IS 《インフィニット・性転換》   作:竹輪

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どうも、竹輪と申します。
思いつきで書いただけの作品なのであんまり期待せずに読んでってください。



クラスメイトは全員男 《1》

「うぅぅ… なんで、なんでこんなことにぃぃぃ…」

 

変な緊張感に囲まれる教室の中で、私は頭を抱えながらそう小声で漏らした。

 

「全員揃ってるねー。 それじゃあSHR始めるぞー。」

 

黒板の前で微笑む男性の副担任、先ほど自己紹介を済ませた山田真人先生。

身長は成人男性にしては低く、生徒の半分以上よりも小さい、更に童顔。

そんな先生がスーツを着ているので、子供の晴れ着のような微笑ましさを感じる。

 

「それじゃあ皆さん、一年間よろしく。」

 

そんな先生の発言でも、教室内の緊張感は拭えず、誰からも反応がない。

少し困ったような顔をした先生が、五十音順に自己紹介をするように促した。

せめて、せめて私だけは反応しようと思ったが、そんな余裕は見当たらない。

なぜか?

簡単なこと、このクラス、いや、この学校では私以外の生徒が全員男だからだ。

 

本日は高校の入学式、新しい世界の幕開けの初日。 多くの高校生が希望を胸に抱いて進学をしたことだろう。

しかし、私は違う。

 

(なんで… 殆ど男子校のここに女子を打ち込むのか…)

 

私の入学を取り決めた奴らを呪いながら、クラス全員から受ける視線を極力無視しようとする。

そもそもなぜ私の席が最前列で真ん中?

窓際の方に目をやると、男の幼馴染が見えた。

そいつの名は篠ノ之重(しののの かさね)、6年ぶりに再会できて嬉しいが… 残念ながらこの状況をなんとかしてはくれなさそうだ。

 

「じゃあ次、織斑一夏さん。」

 

「え、あ、はい。」

 

指名を受けて立ち上がったはいいが、何1つ内容を考えていなかった。

 

「あー、えっと… 織斑一夏です。 よろしくお願いします。」

 

ひとまず頭を下げて、上げた。

ちょっと、待って何この雰囲気は、この状況で私に何か付け加えろと?

背中を冷や汗が伝う。

何故私がここにいるのか、解説しますとーーー

 

「あー、寒いなぁ。」

 

2月の中旬、受験生である私は今まさに受験会場に向かうところだった。

 

「何故一番近い高校の試験のために4駅乗らなきゃいけないの… しかもこんなに寒い日に。」

 

無駄に綺麗な雪景色を眺め、体を震わせながら雪を踏んで道を歩く。

なんでも昨年起きたカンニング事件のせいで各学校が試験会場を2日前に通知する、なんていう無茶苦茶なお達しが政府から降りたらしい。

一介の中3女子である私がそれに対して何かできるわけもなく、こうして愚痴を呟きながら歩くのが関の山だ。

 

私が受けるのは私立藍越学園、特にいいのは学費が安いこと。

この学園の卒業生の9割方が学園法人の関連企業に就職するので、安い学費でも成り立つらしい。

 

「いつまでも千秋兄の世話になってるわけにもいかないしね…」

 

私とその兄には、ちょっとした事情で両親がいない。

年の離れた兄はなかなかに高級取りで、私を養ってくれているがそれに引け目を感じてしまう。

だからこそ私も高い給料を貰える仕事について、将来は千秋兄に恩を返す!

 

「…先のこと考えても仕方ないなぁ… まずは受かんないと!」

 

頬をパチンと叩いて気合を入れ、目の前の巨大な建物に入る。

受験会場はここ、市が公共事業で建設した多目的ホールだ。

案内板を見て会場を目指すが…

 

「…え? 何これどういう構造してるの?」

 

迷路だと、そう言われてしまけば納得できる程に複雑な通路。

設計者は実用性を考えなかったのか? いや、実用性を考えなかったからこうなっているのか。

 

「とりあえず次見つけたドアに入ろう… だいたいそれで正解だし、私は。」

 

誰に向けた訳でもない独り言を漏らし、ちょうど見つけたドアを開く。

 

「あ、君受験生だよね。 はい、向こうで着替えてきて。 時間空いてるから急いでくれよ。 全く、4時までしか借りれないからやりにくいったらねえわ、本当何考えて…」

 

指示の後に不平を漏らしたのは三十路後半あたりの男性だ。

よっぽど忙しいのか、それによって判断力が欠如しているのか、あるいはその両方か、その男性は私の顔も見ずに指示を出して出て行った。

 

(今年の試験は着替えもするんだ… これもカンニング対策?)

 

全国の高校を心の中で犒いながらカーテンを捲ると、そこには中世の騎士の鎧のような物が鎮座していた。

 

これは…ISだ。

 

正式にはインフィニット・ストラトス。

宇宙空間での活動を想定して作られたマルチフォーム・スーツだ。

しかし製作者… 一応知り合いだが、この人の紹介は長くなるので今度にしよう。 話を戻すと、その製作者の意向に沿わず宇宙開発は進んでいない。 その圧倒的なスペックを持て余したこのISは兵器となったが、そのISを使った戦争が起こる前にISの軍事導入を禁ずる『アラスカ条約』が制定され、現在はスポーツに落ち着いている。

まあ、とある致命的欠陥のせいで私にはなんの意味も成さないものだが。

 

「女には乗れないんだよね、確か。」

 

そう、このISには男しか乗ることができない。

私にとってはこれはただの置物だ。

なんとなく、それに手を触れた瞬間。

 

「!?」

 

金属質の音が脳内に響いた。

意識の中に直接流れ込んでくるおびただしい量の情報。

ISの操縦方法、そしてこのISの情報。 その全てが理解できる。

 

「な、なに…?」

 

動く、このISが。

皮膜装甲(スキンバリアー)展開… 完了。

推進器(スラスター)正常作動… 確認。

近接ブレード… 展開。

ハイパーセンサー最適化… 終了。

 

皮膚の上に何かが広がる感覚、体が浮き上がるような無重力感、右手の重量感、視界が広がり、世界への知覚感度が高まる。

 

ISに乗った状態で見る世界は、まるでーーー

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