この一ヶ月、突然の東京転勤の準備や移動で忙しくほぼ書ける状態ではなく、投稿が遅れてしまいました。
ようやく落ち着きが出てきたところなので、またぼちぼちと最終回へ向けて書いていきますので、宜しくお願いします。
『本日二戦目は、この二人! 四天王の妹、コマチ選手&四天王、ガンピ選手!!』
おいこら、いつの間にそんな紹介になってんだよ。
「出てきたっす。ヒキガヤさん、がんばれー!」
なにこの見え見えな感じ。
コマチはやらんぞ。
「ヒキガヤ、今回はどう見る?」
「………厳しいでしょうね。相手ははがねタイプの専門。ほのお、かくとう、じめんタイプが挙っていないコマチでは攻略は難しいかと」
「おや、いつもの妹贔屓はどこへ行ったのだ?」
「贔屓目で見てのことですよ」
「それはさぞ厳しいな」
鉄甲冑男はハッサムをメガシンカさせてくる。それ以外にも固い奴らばかりを揃えており、焼くか殴るか泥まみれにするかしないと堕とすことは不可能に近い。一回戦ははがねタイプに割と有利なでんきタイプを専門とするマチスが相手だったが、最後の一体が明かされることなく倒されている。
「両者、準備はっ?」
「いつでもいいですよー」
「うむ、こちらも万全である」
「それでは、バトル開始!」
さて、コマチは四天王をどう攻略するのやら。
手持ちを確認しておくと、相手はハッサム、クレッフィ、ダイノーズ、ナットレイ、シュバルゴとあと一体。対してコマチは、カマクラ(ニャオニクス)、カメックス、カビゴン、プテラ、オノンドとクチート。大型のポケモンが多いが、鋼を突くのには適していない。
「クレッフィ、行くのである!」
「カーくん、いくよ!」
まずはクレッフィとカマクラか。
「まきびしである!」
「カーくん、じゅうりょく!」
早いっ!
やはり、特性のいたずらごころは厄介だな。
これでコマチのポケモンは出てくる度にダメージを積み重ねていくぞ。
「………コマチちゃん、どうするつもりなのかな………」
じゅうりょくを使ってまきびしをばら撒き終えたクレッフィを地面に叩きつけ、動けなくしたが、ユイの言う通りこれからどう展開させていくのか。自分も地面に引き寄せられるというのに。
「あなをほる!」
おお、覚えていたのか。あなをほるは地面技。はがねタイプのクレッフィには効果抜群。当たればの話だが、そのためにじゅうりょくで身動きを取れなくしたのだろう。
「きんぞくおんである!」
身動きが取れなくても出せる技を選択したか。
このキーキー金属がこすれるような嫌な音。地中にいるカマクラでも近づきたくはないだろう。
「クフィッ!?」
とか思っていたらクレッフィの間下の地面が割れ、ニャオニクスが出てきた。軽い身体は天へと飛ばされていく。
あ、耳を折ってなるべく聞こえないようにしてたのね。
そういやそういう奴だったな。
「リフレクター!」
おい、だから何でリフレクターで攻撃できるんだよ。
いつも思うが、おかしいだろ。
「ねえ、おじいちゃん。あれ、あなをほるよりダメージ入ってない?」
「うーむ、血筋じゃのう」
「や、俺やったことないから」
何でもかんでも俺のせいにするのやめてくれる?
俺ですら、コマチの戦法は真似できないからね?
『リ、リフレクターでクレッフィを突き飛ばしました!! ニャオニクス!! 一回戦ではハリテヤマ相手に何十枚ものリフレクターを張って攻撃を流していましたが、ここでまさかの攻撃手段として用いてきました!! プラターヌ博士、こんなことってあり得るのでしょうか?』
『うーん、一概には言えないけど、リフレクターも壁ですからね。相手が軽ければ、壁を押し付けて攻撃するのもありなんじゃないですか? そもそもこんな戦い方、彼女しか見たことがないですから、何とも言えませんね』
『あ、ありがとうございます! さすが四天王の妹! いや、それを抜きにしても半年前までトレーナーですらなかったとは想像できません!!』
かわいそうに、ただのリフレクターに突き飛ばされて隔壁にめり込んでるぞ…………。
「クレッフィ、ラスターカノン!」
「カーくん、あなをほる!」
フィールドに戻ってきたクレッフィのラスターカノンを、カマクラは地面に潜ることで躱した。クレッフィは早速地面に引き寄せられ、身動きが取れなくなっている。
「クレッフィ、気を付けるのである。相手はどこからでもやってくるぞ!」
「やっちゃえ、カーくん!」
コマチの合図でクレッフィの背後の地面にヒビが入った。
恐らくあそこにいる。
「クレッフィ、左後方である。ラスターカノン!」
ズドーン!
盛り上がった地面に鋼の光線が突き刺さった。
今度は寝返りを打つことで向きを変えて技が出せたようだ。だが、そこにカマクラはいなかった。
「リフレクター十枚張り!」
コマチの命に従い、一発目の穴から音もなく出てきたカマクラは、半透明の壁を次々と作り出し、身動きの取れないクレッフィに向けて叩きつけた。衝撃で壁は破片に変わり、宙を舞う。だが、すぐに重力により地面に向けて直滑降で落ちていった。落ちた先には壁の下敷きになったクレッフィがいる。
「クレッフィ、マジカルシャイン!」
ぐあっ!?
ちょ、待て、この状態で光を使った技はダメだろ!
目が、目がぁぁぁあああああああああっっ!!
「ぎゃぁ、まぶしーっ!」
「ハッチー!」
「お、おう………」
ちょっと、ユイさん?
急に抱き着かないでもらえます?
心臓に悪いんですよ?
「キラキラっす! キラキラしてるっす!」
それは何を見てのことだ?
コマチを見てのことか?
そりゃ、コマチはいつでもキラキラしてるぞ? だってコマチだし。
「ハチマン……」
「ヒキガヤくーん!」
ちょ、こら、お前ら、唯一空いた左腕と背中に抱き着くな!
母娘で何してんだよ!
「つーか、俺の目を誰か助けて…………」
結局、俺の目は隠すことができず、右腕と背中にすごく柔らかい感触だけが伝わってくる。
「あはは~、はーちゃんモテモテー。けーかもまざるー!」
「ちょ、けーちゃん!?」
ついにはけーちゃんまでもが俺の膝の上を陣取るという何このシュールな状況。
マジで誰か俺の目を助けて。チカチカして痛い………。
「カーくん、やっちゃって!」
「ニャオッ!」
何が起きているのやら。
目が痛すぎて何も分かんねぇんだけど。誰か教えて。
おい、解説。仕事しろ!
