架空の現代にポケモンが出現したら   作:kuro

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この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。


ぬしポケモンバトルの報酬

「出ておいで、ギャラドス!」

 

 ゲットしてボールに収まったギャラドスを今一度外に出す。

 

「ギュウオオ」

 

 今さっきバトルしたばかりでダメージが残っているので、些か元気がない。

 

「ギャラドス、今後ともよろしくな」

 

 とりあえずはまず挨拶だろと思ってやってみたら素直にコクンと頷いてくれる。どうやら言うことを聞かないという事態にはならなそうでホッとした。ゲームだと自分でゲットしたポケモンは必然的にミュウツーだろうがアルセウスだろうが言うことを聞いてくれたが、ここでもそれが通用すると楽観は出来ないように思える。コイキングから育てていたら大丈夫だろうけど、ギャラドスは気性は荒いからそういうことになってもおかしくはないと思っていたのだ。これなら回復しても大丈夫そう、かな。

 

「ギャラドス、お前を回復させたいんだけどいいかな?」

 

 すると、ギャラドスは僕が思ったのと正反対の反応――首を振って拒否をした。

 

「えっ?? うっそ?」

 

 こんなことってあるのか?

 

 そんな思いに囚われていると、ギャラドスは顔を僕の前に近づけてきた。

 

「ラル」

「カゲ」

「グモ」

 

 すると外に出たままの2匹にさらにモグリューまで出てきて警戒を表すが、ギャラドスはそれに気にせず、僕の足元に向かって何かを吐き出した。

 

「んー? なんだこ、れぇぇぇぇ!?」

 

 おいちょー待たんかい!

 拾い上げてみると、この半透明の菱形みたいな形をした四面体、中心部に浮かぶ紋様、そして何より()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「なあ、ギャラドス、これってZクリスタルか?」

「ギュオ」

「しかも2つ。これは……水と飛行のZクリスタル、ミズZとヒコウZか?」

「ギュ」

 

 ミズZヒコウZ共に青系統のクリスタルだけど、ゲームではお世話になっていたので、確認も込めて聞いてみたら、やはりそうらしい。

 

「これは僕がもらってもいいやつなんだよな?」

 

 ギャラドスはこれに頷きで以て返答した。

 

 アニメやゲームではぬしポケモンとZクリスタルは切っても切れない関係だし、アニメではぬしポケモンが直接Zクリスタルを手渡す場面もあった。

 今になって思えばコイツをゲットして良かったのだろうか。Zクリスタルくれるぬしポケって貴重なんじゃ……。

 

「なあ、お前の他にぬしポケモンって結構いるのか?」

「ギュオ」

「そいつらはお前のように、勝てばZクリスタルをくれる?」

「ギュ」

 

 首を縦振りの全肯定。なら問題ないか。なるほどなるほど。

 いや、でも待てよ? ということは結構そこらにぬしポケモンがいるってことになるような……? それはそれでどうなのよ?

 

「あ、ちなみにZリングくれたりは?」

「ギュギュ」

 

 ああ、それについてはくれないのね。自力で探せと。まあそこまで甘くはないわなぁ。

 でも、手がかり無しは流石に厳しすぎやしませんかね? せめてヒントになりそうなものを……。

 

「ぐ、おああぁぁぁ」

 

 そんなことを考えていると、ギャラドスは大きな、まるで欠伸をしたかのような口を大きく開ける動作をする。その後、目を閉じて脱力して横たわると(いびき)をかいて眠りだした。思えばZクリスタルを渡すときに目をショボショボとさせていたので、相当眠かったのか。今は、まるで役目は果たしたとばかりに眠りこけている。

 あれ、これってねむるって技? ならばひょっとして回復アイテムいらない?

