幻想の摂理に挑む者たち   作:マナティー

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初の戦闘シーン。やけに一方的になってしまった……反省します。

ギャグ入れようにも滑る気しかしない。


開戦

ただ、ただ、呆然としていた。

 

何も考えられなかった。目の前にある存在と対峙して、向かい合って、何も考えられなかった。頭が、考えることを否定した。

 

一目見ただけでわかる。この男は、危険だ。普通ではない……異常を遥かに通り越した、むしろ向こう岸のような存在だと。

 

「アンタ、誰よ。あいつの使い?」

 

「あいつ?誰のことだか知らねーが俺はただの迷子だぜ?」

 

「アンタのような迷子がいるか」

 

博麗の巫女の問いに、ただの迷子と答える男。迷子?乗り込む気満々な気をして何を言っているのだろうか。

 

「迷子?なら、すぐにお引き取り願います。ただいま、立て込んでおりますので」

 

「あぁ?こんな楽しいことしてて帰れだなんてヒデーこと言うじゃねーか」

 

無駄だと思いつつ言ってみたが、やはり無駄だった。それに、博麗の巫女との戦いを見て楽しい?この戦場狂め。

 

「なら、一つだけ答えて頂戴。アンタは、私の味方になるの?それとも、メイドの味方になるの?」

 

「どっちの味方?ーーーーどっちでもねーよ!」

 

男が、大剣を振るう。

 

そこから放たれる魔力が三日月の形を成し、轟音を立て襲いかかる。あの男がそのつもりならば……

 

「襲いかかるのならば、容赦はしません!」

 

三日月の形をした衝撃波を避け、ナイフを構える。あっちは一人、こちらは博麗の巫女とで二人。数ではこちらが有利ーーーーと思った矢先であった。

 

「あ、足止めよろしく。私先行くから」

 

は?

 

「がんばんなさいねー」

 

博麗の巫女は、この戦場から逃げた。

 

博麗の巫女が逃走したのである……空いた口が塞がらないと言うのは、このことだろうか。しかも、逃走方向はお嬢様の部屋。最悪だ。

 

これが博麗の巫女がすることかぁっー!と言いたいところだが我慢する。

 

その代わりに、心の中で思いっきり愚痴る。この世界の巫女は一体なんなのだろうか。たしか、パチュリー様の図書館で拝借した本の中には「巫女は清く正しく、神に仕える存在」と書かれていたが……あの巫女は全く違うではないか。

 

時を止めて、巫女を追いたいところだが……

 

「アーッハッハッハァァッ!!中々肝が据わってる奴じゃあねぇか、あの巫女さんは!」

 

こちらにとっては笑い事ではない。

 

とっとと片付けて、巫女の後を追いたいというのが本音だが目の前の男がそうはさせてくれないだろう。時を止めて追いかけても、2:2or1:1:2になるのは個人的に避けたい。

 

悪態をつきたくなる衝動を抑え、目の前の男に集中する。

 

こうなったら今ある最善の策を取るまでである。目の前の敵を早急に駆逐し、巫女を止めに向かうこと。

 

しかし、目の前の男がそれをたやすくさせてくれるかどうか。

 

ーーーー無理だろう。

 

見るからにやる気満々である。そして、男から感じられる強大な力。

 

勝てないことはないだろうが、主ーーーーレミリア・スカーレットの所へ参るのは時間が掛かるのは明白である。

 

しかし、どれだけ不利な戦いだろうと無謀な戦いであろうとーーーー紅魔館のメイド長は、一歩も退かない。退くわけにはいかない。

 

それが、メイド長としての誇り。

 

十六夜咲夜としての誇り。

 

たった一つ、守り続けた誇りは消せはしない。その誇りを胸に、十六夜咲夜は戦う。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「俳句を詠みなさい、介錯してあげるわ!」

 

十六夜咲夜がナイフを構え。

 

「俳句?詠めねえよそんなん!」

 

アイタス・ロータが剣を握る。

 

「さあ、覚悟しやがれ!今からここが地獄の一丁目だァ!!」

 

アイタスが、十六夜咲夜に向かい駆け出す。

 

そのアイタスの目の前に、ナイフが広がる。そのナイフ一本一本の標的は、たった一人。鳥葬するかの如く、無数のナイフが襲いかかる。

 

ノーデンスを、強く握りーーーー振るう。

 

轟音と共に、襲いかかったナイフは全て弾かれた。しかし、安心する暇などない。

 

次の瞬間に背後からもナイフが襲いかかった。

 

そのナイフすらも、叩き落す。迫る無数のナイフ。命を穿ちに襲う、無数のナイフ。それら全てを叩き、払い、砕き、斬り、壊す。

 

