なかなかプロットが繋がらなかったのと、時間がなかったため、投稿できませんでした。
こんな感じの作者ですが生暖かい視線で見ていてください。
10月27日 あとがきを修正
side ぐだ子
その戦いはまるで神話の再現だった。
暴力的な力の奔流と、人知を超えた速度で繰り広げられる高速戦闘はまるでリアルな映画のようだった。
所々ヒヤリとするところはあったが、霊夢は無事にメデューサとの戦いに勝利した。
メデューサが完全消滅したのを見て、私は安心して彼女のもとへ走り出した。
「霊夢~!」
「ッ!止まりなさい!」
それを見た霊夢は厳しい顔で私に待ったをかける。
「ほー、そこのお嬢ちゃんはそれなりの場数を踏んできたみたいだな。まさか俺の気配に気付くとはな。」
そんな声とともに、瓦礫のかげから青いフードを被り、杖を手に持つ男が出てきた。
「ドクターロマン!あなたちゃんとモニターしてたの!?敵が来たならさっさと報告しなさいよ!」
『ごめんなさい所長!でも僕が言おうとしたときにはもう霊夢が喋っていたんですよ!』
「あんたたちは少し黙ってなさい!」
「『はい‼』」
混乱していた所長とロマンは霊夢の一喝によって静かになった。
そりゃ霊夢の一喝は怖いだろう。
「...で、あんたは何物?私の敵?何が目的なの?答えなさい!」
そして霊夢は多少の威圧感を滲ませて青いフードの男に質問する。
「分かった分かった、1つずつ答えてやる。まず、俺はこの冬木の聖杯戦争に参加していたサーヴァント、クラスはキャスターだ。お前達の敵かっていうと...まあ、どっちかといえば味方だな。そんで目的はこの冬木の異変の解決だ。これでいいか?」
しかし、青いフードの男は威圧をものともせずにスラスラと答えた。
「どちらかといえば?」
「ああ、何せ目的は一致してるみたいだしな。だからといって完全に味方っていう訳でもねぇだろ?」
「...とりあえず、協力するってこと?」
「まあ、そういうことだ。俺としてもこの異変は解決してぇしな。それと俺ははぐれサーヴァントだ。今んとこ消費魔力を抑えて活動してるがもうそろそろ限界が近いんでな、このままだと消滅しちまうから、そこのお嬢ちゃんを仮のマスターとしていいか?」
「『はぐれサーヴァント』?なによそれ?それと消滅するって?」
「私が説明します、霊夢さん。『はぐれサーヴァント』とは何らかの原因でマスターを失ったサーヴァントの総称です。こうなってしまったサーヴァントは、通常では魔力を得ることができないためすぐに消滅してしまうのです。そのため、はぐれサーヴァントは消滅を回避するために、新たなマスターを見つけてパスを繋ぐか、人間を襲い、魂を喰らうことで魔力を得るかのどちらかの行動をとるしかないのです。」
「ふーん...なるほどね。だからぐだ子をマスターとして契約したいわけね。それにしても詳しいわねマシュ。」
「一応サーヴァントの知識はカルデアで教わったのである程度は...。」
やっぱりマシュはとても賢い後輩だったようだ。
サーヴァントの知識があまり無い私でも分かりやすい説明だった。
その後、キャスターと契約した私は、マシュ達と共に、この冬木の災害のことを聞きながらキャスターの案内に従って移動を開始した。
「つまり、この冬木の異変は聖杯戦争が何らかの原因で歪み、一番最初に汚染されたセイバーがキャスターさん以外の全てのサーヴァント達を倒して黒化英霊に変質してしまい、気付けばこの町は炎に包まれていたと、そういうことなんですか?」
「おう、ざっくりと言えばそうだな。」
マシュが確認している間もキャスターはどこかに向かってスケルトンなどの敵を倒しながら歩き続けていた。
「付け加えるならライダーとランサーとアサシンはそこの嬢ちゃんが仕止めちまったから、残ってるのはセイバーとアーチャーとバーサーカーだな。まあ、バーサーカーに関しちゃ特定の場所から動かねえから、手を出さなけりゃ問題ねえな。」
なるほど、と思いながら歩きながらキャスターの案内する先を見ていると、どうやら山の方に歩いているようだった。
山に何かがあるのだろうか?