「……………ク、クレッフィ…………戦闘、不能!」
あーあ、審判も大変だな。
あんな間近で光を浴びせられて。
よく、判断を下したと思うわ。
『ひ、光で私状況が掴めませんでしたが!! クレッフィが戦闘不能になったようです! まずはコマチ選手が一勝!!』
『プラターヌ博士、リフレクターってああいう使い方でしたっけ………?』
『いや、普通は攻撃を受け止めたりするのに使いますけど…………、いつ見ても常識から外れてるよ……………』
いいじゃないか。
常識にとらわれない、自由なバトルで。ルール違反じゃないんだし。
『そういえば、いつの間にユキノオーを仲間にしていたんだい? しかも一撃必殺まで決められるなんて、ちょっとやそっとの間じゃ無理だと思うんだけど』
『すごく唐突ですね…………』
新しコマチのバトルと全然関係ねぇじゃん。
や、気になるとこだけどよ。
『君がバトルしている間ずっと疑問に思ってたことがたくさんあるからね。聞きたいことが山ほどあるんだよ』
『………あのユキノオーはフロストケイブの奥にいたユキノオーですよ。長年、あそこで暮らしてたみたいですが、外に出てみたいということで連れてきました』
『フロストケイブの奥に住むユキノオー………ああ、あのユキノオーか! マンムーロードのマンムーさんとは友達じゃないか。よかったのかい?』
『マンムーには挨拶もしてきましたよ。いろいろありましたけど』
『そのいろいろっていうのがすごく気になるわね…………』
それな。ほんとそれ。
何したんだよ。
『………それにしても、三冠王があんな反則まがいのことしてよかったのかい? 三冠王らしく正々堂々戦えーって批難を浴びるんじゃない? 何ならネットにすでに書き込まれるかもしれないよ?』
『今回は特別ですよ。私も普段はあんな手は使いません。ただ、私の後輩が心を折られそうになったのでそのお返しをしなくてはと。それにあれくらいしなければ勝てない相手がそのうち出てきますからね。一発本番はさすがにリスクが大きかったんですよ』
ねえちょっと、どんだけイロハのこと好きなんだよ。
本人いないから言えるんだろうけど、いたらあいつ後で絶対ネタにするぞ。
『これから出てくる選手はねむねごコンボを使ってきそうね』
何その通の表現。
一般人には何言ってるか分かんねぇと思うぞ。
『それはそれで楽しみです。ルールの隙を突いたカラクリをどこまで操れるのか、トレーナーがどこまで運を引き寄せられるのか、力量を見られるじゃないですか。やりたい人はやればいいと思います。何が起こるのか体験するのも大事なことですよ』
『…………はあ、似た者夫婦とはよく言ったものだよ』
『でも確かにねむねごコンボは賭けの方が大きいわ。覚えている技の数だけ何を出すのか分からないもの。強く育てたポケモンほど、扱いが難しいわ。逆に生まれたてのポケモンに覚えさせても、今度はバトルの経験がないからバトルにならない、ほんとトレーナー泣かせの技よね』
そりゃそうだ。
選択肢も少なく、威力も低い技しかなければ攻撃にならないし、かといって選択肢が多すぎるのも扱いが難しい。無駄に上級者向けの技であるため、あんな特殊なルールが付随されていても問題はないのだろう、
「ねむねごコンボってなーに?」
「ボーマンダが使ってた、ねむるからのねごとを放つことだ。こんな表現、上級者一部のトレーナーしか言わねぇけどな。ガチすぎる………」
「ハチマンも同類……………」
「「確かに………」」
「おい………」
おいそこの師弟コンビ。頷くんじゃないよ。
「ネットでも賛否両論分かれているようであるな」
「早ぇな。どんな書き込みされてんだ?」
「博士の言うように『正々堂々戦え!』だとか、それに反論するかのように、『あんな扱いずらい技を使いこなす三冠王の実力が垣間見れた!』だとか、真っ二つって感じだぞ」
ネットの拡散は恐ろしいほど早い。
これで三冠王の見方も変わってしまうのかね。
「なんか、すごいことになってるね………」
「昔よりも質が悪くなっておるのう………」
まあ、昔からそういう風潮はどこにでもあったんだろうな。ただ、今はネットという世界を繋ぐものがある分、匿名で書き込むこともできるため、一層質が悪くなっている。
「お、こんなのもあるぞ。『ぜったいれいども使えたんだ………。まさに氷の女王だなw』『氷の女王………、女王様万歳!』『三冠王、いや氷の女王様! ワイを踏んで!』『鞭とか似合いそうwww』………これは本人に見せない方がいいな」
「………見せたお前が代表して踏まれるだろうな。あと鞭打ちも」
「見なかったことにしておこう………」
誰だよ、こんな変態的書き込みをした奴。
否定はしないが、見つかったらお前ら凍死するぞ?
なんせ、相手は氷の女王様なんだし………。
「ふっ、いい目だ。しっかり育てられている。ではこちらも参ろう。シュバルゴ!」
二体目はシュバルゴか。
ハッサムと同じむし・はがねタイプ。とにかく堅い。カマクラでは火力が足りないかもしれないな。
「カーくん、リフレクター!」
「シュバルゴ、だましうち!」
攻撃力の高いシュバルゴを見越して、まずはリフレクターを張ったようだが、上手く回り込まれ、背後から殴りつけられてしまった。効果は抜群。カマクラにとっては致命傷に近い。
「畳みかけるのである! とどめばり!」
吹き飛ばされた軽い身体に追い打ちをかけるように、シュバルゴが両腕のドリルを突き出し飛び込んできた。
「カーくん、戻って!」
攻撃するでも躱すでもなく、トレーナーによる交代でピンチを切り抜いた。
別に交代がダメなんてルールじゃないしな。逆に推奨してるまである。コマチも一回戦から交代してたし、それも戦略の一つだと言っていい。文句は言わせん。
「なるほど、交代か。いい判断である」
「いくよ、クーちゃん!」
交代で出したのはクチートか。
「クチートか。確かものまねとか覚えていたが………。ヒキガヤと同じ血が流れてるしな……………」
「先輩、返し技もありましたよ」
「ああ、それに兄譲りの奔放な戦いっぷりだからな。今度は何をしてくれるのやら」
威嚇を放っているが、同時にまきびしによるダメージが刺さる。
「クーちゃん、ほのおのキバ!」
クチートは頭の大きな牙に炎を纏い、シュバルゴに向けて駆け出した。
むし・はがねタイプのシュバルゴに唯一弱点を突ける炎技。
カビゴンやプテラも炎技を覚えていたはずだが、出してこないということは、あの二体を今回のキーマンにしているのかもしれない。
俺がコマチのポケモンで戦うとすれば、そうしている。後はそいつらをどう活かせるかだが。
「だましうち!」
シュバルゴも動き出した。炎の牙に対して突っ込んでいく。
炎の牙が当たる直前、シュバルゴの身体が大きく揺れ、消えた。
直後、クチートは背後から殴りつけら、地面に叩きつけられた。
「そのままドリルライナーである!」
シュバルゴは両腕のドリルを回転させ、かつ自分も高速回転して、斜め上方から一気に駆け下りていく。
「後ろからくるよ! メタルバースト!」
やはり出してきたか、返し技。振り向き様に頭の牙で
効果抜群の技に対してクチートが持ちこたえられるかどうか、それで勝敗は決まると言っていい。
「っ!? シュバルゴ、回転をもっと速めるのである!」
へぇ、切り返して躱したりはしないんだ。あくまでも正面突破。
確かに成功すれば、これ以上のない隙を突ける。だが、返し技に飛び込むということは通常の技を受けるよりもリスクは高くなる。四天王であればそれくらい瞬時に理解できていそうなものだが。余程防御力に自信があると見える。
『な、なんという競り合いっっ!! 両者一歩も引きません! 押し切るのか、押し返すのか! 勝つのはどっちだぁぁぁあああああああああっっ!!』
恐らくどちらともであり、どちらでもない。
押し切り、押し返すだろう。
「チーット?!」
「シュバッ!?」
ほら、どちらとも吹き飛んでいった。
効果抜群とその増しのダメージ。
「クーちゃん!?」
「シュバルゴ!」
いくら防御力が高いシュバルゴといえど、返し技には押し返され、隔壁に突き刺さった。対してクチートは地面を滑り、コマチの前で止まった。
「クーちゃん、走って!」
「シュバルゴ、まだいけるであるか!」
「シュバ!」
「うむ、もう一度ドリルライナー!」
「いちゃもん!」
そう来たか。
効率良くダメージを与えられるドリルライナーを使ってくるとみて、敢えて隙があるのにも拘らず攻撃を仕掛けなかった。いちゃもんは同じ技を連続で出せなくする技。いちゃもんを付けられたシュバルゴは技を発動させることが出来なかった。
「クーちゃん、ほのおのキバ!」
その隙にシュバルゴへとさらに詰め寄るクチート。
「だましうちで躱すのである!」
頭の牙に炎を纏い、噛み付いた瞬間、シュバルゴが消え、背後に現れた。そして体当たりで地面へと叩き落とす。
「まだだよ、クーちゃん!」
だが、クチートは身を捻り、頭の牙をシュバルゴの左腕のドリルに引っ掛け、遠心力で逆にシュバルゴを地面へと追いやった。
「クーちゃん、あまごい!」
反動で上へと昇っていく間に、クチートは雨雲を呼び、雨を降らせ始めた。一体コマチは何をしようとしているのだ? 雨を降らせてはほのおのキバの威力が下がるだけだぞ? それともまた交代でもしようとしているのか? 交代に制限がないとはいえ、そう何度も入れ替えていては、コマチもポケモンたちもペースが乱れる可能性だってあるんだぞ?
