
和人はSAOから帰還してから普段より睡眠を多く取るようになった。
ジムに通っていた初期の頃は体を元に戻す為に規則正しい生活を送っていたが、病院から正常と判断されてからは何とも自堕落な生活をしている。
その姿を間近で見ていた直葉が不思議に思うのは当然で、自分よりも先に稽古していた和人に驚いた。
和人「ちょっとな…。最近たるんできてるからここら辺で締めておきたくて」
直葉「ふーん…そうなんだ。ならさ、稽古がてら試合してみない?
あの時のようにはいかないよ!」
和人「オレも腕試ししてみたかったんだ。早速やろうか」
互いに向かい合い、防具を身につけ、準備万端の状態で試合に臨む。
和人がSAOから帰還した時にもこんな風に竹刀を向け合った事がつい昨日のように思う直葉。
あの時は和人の独特な姿勢に油断もしたが、今回はそうはいかない。
和人の強さは既にALOで嫌という程に知っているからだ。
軽い気持ちで試合を申し込んだ直葉だったが、今は大会で見せる集中力を引き出す。
直葉「…いくよ」
和人「あぁ、来いっ!!」
視線を重ねた瞬間、直葉は雄叫びと共に和人に突撃する。
勢いよく振り下ろされた竹刀を和人は同等の力で受け止めた。
防がれるのは当たり前…直葉は受け止められたショックを即座に捨て去り、次の一手にかけた。
狙うのは篭手、それは和人も充分に予想はしているハズだ。
直葉(「篭手に行きつつ胴に切り替えるっ!!」)
篭手の延長線上に胴を捉えた直葉は腰を回し、その線に重ねるように竹刀を振った。
和人(「篭手狙いかっ!?」)
すぐに篭手を守るように竹刀を添えるが、それをすり抜け、胴へと一直線に振り下ろされる。
和人「っ!!?」
直葉(「貰った…!!」)
完全に和人の意表を突いた直葉は勝利を確信した。
この距離では和人が何か動く前に直葉の竹刀が胴に直撃するのは初心者でも理解出来る。
予想通り、直葉が振り下ろした竹刀は和人の胴を切り込み、その時点で試合は直葉の勝利で幕を閉じた。
和人「…さすがスグだな。完敗だよ」
直葉「…ありがと…」
防具を外し、倉庫へ直そうとしている和人の後ろ姿に直葉はある疑問が浮かんできた。
直葉(「いくら裏をとってもいつもならありえない超反応見せるのに…」)
確かに、先の試合で直葉は和人に勝利した。
だが、直葉にとってその勝利は決して納得のいくようなものではなかった。
彼女の知る和人ならあの局面でも持ち前の反射神経で難なく躱されるとも予感していたが、結果は言わずもがな。
前の稽古で体力を使い果たしていたのか…それとも、何か別の要因があるのかは直葉にも分からない。
このどうしようもない不安はきっと自分の勘違いと言い聞かせ、直葉も稽古に戻った。
2025年12月25日09時00分 ALO新生アインクラッド 第21層
キリト「…」
朝の稽古が終わり、キリトは21層の洞窟ダンジョンにソロで攻略しに来ていた。
現時点での最前線というだけあり、朝から多くのプレイヤーが攻略に励んでいる。
迷宮区を踏破し、21層のボス部屋が見つかるのもそう時間はかからないだろう。
キリトは誰もいないダンジョンで1人でモンスター相手にスキルの熟練度上げに勤しむ。
キリト(「やっぱり…誰もいないか…」)
新生アインクラッドは旧アインクラッドのデータをALOに移植している為、難易度やモンスターの種類は違えど、圏内の街やフィールド、ダンジョンなどの地形は本家と類似している。
今、キリトがいるこの洞窟は旧アインクラッドでは評判の悪かったダンジョンの1つだ。
宝箱はなし、モンスタードロップも乏しい、しかし、モンスターの数だけは異常と悪条件が重なったこの場所は当時から人の足を遠ざけていたのだ。
キリト「今のオレにとっては最適な場所だな…」
言葉通り何も価値がないダンジョンにキリトがやってきた理由は熟練度上げというのもあるが、それと同時に
