架空の現代にポケモンが出現したら   作:kuro

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この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

※熱中症による体調不良でダウンしてまして推敲が十分でなかったようです
ポッチャマの記述は訂正はさせていただきましたが、なにかまた不備がありましたら感想や誤字報告等でお願いします
感想等でご指摘くださった皆さま、ありがとうございます



群れと群れのバトル

 さて、群れと群れのバトルへの乱入戦。当然奇襲になるので、それを存分に活用させてもらう。

 

「ラルトス、『ミストフィールド』!」

「ナックラー、『どろかけ』だ! あの蜂の顔面に向かって連射!」

 

 そうして辺りにピンクの霧が立ち込め、さらにナックラーの大口から発射された泥の塊がスピアーを襲う。

 

「スピ!?」

「スッピ!?」

 

 スピアーたちは突然の奇襲に訳も分からず、されるがままの状態となった。

 そのまま僕たちはスピアーと相対していたポケモンたちの前に躍り出る。

 

「手を貸すよ!」

 

 突然のことにこちら側も惚けていたが、敵対していたスピアーたちへの攻撃。

 

「大丈夫!? いま治療するからね!」

 

 倒れているポケモンへの手当て。それで彼らはこちらを味方と判別してくれたようだった。

 

「モグッ!」

「カゲ!」

 

 後ろで倒れているポケモンほどではないけど傷ついている様子の2匹には元気が宿ったように思えた。

 

「よおし! みんなでここを乗り切ろう!」

「モッグウ!」

「カゲッ!」

「ラルッ!」

 

 ここで4人の息がぴったりと合う。

 

「我々も頑張ろうじゃないか、ナックラー」

「ナックナック!」

 

 伯父さんの言葉にナックラーが泥を吐きかけながら答える。『どろかけ』はスピアー全員に決まっていた。

 ミストフィールドの効果で状態異常を防げて、相手の命中が著しく落ちた。

 

「よっし! まずは第一段階成功! 続いて第二段階! 伯父さん!」

「任せなさい! ナックラー、『いわなだれ』だ!」

「ナック! ナックナックナックーーーー!!」

 

 続けては恐怖の効果抜群範囲技タイム。

 スピアーたちの頭上に岩の塊が現れるとそれらが豪雨のごとくスピアーたちに降り注ぐ。

 

「よし! ラルトスは『ねんりき』!」

 

 つづけてラルトスの『ねんりき』によるスピアーのビリヤード大会。ソケットはないけど適当に動かしてぶつけまくればいいという至って簡単な競技です(笑)。そして他の2匹のポケモンも攻撃に加わる。

 それを見て、僕は後ろの倒れているポケモンを見やった。

 

「どうですか、三枝さん!」

「うん! 何とか大丈夫そうよ! 彰くんの薬が効いたわ!」

 

 見れば、三枝さんの身長を軽く超える大きなポケモンが身体を起こし、甲羅がついた首長竜のような優美な姿を見せつける。

 

「ファゥア!」

 

 そのポケモンは三枝さんを気に入ったのか、そのポケモンはかわいらしい角を持つ頭をグリグリと三枝さんに押しつけていた。

 

「こーら、あ、ちょっと」

「ファゥア!」

「そのポケモン、ラプラスっていうんですよ。すごく頭のいい子で人間の言葉も軽く理解出来るようですし、そのラプラスが三枝さんに感謝の意を示しているんじゃないですか?」

「そっかぁ。そうなの、ラプラス?」

「ファァゥ」

 

 ラプラスは大きく頷いて見せた。それに三枝さんは嬉しそうな様子を見せる。

 

「カゲ!」

「モーゥリュ!」

 

 すると、最初の2匹のポケモンがラプラスたちの様子を見ていた。

 

「ヒトカゲ」

「カゲ」

 

 とかげポケモンのヒトカゲ。

 

「モグリュー」

「モッグ」

 

