仮面ライダー鎧武 天下一刀   作:hozupi

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はい!二話です!
新たなライダーが二人、登場いたします。


仮面ライダー鎧武 天下一刀 二話 戦極ドライバーとは?

謎の森。

そこで黒服を着た数人の男達が森になっている果実を採取してはケースに入れていく。

しかし、そこで縄張りを荒らされたと思ったのか、数体の初級インベスがぞろぞろと群れを成して現れ、男達に襲いかかって来た。

「うあっ!」

突然の攻撃に驚くも、予め想定されていたのから、全員比較的、落ち着いた様子でインベスから離れていくと、それは現れた。

 

『サラクアームズ! 蛇の太刀!ザ・デンジャラス!』

 

颯爽と蛇の如く素早くしなやかに現れたそのアーマードライダーは、サラクアームズ、アームズウエポンの『蛇刀』を構えてインベスに斬りかかる。

「…!」

無言で切りすすめるライダーは飽きたかの様に立ち尽くすと、刀を鞭の様にしなやかに変化させ、それをインベス群に向けてふるった。

『キシャァァァア!!』

絶叫を上げ、インベスは爆散しそれを確認したライダーは蛇刀を納めると、助けた黒服の男達の手当てに対応した。

 

 

 

 

仮面ライダー鎧武 天下一刀

二話 戦極ドライバーとは?

 

 

戦いの後、寄って来る群衆を何とか搔い潜った雄一は予定通りドルーパーズへと赴いた。

開店から1時間経ったドルーパーズは、いささか物静かな雰囲気なで、客足の少なさを感じさせていた。

「お!雄一じゃん」

すると厨房から一人の店主らしき男性が歩いて来た。

彼の名は板東清治郎。沢芽市にあるフルーツパーラー、ドルーパーズの店主だ。客足は少ないが、雄一や七瀬姉弟達にとって憩いの場所となっている。

「板東さん。こんにちは、ちょっと今日、ここで待ち合わせをしてて…」

軽く挨拶をして言うと、板東が恐る恐る奥のボックス席で陣取っている、変わった形状のキャリーバッグを持っているスーツ姿のあの男を指差す。

「もしかして、あいつ?」

「あ、はい!じゃ、板東さん、俺、オレンジジュースで」

「はいよ!」

軽く注文して、雄一は男のいるボックス席に腰を下ろした。

「おぅ。誰かと思えば君か。来た目的としては、昨日渡した商品についてかな?」

「あぁ…。今日、コイツを使った」

雄一は鞄から、戦極ドライバーとイヨカンロックシードを取り出し机に置いた。

「…あれ?こんな絵いつの間に…」

闘いに夢中で気が付いていなかったが戦極ドライバーの右横の部分に、先程変身したと思われるアーマードライダー、剣舞の顔が刻印されていた。

「あぁ…ま、色々詳しく聞かせてやる。と言っても、そこまで大した事じゃないけどな」

謎の男は紅茶を啜り、咳払いをすると話し始めた。

「まず、これから世話になると思うから、俺の名前を覚えてもらうぜ、俺の名は天樹凌牙だ」

「な、七技雄一…」

凌牙と名乗った男は雄一によろしくなと手を差し出し、雄一もぎこちなくそれに返した。

「それじゃ、この戦極ドライバーについて話させてもらおうか…。ここのインジゲージに既に絵が入っているってことは既に雄一君はこれを使って変身したんだな?」

「あ、あぁ。インベスに似た怪物が暴れてて…咄嗟に…」

「インベスに似た…?まさか…」

「ん?」

一瞬、表情を曇らせた凌牙を不思議に思い雄一は首を傾げる。

「いや、こっちの話だ。それで、この戦極ドライバーは一度誰かが使用すればそいつ意外の誰かが使う事は出来ない。そして、一回使って分かったかも知れないが、クラスC以上のロックシードでアーマードライダーに変身することが出来る」