メイドのくせして強い、とは思う。アイタスは、十六夜咲夜がどのようにしてナイフを展開しているのかは知らない。

 

しかし、一撃を与えさせないためにナイフを展開し続け相手わや消耗させる戦い方については苛立ちながらも中々やると思った。

 

アイタスを近づけさせないよう、ナイフによる面の攻撃。そして、特有の能力による回避行動。これらが合わさり、アイタスは必殺の一撃を振れずに待つしかなくなっていた。

 

それでも、アイタスの魂は萎えるどころかさらに闘志を昂らせる。アイタスは、自分が劣勢に陥れば陥るほどさらに戦う力が湧いてくる。

 

そして、待つのは好きではないのがアイタス・ロータと言う男。ここで、攻勢に転じるためある武器を召喚する。

 

「調子こいてられんのも、ここまでだぜ!」

 

ノーデンスを、一度消す。その変わりに、両手に握られた二本の長さ、太さが異なる双剣。

 

軽く湾曲した剣、双子の剣、二刀一対の剣ーーーーロイガー、ツァールである。

 

二本の剣を比べ、長い剣がロイガー。

 

太い剣がツァールである。

 

この二本も、ノーデンスと同様にただの剣ではない。この二本には、ある特性がある。

 

「おぅぅりやぁあ!!」

 

ロイガー、ツァールの二本を十六夜咲夜に向け投擲する。その二本は、弧を描きながら十六夜咲夜へと襲う。

 

武器を手放すとは、正気かーーーーと十六夜咲夜は思うが、ノーデンスを召喚、消去したことをすぐさま思い出す。

 

この二本は劣り、牽制だーーーー十六夜咲夜はそう判断する。

 

二本の剣を回避し、ナイフを展開するーーーーが、風切り音が顔の横を通り過ぎた。

 

「ーーーーッ!!」

 

突然のことに動揺する十六夜咲夜。何せ、一度完全に避けた筈のロイガー、ツァールが自分を一人でに追撃してきたからだ。

 

ロイガー、ツァールの特性の一つに投擲した際の追尾性があると言うことだ。一度投擲すれば、その目的に命中するまで、追い続ける。止める術は、完全に砕くかロイガー、ツァールを受け止めるしかない。

 

飛翔するロイガー、ツァールに気を取られたのが十六夜咲夜の失態だった。

 

「アトラック・ナチャ!!」

 

アイタスの両手の指先から、糸が現れる。その糸は、十六夜咲夜の四肢へとまとわりつく。

 

「ーーーー捉えられたッ!?」

 

「ぶっ飛びやがれぇぇぇぇ!!」

 

糸を強く握り、ハンマー投げの如く十六夜咲夜を振り回す。そして、博麗の巫女が向かった方向へ十六夜咲夜を投げる。

 

放り投げられた十六夜咲夜は、孟スピードで扉へとぶつかり扉が砕けた。

 

アイタスは、自らの元に戻ってきたロイガーツァールをキャッチし消す。

 

「ちっとは楽しめたぜ」

 

そういいつつ、歩を砕けた扉の方へ進める。

 

十六夜咲夜を従えるほどの力を持つ主。それと出会えるのが、今のアイタスの楽しみであった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「……この感じ、あいつか」

 

紅魔館地下、のとある一室にて、そう呟く男が一人いた。

 

アルハザード・ラクティー。アイタス・ロータと共に戦った男。

 

「全く、この程度で俺を縛れると思ったら大間違いだ。わざと、捕まってやったと言うのに」

 

アルハザードが目覚めたのは、この紅魔館であった。だが、目覚めた直後にいきなり封印魔法をかけられ、この地下の一室に閉じ込められた。

 

目覚めた直後であったために封印魔法を食らってしまったがいつでも力技で解除できる程度ではあった。しかし、ここで無闇に行動しても損しかないと考え捕まり、情報を得られる時を待ったのだ。

 

「だが、あいつが来たのならば話が別だ」

 

両手に掛かっていた封印魔法の証である魔方陣を力を込め砕く。

 

捕まっていたところを見られたら、何を言われるか……

 

「……短期間だけとはいえ、縛られたのはかなりイラつくな」

 

扉へと、体を向ける。

 

「ナグ、イェブ」

 

右手に12mm口径の大型自動小銃が。

 

左手には9mm口径の6発式リボルバーの銃が召喚される。

 

二つの銃を扉に向け、発砲する。轟音を立てて、扉は破壊された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




……キチ○イじゃないよ?ただ戦いが大好きなだけだヨ?お願いです信じてください!
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