SAOに囚われていた頃は誰もがレベリングを行い、効率的な経験値の稼ぎ方、美味い狩場などをピックアップし、昼夜問わずにモンスターを狩り続けたという話は珍しくなかった。
キリトもその1人でソロでよくレベリングをしていた。
仲間達から見て言わせれば相当の無茶をしていたらしいが、本人にはその自覚はない。
アスナにも散々注意され今に至る訳だが、今のキリトにはそれは通じない。
キリト(「もっと…強く!!」)
両手に握られた2本の片手剣を交互に振り、襲いかかってくるモンスターを1匹残らず狩り尽くす。
ALOにソードスキルや
それに伴ってSAO
それはやはり、
かく言うキリトも仮想世界に対する愛情がこの足を歩ませた。
だが、SAOに実際に存在していた"ユニークスキル”は実装には至っていない。
それもそのハズで、あれらはデスゲームであったSAOで許された反則技のようなものだ。
確認されただけで"神聖剣”、"修羅”、"絶剣”、"二刀流”…それらはゲームバランスを崩壊させかねない程の力を発揮し、1プレイヤーがそれを独占するというのはあまりにもチートが過ぎている。
かつて"二刀流”スキル保持者であったキリトはALOにおいて片手剣を2本持つ事で擬似的に再現している。
それも全盛期には程遠く、威力も半減されていた。
キリト「手数は増えるから全然使えないって事はないけど…」
擬似的に模倣しているとは言え、片手用直剣ソードスキルが使えない訳ではない。
1からスタイルを作り直したタクヤに比べたらキリトのスタイルは既にあったものを模倣しているだけに過ぎない。
鍛え方も効率的な戦い方も熟知しているアドバンテージは大きかった。
キリト「あと少しで片手剣スキルは
その先はどうしたもんか…」
キリトのステータスはSTR‐AGI型と魔法に頼らず、物理攻撃に特化したビルドでアスナやリーファにも少しは魔法スキルも上げてみたら…と、アドバイスを受けている。
確かに、ALOは魔法をメインとしたクエストやイベントが多い上に、モンスターも物理耐性が備わっているものも多い。
キリトの仲間で魔法スキルを上げているのは
リーファやルクスは元々ソードスキルがない初期の頃からプレイしているという理由があるし、アスナも後方支援に特化した
キリト「そう考えたらオレらのパーティーって脳筋ばっかりだな…」
これは後方支援も忙しい訳だと、この場にいない3人に感謝しつつ、キリトは奥へと進み始めた。
やはり、最前線なだけあってモンスター達のレベルも高い。
一撃で仕留め切れないモンスターと戦闘を重ねつつ、片手剣スキルの熟練度を上げていく。
すると、何かのギミックに引っ掛かったのか、モンスターが大量にポップしていく。
キリト「流石にこの数はシンドいぞ…」
なおも増え続けているモンスターにキリトもより一層集中力を高めた。
退路は完全に塞がれ、モンスターハウスに閉じ込められたキリトに狩る以外の選択肢はない。
覚悟を決めたキリトは地を蹴り、2本の剣を振るった。
ただでさえ強い上に群れを成したモンスターは予想以上に手強い。
次々にポリゴンに四散させていくが、それでも退路は切り開けずにモンスターは牙を向いて襲いかかってきた。
キリト「くっ…!!」
HPも次々に削られていき
キリトは愛剣"ユナイティウォークス”を輝かせ、範囲技で一気にモンスターを蹴散らす。
片手用直剣ソードスキル"ホリゾンタル・スクエア”
たった数秒の事だが、モンスター達はそれを逃さない。
牙を剥き出しにしながらモンスターが襲いかかる。
キリト「しまっ─」
突如、洞窟の出口から闘気を込めた気弾がモンスターを次々に蹴散らし、1本の退路が生まれた。
キリトは視線だけを退路に向け、そこから脱兎の如く駆けてくる1人のプレイヤーがいた。
キリト「なっ…!!?」
驚くのと同時に体の自由が戻り、剣を構え直して背中を預けたプレイヤーに言った。
キリト「何でここにいるんだよ…?」
タクヤ「まぁ…暇つぶしだよ!」
そこに現れたのは
