主人公はLDSで劣等生と呼ばれていた
なぜなら彼は融合、シンクロ、エクシーズがまったく出来なかったのだ
それらを行う状況まではなるが召喚を行うとErrorが起こる
テストデュエルで何度も挑戦するが毎回Errorが起こる
他人のデュエルディスクを借りてもErrorが起こる
他人に自分のデュエルディスクとデッキを貸したらなぜか出来た。
そんなお話。


リンク召喚あります。

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遊戯王vrainsが始まる前にリンク召喚を使った小説が書いてみたかった。
あと新マスタールールを使った小説も。


LDSの劣等生

 緊張感漂う決闘場

 

 そこで今二人の少年が向き合っていた。

 

 片方は真剣な眼差しで、もう片方はそれを馬鹿にしているような表情で。

 

 

「俺は手札を一枚捨ててクイック・シンクロンを特殊召喚!さらに墓地に送ったレベルスティーラーの効果を発動!

 

 クイック・シンクロンのレベルを1つ下げてレベルスティーラーを特殊召喚する。

 

 俺はレベル4になったクイック・シンクロンとレベルスティーラーでシンクロ召喚!

 

 現れろ!ジャンク・ウォーリアー!!」

 

 

 

≪Error≫

 

 

 

「チッ!ならレベル・スティーラーをリリースしてサイバー・ドラゴンを召喚!

 

 サイバー・ドラゴンのレベルを1つ下げてレベル・スティーラーを墓地から特殊召喚する!

 

 レベル4のクイック・シンクロンとレベル4のサイバー・ドラゴンでエクシーズ召喚!

 

 来い!ラヴァルバル・チェイン!!」

 

 

 

≪Error≫

 

 

 

「くそっ!なら手札から魔法カード融合を発動だ!

 

 フィールド上のサイバー・ドラゴンと手札のサイバー・ドラゴンで融合召喚!

 

 出ろ!サイバー・ツイン・ドラゴン!!」

 

 

 

≪Error≫

 

 

 無慈悲にもその音声は鳴り響く。

 

 

「畜生またかよ!」

 

 

 何度も発動しようとして失敗する少年に向かう視線は嘲笑

 

「見ろよ、また失敗してるぜ」

 

「ほんとなんで出来ないんだろうな」

 

「決闘の腕も優秀でデッキ構築力もあるのになかわいそうに」

 

「憐れむ必要なんざいらねぇよ、あんな劣等生にはな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 昔から俺は決闘が大好きだった。

 

 

 デッキを作るのが好きだった。カードを集めるのが好きだった。人と決闘するのが好きだった。

 

 LDSから新たな召喚法を発表されたときは本気で感動した。

 

 俺も使いたいと思い親を説得してLDSに入塾した。

 

 だが、俺はなぜか新しい召喚法が出来なかった。

 

 デッキは完璧だった。友人に試しに使ってもらったときにはやりやすいと言ってくれた。

 

 だが俺が使うとダメだった。

 

 その召喚法を行う状態まで持っていけるのになぜか召喚しようとしてもErrorが発生してしまう。

 

 デュエルディスクの故障かと思い普通に召喚できてる相手と交換してみたがそれでも失敗してしまった。

 

 理由はわからない。だが、どこか俺は繋がっていない、そんな気分を感じていた。

 

 何度も何度も出来なくて親に相談してみたことがあった。

 

 どのとき俺が実の息子じゃない拾われた子供だと知った。

 

 今思えばあんなに苦しい思いしてる子供に止めを刺すようなこと言いやがったなあの両親。

 

 まあ、いろんなことがありすぎて逆にあっさり受けいれることが出来た気がするが…

 

 

「逆に考えるんだ、お前だけ出来ないという事はお前は特別なんだよ」

 

 

「世間では当たり前に出来る事ができないとか特別な能力とか力とかがあるテンプレじゃないか!」

 

 

 あの時はそんなことを言われて説得されたっけ。

 

 今思えば中二病が抜けて無いにもほどがあるだろ俺の両親…

 

 まあ、前向きに考えることが出来る用になったから良いとするか。

 

 ほんとなんで俺は新しい召喚法がどれも出来ないんだろうな……

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほんとどうしてだと思う?」

 

「知らん」

 

