東方人理録   作:河影 御月

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ハーメルンよ、私は帰って来たああああ!!!


はい!「すぐに投稿できる」「しばらくはこちら(転スラ)の方に専念する」と別作品(転スラss)でほざいたくせに、大幅に遅れたあげくこっちの作品を投稿した作者(ア=ホ)です!

いや本当にすみませんでした。

プロットが練れず、時間も取れなかった(自業自得)ために投稿できず、さらには転スラの方のプロットがしっくりこないという理由で大半を破棄し、こっちを優先した作者を許してください。

転スラssを楽しみにしていた方々も含め、本当に申し訳ございませんでした....

ちなみにタイトルの意味は「一件落着?」です。(多分...)

駄文注意‼



At first glance settled?

 

sideぐだ子

 

キャスターの宝具による凄まじい熱波が去り目をひらくと、煙が漂うなか無事な姿のマシュと霊夢が立っていた。

 

「マシュ!霊夢!」

 

 

『っ!待つんだ立香ちゃん!まだセイバーの反応は消えていない!』

 

 

煙がはれるとロマンの言う通りさらにボロボロになっているものの、剣を支えにセイバーはまだ立っていた。

 

霊夢が再び構えると、キャスターは霊夢に向かって手をあげて止める。

 

「安心しろ紅白の嬢ちゃん、もう終わりだ。」

 

キャスターが言葉をいい終えるか否かのタイミングで、セイバーは足先から消え始めた。

 

 

 

 

「やはり、か。聖杯を守り通す気でいたが己が執着に(かぶ)いたあげく敗北した。結局、どう運命が変わろうと私一人では同じ末路を迎えるということか....」

 

「おいセイバー!どういうことだ?」

 

セイバーの意味深なセリフをキャスターが問い詰めようとするが、彼女は答えることなく消滅していく。

 

 

 

 

「....いずれ分かる。カルデアのマスターよ、覚えるがいい、【グランドオーダー】。聖杯をめぐる戦いはまだ始まったばかりだと━━━」

 

 

 

最後にそう言い残すと、セイバーはエーテルでできた肉体を完全に崩壊させ、この冬木の地から消滅した。

 

 

「おい、ちょっと待て。それってどういう....ってうお、俺の方も時間切れか!」

 

よく見るとキャスターとエミヤさんも体の端から消え始めていた。

 

 

「まあ、聖杯戦争が完結すりゃこうなるわな。仮のマスター、今度俺を呼ぶ時はランサーで呼んでくれ。キャスターの時とは比べ物にならない位の活躍を見せてやるからよ!」

 

そう言った直後にキャスターは消滅する。

 

「ふぅ、終わったか。カルデアのマスター、いや藤丸立香。今回は影として、敵として現れたが、次に召喚された時は、君の剣となり盾となることを誓おう。」

 

「エミヤさん.....。」

 

「....フッ。」

 

エミヤさんも最後にニヒルな笑みをこぼして消滅する。

 

 

 

『現地のサーヴァント全ての消滅を確認。.......終わったのかな?』

 

「どうやらそのようです。...あっ!」

 

マシュの視線を辿ると、セイバーの立っていた場所に水晶の塊のようなものが転がっていた。

 

『あれは.....うん、聖杯だね。どうやらあれがこの特異点の基点になっていたみたいだ。今は機能停止してるから、回収するなら今だね。』

 

 

 

 

「【冠位指定(グランドオーダー)】......、あのサーヴァントはなぜその呼称を?」

 

 

 

 

 

セイバーの意味深な発言、セイバーの聖杯所有の理由、そして所長の呟いた【冠位指定(グランドオーダー)】という言葉、様々な謎を残しながらも特異点Fの攻略は終了する......と思われた。

 

 

 

 

 

 

パチパチ.....

 

大聖杯の空洞に拍手が響く。

 

「いやはや、まさか君たちがここまでやるとはね。さすがに計画の範囲外でもあり、私の寛容さの範囲外だ。48人目のマスター候補者。全く見込みのない子供だから善意で見逃してやったのが失敗だったというわけか。まあ、ひとまずはおめでとう、とでも言っておこうか、人類最後のマスターよ。」

 

そんな声と共に現れたのは爆発に巻き込まれて行方不明となっていたはずのレフ教授だった。

 

「レフ教授!?」

 

『レフ!?レフ教授だって!?彼がそこにいるのか!?』

 

「ん?その声はDr.ロマンか。そうか君も生き残ってしまったのか。」

 