この少年に追いつきたいと無茶な鍛錬をしてきたと言うのに、少年は危険を物ともしない凛とした佇まいを見せている。
両拳に装備された"
タクヤ「何がおかしいんだよ?」
キリト「いや…ついな。…とりあえず、ここを出るか」
タクヤ「よしっ!なら、先陣はまかせた!!」
タクヤの
モンスターも怒りを露わにして襲いかかるが、キリトとタクヤの前に無残にもポリゴンへと四散させられていく。
先程までの劣勢をタクヤの登場でひっくり返し、2人はモンスターを置き捨て出口へと真っ直ぐ進んだ。
2025年12月25日10時20分 ALO新生アインクラッド 第21層主街区
洞窟から一目散に逃げてきたタクヤとキリトはそのまま主街区まで戻り、噴水前のベンチで休憩する事になった。
キリト「ハァ…ハァ…助かったよ。ありがとな」
タクヤ「あそこはソロで攻略すべきじゃねぇよ…。流石に手が回らねぇだろ」
キリト「ちょっと熟練度上げしてて…あそこは昔から効率がいいんだ。
そう言えば、お前こそ何であそこに?」
あの場所は他のプレイヤーなら決して近づこうとはせず、キリトのような一部の物好きな者ぐらいだ。
キリトはタクヤに率直な疑問を問いかけ、タクヤは答えた。
タクヤ「あー…ほら、オレも暇だったからスキル上げでもしようかなーって…」
キリト「それなら他にもあったんじゃないか?しかも1人で…」
タクヤ「ユウキ誘うには早すぎるし、ストレアも寝てたから1人で来たんだよ。…まぁいいじゃねぇか!この話はもう終わりだ!!」
結局、真相をはぐらかしたタクヤにキリトもこれ以上聞こうとは思わない。
片手剣スキルもとうとう
タクヤ「キリトはOSS何か考えたか?」
キリト「いいや。自分でソードスキルを作るのは魅力的だけど、これといった連撃が決まらないんだよ。そういうタクヤは?」
タクヤ「うーん…考えてはいるんだけどなぁ…。ユウキの"マザーズ・ロザリオ”みたいにオレも"孤軍奮闘”を作ろうと思ったけど、中々上手くいかないでいる」
キリト「そうか…」
他愛のない話をしているが、力をつけたいキリトからしてみればかなり深刻な問題でもある。
その理由が隣にいるタクヤだとは本人は夢にも思っていないだろう。
タクヤ「…思ったんだけどさ、片手剣ソードスキルを2本同時になんて出来ねぇの?」
キリト「無理だろ。まず、システムが認識する動作が左右で違うんだから出来ても片方の剣だけだ」
タクヤ「ふーん…なら、順番に出せばいいじゃねぇか」
キリト「それも無理だ。ソードスキルの後にすぐ
どの案も実戦で採用するには決定打に欠ける。
そもそも、それが出来たらここまで頭を悩ませてはいないのだ。
キリト(「…いや…」)
キリトはここで何かに引っ掛かった。
それが何かというのはまだ判断出来ないが、その感覚を頭の片隅に置いてこの足で22層に繋がるキークエストを消化しようとタクヤを誘う。
タクヤもそれを了承し、SAOでの知識を頼りに2人はフィールドに赴いた。
2025年12月25日10時45分 ALO新生アインクラッド 第21層
旧アインクラッドの21層と酷似しているのは何もフィールドに限った話ではない。
キークエストや、イベントの発生条件も同じでSAO
2人が向かったのは21層にある古代遺跡。
ここに現れるフィールドボスを倒し、ドロップしたアイテムを主街区にいる衛兵長に渡せばフロアボスの弱点を教えてもらえるという仕組みだ。
ゲームの定番となるフラグ集めも2度目ともなると行動は早く、衛兵長からフィールドボスの情報を聞き、この古代遺跡まで赴いた次第だ。
タクヤ「確か、21層のフロアボスは片腕がクソでかいゴリラみたいのだったよな?」
キリト「あぁ、"ザ・アヴェンジャーアーム・エイプ”…設定では人間から迫害を受けていた猿の首領で、人間達に復讐する為に禁断の呪術に身を堕としたって内容だ。
まぁ、この層が元々猿達の街だったのを人間達が侵略してきたんだ」