「何をしようとしているのかは分からぬが………。シュバルゴ、とどめである! ドリルライナー!」
「雨………?」
「コマチちゃん、何かしようとしてる………?」
再度一緒に旅をしていたユイでもコマチの手は読めないらしい。
「メタルバースト!」
クチートはシュバルゴの両腕のドリルを頭の牙で受け止め、鋼色のエネルギーを溜め込んでいく。
「………なるほど、コマチは次、カメックスを出すつもりだね」
「………どういうことだ、カワサキ」
「さっきと同じ展開になった。恐らく結果も同じだと思う。でもクチートもダメージを受けて残り体力は少ない。返せたとしても相打ちがいいところだと思う」
ほーん、要するにコマチは相打ち覚悟で反撃に出て、次に繋がるために先に雨雲を呼んだのか。つまり、あいつはポケモンたちの状態をちゃんと把握できているということ。
できた上での決死の覚悟。
「クーちゃん!」
「シュバルゴ!」
両者壁に激突。
こりゃ、相打ちだな。
「両者、戦闘不能!」
『結果は引き分けだぁぁぁあああああああああっっ!! クチート、シュバルゴ、両者ともに相打ちで終わりました! 四天王、このまま一ポイントも奪えず終わってしまうのかっ!?』
これでコマチが一歩リードしたまま、四天王側は三体目のポケモンに入る。
だが、油断はできない。相手の専門ははがねタイプ。シュバルゴを倒したからと言って、まだ壁は何枚も残っている。
「ぬぅ、さすがはあの少年の妹気味である」
シュバルゴをボールに戻しながら、鉄甲冑男が唸った。
「いえいえ、コマチはまだまだですよー」
それに対してコマチは軽い口調で謙遜しやがった。全く謙遜を感じられなかったのは俺だけだろうか。
「次へ参ろうか。ナットレイ!」
「いくよ、カメくん!」
だが、鉄甲冑男は特に気にする素振りもなく、バトル再開を促した。
四天王の三体目はナットレイ。くさ・はがねタイプ。草壁である。故にカメックスとは相性が悪い。
「ガ、ガメスッ!?」
そういやまきびし撒いてたっけな。
地味にダメージを入れやがって。
「カメくん、はどうだん!」
「ナットレイ、パワーウィップ!」
カメックスが先手ではどうだんを放ったがナットレイのトゲの塊が付いた触手で薙ぎ払われた。弾き返されたエネルギー弾はそのままカメックスに向けて飛んでくる。
「カメくん、はどうだんにれいとうビーム!」
だが、それを一瞬で凍り付かせ、地面に叩き落とした。
「返したときの対処もできておるか。ならば、これはどうであるかな。ナットレイ、ジャイロボォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオール!!」
四天王の叫びとともにナットレイが高速で回転し始めた。
触手から伸びた鉄のトゲが遠心力でカメックスの方にまで伸びていく。
「これじゃ弾き返されちゃう…………」
結局、雨を降らせたのはどういう意図があったのだろうか。未だ雨を活用するそぶりを見せてこない。まさかとは思うが、ナットレイをつり出す餌だったとか?
んなわけないか。
「カメくん、一発入れるよ! ハイドロカノン!」
ここで究極技かよ。いや、まあ、ジャイロとか関係なくナットレイを隔壁に叩きつけたけどよ。雨の効果でみずタイプの技が威力を増しているからといって、相手はくさタイプだぞ?
「ナットレイ、無事であるか?!」
「ナブっ!」
さすがナットレイ。
防御力がくそ高すぎるだろ。ピンピンしてるぞ。
「うむ、もう一度ジャイロボールからのパワーウィップである!」
フィールドに戻ってきたナットレイは再度高速で回転し始め、触手を大きく広げた。
「カメくん、連続ではどうだん!」
おい、さっき弾かれちゃうとか言ってなかったか?
なのに、なんでまたやっちゃってんのよ………。
「すごい………、全部弾き返してる………」
「そりゃそうだろ。ジャイロ回転に加えて、その遠心力も活かして外れた球ですら触手の先で打ち返してるんだ。背後から狙うこともできないどころか、連続で出してカメックスが対処できるのかって、そっちが心配だわ」
究極技ですらピンピンしていたんだ。あれ以上の技を使おうとすれば、コマチの場合メガシンカかZ技を使う必要がある。
確かにここでカメックスをメガシンカさせてしまってもいいかもしれない。幸いまだ雨は降っている。究極技の一つや二つ撃っちまえばどうとでもなるだろう。
「カメくん、れいとうビームで全部落として!」
でもコマチはそうはしない。
無駄とわかっていてもはどうだんを使ったのにはしっかりと理由があるはずだ。
でなければ、無駄撃ちなんかするような奴じゃないからな。お兄ちゃん、そんな風に育てた覚えないし。
「………まったく、先の読めん妹君であるな」
「お兄ちゃんのバトルを見てきましたからねー。あそこまではできませんけど」
カメックスが弾き返されたはどうだんを全て凍り付かせて地面に落としたことで、無数の氷の塊ができている。以前もこんな展開があったような気がするな………。その時のやり口は波導を操るはどうだんの特徴を生かして、氷の塊を武器として使っていた。今回もそれが狙いなのだろうか。
「いくよ、カメくん! りゅうひょうぐん!」
はい?
りゅうひょうぐん?
聞いたことない技だな。
りゅうせいぐんの間違い、ってわけでもないだろうし。そもそもカメックスはりゅうせいぐんを覚えられないんだし………りゅうひょうぐん……………ねぇ。
「あ、あれっ! フィールドの氷の塊が一か所に集まってくよ!」
「………りゅうひょうぐん、星じゃなくて氷の群れが降ってくるんだね」
「あ、そゆこと」
なるほど、流氷群ね………。
ただの流星群の真似事かよ。
「ぬぅ、まだ波導を流していたのか。ナットレイ、ジャイロボールで弾くのである!」
りゅうせいぐんの如く弾けた氷の塊が次々と降り注いでくる。それをナットレイはジャイロ回転で弾いていくが、弾かれた氷塊は元がはどうだんであるため、軌道を修正し、何度もナットレイに襲い掛かっていった。
「これでまた一歩リードできそうだね」
「そう………だな………………」
トツカの言う通り、このままいけばいずれはどうだんが直撃し、大ダメージを与えることができるだろう。
だが、なんだこの違和感は。
いつもならコマチのこの独創的な発想に期待感が出てくるのだが、今回ばかりはどこか違和感を感じでしょうがない。違和感というか、危機感? といった方が正しいか?
