はじまりは原作同様に4月1週から。
◆ ◆ ◆
魔界に居た頃、私は弱くはないものの、それでも超一流の魔王ではなかった。
若さに任せて野心に従い、あっちこっちで名の知れた悪魔を倒して回ってはいたものの、倒した奴はみんな格下。本当の強者との勝負に負けた時、私は命を諦めかけたわ。
『あんた面白そうじゃない。殺さないで上げるわ。
だって、手加減したとはいえ、あたしの炎で焼け死なないのは久しぶりだもの♪』
そう言って万の魔王を屠ったと噂されていた魔王に情けから助かった命。
何でも彼女の友人に、千の魔王を屠った魔王が居るから興味本位でやっていたとか。
だから、ちょうど一万人目の挑戦者である、私を殺さないんだとか。
そんな気まぐれで生き残った私のみじめさをまるで考えない女だったわ。
それでも修行した。生まれて初めての努力で強くなっていくのが実感出来た。
彼女にライバルと認められるだけの力も得た。
そんな時に、この『モンスターファーム』の世界に召喚されたの。
召喚が悪魔の常だとしても、折角鍛えた腕を振るう前に別の世界に召喚されたら腹も立つのは仕方がないでしょう。
それが私の今の気分なの。
……まぁ、ホリィが可愛いからいいんだけどね♪
◆ ◆ ◆
「……そうは言っても来た以上、何もせずに帰るのは悪魔としてのプライドに関わるし、何か功績でも残しましょうか」
まずは自分に出来ることを確認するところから始まる。
私は容姿や魔力は前の世界にいた頃と変わらないようだし、こっちの世界ではピクシー種に似ているとのことなので、試しにピクシー種の技を使ってみたわ。
「ひっかき」
練習用のカカシが八つ裂きになった。
「キック」
見上げるほどの大きさの岩が私の足の形に抉れた。
「これはちょっと本気がどれくらいか気になるわね……。ショットガン!」
女は黙ってショットガン。この世でもっとも強いのがショットガンというイメージが私にあるからか、明らかに威力が通常のピクシー種のそれとはケタ違いだった。
流石は魔王クラスの私の本気♪ こっちでも魔力は変わらないみたいね。
「それじゃ最後に試すのはこれにしましょう。『キス』」
横で見ていたホリィを振り向き、その唇を奪う。
本来なら投げキッスをして相手のガッツを大幅に奪う技なのだけれど、私がやったのはディープな方。
ホリィは唇が触れた瞬間に足腰が砕けたようなので、悪魔の怪力で首根っこを掴んで構わず続行する。
「ん……むぅ……」
「はぅ、ん~……ふぅ……」
そっと離すと、蕩けて焦点の合わなくなった瞳でこちらを見るホリィ。
上気して紅くなった頬もたまらなく可愛らしいわね。糸を引く唾液がますますいやらしいわ♪
「ねぇ、ホリィ。あなたは私のものよ。
ほら、御主人様にキスしてもらったら言うべきことがあるでしょ?」
「わ、私など下賤な者にこのような栄誉をいただき、誠にありがとうございます……」
「うんうん、それで良し♪」
これで能力の確認は終わり。
どうやら想像以上に私は強いみたいだし、戦闘面では問題なさそうね。
あとは手っ取り早く大会に出なくちゃいけないわけなんだけど……、
「ねぇ、ホリィ。次の公式戦は確か6月4周よね?」
「は……はひ、まだ二か月は先でふ」
すると、やはりこの世界は『モンスターファーム』無印の設定ってことで間違いなさそうね。
二作目のサポートキャラのジョイ君には会いたかったけど、それはまた今度ね。
そもそも寿命は一般的なモンスターと違って私は悪魔だから、こっちの世界でホリィを名人にするまで位、余裕で生きれるでしょ。根本的に戦闘力が違い過ぎるし。
さぁ~て、それじゃこの蕩けきったホリィちゃんを最後まで美味しく食べちゃいましょうかねぇ~っと♪
~後書き~
翌日、全裸に首輪という姿のホリィがモンスターの小屋で郵便屋さんに見つかって騒動になりかけたが、ラクギサの説明によってホリィは、「そういうプレイを好む娘」として認識され、今後は二人の関係に突っ込まれることはなくなったそうな。
この作品の主人公の魔王ラクギサはディスガイアでのレベルで言えば、3000位ですかね。
自身6作目『呪術師と預言者の悪魔的恋愛』の主人公シュナムクルとはライバル。
でもディスガイア編はまとまらないのでどうなることやら……。