タクヤ「各層毎にいろいろ設定考えられるよな…。まぁ、嫌いじゃねぇけど」
今から討伐するフィールドボスもフロアボスの手下という設定であり、力こそ弱いが多種多様の
今回は予備知識がある事と、ALO特有の
基本、新生アインクラッドにいるモンスターは陸上生物で占められている。
キリト「今回は
タクヤも十分に注意してくれ」
タクヤ「分かってるよ!前も手を焼いたから警戒は怠らねぇ。
しかし、よく2人でフィールドボスに挑む気になったな?」
キリト「…それぐらい出来なきゃ追いつけないからな…」
タクヤ「ん?」
キリト「いや、何でもない。そろそろ着くぞ?」
古代遺跡の入口が見えてきた所に大きな足音と共に棍棒が2人の間を貫いた。
タクヤ&キリト「「!!?」」
背後にそびえ立つ柱が次々にへし折られていき、土煙を漂わせながら平地へと変貌させた。
タクヤ「…登場の仕方…変わってね?」
キリト「より一層警戒しろって事か…」
棍棒から入口に視線を戻すとそこから体毛で覆われた手が顔を覗かせている。
それが徐々に体、頭と姿を現していく。
約2年振りに相対したフィールドボス"ザ・ストレンジャーアーム・エイプ”が雄叫びと共にタクヤとキリトに威嚇する。
タクヤ「見た目は一緒だな」
キリト「でも、さっきの登場から見て他にも違う点があるかもしれない」
2人はそれぞれの武器を構え、ストレンジャーアームを睨みつける。
ストレンジャーアームも2人を標的に定め、地鳴りと共に襲い掛かってきた。
タクヤ「オレがタゲを取るからキリトはその隙に攻撃を─」
タクヤが指示を出し終わる前にキリトは先行してストレンジャーアームに斬りかかっていった。
キリト「はぁぁぁぁぁっ!!!!」
ストレンジャーアームの剛拳を躱し、その上を伝ってストレンジャーアームに接近する。
抵抗してみせるが、翅を出現させて背後に回り込み、3撃斬りつけた。
悲鳴を上げ、完全に標的にされたキリトに素早い足回りで攻撃を仕掛ける。
だが、それすらもキリトは持ち前の反射神経で躱し、さらに3撃食らわせた。
キリト(「これだけ翻弄すればいけるっ!!!」)
タクヤ「すげぇ…けど、何無理してんだ?」
翅を駆使して文字通り縦横無尽にストレンジャーアームを追い詰めていた。
だが、このまま最後まで倒し切れる程フィールドボスは甘くない。
それから15分もの間キリトは1人で戦っていた。
タクヤが手を出す隙はなく、キリトの鬼気迫る攻防は魅入られる程に迫力があった。
瞬間、ストレンジャーアームが咆哮を上げ、その轟音に思わず耳を塞がらずにはいられなかった。
それが…その瞬間がストレンジャーアームにとって最初にして最大のチャンスだった。
口から唾液をかけられたキリトは地面に叩き落とされ、HPが3割程削れられる。
キリト「ぐ…!!」
タクヤ「キリト!!?野郎…!!!」
キリトへの追撃を阻止する為、静観を保っていたタクヤが動いた。
しかし、突如としてドラミングを行い始めたストレンジャーアームに轟音で動きを封じられたタクヤは耳を塞ぐ。
ドラミングの影響でストレンジャーアームに
動きを封じられたタクヤはそのままストレンジャーアームの振る棍棒で叩き飛ばされた。
タクヤ「がっ…」
キリト「タクヤ!!…くそ!!麻痺が…!!」
唾液による麻痺がキリトの動きを完全に封じた。
その好機をストレンジャーアームが逃す訳もなく、剛拳を次々キリトに叩き込んでいく。
HPはみるみる削られていき、ついにレッドゾーンにまで落ちた。
キリト(「くそ…!!オレは…まだ…!!」)
まだ何も成果を見せていない_
スキル上げと共に昔の戦闘感を取り戻そうとモンスターの群れに飛び込んだというのに、タクヤを守れず、自分までもここで終わってしまう事にキリトは怒りを露わにする。
まだ何も始まっていないと後悔しても、ストレンジャーアームが止まらない。
眼前の敵を討ち滅ぼすまでこのモンスターが止まる事はなく、慈悲をめぐむ事もない。
