アブソリュート・デュオ 《二人目の異能(セカンド・イレギュラー)》※作者就活のため休止 作:真実の月
「ふわぁ~あ……」
テントを出ると、夏の朝日が俺を照らす
東京から南東に約200キロ離れた場所にある、一般人立入禁止の島。その名前は分からないが、昊陵学園が所有し分校が立てられているこの島で迎える2日目。
昨日の夜が遅かったせいか、頭は痛くまだ眠い。時計を見ると今の時間は6時、起床時間は7時のため二度寝するには遅すぎる時間だ
「仕方ね、散歩しよ」
水道で顔を洗い、目を覚まして昨日の会場だった広場に向かう。親睦会が終わった後に片付けをしたのだろう、グリルはすべて洗われて綺麗になっていた。
そんなことを考えながら歩く林道はいたって静かだ。もう少しすれば朝早く起きるクラスメイトが起きてきて騒がしくなるだろうが、少なくとも今は静寂に包まれている。
新鮮な森の風景に見とれていると、小さな広場にたどり着いた。よく見れば、昨日の戦いの場となった広場だ。
「以外と近いな」
昨日からつけっぱなしにしている腕時計を見ると、液晶が6時10分と示していた
いっそのことここで寝てしまおうか、そんなことを考えて木に寄りかかると殆ど同じタイミングで俺が来た道から人が現れた
「あら、誰かと思えば……」
黒を基調としたゴシックロリータを纏うのは明らかに自分より小さい少女。
昊陵学園の理事長であり、本校の地下にあると噂される研究施設の責任者、十六夜朔夜だ
「こうして二人で会うのは《新刃戦》の前以来ですわね。調子はどうですか?」
「今のところは問題ないですよ」
「それなら良いですわ」
ザワワと風が木々を揺らす音が静かな広場に響き渡る
「……質問があるのですが」
「私が答えられる範囲ならばお答えいたしますわ」
「先日の襲撃、あれの犯人は何者ですか?」
まずは、先日の襲撃で襲ってきた犯人について聞く
「……あの老人ですか」
「老人かどうかは分かりませんが、多分、考えているので合っています。あと声。口調は老人だったけど、声色は違った。あれは……一体誰ですか?」
理事長は黙り込んだ。俺は続けて自分の予想を述べる
「俺の予想ですが、俺の記憶に関係のあるーー」
「その通りですわ」
理事長は話を遮ってそのまま続ける
「声に関しては調査中のため答えられませんが、少なくとも襲撃の犯人はあなたの記憶に深く関わっていると言えますわ」
「そうですか。なら次の質問を」
「フレイー!どこー!」
本題の方を聞こうとしたタイミングで、リーリスの声が聞こえてきた
「《
そういい残して理事長は去って行き、入れ代わりにリーリスがやってきた
「こんなところにいたのね。もう朝食の時間よ」
「ああ、分かった。行こう」
結局俺の抱いた疑問は解決しなかったが、必ず答えが見つかる。そう信じて、俺はリーリスに連れられ合宿所へ戻った