幻想の摂理に挑む者たち   作:マナティー

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今回、ネタ要素が少しばかり入ってます。


存在意義

邪に逢うては邪を祓い、闇に逢うては闇を滅する。

 

我に敵無し、極限の光をもって世界を紡ぐーーーー闇には無限を、光には極限を。今宵の我が魂は血に飢えているーーーー

 

それは、ある二人にのみ赦された聖句。

 

人として戦い、人として生き、人として魂を燃やした極限の光。

 

誰のためでもなく、自分のために。ただ、目の前の敵を叩き潰す、それだけのために魂を燃やす。

 

もしかしたら、人を超え、■になっていたのかもしれない、しかし、もし、彼らが■になったとしてもその本質は変わらないだろうーーーー

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ここだな」

 

スタッ、と館の門の前に飛び降りる。館は、思った以上に大きく感じる。

 

その場にあるだけで、存在感が違う。外見は赤一色と言っていいほどだ。趣味が悪い。

 

そして、この館の中から感じられる魔力の波動。この紅い空から感じる同種の波動。

 

ーーーー当たりだ。

 

自分の中で、そう確信する。ふと、門の前に目を移すと誰かがうつ伏せで倒れていた。赤い長い髪の毛に、中華服を着た女性……なのだろうか。

 

別に、起こしてもよかったのだが起こしたら起こしたで面倒な気がするのでやめた。

 

結果、放置して門をくぐり館の領内へ。心が汚い者ならば、ここでーーーーなこともするだろう。

 

だが、そんな趣味はない。そんなことで快感を得ても、心は満たされない。魂は昂らない。

 

戦いの中でしか、生きている実感を持てない。

 

昔、そんな事を言ったら「悲しい」と言った人がいた。そいつは、「世の中にはもっと楽しいことが沢山ある。戦いだけが楽しいだなんて、戦いが楽しいだなんて間違っている」と。確かに、「普通」の人間からしたらこの生き方は酷く間違った物だと思うだろう。

 

だが、そんな物はただの押し付けだ。自分の主観の、自分の意見の、自分の正義をただ押し付けただけにすぎない。

 

ーーーー俺には、俺だけの生き方がある。

 

それだけは、誰にも譲る気はなかった。俺は、自分の生きたいように生きる。

 

館の扉に近づくたびに中から爆発音が聞こえてくる。あの女性ーーーー門番?を倒した者が暴れているのだろうか。

 

右手に光が集める。集まった光は、大剣の形を成し実体化する。大剣【ノーデンス】である。

 

身の丈と同じくらいの刀身を持ち、峰には深い凹凸がありソードブレイカーの役割を持つ旧神の名を冠した大剣。

 

絶対に折れることはなく、切れ味も普通の剣や刀のそれとは比較にもならない。

 

しかし、前の戦いの影響からか現在は強度切れ味も幾らか衰えている。それでも充分ではあるが。

 

空いてる左手で、扉を開ける。

 

「思った以上に広いな」

 

館の中は、外観に比べてかなり広く感じる。それに、真っ赤である。目に悪い……一体、この館の主はどんな趣味をしているんだ。

 

ますます、顔が見たくなった。これだけの館の主だ。期待が持てる。

 

内装を眺めながら、爆発音のする方向へと歩く。

 

そして、見えてきたのは宙に浮きながら戦っている二人の女だった。一方はメイド服を着た、銀髪の女。

 

もう一方は、紅白の巫女服を着た黒髪の女。

 

巫女のほうは、札のような物を体大量に投げつけて……と言うか発射?している。

 

メイドの方は……一瞬で居場所を変えながらナイフを投擲している。目で追えない速さで動いているのかそれともーーーー

 

メイドのほうは、この館側だと判断出来る。では、巫女は?おそらく、空を元に戻しに来たのだろう。

 

自然に、口元がゆがむ。

 

まぁ、取り敢えずここで見てるだけなのもあんまりなのでーーーー

 

挨拶として、閃光の一撃を放つ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ーーーー中々手強いっ!

 

ナイフと札が交錯する戦場の中、博麗の巫女と戦いながら、紅魔館のメイド長十六夜咲夜は思った。

 

ナイフと、札がぶつかりハゼる。博麗の巫女に、時を止め四方八方にナイフをばら撒いても一向な当たらない。

 

逆に、巫女は咲夜の行動を読みその先へ札を放って来る。巫女にやられた紅魔館の番人、紅美鈴のことを笑えない。

 

十六夜咲夜の能力は時を止める能力である。それは、戦闘において多大なアドバンテージとなるのだが此度の戦闘では全くそれが感じられない。

 

それだけに、博麗の巫女が手強いと言うことだろう。しかも、咲夜は内心焦っていても博麗の巫女は涼しい顔をしている。ポーカーフェイスが上手いのかもしれないのだがそれでも出来すぎだ。

 

時間を小刻みに止めつつ、考える。このままでは、能力の使いすぎによる疲労でこちらが負けてしまう。

 

ジリジリと、追い詰められていくのを感じる。

 

弾幕ごっこ、と呼ばれる決闘法がこの世界にはある。

 

それは、美しさを競う物でもある。そのおかげで死ぬ可能性自体は低いが、ここで負けたら紅魔館のメイド長の名折れだ。

 

しかし、現段階で不利な感は否めない。本音を言えば、「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!」と言いつつ軽くあしらいたい。メイド長だってストレスは溜まる。

 

「そこか!逃がさない!」

 

札が襲いかかる。向かってくる札を、ナイフで迎撃しつつ巫女に近づく隙を探す。

 

近づくのは、非常にリスクが高いがこのままではジリ貧。攻めなければ、勝ちは見えない。

 

「雑魚は消えろー!」

 

「巫女が言う台詞かぁぁぁぁぁ!?」

 

巫女に相応しくない台詞にツッコミを入れる。この巫女は、色んな意味で規格外だ。

 

「今よ、霊符『夢想封印』!」

 

ツッコミに気を取られたせいで、スペルカードを発動させる隙を与えてしまった。それぞれ、色が違う7つの光球が出現し咲夜へと襲いかかるーーーーが、その光球は咲夜の元までは辿り着かなかった。

 

なぜならば、一筋の青白い閃光が、咲夜と博麗の巫女の間を轟音をたてながら通り過ぎた。夢想封印の光球を飲み込み。

 

博麗の巫女と咲夜がその光景に呆然とするなか、一人の男の声が聞こえた。

 

「邪に逢うては邪を祓い」

 

その男は、黒いロングコートを身に纏い

 

「闇に逢うては闇を滅する」

 

右手には巨大な剣を持ち

 

「我に敵無し、極限の光をもって世界を紡ぐーーーー」

 

その目は、無邪気な子供のような

 

「闇には無限を光には極限を。今宵の我が魂は戦に飢えているーーーー」

 

口は咲夜と博麗の巫女を嘲笑うように歪んだ

 

「面白いことしてるじゃねーか……俺も混ぜろよ」

 

溢れんばかりの力を感じさせる、黒いロングコートを着た狂気を孕む青年だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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