「どうでもいい」

 

「そんなことよりデッキ診断お願いしたいんだけど、新しいカード色々入れてみたのよね。」

 

「おい…」

 

 LDSの中にあるカフェで友人とのんびり会話しようというのになんてひどい。

 

 ちなみにこいつらはLDSの融合、シンクロ、エクシーズの各コースのトップクラスの成績保持者である。

 

 それぞれのエキスパートであるこいつらならなんかわかるんじゃないかと思い相談しようと思ったのに。

 

「だってそれ今に始まったことじゃねぇじゃん」

 

「理由を検証しようにも、もう散々試した後だしな。違いも少しデュエルディスクが大きい?って位だしな」

 

「そんなことより早く診断しなさいよ」

 

 ひでぇ友人共である。

 

 今日からお前らの事を心の中で呼ぶときは友人S、友人X、友人Yとしか呼ばないでやる。

 

 それとお前このカードは微妙だろ。統一したい気持ちはわかるがまだ汎用カードのここら辺入れておいたほうが…

 

「あら、ほんとね。じゃあ変わりにこのカードと…」

 

「ってそうじゃねぇだろ、だから俺が融合やシンクロ、エクシーズが出来るようになぁ」

 

「「「それはもうあきらめ(ろ)(ようぜ)(らいいんじゃない)」」」

 

 

「何でだよ!」

 

 

「「「だって無くても勝ててんじゃ(ん)(ない)」」」

 

「さっきの決闘だって、結局サイバー・ドラゴンで殴り勝ってたし…」

 

「シンクロされても普通に対応できてたし…」

 

「君は無くても普通に強いしね…」

 

「そりゃそうだがやりたいことぜんぜん出来なかったんだぞ。

 あのデッキはもっとうまくまわせるのになぁ。」

 

「それで負けた向こうはほんと憐れね」

 

「向こうは劣等生って知っててしかも嘗めてかかってきたからな。

 あんなザコにはさすがに負けらんねぇよ」

 

 確かに新召喚法が出来ない劣等生かも知れんがそれでデュエルが弱いと思われるのはな。

 

「それに今回は優しい方だろ、新召喚法をするためのデッキで戦ってたんだから」

 

「まあ、な」

 

「お前ガチだとほんとひどいデッキ使うからな」

 

「虚無空間は止めて…ああ、帝の蹂躙が…クリスティアが…」

 

 そりゃ俺だけ新召喚法できないのは不利なんだから向こうにも受けてもらわなきゃな。

 

「「「お前ほんと外道だよ」」」

 

 ほっとけ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 くそ、なんだかんだ文句つけて俺に奢らせやがって。新召喚トリオめ。

 

 次デュエルする機会が会ったら徹底的にメタ張ってやる。

 

 

 懐からデッキケースを取り出し中身を見る。

 

 シンクロもエクシーズも融合も使えるように組んだデッキ。

 

 エクストラデッキにも優秀なモンスターが入っている。

 

 なのに…

 

「何で俺には出来ないんだろうな…」

 

 

 

「それはお前が劣等生だからだよ」

 

 

 

 後ろから声がして振り向くと衝撃が頭を打った。

 

「ふざけやがって、融合もシンクロもエクシーズも出来ねえ癖にこんなにいいカード持ってやがる」

 

 頭が痛い。

 

「お前には勿体無いから俺が使ってやるよ」

 

 目の前がちかちかする。

 

「いいだろ、どうせお前には仕えないんだからよ」

 

 意識が薄れていく…

 

「じゃあな劣等生」

 

 何かが、途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 目が覚めると病院だった。

 

 どうやら俺は何者かに襲撃を受けたらしい。

 

 後頭部を後ろからガツンと一発。その後俺のデッキを持って行かれたようだ。

 

 畜生、人が必死に集めて組んだデッキを持っていきやがって。

 

 ああクソ、頭が痛い、頭痛が止まらない。

 

 何なんだコレは、何かが出てきそうで出てこないような。

 

 俺が融合やシンクロがエクシーズが出来ない理由がもうちょっとで出てきそうな予感が…

 

「目が覚めたの!大丈夫!?」

 

「ああああああああああああ!!」

 

 こうあとちょっとって感じだったのに邪魔しやがって友人Yぃぃぃぃ!