「...ねえ、キャスター。今、どこに向かってるの?」
「ああ、今向かってるのは大聖杯のある洞窟さ、そこにセイバーが陣取ってる。」
「大聖杯?聖杯とは違うの?」
「はい先輩、私達が主に知っている聖杯は、キリストが自身の血を注いだというholy chaliceと呼ばれるものです。一方、ここ冬木の聖杯は遠坂、マキリ、アインツベルンの御三家が作り出したholy grailと呼ばれるもので、冬木の霊脈から60年の時間をかけてマナを吸い上げて、英霊七騎を召喚できるほどの魔力を溜め込み、魔術師達と英霊による戦いを引き起こして、最終的に勝ち残った組にあらゆる願いが叶えられるとされる聖杯を与えるものだそうです。」
私が疑問を口にすると、またしてもマシュがスラスラと答えた。
「そんで与える聖杯は端末である『小聖杯』って呼ばれる器。俺達が今向かってる場所にあるのがマナを吸い上げるための聖杯の本体とされる『大聖杯』って訳さ。」
キャスターの補足もあり、かなり分かりやすい説明だった。
「なるほど。あ、それともうひとつ。セイバーの正体って分かってるの?」
するとキャスターは明らかに顔を歪め、ため息までつきながら答える。
「...ああ、分かってる。何せあの剣を見りゃわかる。」
「そんなに有名な剣を持ってるの?」
「そうだ、あまりにも有名な星の聖剣、セイバーはその担い手だ。」
「......それってひょっとしなくても.....」
「そう、ブリテンの騎士王にして聖剣エクスカリバーの持ち主、アーサー王さ。」
「そんな!?伝説上でも最強の聖剣使いじゃない!そんなのが敵なの!?」
やっぱり所長はパニックになっていた。
もはや短時間でなれてしまった感じがする。
「...ねえ、アーサー王って誰?」
はい、これも予想通り。
まあ、仕方ないだろう。
『こっちに戻ってきたら霊夢にはある程度の歴史や伝説を教える必要がありそうだね...。』
ロマンも霊夢の教育を決意したようだ。
せめて最低限の知識は覚えてほしいものだ。
「...とりあえず、アーサー王っていうのはブリテンっていう土地で存在していたっていう伝説の王さまだよ。すごく有名な聖剣であるエクスカリバーの持ち主で、ブリテンを何度も救済したけど、最終的に自分の仲間だった騎士に裏切られて相討ちになったっていう逸話...だったはず...。」
自分の知識も意外に曖昧で自信をもって言えないのが困る。
『大体合ってるね。詳しい説明とかはカルデアに帰ってきてからだ。』
「どうでもいいけど、そいつって強いの?」
そしていつも通りのスルーっぷり。
短時間でだが霊夢の性格が分かった気がする。
「ああ、強いぜ。普通に戦っても並のサーヴァントなら歯が立たないうえに、聖剣の一撃は簡単に山を吹き飛ばす威力があるからな。まあ、このメンバーなら大丈夫だろうが...。」
「大丈夫ってどういうこと?」
どう考えても難易度ハード位はありそうだが...
「そりゃ、盾の嬢ちゃんの盾があるからさ。嬢ちゃんの宝具を使えば大抵のものは防げるだろうさ。」
マシュや私なんかはこの盾がどういう物か分からないが、キャスターの見立てではすごい物らしい。
しかし...
「....すみませんキャスターさん。実は私、宝具を使うことができないんです。」
そう、マシュは人間と英霊のハーフであるデミ・サーヴァントだが、本人いわく力を貸してくれた英霊は名も告げずに消えてしまったそうだ。
宝具は逸話の具現。
逸話を語るための名前がなければ宝具が使えないのはある意味当然である。
事情を聞いたキャスターは少し考えているようだ。
「んー、つってももう洞窟の前に着いちまったし...。今から特訓しようにも雑魚の密集地帯は通りすぎちまったしな~.....ッ!ちょうどいい、洞窟の前にはあいつがいたな。」
「...ねえ、キャスター。ひょっとしてこの洞窟の近くに敵サーヴァントでもいるのかしら?さっきから私の勘に引っ掛かるような感じがするんだけど....。」
霊夢は何かに気付いたように周囲を警戒する。
「勘ねえ...。ああ、実際ここにはセイバーの門番でもやってるのか、アーチャーがいる。ほぼぶっつけ本番だが、とりあえずウォーミングアップ代わりと盾の嬢ちゃんの宝具慣れも兼ねて倒すか。」
「ウォーミングアップ扱いとはな。まあ、事実彼女の方が強いから前座といえば前座なのだが....。」
そんな声とともに1人の男が少し離れた崖の上に現れた。
メデューサの時と同じく、全身が黒いモヤに覆われている、黒化英霊となったアーチャーだった。
しかし、アーチャーを見た瞬間、私は強い既知感を覚えた。
アイディア(70)→02 クリティカル‼
そして、私は、彼の、ことを、思い、出した....
「エミヤさん!エミヤさんじゃないですか‼」
「ブフゥッ!?」
「「『「...えっ!?」』」」
相手はまさかの知り合いでした。
to be continued...
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