 

「彰くん、もう大丈夫なのよね?」

「ええ」

「わかった。ラプラス、護衛ありがとう。戻って」

「クアア」

 

 そんなことを考えていたら、ラプラスをボールにしまいながら三枝さんが現れた。

 

「とりあえずこれでギャラドスは押さえました。自衛隊の出動はありませんよね?」

「ええ。先生を通して総理にもお伝えしたし、自衛隊の方からも偵察は出ていて、それ越しに防衛大臣、総理と連絡が行ったはずよ。おつかれさま」

 

 そうして三枝さんは右手を差し出してきた。

 

「ありがとうございます」

 

 僕の方も右手を取って握手で返す。

 

「やあやあ、御子神さん、お疲れ様です」

「武藤さん、ありがとうございます」

 

 今度は武藤さんの方だ。

 そういえばギャラドスをゲットした後、一時姿が見えなかったけど?

 

「いやぁ、なんと言いますか、棚ぼたですね」

「は?」

「ほら、御子神さんのポケモンでこのお堀のポケモンにダメージがいって技を中断したときがあったでしょ? で、上の方からも「ポケモン持て」みたいな話があるだろうし、なら折角だから今浮かんじゃってるポケモン捕まえちゃおうって指示出してたんですわ」

 

 そう言って武藤さんの指差す先を見ればボートに乗ってる背広を着たオッサンたち。それらが浮かんでいるポケモンに近づいていってモンスターボール当ててゲットしまくっている。他にも自衛隊の制服を着てる隊員もいて、彼らも同じようなことをやっていた。

 

「あ、私も1匹欲しいポケモンがいるんですけど、後でもらってもいいですか?」

「ええ、どうぞどうぞ。捕まえた中からいきます? それともご自身で?」

「んー、まだゲットされてないみたいですから、自分で行きます。ラプラス、ゴメンね、もう1回お願い!」

 

 そうしてラプラスを水面に出すと三枝さんはラプラスに乗りたい旨を告げる。

 

「クア? クアア! コアアァ♪」

 

 するとラプラスは嬉しそうに陸地スレスレにまで寄り、三枝さんも柵を乗り越え斜面を降りてラプラスの背中の甲羅に飛び乗った。立っているのは安定性に欠けるのかあのややゴツゴツとした甲羅に腰掛ける。

 

「じゃあラプラス、私の指差す方に進んでもらえる?」

「クアアァァ♪」

 

 するとラプラスは見るからにご機嫌な様子で水面を渡り始めた。人間ならば鼻歌交じりだろうなと想像出来るほどだ。

 

「ふーん、ラプラスって本当に人を乗せて泳ぐのが好きなんだな」

 

 ラルトスとかもそうだったが、ラプラスも図鑑通りの設定が反映されているように思える。とするならば、やはり今後は凶暴とされるギャラドス、バンギラス、ボーマンダ、サザンドラ、キテルグマ辺りも図鑑説明が反映されてそうである。ゴースト? 毒? 近寄らなかったり刺激しなければ何とかなるっしょ(震え)

 やっぱり官公庁もそうだけど一般にも早く広がってほしい。1人最低1匹、もっと多くてもいいよ。そうすれば、何かあったときとかも対処出来るし。

 

「おーい! そっちにも浮かんでるぞー!」

「了解でーす!」

 

 ……にしても思うんだけど、こう、一網打尽(?)にゲットするのってなんだかロケット団とかポケモンハンターの手法に似てない? 官公庁がそんなようなことやっていいんすかね? あ、誰にも文句は言われない? まあそうだよねぇ。

 

「コイキングどうしますかー!?」

「一応捕まえとけー! 育てればあんな強そうなポケモンになるみたいだからな!」

「あーい! りょうかーい!」

 

 その後、ポケモンゲット祭りはしばらく続いていた。

 

 ちなみにその間僕は何をしていたかというと、捕獲に失敗したモンスターボールを回収していた。ゲームでは失敗したボールは消滅扱いになっていたけど、ここでは当たり前だけど、そうはならない。

 

「うーん」

 

 大きくなっていたままだったので、小さくするために中心のボールスイッチを押す。

 しかし、カチ、カチと音が鳴るだけで、ボールはウンともスンとも反応しなかった。

 

