そんな中「悪魔的」という表現を使う時は、現実的に考えれば酷いことをしても「まぁ、いっか♪」の空気を作ることを意識しています。
あちこちで語っているので私の他の作品や活動報告mを読んでくださっている方には今更でしょうが、
この作品も主人公ラクギサの我欲を貫いた結果、「まぁ、いっか♪」になるような話になるように書いています。
◆ ◆ ◆
11月3週 ディスク・オブ・ゴールド
これまでと同じく他の選手は棄権。
相手は四天王の一角のアルバールのみ。
「あんた、本当に面倒なことしてくれるなぁ~。
おいらのことも殺すのかい?」
ふざけているのか真面目なのか、判断がつかない顔をしているけど四天王。
私を舐めているわけじゃないんでしょうけど、自分の死を覚悟しているのかしら?
「ええ、殺させてもらうわ。
命乞いしないの? 棄権するなら、私は別にあなたを殺したりはしないわ」
FIMBAに切り捨てられて暗殺されるかもしれないけど。
「い~や~、棄権なんてしねぇよ。
おいらも自分の意思で甘い蜜吸うために楽させてもらってたんだ。
ツケは払うさ」
自分の死も覚悟の上での四天王。
このアルバール。四天王の中では一番まともなのかしらね?
これまでの二人もだけど、こういう悪魔的な考え方は私の好みよ。
「そう、なら殺すわ」
でも戦う以上、殺さないという選択肢はない。どの道、私が見逃したらFIMBAのお偉いさんがモンスターに責任を取らせて変わらずに存続しようとするでしょうからね。
観客も多いし、派手でありつつ凄惨にならないようにしないとね。
「メテオショットガン」
魔力を用い、ピクシー種の最大威力の遠距離技に雷を付与。
死体も残さない高温で地面すら消し飛ばしてアルバールは死亡。
最後に私の技を受ける瞬間に笑っていたけど、そんなに満足する生き方をしてきたのかしらね?
でもこれで三匹。次で最後。
2月1週 オールスターバトル
最後の四大大会。
この大会に出てくる四天王は回避能力に定評のあるヘンガー種のグレブ。
「あなたは何でFIMBAの悪事に手を貸していたのかしら?」
試合前の単なる好奇心を尋ねてみる。
他の三匹が自分本位だったから最後も似たような理由なのかしら?
「他の三人はどうか知らないけど、僕は機械だ。
マスターの命令に忠実に行動しただけだよ」
それでも帰ってきたのは、なんともつまらない答え。
最初のガバーンは周囲のモンスターや人間を見下して金を得るために。
二番目のレドンドは尊敬を集め、闘いを楽しむために。
三番目のアルバールは怠惰に楽しむために。
善悪を抜きにして、それぞれに自分の目的があって戦って八百長をして、金を稼ぎ、欲望に従った生き方をしていたのに、最期の四天王は自分の主人の命令だと言う。
なんてつまらないのかしら。
「あなたのマスターは当然、FIMBAが全面的に八尾長をやっているのを知っていて命令しているのよね?」
「勿論です。僕が戦うことでマスターにお金が流れ、他の四天王たちと不可侵の関係を保ちながら適当に勝ったり負けたりを繰り返す。
それが仕事ですからね。
まぁ、四天王は負けるわけにはいきませんが」
「あのさぁ、バトルの前に言っておくけど、私はそういうのに一番腹が立つのよ。
私は自分の欲望を一番に優先するのは大好きだし、私自身もそういう生き方をしている。
けどね、自分の欲望でなく、他人の欲望にただ何となく従って誰かを傷つけても平気でいられる奴ってのが大嫌いなのよ」
本当に、何もかも中途半端なモンスターね。
私みたいな身勝手な悪魔が言うのもなんだけど、腹が立つから殺すという私自身の意思で殺させてもらうわ。
カルナボ爺さんの無念を晴らすでもなく、ホリィの頼みでもなく、ただ、私が腹が立つから殺す。
この日、最大級の魔力を用いた技で、大会会場は修理不可能なほどに崩壊。
観客席には結界を張っていたけど、試合のリングが底が見えないほどの大穴になったんだからもう使えないわよね。
こうしてホリィのブリーダーランクは名人となり、私は悪魔として願いを叶え、魔界に戻ることになるんだけど、それは最後の後始末をしてから。
だって一番肝心なものが残っているじゃないの♪
あー、久し振りに本気出したら楽しかった~♪
グレブ、これが自分の欲望で楽しむことなのよ。
あなたの死も、私の娯楽になったことだけは評価してあげるわ。
次話で最終回。