 

「大丈夫だ、ちょっと頭痛がひどくってなんかいい感じに忘れてるなにかを思い出せそうな予感がするぐらいだ」

 

「あなたそれ、結構危ないんじゃないの」

 

 大丈夫大丈夫、というかそのなにかが繋がってスッキリしそうなところをお前が邪魔してくれたんだが。

 

「しょうがないじゃない、あなたが誰がに襲われて病院に運ばれたなんて聞いたんだから…」

 

 お前、わざわざ俺の事を心配して来てくれたのか…

 

「当たり前でしょ、だって私、あなたが居なくなったら……」

 

 上目遣いでほんのり涙をまとわせて俺の事を見る友人Y、お前そんなに俺の事を……

 

「誰が私のデッキを強くしてくれるの!あなたの構築力はほんと優秀なんだから!」

 

 ですよねー知ってたよこの決闘脳が。

 

ほんと居なくなったらどうしたらいいのよ…

 

 ん、今何か言ったか?

 

「なんでもないわよ、それよりあなたが寝てる間にいろいろ面倒な事になってるわよ」

 

 面倒ってなんだ、病院で寝てる間に各部門トップが変わったとかか

 

「………」

 

 なんだその間抜け面は、ポカーンと口あけて。中に飴でも放り込んでやろうか。

 

「いえ、まさか当てられるとは思わなくて」

 

 なにシンプルな答えだよ、同一犯による犯行だからな。

 

 俺からカードを奪って優秀なカードを手に入れた犯人様は成績うなぎのぼりってか。

 

 殴って奪うとかやる事が単純な奴が犯人だからな。思考パターンは大体わかるよ。

 

 さて、じゃあさっさと退院して取り返しに行きますかね。

 

「まってそれだけじゃないわ。アイツはもっとカードを手に入れたわ」

 

 それって…まさかお前ら。

 

「ええ、カードを見てアイツが使ってるデッキがあなたのものだってわかったから。

 取り戻そう決闘してまさかの敗北よ、私たちもカードも奪われたわ」

 

 …お前たちって事は友人Sや友人Xもか…バカしやがって。

 

「しょうがないじゃない!悔しかったのよ!あなたが少しでも融合やシンクロ、エクシーズがしたくて組んだデッキなのにあんな奴に利用されて!あれじゃあデッキもかわいそうだわ」

 

 そうだな、だからこそすぐ取り戻さなきゃいけないな。

 

「ちょっと、あなたまだ怪我が残ってるのよ!安静にしてなきゃ」

 

 悪い、頭は痛いし、なんか糸が切れた凧みたいにふわふわしてるけど…

 

「コレは俺が今すぐにでもやらなきゃいけない事なんだよ…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 人の少ない廃倉庫で1人の少年と2人の少年が向かい合っていた。

 

「おいおいどうしたよ!俺からカードを取り戻すんじゃなかったかぁ!」

 

「くそっ!」

 

「こんな奴がでも使ってるデッキはあいつのだからかね、やっぱ強い」

 

「そりゃあんな劣等生じゃなくて俺様が使ってるからな強いに決まってるだろうが!」

 

 このままでは敗北は確定、少なくとも片方には次のターンは回ってこないだろう。

 

「それじゃあどっちから先に止めを刺してやろうかな…」

 

 ニヤニヤと薄汚い笑みを浮かべる男は指差しでどちらにしようかなと選ぶ。

 

「お前だ!手札に戻すのは面倒だしな!ここで終わり「待ていっ!」 な、なんだぁ!」

 

 廃倉庫に声が響く。

 

 どこからともなく聞こえてくるハーモニカの音。

 

 男の前に突き刺さる強奪のカード。

 

「デッキ、それは人が持つ可能性という一つの未来。それを奪うもの、人それを強奪者と呼ぶ…」

 

「てってめえ何者だ!」

 

 

 

 

「貴様に名乗る名前はない!」

 

 

 

 

 とうっ!っと上から颯爽登場!

