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アパート『チェリー・ボーイ』の玄関前。
薙刀が突き刺さったビックスクーターを二人係で覆い隠す男女。腕を組み、頭には「滅殺」と書かれた鉢巻きを巻いて立っているボーイッシュな女子。右手に鳩の足を握り逆さまに鳩を持って立っている女子。その女子の手に握られながら尋常じゃないくらい暴れている鳩。
なにこれ?めちゃくちゃシュールなんだけど。
簡単に前回のあらすじを説明しよう。
瞬がふてくされて薙刀を心のビックスクーターに突き刺した。心に、見つかる前に何とかしようと考えている所に心参上。見つからないようにビックスクーターを二人で覆い隠す俺と涙美。ビックスクーターの持ち主の心は右手に握られている鳩を七面鳥と言い張る。...と、まあこんなとこだ。
「二人で何を隠しているの?」
俺と涙美を見て心が質問してくる。心なしか険しい顔の心。ヤバイ、気づいてる?
その質問はもっともだけど右手の鳩を離しなさい。
「「イイヤナニモ」」答える涙美と俺。もちろん二人とも目が死んでいる。
ガンッガンッ!と俺と涙美の背後から聞こえる音。ん?なんの音?いや、まさかな?顔を見合わせる俺と涙美。...恐る恐る後ろを振り返る。
瞬がビックスクーターを蹴りながら薙刀を抜こうとしていた。絶句。
「この状況はどういうことなのかな?」右手に鳩を持ち、野太い声で質問してくる心。いや、俺が聞きたいよ!それはそうとあなたはその鳩を離しなさい。
下に顔を俯けながらスッと俺を指差す、涙美と瞬。おい、なにしてんだ?このやろう。
それを見た心は「...やはり、貴様か?」と俺に質問を投げ掛ける。
やはり、ってなに!?俺じゃないよ?あと鳩がさっきから全然動かないけど大丈夫?
「俺じゃなっ...!」言い終わる前にビンタされた。涙美に。痛ってぇ。なにすんの?
「いいからっ!」とビンタしたあと俺の肩を持ち力強く言い放つ涙美。なにがいいの?
「いや、だから俺のせいじゃっ...!」言い終わる前にビンタされた。瞬に。マジでなにすんの?
「いいからっ!」と瞬。え?最終的にはこんな感じ?俺が全部悪くなる感じ?
そのやり取りを見てた心が俺に聞いてくる。「で?この状況の原因は?」
「...すみません。俺です」俺が言ったと同時に心からもビンタが飛んで来る。右手で。俺の頬を撃ち抜いた右手。鳩は?...俺の横に転がっていた。...は、鳩。まだ微かに動いていた。よ、よかった。
この鳩にはシンパシーを感じる。俺が保護し大切に育てることにしよう。名前はそうだな、「七面(しちめん)」なんてのがいいんじゃないかな。よし、そうと決まれば色々と用意しなくちゃな。
鳩(しちめん)の代わりに大きな石のブロックを握って立っている心。
俺が無事だったら。
つづく