………別に雨が上がったからそう感じてるってわけじゃないよな?
「ハイドロカノン!」
本日二度目の究極技。
ジャイロ回転も回転不足になったところ上手く突き、再度ナットレイを壁に打ち付けた。そして追い打ちの方に残りの氷塊が襲い掛かった。
「ナットレイ! まだいけるであるな!」
「ナトッ!」
………これでもダメなのかよ。どんだけ堅いんだ……………。
「ギガドレイン!」
ッ!?
これかっ! 危機感の正体は!
くさタイプは弱点タイプが五つと多い一方、はがねタイプは耐性が十一もあり、ナットレイの弱点はほのおとかくとうのみである。加えてはがねタイプに多く見られる耐久力も持ち合わせており、持久戦を得意とする。そんな奴がギガドレインという攻撃しながら回復する技を覚えるんだから、手の付けようがない。
しかも今ナットレイを相手しているのはカメックスだ。効果抜群でごっそり体力を奪われたことだろう。
「カメくん?!」
今の一撃で片膝をついたか。
だが、逆に発動したようだな。カメックスが青いオーラに包まれている。
『おおっと、カメックス!ついに片膝をついてしまったぁぁぁあああああああああっっ!!攻めているように見えていましたが、ギガドレインでカメックスのダメージが一気に蓄積されましたっ!!』
「もう一度、ギガドレイン!」
「カメくん、ハイドロカノン!」
再三に渡る究極技。
こんなに連発していてはカメックスの負担もかなりのものだろう。消耗が激しく、立て続けに動くことなんて普通はさせないものだ。それをさせているのだからカメックスが片膝をついてもおかしくないし、一瞬技を出すのが遅れるのも道理と言えよう。
水の究極技はナットレイを振り飛ばすも、とうとう地面に倒れ伏したのはカメックスの方だった。
「カメくん?!」
コマチの二度目の叫び。
「ガ、ガメス………!」
それに応えるかのようにカメックスは声を荒げるも、完全にガス欠状態になった。
「カメックス、戦闘不能!」
『ここでカメックス、戦闘不能!! コマチ選手、非常に堅いナットレイの攻略はできるのかっ!』
ほんとそれな。
堅い上にギガドレイン覚えてるとかないわー。
「ナトッ?!」
「ナ、ナットレイ!?」
と、急に何かが落ちて来て、ナットレイを貫いた。
あれは…………。
「ナットレイ、戦闘不能!」
『ななななんとっ! 何かがナットレイを貫いたぁぁぁああああああっっ!? そして一瞬で戦闘不能にしてしまいました!! 一体何が起きたというのでしょうか?!』
「はどうだん、だと………?!」
貫いたのははどうだん。
カメックスなりの置き土産だったらしい。
一体どこに隠してたんだか。最後に足掻いたのはこのためだったみたいだな。
「カメくん………、ありがとう」
『はどうだんですね。カメックスが流氷群で攻めている時に新たにはどうだんを何発か撃ち出していました。その一発を残しておいて最後の力で落とした、というところでしょう』
『………やるわね、あの子』
『要領がいいのは確かですね。そして兄譲りの独創的な技の出し方と、兄以上にこれまで見てきた技の模倣を得意とする子でもあります』
模倣もいいところだと思うがな。完全に自分のものに進化させてしまうんだから、俺以上だぞ?
かわいい顔してえげつないったらありゃしない。
「油断してたのである。まさかこのような突き方をして来ようとは、誰も想像できなかったであろうな。かく言う我輩が気づかなかったのだ。称賛に値する」
あらら、四天王に称賛されちまった。
というか、これで四天王のポケモンは残り三体。
少し勝算が見えてきたが、まだまだ油断はできないな。なんせ、イロハがそれで痛い目にあってるんだ。コマチもそこは分かっているだろう。
「ありがとうございますっ! でも、コマチがここまで強くなれたのは最高の環境があったからですっ! 元チャンピオンが三人もいたり、普通じゃまず体験できないようなことも経験できましたから! そして何よりコマチの仲間になってくれたみんながいてくれたからですっ!」
「うむ、いい答えである! その気持ち、忘れてはならんぞ」
「かしこまち!」
なんだよ、かしこまち! って。
新しく流行らそうとかしてんの?
やっはろーで充分でしょ。
「次は貴公である! ダイノーズ!」
「いくよ、キーくん!」
コマチはオノンド、相手はダイノーズか。
さて、後半はどうなるやら。
「オノッ?!」
まきびし………。
もうほんとあのちょっとしたダメージが痛すぎるだろ。
「キーくん、りゅうのいかり!」
「ダイノーズ、マグネットボォォォオオオオオオム!」
うわ、一発目から地響きさせんなよ。
この建物、大丈夫だよな?
パパのんが金かけてくれたし、うん、何かあったらパパのんに対処してもらおう。
「りゅうのいかりが呑まれた………」
「マグネットボムであんな威力が出るなんて………」
や、うん、まあ、そうだけどさ。
それよりもオノンドがすでに走り出してることを気にしようよ。
「ダイノーズ、オノンドを止めるのである! でんじは!」
「キーくん、ちょうはつ!」
ダイノーズはオノンドの動きを止めるために電磁波を飛ばそうとするも、挑発され、それに乗ってしまい技が出せなかった。走りながら見せたちょっとした動き。それだけでダイノーズの動きを縛ってしまった。
「けたぐり!」
正直オノンドはまだ強いとは言えない。
タマゴから孵り半年経ってようやくオノンドに進化した。つまるところ、それは成長にまだまだ先があるということ。
だが、進化過程でまだ身体が小さいうちにできることだってある。
けたぐりがその一つ。小さい身体を滑り込ませて、相手の足下を薙ぎ払い、転けさせる技だ。ダイノーズなど図体のデカい奴には良く効く特殊な技であり、今のオノンドにとって、ダイノーズを倒す切り札となし得る可能性もある。
『急所に入ったぁぁぁああああああっっ!! 効果は抜群だぁぁぁぁぁぁああああああっっ!!』
「キーくん、りゅうのいかり!」
「チビノーズたちよ、ほうでん!」
うわ、セコい。
ダイノーズだから仕方ないとしてもチビノーズたちも使ってくるなよ。実質相手が四体いるようなもんじゃねぇか。
「チビノーズたちは中二さんに教え込まれましたよっ! キーくん、あなをほる!」
間一髪。
オノンドは穴を掘って、電撃を回避した。カマクラがあなをほるを覚えたのもこの伏線なのかもしない。………考えすぎか。
「ダイノーズ、マグネットボォォォオオオオオオム!!」
「オノッ?!」
激しく地面に衝撃を与えることで、地中にいるオノンドを強引に引きずり出したのか………!流石は四天王。発想が広い。
「チビノーズたちよ、ほうでんである!」
うわっ、ここで数を活かしてきやがった。これじゃオノンドも躱せるはずがない。
これはアレだな。ユキノのせいだな。あいつがルールの隙を突いてきたから、四天王の方も容赦なくルールの隙を突いてきた。案外俺が一番ルールに則ってたりして………。
「キーくん?!」
追加で麻痺してしまったか。これではコマチの策も躱せる意味を成さないだろう。
「回避まではよかったが、我がダイノーズの爆発力を侮ってもらって困るぞ」
「…………強い」
伊達に四天王だなんて呼ばれてねぇよ。
「キーくん、りゅうのいかり!」
オノンドは衝撃波を飛ばそうとするも身体が痺れて、照準がブレた。その隙を四天王が逃すはずもなく。