 

 そしてバシッと着地!あ、だめ足結構痛いわコレ。頭痛が増した気がする。

 

「怪我人なのに何やってるのよ!」

 

 うるせー!格好付けてるだから突っ込むな!それはともかく…

 

「おい、デュエルしろよ」

 

「てめえ…劣等生の癖に何かっこつけてんだよぉ!」

 

 あーはいはいそうですねーどうせ俺は劣等生ですよ

 

 で、その劣等生相手にデュエルで負けて暴力に訴えてしかもデッキを強奪したのはどこの誰ですかね

 

 なあ、この小説の冒頭のデュエルでの相手してくれた。決闘者君。

 

 

 

 向かい合う二人の少年

 

「いいぜ潰してやるよ、このデッキでな」

 

「勝ったらそのデッキは返してもらうからな、あと今まで奪ったカードも全部返却しろよな。」

 

「了解だ。だが俺が勝ったなら」

 

「そのときはもっといいカードくれてやるよ、こんなカードとかな。」

 

 俺は家から持ってきた優秀なエクシーズやシンクロ、汎用性の高い融合モンスターを見せる。

 

「く、ははははははは。マジかよ、最高だな」

 

 まあ、負けるつもりはないからな。こっちは友人がやられてるのになんとも思わない人間じゃないんだよ。徹底的に潰してやるよ。屑決闘者が!

 

 

 

 

 

「「デュエル!!」」

 

 

 

 

 

 劣等生  LP:4000 手札5枚

 

 屑決闘者 LP:4000 手札5枚

 

 

「先行はくれてやるぜ」

 

 そうかい、それじゃあ俺のターン!ドロー!!

 

 んん?なんか見たことないカードが多いような…

 

 おいコラ友人Y、お前俺のデッキ持ってきてくれたがどこにあったやつだコレは。

 

「えっ、普通に机の上にあったけど。」

 

 ケースの色は?

 

「青色」

 

 これ調整中だったデッキぃぃぃぃぃぃ!

 

 しかも融合、シンクロ、エクシーズ全部乗せまぜまぜ混沌デッキぃぃぃぃ!

 

 どぉしてくれるんだよ、てっきりいつものガンハメ系のデッキだと思ってたじゃねぇかぁぁぁあ!!

 

「しょ、しょうがないじゃない!男の子の部屋に入るなんて初めてで…ゴニョゴニョ

 

 クソが!こうなったらやれるだけやるしかねぇ!

 

「俺はモンスターをセット!カードを二枚伏せてターンエンド!」

 

 

 劣等生  LP:4000 手札2枚

            モンスター:セットモンスター1枚

             魔法、罠:セットカード1枚

 

 屑決闘者 LP:4000 手札5枚

 

 

「がはははは、どうやら期待はずれのデッキを使ってるようじゃねぇか。こりゃ楽勝かもな、俺のターンドロー!

 俺は手札からサイバー・ドラゴンを特殊召喚!さらに手札を一枚捨ててクイック・シンクロンを特殊召喚!まだ終わりじゃねぇぞ、俺は魔法カード調律を発動!ジャンク・シンクロンを手札に加えてデッキトップを墓地に落としてそのままジャンク・シンクロンを召喚!効果で墓地からチューニング・サポーターを特殊召喚!さらにサイバー・ドラゴンのレベルを1つ下げてレベル・スティーラーを墓地から特殊召喚する!」

 

 うわぁ、なんという展開力、あっという間に場が埋まったわ。

 というか調律でレベルスティーラーかチューニング・サポーター落ちたって運良いなおい!ほんとやべぇな…

 

「俺はレベル1のレベル・スティーラーとレベル4になったサイバー・ドラゴンにレベル3のジャンク・シンクロンでチューニング!シンクロ召喚!出やがれくず鉄の破壊者ジャンク・デストロイヤー!効果でシンクロ素材としたチューナー以外のモンスターの数までフィールド上のカードを選択して破壊できる。俺はお前の伏せた2枚を破壊!」

 

 光の中から現れた巨人のビームにより破壊されそうになるカード、破壊される前に使っとこ。

 

「この瞬間スケープ・ゴートを発動!自分フィールドに羊トークン4体を守備表示で特殊召喚する。」

 

「へっ!壁をそろえたつもりだろうがそれは大間違いだな、俺はジャンク・デストロイヤーのレベルを1つ下げてレベル・スティーラーをもう一度墓地から特殊召喚する。そして、レベル1のレベル・スティーラーとレベル1のチューニング・サポーターにレベル5のクイック・シンクロンでチューニング!シンクロ召喚!来いニトロ・ウォリアー!」

