今夜中には全部投稿を終えようと思います。
天気晴朗なれど、波高し!
公式戦以外にも小さな大会に優勝しまくって私の人気は100。ランクはDなのよ。
そして現在7月2週。となればあれが来るんじゃないのかしら?
「どーも、どーもどーも♪」
「うわ、来たよお邪魔虫が」
やってきたのはカルナボ。
知る人ぞ知るウザキャラ。
FIMBAのお偉いさんで、趣味で探検家も兼ねている爺さんね。
「お久しぶりです、カルナボさん」
「久し振りですなホリィさん。
噂ではブリーダーとして独立して、育成しているモンスターに逆に飼われとるときいとりましたが……、
いやいや、なかなかどうして楽しそうじゃありませんか♪」
「はい、ご主人様――ラクギサ様にはとてもかわいがってもらっています♪」
ホリィの首輪と、その首輪につながった鎖を持つ私を交互に見て、にんまりするカルナボ爺さん。
でもこの爺さん、FIMBAのお偉いさんだって言うけど今のFIMBAが金儲けのために八百長していることを知っているのかしら?
「まぁ、ホリィさんが幸せそうなら、私が言うことはないですの。
そんなことよりも今回私の趣味の探検に、ホリィさんところのラクギサちゃんを狩りたいと思っとるんですよ」
「軽々しく私をちゃん付けしないでくれる?」
「冒険で得たものは基本的にあげるっちゅう条件なんですが、どうですかな。
期間はひと月。
貸していただけませんかな?」
人の話を聞いてないわね。このジジイ。
「えっと、ラクギサ様に相談してからでもいいですか?」
「それもそうですな。
なんせホリィさんのご主人様なんじゃからラクギサちゃんを抜きに話を決める訳にもいくまい♪」
そこで私を見てくるホリィだけど、はて? これはどうしたのかしらね?
言いにくそうなのは遠慮しているからなのか、ホリィはどうも探検に行きたそうに見えるけど。
「ホリィ。あなた探検に行きたいの?」
「い、いえ! 私はご主人様の忠実なる下僕ですので、そんな我儘は……」
「私はいいわよ?
だって、あなたは私の可愛い可愛い下僕なんだもの♪」
まるで太陽が差し込んだように明るく笑顔になるホリィ。
まぁ、いいんだけどね。私もこっちの世界の古代文明に触れてみたい気もするし。
「それでは、参加決定とみてよろしいですな?」
「ええ、いいわ。
私の力で古代文明の遺産を丸裸にしてあげるんだから♪」
こうして参加することになった冒険――カララギ遺跡へと向かうことになったの。
◆ ◆ ◆
「……結構見つかるものね。
でも古代文明って、本当に何を考えていたのかしら?」
最初に乗り込んだ遺跡から古代人が研究していたのであろう薬が見つかったわ。
それも、大会などで使える強化系の薬ではなく、ベッドの上で使える媚薬系が。
「カララギ遺跡の古代人たちは<卵カブリ>というアイテムで寿命を延ばしていたそうですし、不老長寿と淫欲は切っても切れない関係にあったんでしょうな」
「ったく、人間ってのはいつの時代も似たような感じよね。
悪魔が言うことじゃないんでしょうけど」
ホリィを性的に支配している私が言うのもなんだけど。
「ご主人様、反対側にも遺跡がありましたよ。
でも門が崩れて奥まで進めないです」
「なら、壊してあげるわよ。
ほら、爺さんも早く付いてきなさいよ」
「やれやれ、まったくジジイ扱いがなっておりませんな~」
あんたが言うな、あんたが。
カルナボ爺さんって、ゲームだと普通にうざいだけで実は偉い人ってイメージしかなかったけど、探検家をしているだけあって凄い筋肉なのよね。
腕なんて丸太みたいに太いんだから。
「うりゃ!」
障害物の破壊後、新たな遺跡を探索。
ダイヤモンドやエメラルド、金塊などが出るわ出るわ♪
やっぱ大会よりも探検の方が実入りが大きいわね。
「いやいや、それはラクギサちゃんが賢く強すぎるだけですな。
私がこれまで見てきたどのモンスターよりも強いですぞ」
「その私に付いて来れるんだから、あなたも十分化物よ」
振り返れば疲れた様子のホリィがしゃがみ込んでいたので、爺さんと二人で探索を続ける。
そして冒険初日の夜。
「ところでさ、爺さん」
「何ですかの?」
「FIMBAが八百長しているみたいなんだけど、あなたは何か知らないの?」
「……」
この沈黙をどうとらえるか。
ホリィは疲れていたからか、すぐに寝てしまったのでこの会話を他に聞いている者はいない。
「……ラクギサちゃんは、FIMBAがどういうものだと思っておりますかな?」
「イメージってこと?
それなら、モンスターと人間の交流をより盛り上げるための一組織ってのが理想じゃないかしら?
私とホリィのような関係も含めて推奨してくれると尚嬉しいけど♪」
笑いだす爺さん。
何よ、ホリィが可愛いんだから抱いてもいいじゃないの。
「いやいや、笑ってすまなんだ。
私もそれが理想と思っておるし、種族の垣根を超えたお二人を見るのは楽しいしの。
百合好きで女性が大好きなジジイとして♪」
「おい」
「いや、三分の一は冗談じゃ。
美しい女性を眺めるのも、モンスターと仲良くするのも好きですな。
それを邪魔する輩を嫌う気持ちと同じくらいに」
ここで冗談を言っておきながらすぐに自分で真面目な空気を作る辺り、伊達に年食ってないわね。
「私とて馬鹿ではない。
すでに気付いているし、対策を打とうとしている。
しかし私は冒険家として得たアイテムの研究で成り上がったのでな。
大会関係には口出し出来んのだ」
「それは言い訳ね。
本気で行動すればどうとでもなるわ」
「……そうかもしれん。
現状を良しとしておらん以上、行動で示さねば口だけ爺さんと言われても仕方が無い」
「そこまで言ってないわよ。
それに軽はずみな行動をしてあなたが消されたらどうするのよ?」
「軽はずみで無ければ動く。
運営委員会の不正の証拠はそろいつつあるのです。決定的な証拠はまだですがな。
今回の探検でラクギサちゃんと出会えて勇気をもらいましたぞ」
そうして自分が死んだら代わりに人とモンスターの未来を頼む、だなんてふざけたことを言ってきた爺さんを殴って会話は強制終了。
色気なんてまるでなかったけど、割と面白い爺さんじゃないの。
そしてひと月の探検を終え、爺さんと別れてファームに戻った私たちは翌日の新聞で驚愕した。
~FIMBA運営委員の一人、カルナボ氏が死亡~
……どうやら敵はド腐れだったようね。
~後書き~
ラクギサ「ほらほら、悪魔の私と同じだけ生きるならもっともっと食べなさいよ」
ホリィ「うぅ……これ以上はもう無理……です」
ラクギサ「なに言ってんのよ。上の口から入らないってんならしたから入れるわよ?」
カララギ遺跡のお土産。
卵カブリ(効果:寿命を25週間延ばす)×1万個。
いきなり全部は無理でしょうが、1日に100個くらいなら何とかなりそうなのでホリィの主食はこれになりましたとさ。