東方人理録   作:河影 御月

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*注意!
この小説はシリアル、緊張感/zero 、ギャグ等の要素が含まれています。

「いっこうに構わん!」
「ハハハハハハ!いいぞぉ、もっとだ!!」
「とんでもねぇ、待ってたんだ。」
「いいぞいいぞ!そうでなくてはな。」

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そして大聖杯へ...

sideマシュ

 

 

 

 

 

()()が放たれた瞬間、私の中の時間がひどく遅くなった気がした。

 

 

捻れた剣は空間を切り裂きながら私達に向かって直進する。

 

迎撃も防御も無意味、そう思えるような鋭い一撃だった。

 

 

「あ、」

 

 

でも私は負けるわけにはいかない。

 

後ろには先輩と所長とフォウさん、キャスターさんに霊夢さんもいる。

 

 

「あああ、」

 

 

私は、先輩達を守りきる‼

 

 

 

「ああああぁぁぁあぁああぁぁぁ!!!!」

 

 

 

その思いと共に、私の持つ盾に光が灯る。

 

光は膨れ上がり、複雑な紋様を構築して盾を覆う。

 

そして放たれた剣を真正面から受け止める。

 

 

盾が軋む、腕が震える、体が悲鳴をあげる、でも、それでも、

 

 

 

 

 

「私は、負けません‼」

 

 

 

 

 

そして遂に、私の体と盾は、捻れた剣に耐えきった。

 

 

「や、やりましたよ....先輩.....。私、皆さんを、守れました、よ...。」

 

 

息をきらせながらも、先輩に伝える。

 

 

 

 

「頑張ったね!マシュ!」

 

先輩の声が聞こえる。

 

 

「よくやったな、嬢ちゃん!」

 

キャスターさんの声が聞こえる。

 

 

「あとは任せなさい、マシュ。」

 

そして霊夢さんの声が聞こえたあと、私の体から力が抜け、地面に向かって倒れる。

 

 

 

 

 

そして、私の意識は、暗闇に....、沈んで━━━━

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

sideぐだ子

 

魔弾を防ぎきったマシュは安心して力が抜けたらしく、地面に向かって倒れる。

 

慌てて私がキャッチすると同時に、キャスターと霊夢がとびだし、隙だらけのエミヤさんを捕縛する。

 

それを見届けた私は、腕の中のマシュの顔を見る。

 

少し汚れていたが、とても穏やかな寝顔だった。

 

 

 

「とりあえずアーチャーの野郎は俺のルーン付きのロープと紅白の嬢ちゃんの札でしっかりと拘束しておいたぜ。今、紅白の嬢ちゃんが情報を吐かせてる。」

 

 

キャスターは戻ってくるなりそう報告し、マシュの顔を見る。

 

「しっかし土壇場で盾の嬢ちゃんの宝具が発動してよかったぜ。あの剣は贋作とはいえ、俺にとっては鬼門だったからな、仮に俺が前に出ても防げなかっただろうよ。」

 

キャスターは額の汗を拭いながら続ける。

 

「それと嬢ちゃんの宝具だが、まだ不完全だな。完全になれば、それこそ大地を焼き尽くす一撃も防げるようになるだろうよ。」

 

つまり、マシュは可能性の塊というわけか。

 

さすが、私の後輩だ。

 

 

「不完全とはいえど宝具は宝具よ。あの状況で発動できた時点で妥協点よ。」

 

 

エミヤさんが捕まったのを見て、落ち着きを取り戻した所長は━━━若干青ざめて震えながら━━━そう言った。

 

 

「でも、宝具に名前が無いのは不便ね。名前があれば安定して宝具を発動することができるのだけど....。」

 

そう言いながら所長はマシュの顔を見て、少し安心したような顔で小さく笑う。

 

「...マシュが起きた後で決めましょう。今は疲れもあるし、決戦前の最後の休憩にしましょう。」

 

所長はそう言いながら、召喚サークルから取り寄せた水と所長の持っていたドライフルーツを、私とキャスターに渡す。

 

 

「お、いいのか?俺たちサーヴァントは飲食の必要が無いんだが...。」

 

「いいのよ別に、ドライフルーツは残り少なかったし、取り寄せた水もあと数本だから、使いきっても問題ないでしょう。....べ、別に戦ってくれてありがとうとかこれっぽっちも思ってないんだから(ボソッ)///」

 

 

 

「お、これうまいな。果物を乾燥させて、もつようにしてるのか。」

 

 

 

「所長、聞いてませんよ。(ニヤニヤ)」

 

「はうっ///。う、うるさい!」

 

 

私達は、マシュが目覚めるまで喋りながら待ち、目覚めたあとに宝具の名前を考えた。

 

 

 

 

その後、所長の発言により宝具の名前は、

仮想宝具 疑似展開/人理の礎(ロード・カルデアス)」に決まった。

 

 

 

 

人理の礎(ロード・カルデアス)...いい名前だと思います!所長!」

 

「ふふん!そうでしょうそうでしょう、もっと私を誉めなさい!」

 

「さすがです所長!」

 

「オッホッホッホッ!」

 

「所長はとても綺麗です!」

 

「当たり前じゃない!」

 