 

 はっはっは、これマジで負けたんじゃね。なんか頭痛もひどくなってきたし。

 

「チューニング・サポーターの効果でカード1枚ドロー!さらに魔法カード戦士の生還を発動。墓地からジャンク・シンクロンを手札に加える。だが目的はこれじゃねぇぜ」

 

 魔法カードを使用したことでニトロ・ウォリアーの攻撃力が1000ポイントアップだろ、知ってる。

 

「くっははははは、話が早いじゃねぇか、俺はニトロ・ウォリアーでお前の伏せモンスターに攻撃!」

 

「モンスターはクリッターだ、よって戦闘で破壊される。効果で俺はデッキから…ええっとドラコネットを手札に加える」

 

 なんかこんなデッキ組んだっけってレベルで覚えてないわ、ああくそ頭痛が痛い。

 

「ニトロ・ウォリアーの効果発動!このカードの攻撃によって相手モンスターを破壊したダメージ計算後に発動だ!相手フィールド上に表側守備表示で存在するモンスター1体を選択して攻撃表示にしてそのモンスターにもう1度だけ続けて攻撃できる。俺は羊トークンを攻撃表示にして攻撃だ!」

 

「うわぁぁぁああああああああああ!!」

 

 

 劣等生  LP:4000→200

 

 

 

 大ダメージの衝撃が俺を襲う。

 

 耐えられず思いっきり吹き飛ばされてしまう。おいソリッドビジョン強すぎだろ、これアクションデュエルだっけ?

 

 

「ごふっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんか意識がぼうっとしてきた。流石に怪我したまま来るんじゃなかったかな。

 

「――おい――っ!」

 

「しっかりしろ――っ!

 

「お願い目を覚まして――!――!」

 

 ああ、なんか呼ばれてるのに名前がうまく聞こえない。

 

 そもそも俺ってなんて名前だったっけ。

 

 前は確か……

 

 ん?前?

 

 前って何だ、そもそも何で俺は使えないのにあんなにちゃんとしたシンクロデッキが組めたんだ?

 

 他の連中はみんな使えるようになってからデッキの調整を覚えてたのに。

 

 俺は、知っていた。 そうだ、知っていた。

 

 融合を、シンクロを、エクシーズを!

 

 そしてそれらが使えなくなる理由を俺は知っていたはずだ!

 

 仲間がみんな超融合のカードの犠牲になって融合がトラウマになったから…違う!

 

 モーメントの回転が存在しないから…違う!

 

 かっとビングを忘れたから…違う!

 

 そうだ、確かすべては…!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「コンマイが新ルールを作りやがったからだぁああああああああああああああ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 やっと思い出した!そうだよルール変わったんだよ!

 

 というか何でみんなマスタールール3なのに俺だけ新マスタールールなんだよ!

 

 道理で俺が使うデュエルディスクの置く場所が大きいと思ったんだ、これエクストラモンスターゾーンだよ!

 

 ああ、やっと繋がった気がする。ほんとなんかスッキリしたわ。

 

 

 あれ、みんなどうしたの。

 

「無事なら早く出てきなさいよ!」

 

「本気で心配したじゃねぇか!」

 

「というか何でいきなり叫びだしたんだ君は!」

 

 うわぁ、なんか知らんがフルボッコ状態だわ。

 

「ああ、悪い悪い。長らくの疑問がスッキリ解決したわ。このデッキもいつ作ったか思い出したしな」

 

 そうこのデッキはこっちに来る前に作ったデッキだ。逆転の切り札は十分ある。はず

 

「それじゃあ続きだ、ジャンク・デストロイヤーで羊トークンを攻撃」

 

 あっさり破壊されるトークン、さらば。

 

「さらに俺はカードを一枚伏せてターンエンドだ。さあ、ライフはたったの200にこっちは大型モンスターが2体だ。新召喚法が何も出来ないお前に逆転が出来るかな、はっはっはっは」

 

 

 劣等生  LP:200  手札3枚

 モンスター:羊トークン

       羊トークン

 

 魔法、罠:無し

 

 屑決闘者 LP:4000 手札2枚

 モンスター:ジャンク・デストロイヤー

       ニトロ・ウォリアー

 

