バーテックスと誇り高き勇者の物語   作:バーテックス

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第1話

私は……に……られた存在でいながらも、人で例えるなら感情と呼ばれる部分を持っていた。

 

人間が持ち合わせているであろう感情の全てを私は生まれたときから持ち合わせていた。

 

自らの肉体が作られている間、私は人間についてしろうと考えた。

 

他のバーテックスが神樹を滅ぼそうと動く始める中、私は神樹の中にいる3人の勇者のことを観察していた。

 

彼女たちは何を思って、私たちと戦っているのか。

 

彼女たちは普段の生活で何を得ているのか。

 

私たちと人間では何か違うのか。

 

そのことを思いながら、私は彼女たちのことを観察していた。

 

 

 

彼女たちを観察し始めてから、少しの時がたち、私の肉体は完成されつつあった。

 

「……よ」

 

3人の勇者たちのことを考えていると、ふと私の名前を呼ばれ、振り返ってみると、私と同じでバーテックスがたっていた。

 

「またやつらのことを考えているのか?」

 

「うん。どうしても………人間たちのことを知りたくて………」

 

「お前はわれらとは違う形で生まれた。形も感情もまさに人として生まれてきたとしか思えない」

 

私の肉体は人と同じものだった。体の内側にはちゃんとバーテックスとしての肉体があるのだが、ベースは人間と同じものだった。

 

「私も驚いている。まさか……に…くられた私が人間になるなんて」

 

「我々も驚いている。人として扱っていいのか、それともわれらの仲間として認めるべきなのかをな」

 

私は人間としての姿を保っていることから、バーテックスたちからは嫌われていた。

 

「それはあなたたちで考えればいい。私を殺して、……の力を得るのか、それともこのまま野放しにしておくのか」

 

「まさか……お前を殺そうと思うやつはいないだろうよ」

 

「そうだといいんだけどね……」

 

私は異物だ。怪物として生まれながらも、人としての肉体を持ち、感情も人としてのものだった。異物である、私はいずれ排除される。少なくとも私はそう思っていた。

 

 

そして……そんな日々が続いていたころのこと。私はいつものように彼女たちの様子を見ていた。その中で一人の少女の魂に深い情を感じた。

 

「化け物にはわからないだろ!この力!」

 

傷を負いながらも、一人の少女がバーテックスに立ち向かっている。

 

「人間様の気合だ!根性だ!」

 

なぜ……あそこまでぼろぼろになりながらも戦い続けるのか。

 

「魂ってやつよー!」

 

少女はバーテックスの攻撃を受けながらも、刀をふるっている。

 

その魂に生き様が……私の奥にある感情を奮い立たせる。

 

彼女なら……私の疑問を解決してくれるかもしれない。

 

彼女と一緒なら……人間のあり方を学べるかもしれない。

 

彼女と一緒なら……魂のあり方に気づくことが出来るかもしれない

 

何よりも……こんな誇り高き勇者の魂をここで散らしてはいけない。

 

そう思うと、私は戦っている彼女たちの輪に参戦する形で加わった。

 

「なんのつもりだ?」

 

目の前にいるバーテックスたちは私に敵意を向ける。

 

「彼女はここで散らすわけにはいかない。だから……これ以上続けるなら、私が相手になる」

 

私たちはバーテックスでしかわからない言語で会話をしている。

 

「そいつは勇者だぞ!われらの敵であることを忘れたのか!」

 

「忘れていない」

 

「だったらそいつを助ける必要ないだろうが!」

 

もちろん……ここでこの少女の魂を拾ったところで彼らにとっては徳がないことはわかっている。

 

「私はこの少女に本物の魂を感じた。それは勇者であろうが、バーテックスであろうが関係ない!」

 

人間であろうが、化け物であろうが、私はこの少女の魂に本物を感じた。

 

「人間に情でも沸いたか?バーテックスの膿め」

 

「それがどうした?私はもともと、あなたたちには嫌われてた。仲間としても見てなかったくせに」

 

「当たり前だ。人として生まれたやつを仲間と認めるわけがないだろう!」

 

人間だから差別し、敵としてみる。私はそのことを今ようやく自覚した。

 

「そう。なら……私もあなたたちを全力で殺す」

 

相手が敵としてみるなら、こちらも敵としてみる。殺し合いを望むのであれば、こちらとしては望むところだった。

 

「ふん……これで貴様は本当にわれらの敵であることを証明したことになることを忘れるなよ」

 

残っていた二体のバーテックスは負っていた傷が相当深いものであり、何よりも私に二人がかりで挑んでも勝てないことを察したのか、去っていった。

 

「あ、あんたは?」

 

ぼろぼろの状態でありながらも、少女は目の前にいる私に尋ねる。

 

「あなたの魂は見事だった。肉体は滅んでしまうけど、その魂は私と同化する事で残す」

 

「それはどういう……」

 

少女の言葉はそこで終わった。負っている傷の深さから、もうながくはないかもしれない。

 

「あなたの魂はこれからは私と共に……」

 

私は目の前にいる少女の魂を自らの肉体と同化させはじめた。

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