最後の一撃になる剛拳を振り下ろされたキリトは目を閉じ、後悔と共に命の最後を待っていた。
キリト(「オレは…オレは…!!!」)
タクヤ「まだだぁぁぁぁっ!!!!」
剛拳がキリトを仕留める直前でストレンジャーアームの顔が歪み、古代遺跡へと蹴り飛ばされた。
キリト「タクヤ…」
タクヤ「大丈夫かキリト!!?今の内に消痺結晶使え!!!」
タクヤに言われるままキリトはアイテムポーチから消痺結晶を四散させて麻痺を回復させる。
その頃に瓦礫から這い上がってきたストレンジャーアームが怒りを咆哮に変え、轟音が響き渡る。
キリト「タクヤ…オレ…」
タクヤ「反省なら後でしろ!!ったく…昔から無茶しやがって。
お前が言ったんだろうが!!『お前は1人じゃない』ってよ!!!!」
キリト「!!」
その言葉はキリトがタクヤに響かせたもの。
それがどういう意味でどんな感情が込められていたのかキリトが1番分かっていたハズだ。
強さを追い求めるあまりキリト本人がそれを見失っていた。
キリト「…すまん」
タクヤ「反省なら後でしろって言ったろ?今はコイツを倒す事に集中しろ!!…
キリト「!!…あぁ、やろう!!!勝って勝利の美酒を飲もう!!!」
タクヤ「いくぜっ!!!!」
タクヤは"
まだ、ダメージが残っているストレンジャーアームに追撃をかける為にタクヤが先行した。
タクヤ「はぁぁぁぁぁっ!!!!」
HPが一気にイエローにまで落ち、後数回のソードスキルで倒れる事を確信したタクヤがキリトに全てを託した。
タクヤ「スイッチ!!!!」
キリト「うぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」
雄叫びを上げ、右手に握られた"ユナイティウォークス”を輝かせた。
片手用直剣ソードスキル"バーチカル・アーク”
Vの字に斬られたストレンジャーアームは呻き声を上げるが、まだHPを削り切れていない。
キリト(「そうか…そういう事か…!!」)
頭の片隅に置いていたものの答えをこの土壇場でキリトは答えを導いた。
右手の片手剣でソードスキルを発動し、その後の
その一瞬にアミュスフィアに送る伝達信号を左手に移行する事が出来ればこの戦闘スタイルは確立する。
キリト(「やるんだ!!…これが…オレの…二刀流だぁぁっ!!!!」)
《
片手用直剣ソードスキル"レイディオアント・アーク”
小さな溜めを作ってストレンジャーアームの顎を突き上げた。
空中に浮遊し、左手の片手剣が輝きを失いかけた瞬間、左手の信号を右手に再度移行する。
《
片手用直剣ソードスキル"ヴォーパル・ストライク”
空中から一直線に突進していったキリトがストレンジャーアームの体を貫く。火花を散らせながらストレンジャーアームのHPをみるみる削っていき、ストレンジャーアームは悲痛の叫びを上げながら爆散していった。
タクヤ「…す…すげぇ…!!」
キリト「ハァ…ハァ…出来た…。出来たぞタクヤ!!!」
タクヤ「なんだよ今の!!?今のこの土壇場でシステム外スキル作ったのかよ!!!」
キリト「まぁな。…でも、まだまだ成功率は悪そうだ。集中力はかなり削られたしな」
だとしても、
今後の課題は成功率を上げるという事で締め、2人は古代遺跡を後にする。
その帰り道、キリトはタクヤと談笑しながら笑いが絶える事はなかった。
キリト(「ありがとうタクヤ…。
オレはお前やアスナを守れる力を…いや、守ろうとする意思を再認識したよ」)
タクヤ「何ニヤニヤしてんだよ?気持ち悪ぃな…」
キリト「なっ!?ニヤニヤなんてしてない!!」
いかがだったでしょうか?
今回は親友回としてタクヤとキリトを出してみました!
スキルコネクトを生み出したキリトがこの先どんな活躍を見せてくれるのかお楽しみに!
しばらくは登場人物を2人、または3人に限定しますのでどんなカップリングになるのかも楽しみにしていてください!
評価、感想などありましたらお待ちしております。
では、また次回!