 もぐらポケモンのモグリュー。

 ヒトカゲは御三家と呼ばれる、ゲームスタート時に最初のポケモンとして貰うことが出来るポケモンで、モグリューは基本的にはイッシュ地方に生息するやや特殊なレアポケモン。

 

「なあお前たち」

「カゲ?」

「モグ?」

 

 一時的に攻撃の手を止めてこちらを見上げる2匹。

 

「僕は君たちを仲間にしたいんだ。どうすれば仲間になってくれる?」

 

 別にこんなことを聞かなくてもバトルしてモンスターボールを投げればゲットは出来る。でも、ポケモンが現実に現れた世界。一度僕はやってみたかったことがあった。

 

「カゲ! カゲポゥ!」

「モッグ! モググリュー!」

 

 2匹はスピアーたちを指差してそして振り払った。

 

「スピアーたちを撃退したら仲間になってくれる?」

 

 それに2匹はうんと頷き、そして違うと首を振った。

 

「カゲ! カゲゲカゲポゥ!」

「グモ! モッグリュー!」

 

 モグリューはうんと腕を広げて回してみせ、ヒトカゲはシャドーボクシングみたいなことをした後、片腕を強く突き上げた。

 

 …………やべぇ。何が言いたいのか分かんねぇ……。

 あー、どうするか。

 ここはもうノリと勢いとテキトーに任すか(オイ

 

「えーと、僕の仲間になってくれたら滅多にお目にかかれないバトルを見せてあげるよ。協力してくれるか?」

「カゲ!? カゲ! カゲ!」

「モグモッグモッグ!」

 

 うわーテキトーぶっこいちゃったよ。どうしよ。

 ええい、ままよ!

 

「よっしゃ! いくぞ2人とも!」

「カゲ!」

「モグ!」

「まずはヒトカゲ、『りゅうのまい』! モグリューは相手を阻害するよ! 『どろかけ』だ!」

「カゲ!?」

「グリュー!?」

 

 あれ? 2人とも首を傾げている。

 

「ひょっとして出来ないか?」

 

 

 

 

※ ※ ※ ※

 

 

 

 

 2匹はこの人間は何を言っているのだろうと思った。

 相手にダメージを与えるには攻撃を仕掛けるしかない。だからモグリューへの指示は分かる。しかし、ヒトカゲへの指示は分からなかった。

 

「ひょっとして出来ないか?」

 

 その人間はそう問い掛けてきた。

 

――いや、出来る

 

 その意思を表すために、2人は首を横に振って技を発動させた。

 

「よしよし」

 

 その人間はウンウンと満足げに頷いた。

 

――滅多にお目にかかれないバトルを見せてくれる。そう言ったのは間違いだったのか。

 

 2匹は鎌首を(もた)げる。

 だが、そうこうしているうちに相手のスピアーたちの動きが鈍ってきているように思えた。

 

――はて、何か特別なことがあったのか。

 

 2人は内心首を傾げた。『いわなだれ』や『ねんりき』、『どろかけ』。特に何ら相手を阻害する技は使ってはいない――いや、待てよ? なんで『どろかけ』は相手を阻害する――

 

「やばっ!」

 

 その人間の声に反応して前を見やれば前線のラルトスに向かって1体のスピアーが狙いを定めて突撃をかましているのが見える。

 

「ラルトス、サイドチェンジ! ヒトカゲと入れ替われ!」

「ラル!」

「カゲッポゥ!?」

 

――この人間は何を言っている!?

 

 そんな思いにヒトカゲは駆られた。ヒトカゲとラルトスの距離、それは数秒あれば走って入れ替わることも可能だ。だけど、そんなことをしている時間はない!

 そんなこと考えが頭を()ぎると――

 

――あれ? ここは?

 

 自分が今までいたところと違う景色が目に映る。そして――

 

――!?

 

 いきなりスピアーの姿が目に飛び込んできた。

 

――これは!? まさか!?