「あー、こりゃあ完全に壊れたのかなー」

 

 とりあえずこのボールはもう使えそうもないというのが分かった。

 

「でもこれどうするか。嵩張るからしまえないかな」

 

 ポケモン由来の道具だし、元はスマホから取り出した道具なのだ。スマホにしまえてもおかしくはない……はず。

 ということでボールをスマホに当てて試してみると、すっと消えていった。どうやら、それは成功したらしい。

 

「でも、これ、どういう扱いになっているんだ?」

 

 ゲームにもない仕様、気になってアプリを操作してみてた。すると、“道具”の項目にまた『New』という表示されている。

 

「ほお! 『壊れたもの』、ねぇ」

 

 そこには新たにそのカテゴリが出来ていて、そこに今スマホに消えていった『壊れたモンスターボール ×1』という表記がなされている。

 この初めて見る仕様に“トレーナーパス”のヘルプ機能を参照してみると、きちんとした説明が載っていた。

 

 

 捕獲に失敗したモンスターボールや使い終わった道具・技マシンなどは“道具”の『壊れたもの』フォルダに収納することが出来ます。これらは一見使い道がないように見えますが、ポケストップにて僅かばかりではありますが、歩数と交換をいたします。トレーナーの皆様にはそれらを道端には捨てずに回収していただき、エコにご協力いただきますよう(笑)お願いします。

 

 

 なるほどなるほど。所謂これは一種の換金アイテムという訳ね(ちなみに技マシンは1回使用で使い捨てタイプと永久に使えるタイプがあり、使い捨てタイプの方が安いという事情がある)。

 

「でも、現状ではこの壊れたモンスターボールって貴重そうだから、なにかの研究用?のために取っておいた方がいいのかな」

 

 その辺は対策会議の面々と相談だろうと思う。

 

 そうこうしているうちに千鳥ヶ淵ポケモンゲット祭りも終わったらしく、ボートに乗っていた人員はほぼほぼ引き上げていた。

 

「ほほう。結構あるな」

 

 公安の方で確保したモンスターボールを久内さんが持っている。ボールが小さくなっていないとはいえ、ちょっとしたごみ袋一杯分はありそうである。これらは公安に持ち帰って人員に振り分けるそうだ。

 

「我々はゲットに貢献した特権といいますか、既に選んでいます」

 

 そう言って見せたモンスターボールを香取さんは放る。中から飛び出してきたのは、シンオウ御三家、ペンギンポケモンのポッチャマだった。

 

「あら! かわいい子ですね!」

「ええ。それに中々いいポケモンを選びましたね」

「ありがとうございます。かわいさでアシカの子と迷ったのですが、直感でこちらにしました」

 

 女性同士似たものを感じるのか、2人はポッチャマのかわいさ、魅力について語り合っていた。

 ちなみに、久内さん、武藤さんも紹介してくれ、久内さんがコダック、武藤さんがニョロモとコイキングをそれぞれ選び取っていた。

 

「コイキング、育てるのは大変ですよ?」

「しかし、あのギャラドスは魅力的です。かっこいいですよね」

 

 なんだか頑張って育成するみたいなやる気だったので、武藤さんにはゲーム的育成論(バトルに出してすぐ交代とがくしゅうそうちの存在)を教えといた。

 

「そういえば三枝さんは何をゲットしたんですか?」

「むふふ、この子!」

 

 それから、戻ってきた三枝さんはそう言ってポンとボールからポケモンを出す。

 

「ワニ! ワニワニワー!」

 

 それはジョウト御三家の一角、おおあごポケモンのワニノコだった。かわいさと陽気さがゲットの決め手だったらしい。本当はルリリをゲットしようとしていたらしいが、雑巾臭いから止めたそうだ。




ギャラドスのヒコウZは事故(と割り切った)。
といいつつ私も使ったりしてました。
マリルが雑巾の臭いがするということでマリル系統を雑巾の臭いにしました。ただし、きちんと洗ってあげて懐いてくれば臭いはなくなります。
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