一生童貞のまま人生を終えるというフラグを、回避した俺『木村 攻斗(きむら こうと)』はアパートの大家であるマスターが歓迎会を開いてくれるとのことなので帰路についた。
従姉の涙美と二人でチェリー・ボーイ(アパート)に帰る途中で発覚した衝撃の事実。キャラクターが薄すぎて自然とこの小説から消えると思われていた『佐藤 瞬』。彼には実は沢山のキャラ要素が付いていた。そう、彼は彼女だった。
...まあ、ぶっちゃけ作者の気紛れで色々とキャラ付けをされただけの瞬なんだけど。
俺と涙美がチェリー・ボーイに着いたら、その瞬が出迎えてくれた。
「おかえりー、二人とも」と瞬。律儀にも薙刀を持って立っていた。前髪も下ろし女の子らしくなっていた。頭に鉢巻きも巻いていた。
その鉢巻きには「滅殺」とか書いてあったけど気にしないことにした。
「あ、そうそう良かったね、攻斗さん、心が許してくれたんだよね?」と普通に会話を進める薙刀っ娘の瞬。なんかチラチラこちらに視線を向けてくる。
...なんだろう?ツッコミ待ちなのかな?だが、面倒くさいのでノータッチで行くことにした。
「そうなんだよ、なんかよくわかんないけど(憐れみで)心ちゃん許してくれたんだよー」
すると瞬は頬を膨らませてふてくされていた。
見た目も女の子らしくなっていたので、最初の印象とのギャップもあり、不覚にも少しかわいいと思ってしまった。
そして次の瞬間、チェリー・ボーイの玄関の横に停めてあったビックスクーター(心のだ。)に向かって勢いよく薙刀を突き刺した瞬。まだ頬を膨らませていた。
コイツもマジか?衝撃的過ぎて開いた口が塞がらなかった。
「ちょっ!なにやってるの!?瞬!?」と俺。いや本当になにやってるの?瞬?
「攻斗さんがスルーするから...」
え?俺がスルーしたから?ある意味、ボケにたいしてノータッチというのはそれはそれで返しとすてはアリだと思うんだけど?...そんなことより薙刀!!!
心のビックスクーターに綺麗に突き刺さってるんだけど!なんか細い塔みたいになってるよ!?
「なんで薙刀、ビックスクーターに突き刺しちゃうの!?」
「そこにあったから、僕の『瞬殺(しゅんさつ)』が唸ってつい...」あ、その薙刀、『瞬殺(しゅんさつ)』って名前なんだ。いや、どーでもいいわ!!で、唸ったって、何!?
「...あーあ、攻斗のせいで」と涙美。
え?俺のせいなの?本当に?てゆうか涙美さん一言も喋らなかっからいるかどうか怪しかったけどいたのね。...この状況をどうすればいいかまるで考えが付かない。
ビックスクーターに目を向けると瞬が薙刀を抜こうとしていた。ガンガンッ!、とビックスクーターを蹴りながら。
いやいや、こんなん心が見たら洒落にならないって!本当に!とりあえず心に見つかる前になんとかしなきゃ!(←フラグ)
ガサッ!背後から物音。恐る恐る、後ろを振り向く俺。
心が立っていた。右手には鳩が握られていた。は、鳩がめっちゃ暴れてる(汗)。羽根が周りに尋常じゃないくらい散らばっていた。
涙美と俺のファインプレーでビックスクーターを心に見えないように隠す。まだ、見られてはいない筈だ大丈夫。
「そ、その鳩どうしたの?心ちゃん?」何故に手掴みで鳩を...。
「ん?今日攻斗さんの歓迎会やるって聞いたから七面鳥、採ってきた」と心。
いや、それはただの鳩っ!!!
つづく