「ダイノーズ、マジカルシャイン!」
いやほんと、伊達に四天王だなんて呼ばれてねぇな。
マジか………、あのダイノーズ、マジカルシャイン覚えていたのかよ。りゅうのいかりも四方に広がる光に覆われて霧散しちまったし。
やべぇ、これは流石にコマチもオノンドも無理だわ。ザイモクザとはまた違った怖さがあるぞ。意外性出し過ぎ………。
「キーくん?!」
あー、ほら。
オノンドが吹き飛ばされていったぞ。
コマチもすげぇ焦ってるし。
「オノンド、戦闘不能!」
ま、こうなる気はしていた。
オノンドでははがねタイプの硬さを貫くほどの力がまだない。最終進化形のオノノクスならば、また違った結果になっていただろうが、それは仮定の話。現実はオノンドが負けた、それだけである。
「キーくん、お疲れさま」
『これでとうとう両者残り三体になりましたっ! ダメージ量を見ても互角といっていいでしょう!』
『ガンピも相当驚いているようね。あの子の技の使い方に。私もあんな使い方方はしたことがないわ』
『技の使用限度の中で新たな技を作り出す。中々できないことですよ』
普通はそうなんだろうな。
けど、俺も含めて割と俺の周りって技を組み合わせて新しい技を作り上げるからなー。あんまりできないっていう感覚がない。
「ねぇ、ヒッキー。あたしもやった方がいいのかなー?」
「………はっ? お前、自覚………ないのか………。アホの子だもんな」
「誰がアホだし! アホって言った方がアホなんだから! ヒッキーのアホー!」
おい………。
「ユイガハマ………」
「ユイちゃん………」
先生方もすげぇ呆れ顔だぞ。
「やっぱ、アホの子はアホの子だな」
「ユイさんだし………仕方ないよ」
どうやらコルニも諦めモードのようだ。
おい、歳下にまで諦められてるぞ。
「カーくん、もう一度お願い!」
次はカマクラを再度出してくるのか。
だが、あいつは初戦でダメージをかなり受けている。長くはもたないだろうし技もすでに三つ使ってしまっている。あと一つ何を使うかで勝敗が決まると言ってもいい。但し、技を使う暇があれば話であるが。
そこら辺、四天王も計算に入れてくるはずだ。速攻で仕掛けてくるか、敢えて技を使わせるか。俺だったらさっさと倒してしまうだろう。正直フルバトルなんて体力・精神力ともにすり減らされる代物だし。しかもポケモンリーグともなれば、バトルの質も高い。現にこうして目の前で高度な駆け引きがされているわけだし、初出場のコマチには相当重くのしかかっていることだろう。
「ダイノーズ、マグネットボォォォオオオオオオム!!」
好きだな、その技。
どんだけお気に入りなんだよ。他とはまるで扱いが違う。叫びすぎだろ。
「リフレクター十枚張り!」
リフレクターは受けの壁であり、守りの壁ではない。故に体力の少ないカマクラでは押し切られる可能性だってある。だが、それを枚数を重ねることでその確率を大きく減らしているのはコマチのトレーナーとしての技量と言っていい。
「カーくん、じゅうりょく!」
今度はじゅうりょくか。特に飛んでいるわけでもないダイノーズであるが、自身が磁力を出しているため、若干浮いてたりする。だから意外と効果は有ったりすんだよな。
「ダイノーズ、ほうでんするのだ!」
「カーくん、リフレクターに乗って躱して!」
おう、ついにリフレクターをサーフボードにしやがったぞ。
荒れ散る電撃の隙間をスイスイと抜けていき、ダイノーズの背後に回った。
「鉄砂の壁、僧形の塔、灼鉄熒熒、湛然として終に音無し、縛道の七十五、五柱鉄貫!」
………はっ?
今何つった?
ゴチュウテッカン?
ザイモクザ?
「ぬ、まさかアレを出してくるとは………。やはり四天王にはアレすらも使わざるを得ないようであるな」
「おいこらザイモクザ。人の妹に何吹き込んでんだよ。これあれだろ。縛道だろ?」
「であるが、主もなかなか隅に置けぬな。よく覚えておった」
「誰のせいだと思って。あんな意味のない前置きをするのはお前くらいだろうが」
コマチもよくこんなのから技をもらったな。どうでもいい、何の意味もない前置きを言わされるんだぞ。恥ずかしくねぇのかよ。
「だが中々のものだと思わぬか?」
や、だからなんだけど。
なんだよ、あの完成度。ダイノーズ及びチビノーズの動きを完全に止めやがった。というかリフレクター四枚使って作り出した柱五本で大小四体の動きを封じるとか、どんだけ壁が好きなんだよ。
「………コマチの場合、アンタと違ってどんな技でも攻撃手段にしていくから。しかもまだまだ伸びしろはこれから。将来アンタやあたしらをはるかに超えたトレーナーになってるかもね」
「珍しいな。お前がそこまで褒めるなんて」
「そう? あたしも褒める時は褒めるよ」
キャラじゃない。
キャラじゃないぞ、カワなんとかさん。
あ、コマチは年下だからとか?
ブラコンでシスコンなサキサキならありえなくもない。
「………コマチはやらんぞ」
「どんだけ妹好きなのさ………」
「それ姉ちゃんが言えた立場じゃないって………」
おーい、実の弟に呆れられてるぞー。
「カーくん、あなをほる!」
これで決めるつもりなのだろう。
結局、四つ目の技は出さなかったか。
「ダイノーズ、マグネットーーっ!?」
『ああっと! ダイノーズ、柱のように現れたリフレクターによって全く身動きが取れません! 万事休すか!』
何気あの五柱鉄貫が上手く効いているな。
ザイモクザもなんだかんだ言っていろんな技の形を持ってるトレーナーだからなー。あの変な前置きさえなければ強いんだけど。
「「「いっけぇぇぇええええええええええっっ!!」」」
うおっ!?
お前らも興奮しすぎだろ。
一人はジムリーダーでしょ? ユイはともかくお前はバトル見慣れてるだろうが、コルニ。
「ダイノーズ!?」
あの小さい体でよくあの重いのを打ち上げたな。
コマチのポケモンの中じゃ、最終的に一番小さいポケモンになるっていうのに。クチートも似たような大きさだが、あの頭の牙のおかげで迫力がある分、カマクラが余計に小さく見える。なのに、あの力技に特殊な技の使い方。何気コマチのポケモンで一番厄介なのってカマクラなのかもしれない。
「ダイノーズ、戦闘不能!」
よし、これで相手は残り二対。
「とうとうここまで来たか」
「ですね。やはり血は争えませんね」
「いや、関係ないでしょ」
コンコンブル博士もヒラツカ先生も買いかぶりすぎ。
というか、俺と血が繋がっていようがいまいが、トレーナーとして成長できるかは本人次第である。現にユイは俺の想像をはるかに超える成長を遂げていた。あまり干渉してこなかったというのもあるが、それはコマチに関しても同じである。俺が主に見ていたのはイロハなのだからな。
それでも三人とも遜色なく長所を伸ばしてきた。実力的にも五分五分といったところだろう。………ユイにはまだ何かありそうだけど。
「戻るのである、ダイノーズ。大義であった」
『さあ、四天王のポケモンは残り二体! しかし、前回のバトルでは残り一体は出しておりません! まだまだ逆転の循環が残っています! 油断はできませんね!』
『そうね。ガンピのあと一体はとても強力なポケモンです。時にはメガシンカするハッサムよりも上をいくでしょう』
付き合いのあるチャンピオンが言うとシャレにならんな。
一体何を出してくるのやら。
「ハッサム、いくのである!」
あれ………?