ロマンが驚きの声をあげると、レフ教授は心底意外そうな口調でそう言った。

 

「すぐに管制室に来てほしいと言ったのに私の指示を聞かなかったんだね?まったく━━━━━どいつもこいつも統率がとれないクズばかりで吐き気が止まらないよ。」

 

そこまで言うとレフ教授は心底嫌そうな表情をうかべる。

 

「ああ、レフ!レフ!会いたかったわ‼」

 

所長がレフ教授に向かって走り出した瞬間、何枚もの札で編まれた縄が所長の体に巻き付き動きを止める。

 

「っ!!離しなさい霊夢!そこにレフがいるの!彼がいれば全部...」

 

「解決するって?」

 

「そうよ‼」

 

縄を放った霊夢はレフ教授に向かって明確な敵意をむきだしにし、

 

「どうかしら?私の勘はそいつが黒幕だって叫んでるわ。それにそいつ、人間じゃないわよ。」

 

冷徹にそう言い切った。

 

その言葉を肯定するようにマシュが私を庇うように大盾を構える。

 

しかし所長は納得できないらしく縄を解こうともがく。

 

「何よ!サーヴァントのくせに!レフのことを何も知らないくせに‼勝手に決めないでよ‼勝手に判断しないでよ‼ねぇレフ、あなたは私の味方よね?これからカルデアを建て直すのよね?」

 

 

 

「....オルガか、私は嬉しいよ。」

 

レフ教授は所長にいつも通りの笑顔を向けた後、

 

 

 

「何せ死んだ後も私を信じてくれているのだからね。」

 

 

 

私が初めて見たときの安心するような顔とは真逆の笑顔を浮かべた。

 

「「っ!?」」 『えっ!?』 「.....やっぱりか。」

 

そして私達はレフ教授....いや、レフの言葉に耳を疑った。

 

 

 

所長が、死んでる?

 

 

 

「えっ....レフ、ねぇ冗談、よね?私が、死んでる?」

 

「ああ、君は間違いなく死んでいる。何せ君の立っていた場所に爆弾を仕掛けていたのだからね。そもそも君はレイシフトの適性を持っていなかっただろう?今レイシフトができているのは死んだことにより肉体を失い、精神だけになっているからだ。まあ、そこの巫女は気づいていたようだがね。よかったじゃないか、念願のレイシフトができて。」

 

私達が霊夢の方を見ると、彼女は少々うつむいて言葉を紡ぐ。

 

「....初めて会ったときからぐだ子やマシュと違って妙な違和感を感じてたのよ。少し存在が薄いというか、まるで亡霊と会話してる感じがして、それで、実は肉体はもう無くなってるんじゃないか?魂だけになっているんじゃ?って思ってたのよ。まさか本当に死んでたとは驚いたわ。死んでも自覚がないって本当にあるものなのね.....。」

 

霊夢が苦々しい表情を浮かべているのを見た所長は、自身が本当に死んでいるということを理解したらしく、レフに向き直る。

 

「私を、騙したっていうの!?私、あなたのことを信じていたのに‼」

 

それを聞いたレフは少々呆れたような態度をとる。

 

「あいにく、私は今まで誰も信じていないし騙した覚えもない。むしろそっちが勝手に勘違いして、勝手になついてきただけじゃないか。まあ、少し心地よかったのは事実だが。」

 

『レフ教授、いや、レフ・ライノール。君はいったい何者なんだ?』

 

「.....Drロマン、貴様も命拾いしたな。そこの48番目のマスターと無駄話をしなければ、今頃痛みも苦しみもなく逝けただろうに。まあいい、では改めて自己紹介だ。」

 

レフはいつの間に手にしていた聖杯を掲げ、頭上に一つの光景を写し出す。

 

 

 

今もなお燃え盛る管制室

 

破損し、ひしゃげ、倒壊したコフィンの群れ

 

青かったはずなのに真っ赤に染まったカルデアス

 

 

 

それらを背景にレフは嗤う。

 

「私の名前はレフ・ライノール・フラウロス。貴様たち人類を処理するために遣わされた2015年担当者だ。」

 

「嘘、カルデアスが赤く、レフ、あれは幻覚よね?そうよね?」

 

「いいや現実だとも、なにせ聖杯を使って時空を繋げてあげたのだからね。さあよく見たまえアニムスフィアの末裔。あれがお前たちの愚行の末路だ。人類史は残らず焼き尽くされ、人類の生存を示す青色は一片もない。あるのは燃え盛る赤色だけ。あれが今回のミッションが起こした結果だよ。マリー、今回も君のいたらなさが悲劇を呼び起こしたわけだ。」