 

 『入れ替われ!』

 あの人間は確かにそういった。そしてどんな手を使ったのか知らないが確かに自分とラルトスの位置が入れ替わった、のだろう。後ろを見ていないが反射的にそう感じ取った。

 

「ヒトカゲ、そのまま『ひのこ』!」

 

 相棒のモグリューの驚く声、そして眼前のスピアーの驚愕を前にヒトカゲは反射的にあの人間の指示通りの技を撃った。

 

――身体がいつもより早く動ける!?

 

 技の出が常よりも早いその様にヒトカゲは体感的にそう判断した。

 そして突如現れたヒトカゲに対してスピアーの方は驚愕から何も対処ができずに、効果抜群である『ひのこ』の攻撃を受ける。

 カウンター気味に入った一撃でスピアーは力を失い、墜落していく。その様をヒトカゲは地面に着地するまで見届けた。

 

「スッピー!」

「くるぞ、ヒトカゲ! 避けろ!」

 

 すると今度はまた別のスピアーが自身に向かって飛んでくるのが目に入った。

 復讐に駆られるスピアーをヒトカゲはその場を上に飛んで宙返り。直後、スピアーの両腕の針がヒトカゲのいた地面に突き刺さった。

 

――なんて遅い

 

 ヒトカゲにはスピアーのあまりの遅さにいったいどうしたことかと首を捻っていた。それほどヒトカゲには余裕があった。

 

「そのまま勢いをつけてひっかくだ!」

 

 それを聞いてその通りに身体を動かす。

 

――ついでだから、もう少しやってみよう。

 

 ヒトカゲは冷静に今の自分に出来そうなことを試してみた。

 いつもより少し身体を反らす。

 いつもより少し左腕を高く上げる。

 いつもより少し手に力を入れて。

 いつもより少し爪を立てて。

 

「右腕を引くと同時に行け!」

 

 反射的にそれに従って繰り出す攻撃。爪を立てていた方と反対の腕を引いたと同時に『ひっかく』攻撃が繰り出される。

 

 それはヒトカゲにも予想外な結果をもたらした。

 

「スッ……ピ」

 

 なんと僅か一撃。たったの一撃でスピアーがダウンしたのだ。

 

――これは……――!

 

 そのときヒトカゲは理解した。いや、すべてを理解したわけではないが理解した。

 

――この人間の言うことに間違いなんかなかった!!

 

 ヒトカゲの心に迷いはなかった。

 あるのは将来自分がどれだけ強くなれるのか。

 その道筋が明るい光明として見えていたのだ。

 

「さあ、ラプラス! あなたも頑張っちゃって!」

「フォォォァァァ!」

 

 そしてここで戦線離脱していたラプラスの参戦。

 

 この勝負、結果はすでに火を見るよりも明らかなのは確かであった。

 

 

 

 

※ ※ ※ ※

 

 

 

 

 スピアーを追い払うことに成功した僕たち(なお本日2回目)。ラルトスはさすがに疲れたのかモンスターボールに戻って休憩している。

 そして、とりあえずはこれで3匹と話ができる環境が整った。

 

「なあ、お前たち、僕と一緒に来ないか?」

 

 ほかの2人は僕のすることを見守ってくれている(三枝さんはカメラ片手だけど)。

 

「カゲッ!」

「モリュー!」

「ファゥア!」

 

 すると3匹は喜んで頷いてくれた。そのまま3匹は僕たちに駆け出してきた。

 

「カゲッ♪」

「モッグ♪」

 

 この2匹は僕に。

 

「ファゥア!」

 

 ラプラスは三枝さんに。

 

「……私のところには来てくれないのかね……?」

 

 ……伯父さんはまずナックラー育てることに専念してください(汗)。

 

「彰くん、これって?」

 

 三枝さんはラプラスに頬擦りされて、困ったようにこちらを見てくる。

 それに僕は万感の思いで以て答えた。

 

「ポケモンゲットにはいろいろあります。バトルを通してゲットするというのがメジャーです。しかし――」

 