ここでハッサムなのか?
まさか、もう一体もメガシンカできて、今回はそっちをメガシンカさせるとか?
四天王だし、それくらいやっておかしくはないが…………、どうもな………。
「バレットパンチ!」
「っ!? カーくん、リフレクター!」
一発目から飛ばしてくるな………。先手必勝ってか。
「………まずいな、リフレクターが薄くなってる」
「えっ? どういうこと?」
「そのまんまの意味だ。カマクラの限界が近い」
「それって………」
さすがにさっきの五柱鉄貫はカマクラの方にも負担があったか。
ま、十枚張りでも割と負担があるだろうに、あんな使い方をすれば消耗も激しいだろう。
コマチ、こういう時こそトレーナーの判断が重要になってくるぞ。
「………カーくん、ありがとう。最後ににほんばれ!」
「かわらわりである!」
頭上から振り下ろされたハッサムの右腕により、とうとうリフレクターが壊れ、そのままカマクラは地面に叩きつけられた。
だが、空は雲が晴れ、煌々と太陽の光が降り注ぎ始めた。
「ニャオニクス、戦闘不能!」
クチートの時はあまごいだったが、今度はにほんばれ。今回コマチが念頭に置いていたのは後続への繋ぎ方なのかもしれない。
その点で言えば、合格だ。
次に出すカメックスに向けてあまごい、そしてプテラないしカビゴンに対してはにほんばれだ。両者ともほのおタイプの技は覚えていたはずだ。その技を強化するつもりで日差しをキツくしたのだろう。
「お疲れ、カーくん。無理させてごめんね」
これで両者とも残り二体。メガシンカも残しているが、相手は一体がまだ不明。コマチの方は技選びでさらに慎重にならなければならない。予想を立てようにも恐らくはがねタイプということくらいしか分からない。
「………未だ厳しい状態は変わらないな」
「っすね………。ま、これも含めてのポケモンリーグというものでしょ」
「おや、あまり妹贔屓はしないのだな」
「現実を言ったまでです。最初はジムリーダー、次に彼らを倒した自分と同等の高レベルトレーナーあるいは四天王。そしてチャンピオン。それが今回のリーグ戦の立ちはだかる壁のイメージです。バッジを集めなかった者も予選から参加できるようにはなってますが、この場で戦うということは重々に緊張する。それを鍛える場でもあるのが、ジム戦、だからジム戦で鍛えておかなければ、実力を発揮することも難しいってものですよ」
結局、ジムというものとポケモンリーグというものはこういう関係性を持っているのだ。あまり知られたことではないだろうがな。俺もあまり深く考えたことはなかった、こうして主催者側になることで改めて気づかされたってもんだ。
全く、面白い完成だよ。
「いくよ、ゴンくん!」
次はカビゴンか。珍しく起きてるじゃないか。何があったんだよ。つか、平気なのかよ。まきびしあっただろ。それとも何か? 鈍感だったりするのか? いや、あいつはめんえきのはずだ。うーん、まあカビゴンだしないとも言えないか。
「ゴンくん、ほのおのパンチ!」
「ゴン!』
動きも軽いし………。あっという間にハッサムの正面にたどり着いたぞ。
「ハッサム、メガシンカである!」
………やっぱりメガシンカさせてきたか。
おかげでカビゴンがメガシンカエネルギーに吹き飛ばされていった。
「つるぎのまい!」
っ!?
やべぇ、これ完全にハッサムで終わらせにきてる。
ここからはハッサムのターンになりかねないぞ。
「ゴンくん、こっちも出し惜しみしてる暇はなさそうだよ! いくよ!」
また、アレをやるのか………?
やっぱ俺はZ技を使う気にはなれんな。さすがにこんな公衆の面前であんな恥ずかしい踊りやりたくない。
視線が痛すぎるっつーの。
あ、コマチの変なポーズでカビゴンの目が赤く光りだしたし。
「ほんきをだすこうげき!」
「てっぺきである!」
適応早すぎませんかね。
まだ一回しか見せてないはずなのに、もう対処を身につけてくるとか。
しかもこれまでの動きにも無駄がない。
いや、あんな鉄甲冑なんて着てるかどうかと思ったけど、かなりの実力者だったわ。
『カビゴンの本気の攻撃がハッサムに入ったぁぁぁあああああああああああああああっっ!!』
猛進撃していったカビゴンは高々とジャンプし、鉄の壁を踏み壊した。しかもヒップドロップ。おかげでハッサムまで生き埋めになっている。かわいそうに、あんな巨体に踏み潰されて。
「かわらわりである!」
鉄の壁を壊されながらも耐え切ったのか。
あの巨体が再度宙に投げ出され、腹の部分が凹んでいた。恐らくハッサムが殴りつけた跡なのだろう。
「ゴンくん!?」
危機感を募り、コマチは叫ぶが、まだ大丈夫だ、カビゴンは自分の足で着地した。相当のダメージを受けたようだが、まだ戦える。
「まだいけるんだね。だったら、眠って回復して!」
おお、カビゴン得意の睡眠。
すげぇ嬉しそうに寝始めたぞ。
「隙だらけであるぞ。ハッサム、かわらわり!」
「いえ、これもちゃんと盛り込み済みです! ねごと!」
あー、これもカビゴンにぴったりの技だよな。というか寝ることすべてがカビゴンのイメージでしかないまである。
「出た、ほのおのパンチ!」
「うん、押し返したね!」
「これでコマチちゃんにも反撃のチャンスが!」
ねぇ、君たちテンション高くない?