 魔法、罠:セットカード1枚

 

 

 うるせぇ、笑いたけりゃ笑ってろ。

 

「俺のターン、ドロー!」

 

 さてと、まずは下準備といこう。

 

「俺は魔法カード手札断殺を発動!お互いのプレイヤーは手札を2枚墓地へ送る。その後、それぞれデッキから2枚ドローする。」

 

「俺はカードガンナーを召喚して効果発動!デッキトップ3枚を墓地に送るぜ」

 

 1枚目、バトル・フェーダー、くそ、ここで落ちるか

 

 2枚目、エフェクト・ヴェーラー、呪われてるのか俺

 

 3枚目、ダンディライオン、よし!

 

「ダンディライオンの効果発動!このカードが墓地へ送られた場合に発動する。自分フィールドに綿毛トークン2体を守備表示で特殊召喚する。」

 

 さて、それじゃあ早速思い出した事だしやってみようか!

 

「そういや俺の親がこんなことを言ってたんだよ」

 

「ああ、なんだいきなり」

 

「まあ聞けっての曰く出来ないという事はお前は特別なんだってさ」

 

「はあ、なんだそりゃ。当たり前に出来ることが出来ないんだから劣等生なんだよお前は」

 

「他にも、世間では当たり前に出来る事ができないとか特別な能力とか力とかがあるテンプレだってさ」

 

「はっははははは、なんだそりゃ、とんだロマンチストだな!」

 

「ほんとにな、でも俺も思ってなかったよ、これがほんとになるなんてな。

 

 見せてやるよ俺だけの特別な力って奴をな!」

 

「チッ!劣等生が何言ってやがる!!」

 

「良いから見とけよ!俺はフィールド上の羊トークンをリンクマーカーにセット!

 サーキットコンバイン!リンク召喚!!

 

 カモン!LINK-1 リンク・スパイダー!」

 

 フィールド上に現れたのは機械的で近未来感のあるクモである。

 

 

 

 リンク・スパイダー

 リンク・効果モンスター

 リンク1/地属性/サイバース族/攻1000

【リンクマーカー:下】

 通常モンスター1体

(1):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。

 手札からレベル4以下の通常モンスター1体をこのカードのリンク先に特殊召喚する。

 

 

 

 リンク召喚

 マスタールール4になって追加された新しい召喚法

 フィールド上の決められたモンスターをLINKの数だけ墓地に送ることで召喚出来るとてもシンプルな召喚法だ。ただし、今までエクストラデッキから特殊召喚するモンスターはモンスターゾーンのどこでも良かったがマスタールールが4になった事で特殊召喚できる場所がエクストラモンスターゾーンだけになってしまった。だがリンクモンスターはリンクマーカーというものを持ちその先にエクストラデッキからのモンスターを特殊召喚できる。つまりリンクを広げていく必要があるのだ。

 

 俺は今まで他のみんなと同じようにモンスターゾーンに置いていたから失敗してたわけだ、いやぁ納得納得。

 

 いやまあ、何で俺だけルール違うのか理解できてないけどとりあえず…

 

「「「「リンク召喚!!」」」

 

「なんだよそりゃ、お前だけだと、ふざけるな!」

 

「何でそんなことできるのよ、私にも教えてよ!」

 

「ええいうるせぇ!友人S、X、Yにはこのデュエルが終わった後にでも説明してやるよ!そして対戦相手のお前には教えてやらねぇ!教えなきゃいけないルールはないしなぁ!」

 

「何よ友人S,X,Yって!」

「多分俺たちじゃね」

「召喚法からだろうけど安直な…」

 

 後ろでS,X,Yがうるさいが無視だ無視。

 

「さてまだまだ続くぜ、俺はさらに羊トークンと綿毛トークン2体をリンクマーカーにセット!

 サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ!LINK-3 電影の騎士ガイアセイバー!!」

 

 

 

 電影の騎士ガイアセイバー

 リンクモンスター

 リンク3/地属性/機械族/攻2600

【リンクマーカー:左/右/下】

 モンスター2体以上

 

 

 

 電影の騎士ガイアセイバーをリンクスパイダーの下に置く。

 

「さらにさらに、魔法カード死者蘇生を発動、蘇れダンディライオン

 ダンディライオンとカードガンナーとリンク・スパイダーをリンクマーカーにセット!