「ストッキングに包まれた脚がすごくエロいです‼」

 

「そうでしょってそれは誉め言葉なの!?」

 

 

 

その後、調子に乗った所長が面白かったのでおだてていると、霊夢が戻ってきた。

 

「......何やってんのよ?」

 

ジト目で。

 

 

 

「あ、霊夢さん!お疲れ様です!所長のドライフルーツがあるのですが、食べますか?」

 

さすがはマシュ。

相手に対する気遣いを忘れないいい子だ。

 

「どらいふるーつ?あら、いい匂いね。いただくわ。」

 

ドライフルーツを見た霊夢は早速食べ始める。

 

「ところで紅白の嬢ちゃん、アーチャーはなんか話したか?」

 

「ふえぇ、いっふぇいふぁあ。」モグモグ

 

「飲み込んでからしゃべってくれ。」

 

 

 

「んっ。(ゴクリ)ええ、言っていたわ。何でもこの洞窟は昔魔術師達が天然の洞窟を改造してつくりだした物で、かなりいりくんでいるらしいわ。あと、セイバーがいるのは洞窟の最深部にある大聖杯の場所であってるらしいわ。それと.....。」

 

霊夢は急に言いよどむと、

 

「アーチャーが案内するらしいわ。なんでも、『君たちならばセイバーを止められるかも知れない。』らしいわ。」

 

と、言った。

 

 

 

「......本当か?それ。」

 

「ええ、騙したり嘘をついている様子はなかったわ。」

 

 

 

私達は拘束されているエミヤさんを見る。

 

顔が黒いもやに覆われているので表情が見えにくいが....、少し笑っているように見えるのは気のせいだろうか?

 

 

「おいアーチャー、本当に騙したりしてねぇな?」

 

「ふん、今の私は敗残兵だ。情報を信じるか信じないかはお前たちで決めろ。だが、.......セイバーを止めたいと思っているのは本当だ。黒化した今でも、彼女を止めることができなかったのは心残りだからな。」

 

 

 

『なあ、アーチャー?さっきからずっと気になってるんだけど....。』

 

「?何かね?遠見の魔術師よ。」

 

『あ!やっとまともな感じで呼んでくれた‼いやー、ライダーには酷いことを言われたから....じゃなくて!さっきからアーサー王のことを()()って言ってたから、まるで女性みたいだなーって...。』

 

確かに、アーサー王は伝承では男だったはずなのだが...

 

 

 

 

 

「?.....ああ。キャスターから聞いてないのか?セイバーは確かに女性だ、それは私が保証する。」

 

 

「「「『..........ええ!!?』」」」

 

 

「なんでも、王位につくために男装をしていたそうだ。確かに、しっかりとした男装をすれば彼女は美形で中性的な人物に見えるからな。王としての素質もなかなか高いものだったしな。だが、中身は食いしん坊で可愛い物好きな純粋な女性だぞ。...まあ、彼女のせいで家のエンゲル係数がはね上がったのはなつかしい思い出さ.......。」

 

 

....私の中のアーサー王のイメージが音をたてて崩れていく気がする。

 

女性だっただけでなく、食いしん坊で可愛い物好きって...もっとこう、「理想の騎士」のイメージが強い感じがするのだが....。

 

 

そんな衝撃的事実を知った私達は、その後アーチャーの案内により、洞窟の最深部にある大聖杯にたどり着いた。

 

「これが大聖杯?超抜級の魔術炉心じゃない!こんなものが極東の地に存在してたなんて....。」

 

大聖杯のある空間には、所長が驚くほどの魔力が漂っているのが分かった。

 

空間はかなり広く、私達の向こう側に小さな崖があるのが分かった。

 

その崖の上にセイバーとおぼしき人物が立っていた。

 

黒く、返り血を浴びたような赤い模様がついた鎧。

色素が抜けきり、病的に白い肌。

元々は輝いていたであろうくすんだ金髪。

冷徹さしか感じられない整った顔。

そして星の聖剣にしては黒く、禍々しい気配を撒き散らす『エクスカリバー』。

性別こそ伝承と違えど、その姿はまさしく歪み、反転したアーサー王の姿だった。

 

「....アルトリア。」

 

「アーチャーか、念話が来ないと思えばやはりそちらがわについていたか。」

 

エミヤさんが声をかけると、セイバーは冷徹な声で返す。

 

「...やはり私は君を止めるべきだと思ったからな。悪いがこちらにつかせてもらった。」

 

「ふん、昔から主変え、女変えの激しいやつだったからな。今更寝返っても問題はない。」

 

 

 

 

......へ?

 

 

 

「なっ!女変えなど、」

 

「していない、というのか?反転する前の私の体をくまなく味わった後に、リンやサクラ、あげくにあの神父に似た女に手を出したくせによく言うな?はっきり言ってランスロット卿並の節操のなさだったぞ。」

 

「い、いや、あれは事故で...」

 

 

「それはそうと面白いサーヴァントがいるようだな。」

 

「...なんでさ?」

 

 

 

 

 

エミヤさんの女性関係によりシリアスブレイクして緊張感/zero となった空気の中、話は終盤へと向かうのであった。




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