ルミルミが冷たい眼差しで君たちのこと見てますよ。特にツルミ先生。何二人と一緒になって何はしゃいでんですか。娘がすごい嫌そうな顔してますよ。
「………三冠王が使われていたねむねごコンボとやら。即席で立ててきたのであるか」
「別に即席ってわけじゃないですよ。ただあまり使ってこなかったのは事実ですけど。ゴンくん、もう一度ねごと!」
だよな。俺ほとんど見てねぇし。
まあ、だからユイは聞いてきてコマチは聞いてこなかったんだな。うん、納得だわ。
「てっぺきである!」
ねごとで出した技はストーンエッジ。
上手くハッサムに防がれてしまった。
「では、次はこちらの番であるな。ハッサム、そのまま鉄の壁を飛ばすのである!」
おい、マジか。
あの人コマチのやり方を真似てきたぞ。
さすがのコマチもお口あんぐりって状態だ。
『いやはや、これは驚いた。まさかニャオニクスの戦い方をすぐに応用してくるとは。さすが四天王ですね』
『さすがのコマチさんも対処できなかったですね。カビゴンが壁に叩きつけられて、跡が残ってますよ』
あー、ほんとだ。
修理大変そうだな。
「ゴンくん!?」
「続けてバレットパンチである!」
容赦ねー。
見るもん見たらさっさと倒すっていうのがひしひしと伝わってくるぞ。
「まだ起きない………ゴンくん、ねごと!」
むくっと起きたカビゴンが地面を殴りつけた。
何を出した………おいおい、マジか……………。
「………む、あれは……じわれ………っ!」
「え………?」
まさかの一撃必殺。
覚えていたことには驚きだが、コマチも固まってるし知らなかったのだろう。どうやらカビゴンが隠してた切り札っぽいな。
けど、まあ………。
「届いてない………」
実力の差なんて見ればわかるよな。
ハッサムにカビゴンの一撃必殺は届かなかった。
「ゴンくん?!」
結局はハッサムによりタコ殴りにされ、敢え無く戦闘不能。
「カビゴン、戦闘不能!」
『カビゴン、戦闘不能だぁぁぁあああああああああっっ!! ついについに!! 四天王が逆転しましたっ!!』
だがまあ、カビゴンが残したダメージは大きい。いくらメガシンカしているといえども、最後のプテラ相手に圧倒できるとは思えない。いよいよコマチが最後のポケモンを引きずり出すのも近くなってきたな。
「ありがと、ゴンくん」
コマチはカビゴンをボールに戻し、再度のボールに手をかけた。
あと一体。あと一体でハッサムともう一体を倒さなくてはならない。日差しはまだキツいままだがすでに時間は経っている。雲がかかるのも時間の問題だろう。
「いくよ、プテくん!」
「………いよいよ最後だね」
「ああ、けどそう簡単には負けないだろ。何ならこのままプテラで押し切る可能性だってある」
「そうだね、最後まで諦めなかった者だけが勝利を手にするんだもんね」
「コマチちゃん、ファイヤー!」
「いや、そこはせめてファイトだろ。燃やしてどうする。それとも伝説のポケモンなのん?」
「ハチマン、うるさい」
「はい、さーせん」
ユイのよく分からない応援に横槍入れたら、凍てつく視線に刺された。ルミルミ、将来ユキノみたいになりそう。
「それにしてもすごいプレッシャーだな。こちらまで一瞬動けなくなる」
プレッシャーか。
確かに自分がトリってこともあり、身を引き締めるためにも物凄いプレッシャーを放っているんだろうが、果たしてそれだけだろうか。
「プテラの特性にはプレッシャーというものがある。ま、お前さんたちならそれを知ってると思うがな」
「プレッシャーね」
とやかく俺が調べることもなかったし、コマチに聞いてもいなかったが、プテラの特性はどうやらプレッシャーらしいな。
「メガシンカ!」
プテラ登場からメガシンカをし、トゲトゲしい姿へと変わった。
「プテくん、ほのおのキバ!」
「ハッサム、てっぺきである!」
素早い動きでハッサムに噛み付いたプテラだったが、牙が捉えたのは鉄の壁だった。
しかし、壁は鉄。牙は炎。
じわじわと壁が溶け始め、薄く脆くなっていく。
「ハッサム、バレットパンチ!」
だが、鉄の壁を破壊したのはハッサム自身であった。
高速で打ち出されたバレットパンチが鉄の壁ごと突き破り、プテラの顔面を殴りつけた。
「ゴッドバード!」
それでコマチがすんなり通すわけでもなく、いつの間にか鳳をまとっていたプテラがハッサムを押し返し、隔壁へと叩きつけた。崩折れたハッサムのメガシンカは解除され、戦闘不能であることを暗に示していた。
「ハッサム、戦闘不能!」
『コマチ選手、ここで粘りを見せましたっ!! カビゴンにより大きなダメージを与えられていたハッサムにトドメの一撃を入れ、四天王ガンピ選手の最後の一体を引きずり出すことに成功ですっ!!』
『このまま負ける、ということにならずにほっとしています。ここまで来たからにはコマチさんにはぜひ勝って欲しいですね』
『そうね、でもガンピは仮にも四天王。いくら四天王の妹だからといって、あの子は彼ではないわ。どう転ぶかは次のバトルに注目ね』
最後の一体にまで持っていけたが、不利なのはやはりコマチの方だ。相手の専門タイプははがねタイプ。最後の一体も恐らくははがねタイプのポケモン。そしてコマチの最後の一体はつるぎのまいで威力を上げて打ち出された効果抜群のバレットパンチを受けたいわタイプのプテラのみ。いくらメガシンカしてるといえど、チャンピオンが示唆する通りならば、それは意味をなさないことになる。
しかも雲に隠れて日差しが弱まってしまった。これではほのおのキバの威力の底上げすら叶わなくなった。
どうする、コマチ。
残り技二つ、何を使うか、キーとなるのはそこしかないぞ。
「やった、やった! 残りあと一体!」
「コマチちゃん、頑張ってーっ!」
………………なんか盛り上がってるなー。
そういやこのじじいはチャンピオンの、というか四天王全員にメガシンカを継承したんだよな?
ということは何か知ってるんじゃ・・・・・・・・・今更だけど。
「なあ、博士。アンタ最後のポケモンが何か知ってるか?」
「わっはっはっはっ! 知ってるも何もあやつらはわしの弟子じゃぞ」
「じゃあ………」
「ま、お前さんの妹にとってはいい復習よ」
「復習…………?」
復習ってどういう意味だ?
復讐の方じゃないよな?
「ハッサム、ご苦労であった。ゆっくり休むがいい。………汝、名前は?」
「ヒキガヤコマチです!」
「うむ、覚えたぞ。コマチ! 我が相棒たちを次々と倒し、最後の一体にまで追い詰めたその実力。本物である! 四天王の妹だなんだ、それはただの飾りにしか過ぎぬ。………コマチ、そなたの実力を評し、我が最高の剣で終わらせるとしよう! ギルガルド、いくのである!」
…………………ギルガルドかよ。
いや、強いけど。というかチートって感じだけど。
確かにコマチにとっては復習っちゃ復習だけど、ザイモクザと四天王じゃバトルスタイルが全く異なるだろうに。使ってくる技も恐らくは全くの別物。
「つるぎのまい!」
おう、またシュールな光景だな。
剣が剣を出してるぞ。どれが本体かなー、なんて。
「プテくん、先に決めるよ! ほのおのキバ!」
「ギルガルド、せいなるつるぎ!」
シールドフォルムかブレードフォルムにチェンジし、プテラの炎を纏った大きな牙にその身を挟み込んだ。すると爆発が起き、両者身を引き自陣へと下がった。ギルガルドの剣先は赤く染め上がり、黒い煙が上がっている。
「プテくん、こうそくいどう!」
「ギルガルド、盾を投げつけるのである!」
はい?
ギルガルドが盾を投げつけるだと?
いやいや、ギルガルドの象徴といってもいい盾捨ててどうすんのよ。
「おい、ザイモクザ。これどうなんだよ」
「分からぬ。我もやったことはないのだ。お主の妹君も対処の術を持っておらぬ」
おいおいマジか。
これやばいんじゃねぇの?
「ゴッドバード!」
「かげぶんしん!」
ここで影を増やすのか………?
つまり、あの剣のみギルガルドが無数に………っ!?
『な、ななな、なんとぉぉぉおおおおおおおおおっっ?! 四天王ガンピ選手、ギルガルドの盾を捨てさせたかと思うと、剣のみを増やしたぁぁぁあああああああああっ!! 一体何を狙っているというのでしょうかっ!』
『これは………いやでも……………まさかあのガンピが………』
『カルネさん、どうかしましたか?』
『いえ、ただガンピが今までにないやり方をしてくるものですから、つい…………』
「そなたが見せたりゅうひょうぐん。あれは見事であった」
「それは……どうも………?」
「我輩は感銘を受けた。そなたとバトルしたことで新しい発想を見つけることができたである」
あれに感銘を受けたのか………?
珍しい人もいたもんだな。
だが、これ割とフラグなんかねぇの?