 サーキットコンバイン!またまたリンク召喚!

 来い!LINK-3 デコード・トーカー!

 そしてダンディライオンの効果で綿毛トークン2体を守備表示で特殊召喚。」

 

 

 

 デコード・トーカー

 リンク・効果モンスター

 リンク3/闇属性/サイバース族/攻2300

【リンクマーカー:上/左下/右下】

 効果モンスター2体以上

(1):このカードの攻撃力は、このカードのリンク先のモンスターの数×500アップする。

(2):自分フィールドのカードを対象とする相手の魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、

 このカードのリンク先の自分のモンスター1体をリリースして発動できる。

 その発動を無効にし破壊する。

 

 

 

 リンクスパイダーの置いてあったエクストラモンスターゾーンにデコード・トーカーを置き、綿毛トークンをデコード・トーカーのリンク先に特殊召喚する。

 

「デコード・トーカーは攻撃力をリンク先のモンスターの数×500アップする効果を持つ、リンク先には俺の綿毛トークンが2体そしてニトロ・ウォリアーがいる。よって攻撃力が1500アップする。パワーインテグレーション!

 そして最後に団結の力を電影の騎士ガイアセイバーに装備!効果で装備モンスターの攻撃力・守備力は、自分フィールドの表側表示モンスターの数×800アップする。俺のフィールド上には4体のモンスターがいる、よって3200ポイントアップする!」

 

 

 デコード・トーカー    ATK/2300 → ATK/4800

 

 電影の騎士ガイアセイバー ATK/2600 → ATK/5800

 

 

「攻撃力4800に5800だと!」

 

「いくぜ、バトルフェイズだ!電影の騎士ガイアセイバーでジャンク・デストロイヤーを攻撃!螺旋槍殺(ライトニングシェイバー)!」

 

「ぐわぁぁ!」

 

 屑決闘者 LP:4000 → 800

 

「これで止めだ!デコード・トーカーでニトロ・ウォリアーを攻撃!デコードエンド!!」

 

「まだだ!速攻魔法月の書を発動!デコード・トーカーを裏守備表示にする!1ターンでも俺のターンがくれば逆転できるはずだ!」

 

「たしかに月の書は便利な攻撃防御カード、効果の無駄打ちさせるなど応用性は高いいいカードだな、だが無意味だ。

 リンクモンスターは裏守備表示にならない!よって攻撃は続行する」

 

「そんなの知るかぁあああああ!」

 

 デコード・トーカーの一撃がニトロ・ウォリアーを一刀両断!爆発四散!

 

 屑決闘者 LP:800 → 0

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、それでは約束どおり全部返してもらおうか。

 

「ちくしょう、ずるい!ずるすぎるぞ!なんだよあのカードは!」

 

 いいだろうが、新召喚法が出来ない俺への神様からのプレゼント的な何かだよ。多分

 

 とりあえず、お前が俺のカード奪ったって堂々と発言したところしっかり録音してたからな。

 

「ハァッ!」

 

 さて、それでは強盗に障害、場合によっては殺人未遂だ。塀の中でゆっくりと暮らすといい。

 

「い、いやだ、捕まるのは嫌だぁあああああ」

 

 

 顔面を蒼白にして全力で逃げ出す屑決闘者。おおう逃げろ逃げろ、まだ通報してないけどな。

 

 

「さて、一件落着したし家に帰るかなぁーぐぇっ!」

 

 首が!首が絞まってる!!

 

「ちょっと、さっきのリンク召喚っていったい何なのよ!教えなさいよ!」

 

「そうだそうだ!さっきデュエルが終わった後にでも説明してやるって言ってただろう!」

 

「ケチケチしないでさっさと教えろ!!」

 

 待て、待てって首絞まってる、引っ張るな、止めろ、息が…

 

 薄れていく意識の中で思った。

 

 こいつら助けるの止めたほうがよかったかも……

 

 あとリンク召喚ってルールが違うから俺しか出来ないんじゃね、あれ、やばくね……

 

 

 

 

 

 

 

 

 




アニメの召喚台詞に修正
演出すごいカッコ良かったわ


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