 

「...っ!!嘘よ!そんなはずがない!ただ私は人類を救おうとしただけよ‼私は何も悪くない‼私はなにもしていないのに‼あんたはいったい誰よ‼私のレフをどこにやったのよ‼」

 

「ふん、君は昔からそうだな。精神的に脆すぎる。気に入らないことがあればいつもわめき散らして....本当に耳障りだったよ。」

 

そう言ってレフが手を掲げるとその動きに伴い所長の体が宙に浮かび上がる。

 

霊夢がいち早く気付き縄を引くがそれよりも早く、レフがとばした魔術によって切断される。

 

「ふん、無駄な足掻きを。ああ、そういえば一つ気になることがあったな。貴様だ、博麗の巫女。」

 

そう言ってレフは顔をしかめながら霊夢を見る。

 

貴様ら(・・・)は何者だ?我が王の目をもっても見通すことのできぬ領域からの使者。何名かは我々に協力し、何名かは確保して手駒にしたがそれ以外は王の計画を邪魔する虫けらども。普通ならば決して交わること無き不穏分子(イレギュラー)。.......まあいい、我が王の計画に欠点等なく貴様らごときでは止めることもできまい。カルデア同様に時が来れば燃え尽きるだけのゴミ。せいぜい今から起こることを見届けるがいい。」

 

そう言うとレフは霊夢への興味をなくし、所長を自身の頭上にあるカルデアスのもとへと移動させる。

 

「さてマリー。最後に私からのプレゼントだ。君の宝物、カルデアスに触らせてあげよう。」

 

その言葉を聞いた所長の顔が呆然としたものから青ざめたものに変わる。

 

「えっ?嘘、よね?だってカルデアスよ?そんな高密度の情報体に触れたら.....」

 

「太陽か、もしくはブラックホールか、どちらにせよ触れた瞬間に分子レベルまで分解され、永遠の生き地獄を味わうことになるだろうね。」

 

「っ!!そんなの、いや‼まだ私は誰にも誉められてないのに!誰にも認められてないのに!まだ、何もできてないのに‼」

 

「.....最後までやかましい娘だったな。もういい。大切なカルデアスに飲み込まれ、分解され、消えるといい。」

 

「い、いやあああぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

咄嗟に所長に向かい走り出すも間に合うはずはなく、所長がカルデアスに触れてしまう。

 

 

 

 

 

そう思った直後、所長の背後の空間がいきなり裂け、所長を一瞬で飲み込んで消える。

 

 

 

 

 

 

「なに⁉ぐ、ぐああぁぁあ‼」

 

レフが驚き、硬直した瞬間。狙い済ましていたかのように色とりどりの魔力弾がレフに向かって雨のように降り注ぐ。

 

「.......あのスキマ、そしてこの魔力の感じ、まさか....」

 

 

 

 

「っく!がああぁ!」

 

降り注いでいた魔力弾はレフの声と共に弾かれ、霧散する。

 

驚いたことに、あれだけの攻撃を受けたにも関わらず、レフは少しボロボロになった程度であり、まだまだ健在のようだ。

 

「おのれ小癪なあぁぁぁぁ‼」

 

激昂したレフからドス黒いオーラが滲み出た瞬間、空間が軋み洞窟が崩壊してゆく。

 

「っ!ちっ、この特異点は限界のようだな。セイバーめ、聖杯を与えられながらその時代を維持しようなど愚かなことを。ふん、まあいい。私はそろそろ帰るとしよう。こう見えても私は忙しい身だからな。さらばだ、ロマニ、マシュ、人類最後のマスター、そして博麗の巫女よ。」

 

そう言うとレフは空中に浮かび上がり、空間に溶けるように消えていった。

 

それと同時に洞窟の崩壊が早くなる。

 

『まずい‼その特異点が崩壊しそうだ‼』

 

「ドクター、急いでレイシフトを!」

 

『分かってる!でもごめん、そっちの崩壊の方が早いかもしれない!皆意識をしっかりもって!そうすればサルベージも出来るはず━━━━』

 

次の瞬間、遂に洞窟の床が崩落し私達は暗闇の中へと落ちてゆく。

 

どこまでも

 

どこまでも....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

意識を失う寸前、光輝く一匹の小さな獣を見た気がした。




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