コマチ、やばくね?
「では、参る! ギルガルド、せいなるりゅうけんぐん!」
「ッ!? プテ君、こうそくいどうからのゴッドバード!」
ほらぁ!
やっぱり来たじゃねぇか!
しかもりゅうけんぐんって、要するに流剣群ってことだろ。
あ、つかせいなるってつけてた?
聖なる流剣群ってなんだそりゃ………。
『ここここれはなんと! 空から無数の剣が降ってくるではありませんか! コマチ選手が見せたりゅうひょうぐん! あれを彷彿させる何かがあります!』
何かも何もネタは一緒なんだよ。
「りゅうけんぐん…………なんかかっこいい………!」
ダメだこいつ。
すっかり四天王のバトルに魅入ってるし。
いや、まあ否定はしないけどよ、ザイモクザ。せめてバトル終わってからにしろよ。一応俺の妹が、お前とトツカが育てたトレーナーがバトルしてるんだからよ。
『初めてだわ、ガンピがこんな型破りな技の使い方をしてくるなんて………』
『でも、プテラもよく躱しています』
『そうだね。躱せなくても纏った鳳が剣を消し去っている。二人ともすごいよ』
そうなのだ。
意外とプテラが落ちてこない。まだ一発も刺さっていなければ、剣の数も残りわずかになっているくらいだ。あと少しで反撃のチャンスが来るだろう。
「ギルガルド、キングシールド!」
っ!?
うそ………だろ……………。
そんな使い方ができるのか………?
「盾が勝手に動いた……っ?!」
「ど、どどどどういうことなの、ヒッキー!」
「知らん、俺に聞くな。俺だって初めて見るんだよ。おい、ザイモクザ。同じポケモン持ってるんだから何か分かるだろ」
「さっきも言ったが我には分からぬ。分からぬことだらけである」
そうだな。お前も魅入ってるくらいだもんな。分からなくて当然か。
プテラの目の前で盾と剣が交錯し、シールドフォルムのギルガルドに戻った。当然、プテラは盾に顔からぶつかり、弾かれた。同時に攻撃力も下げられ大ピンチである。
「…………ゴーストタイプ、だからかも」
ゴーストタイプ…………。
いやでも、そんなことってできるのか………?
エスパータイプならまだ想像はつくが。
「博士、ギルガルドは盾を呼び戻すことなんてできたりするのか?」
「そりゃ、お前さん。ギルガルドにもよるじゃろうよ。盾はギルガルドの誇り。誇り高きものを捨てるなど以ての外じゃろう」
「なら、あのギルガルドは誇りなんてものがないっていうのか? 一番誇りがありそうなもんだが」
「だからかげぶんしんじゃよ。投げた盾に影を突き刺し、地面に固定。だからすぐに呼び戻すことができたんじゃろうて」
つまり、何か? あのギルガルドの狙いは………。
「せいなるつるぎ!」
この一発だったってことなのか………?
コマチが応用した技をさらに応用し、囮にまでして狙ったのがこの一発だっていうのかよ。
「強ぇ………」
四天王、捨てたもんじゃないな。
ドラゴンおばさんといい、カロスの四天王って恐ろしいのばっかだな。
「プテくん!?」
伸びたギルガルドの剣により、地面に叩きつけられたプテラはメガシンカが解かれていた。
戦闘不能である。
「プテラ、戦闘不能! よって勝者! 四天王ガンピ!」
『決まったぁぁぁあああああああああっっ!! この勝負、勝ったのは四天王ガンピ選手です! しかし、しかし! コマチ選手、トレーナーになって半年という短期間でものすごい成長を見せてくれました! これは将来、彼女が四天王の座についていても、いやチャンピオンになっている可能性だってあるでしょう! ますます未来に期待できるトレーナーがまた一人現れました! みなさん、両者に惜しみない拍手を!』
負けたな。
ただまあ、ありゃ無理だ。
俺でも初見でどうなることやら。まあ、焼けばどうにかなるだろうけど。でもそれにしたってタダでは帰してくれないだろう。
「負けちゃったね」
「ですねー。でも、コマチ楽しそうだった」
「だな。ヒキガヤ、お前も兄として嬉しいんじゃないか?」
「………嬉しいっちゃ嬉しいですけど、悔しい思いもありますよ。でもまあ、あいつはさらに強くなるでしょうね」
「………だね。なんか涙出てきちゃったよ」
おおう、トツカが泣いている、だと………!?
なんて、神々しいんだ。
「って、こんな時に電話かよ」
誰だよ、こんな時に。
この歓声の中、気付いた俺に感謝しろよ。
「はい、もしもし」
そそくさーと観客席から中の通路へと移動し、応答する。
すると返ってきたのはコウジンタウンにある化石研究所の職員からだった。
行間 〜使用ポケモン〜
ヒキガヤコマチ 持ち物:キーストーン、カビゴンZ
・ニャオニクス ♂ カマクラ/カーくん
特性:するどいめ
覚えてる技:サイコキネシス、ひかりのかべ、、リフレクター、でんげきは、てだすけ、なりきり、ふいうち、サイコショック、あなをほる、じゅうりょく、にほんばれ
・カメックス(ゼニガメ→カメール→カメックス) ♂ カメくん
持ち物:カメックスナイト
特性:げきりゅう←→メガランチャー
覚えてる技:みずのはどう、はどうだん、りゅうのはどう、こうそくスピン、からにこもる、ロケットずつき、ハイドロポンプ、ふぶき、ミラーコート、ドラゴンテール、ハイドロカノン、れいとうビーム
・カビゴン ♂ ゴンくん
特性:めんえき
覚えてる技:メガトンパンチ、のしかかり、じしん、いわくだき、ほのおのパンチ、しねんのずつき、ギガインパクト、かみなりパンチ、ふきとばし、いびき、ねごと、ねむる、ストーンエッジ、じわれ
・プテラ ♂ プテくん
持ち物:プテラナイト
特性:プレッシャー←→かたいツメ
覚えてる技:はかいこうせん、ストーンエッジ、はがねのつばさ、つばさでうつ、ちょうおんぱ、ものまね、ドラゴンクロー、ゴッドバード、ギガインパクト、こうそくいどう、ほのおのキバ
・オノンド(キバゴ→オノンド) ♂ キーくん
特性:とうそうしん
覚えてる技:りゅうのいかり、げきりん、けたぐり、あなをほる、ちょうはつ
・クチート ♀ クーちゃん
特性:いかく
覚えてる技:ものまね、メタルバースト、じゃれつく、バトンタッチ、ほのおのキバ、いちゃもん、あまごい
ガンピ 持ち物:キーストーン
・ハッサム ♂
持ち物:ハッサムナイト
特性:???←→テクニシャン
覚えてる技:バレットパンチ、シザークロス、かわらわり、つるぎのまい、てっぺき
・クレッフィ ♂
特性:いたずらごころ
覚えてる技:ラスターカノン、まきびし、きんぞくおん
・ダイノーズ ♂
特性:がんじょう
覚えてる技:ほうでん、だいちのちから、パワージェム、マグネットボム、マジカルシャイン、でんじは
・ナットレイ ♂
特性:てつのトゲ
覚えてる技:ジャイロボール、タネマシンガン、タネばくだん、パワーウィップ、ギガドレイン
・シュバルゴ ♂
特性:シェルアーマー
覚えてる技:ドリルライナー、とどめばり、だましうち、いわくだき
・ギルガルド ♂
特性:バトルスイッチ
覚えてる技:せいなるつるぎ、つるぎのまい、かげぶんしん、キングシールド