 僕はモンスターボールを2つ取り出すと、それらを両手に持ってコツン、コツンと2匹に当てた。

 すると行われるは先程ナックラーをゲットしたときのような光景。ボールに吸い込まれた2匹と揺れるモンスターボール。モンスターボールは一度揺れただけでボールスイッチの点灯が消えて、揺れも治まる。

 地面に落ちた新しい仲間が入ったそれらを、ずっしりとした重みを感じながら拾い上げた。

 

「こんなふうにポケモンと誼を交わすことでゲットできる場合もあるんです」

 

 アニメでもよく取り上げられていたゲット方法。

 

 

「これ、友情ゲット、っていうんですよ」

 

 

 ゲームではできなかった憧れの方法。それを実践できたことに僕は改めてここがゲームではなく現実であり、現実にポケモンが現れたことを再認識するのであった。




モグリューは特殊なレアポケとしましたが、洞窟内の特殊エフェクト(砂煙)でしかエンカウント出来ないので、そう表記してあります。

【NGシーン1】

「よしよし」

 2匹は僕の期待通り、技を発動させる。
 ヒトカゲの『りゅうのまい』で攻撃と素早さが上がり、範囲攻撃であるポッチャマの『こごえるかぜ』の影響で動き回ろうとするスピアーのスピードが下がっていくのが分かった。
 だが、その中の1匹がラルトスに狙いを定めているのが目に見えた。

「やばっ! ラルトス、サイドチェンジ! ヒトカゲと入れ替われ!」」
「ラル!」
「カゲッポゥ!?」

 ヒトカゲとラルトス。2匹の対称的な声が聞こえてくる。ヒトカゲの「それはムリだろ!?」的なやつは、ラルトスならやれるだろうし、ヒトカゲだって土壇場なら腹くくってやってくれるだろうと思う。
 そしてラルトスの姿が一瞬ぶれる。同時にヒトカゲもそれは同様だった。そしてヒトカゲのいた位置にラルトス、ラルトスのいた位置にヒトカゲという具合に、サイドチェンジは無事成功! 2匹の位置がそっくり入れ替わった。

「ポポチャ!?」

 ポッチャマの驚くような声が聞こえるがそれは相手方のスピアーも同じだったようだ。

「カゲ! カー、ゲェェェ!」

 ヒトカゲも驚いていたようだが、予め言われていたためか立ち直りは早く、そのまま効果抜群の『ひのこ』を見事スピアーに命中させた。
 そのスピアーは墜落したが、今度は別のスピアーがまたヒトカゲに向かって飛んでくる。

「くるぞ、ヒトカゲ! 避けろ!」
「カゲッ! カゲッ?」

 ヒトカゲはスピアーの攻撃をあっさりと回避する。まあ相手の素早さは下がって自分の素早さは上がっているのだから当然だろうと思う。

「そのままひっかくだ!」
「カゲ? カ、カゲッ!」

 自分の動きに驚いていたようなヒトカゲは慌てて今の指示を聞こうとする。
 ヒトカゲは振り上げた爪を振り下ろした。


→なんか面白くないので何となく却下。最初はポッチャマの予定でしたが故あって変更。
 ちなみに推敲してないので雑です。



【NGシーン2】

「よっし! まずは第一段階成功! 続いて第二段階! 伯父さん!」
「任せなさい! ナックラー、『じわれ』だ!」
「ナック! ナックナックナックーーーー!!」

 続けては恐怖の一撃必殺技タイム。
 地面に亀裂が入って割れるようなじわれエフェクトが出るとそこに何匹かのスピアーが巻き込まれていった。


→これやっちゃうとマジヤバい。
 具体的に亀裂に水が流れ込んで川の水位と折角固めた土手の地盤がヤバスw
 堤防にもおそらく亀裂が入って周辺大迷惑&川増水時の決壊確率100%ww
 しまいにゃ国交省ガチギレ&内閣崩壊www
 という感じで後始末が非常に厄介なので没にしました。



次回、廃人には非常に縁のあるものが登場します。ポケGOでも課金した人はいるのではないかと。ちなみに私はDLCは購入するけど課金とかはしない主義です。

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