「ん?こいつじゃ使えないのか?」

雄一はヒマワリロックシードを見せてそう言う。

「あぁ、ヒマワリロックシードは変身には対応していない」

「そうなのか…」

雄一は少し落胆した様子でヒマワリロックシードを仕舞う。

「ま、実を言うと……いや、何でもない」

「何だよ…気になる言い方だな」

「あんまり知りたがりなさんな…ほれ、折角来てくれたからほらもう一個やるぜ?」

凌牙はキャリーバッグから、新たなロックシードを取り出して投げ渡した。

「コイツは…柚子か?」

「そ。ユズロックシード…だ」

「まぁ…ありがたく貰っておくけどさ…なぁ、アンタはロックシード関連の物をこうして持っているって事はユグドラシルなのか?」

「詳しくは言えねえな。企業秘密って奴だ。でも、関係がないわけじゃないぜ?」

この時、雄一はある程度この天樹凌牙と言う男についての人となりについて分かって来た気がした。

この巧みな弁術で自分のペースへと持っていき、この錠前などを買わせる…。中々小賢しい男だと思った。

「まぁ、俺から言えるのはこれくらいかな。今度ロックシードが欲しくなったらここに来てくれ、そんじゃそこらの出店とは破格な値段でロックシード売ってやるからよ」

凌牙がそう言うと、雄一はオレンジジュースを一気に飲み干して言った。

「折角だけど、この柚子で今は十分だよ。俺は生憎、インベスゲームは趣味じゃないんでね。板東さん、ご馳走様でした」

「おう!」

雄一は机にお金を置くと先程もらったユズロックシードを鞄に入れて、ドルーパーズを出て行った。

そして凌牙は暫く紅茶を啜っていると、一人の少年が入って来た。

「…お?もしかしてお客さんかい?」

「アンタか?錠前とあのベルトを渡していると言う奴は」

少年は高圧的にそう言うとボックス席に踏ん反り返り様に座り、問う。

「もしそう、と言ったら?」

「それを俺にも寄越せ」

言葉と眼力で威圧にかかるこの男に凌牙は多少なりとも興味が湧いて来た。

「金は?」

「これくらいでどうだ?」

少年は財布から福沢諭吉の絵が描かれている札を十数枚束ねられている物を財布から投げ出した。

「おっと…」

流石の凌牙も予想外だったのか、少し困惑する。

「不足か?ならもっと出してやる。だから寄越せ」

「ククッ…!」

突然、凌牙は笑い出す。

「何?」

「クククくっ!ははははっ…!面白いなぁ!…気に入ったよ…お題は要らない。ロックシードも用立ててやる…だから名前、教えてくれるか?」

「……峰村…昨夜だ」

すると凌牙はピンと来た様な仕草を一瞬見せたが、すぐにそれは笑いへと変わった。

「ははははっ!!昨夜…か!実に気に入った。ほれ、受け取ってくれよ」

凌牙はキャリーバッグから戦極ドライバーとグアバの意匠が施されたロックシードをテーブルに置いた。

「ふん。金を取らないとはな、ならヒマワリを二つほど貰おうか」

「毎度♪」

昨夜はロックシードやドライバーだけでは飽き足らず、更にヒマワリロックシードを二つ購入しようやく見せから出て行った。

そして凌牙はキャリーバッグに残されている何台かのドライバーを眺めて不敵な笑みを浮かべる。

「ふふっ…『この世界』でも、ついに始まるか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『YOU WIN!』

 

「いよっしゃあ!!おっれのかちぃ!」

荒々しく腕を突き上げる如何にも不良っぽい顔と髪型をしている天明高校の生徒。

彼の名は北原残庫。

筋金入りの不良だ。この様にして学校中の生徒にインベスゲームをけしかけてはロックシードを奪っていく問題児、そして今日も…。

「おら!負けたんだから全部置いてけごらぁ!」

「や、やめてよぉ〜!」

嫌がる生徒なんか御構い無しに所持しているロックシードを無理やり取り上げる残庫。

「へへっ!まいどありぃ!!」

残庫は二人の子分を連れて行動しており、暴れまわっている。

教師などが対応しようものなら、まさにインベスを嗾けて退けていく、まさに問題児なのだ。

だが、そんな彼にある現実を押し付けられる日が訪れた。

「お?あいつ、見ねぇ顔だな?」

残庫がふと指差すと、構内の廊下の窓を眺めている少年がいた。

「あぁ、俺たちのクラスの転校生の峰村昨夜って言うらしいんっすよ、これがすっごいプライド高くて」

小馬鹿にする様に昨夜について説明する子分。

峰村昨夜は今日から、天明高校に転校してきた生徒、沢芽市一の進学校である天明高校の編入試験に受かるとは中々の学力の持ち主で、教師からも期待されている生徒の一人。

そして、残庫はそんな昨夜に目をつけて、近寄って来た。

「よぉ〜。テンコーセー君?」

子分を従え、威圧的な感じで昨夜の隣に近寄る残庫。だが昨夜の方は動じる事なく言う。

「俺に何の用だ」

「いやさ…俺とインベスゲームしねぇ?」

ケケケと下品な薄笑いをしながら、ヒマワリロックシードを取り出して詰め寄る。

すると、子分も昨夜を取り囲みヒマワリロックシードを取り出して威圧をかける。

だが、昨夜は制服のポケットに手を入れて自身を囲んでいる者共を見渡すと、鼻で笑った。

「あ?何だてめえ?」

「…雑魚が群れを成して遠吠えか…はっ、見苦しいな」

「んだとぉゴラァ!!」

残庫が怒り、拳を上げるが昨夜は鮮やかに避ける。

「なっ…!?」

「お、親分!」

体勢を崩した残庫の身体を子分二人が支えた。

そしてその様を見た昨夜はグアバの刻印があしらわれたグアバロックシードを持って言った。

「く、クラスAだと!?」

「ふんっ。せめて腰抜けでないなら、俺と闘ってみろ。三人がかりでかかってくるがいい!」

「ははっ…こいつぁいい…!三人がかりでなら楽勝だ!おいテメェら!力を貸せ!!」

子分が弱々しく返事をするとヒマワリロックシードを解錠して半実体のインベスを召喚し、残庫もヒマワリロックシードを解錠してインベスを更に召喚する。

「…行け…」

昨夜がグアバロックシードを解錠すると、残庫達が繰り出したインベス達の5、6倍はあろうかと言う大きさのインベスが出現した。

「なっ!?」

「はぁ!?」

今までのインベスゲームとは規格外の大きさに、残庫達は驚愕を露わにするが、バトルスタートの音声がなってしまった為、戦いざるを得なかった。

そのインベスゲームは、もはや闘いと呼べる様な物ではなかった。食物連鎖でみる、肉食動物が草食動物を狩る様にその様は余りにも一方的なゲーム展開であり、最終的に昨夜の一人勝ちとなってしまった。

「ば、バカな…」

残庫がガックリと腰をおると、ロックシードが手離れ、子分のも含め三つとも昨夜の手に渡った。

「か、返しやがれ!!」

残庫が怒りながら殴りかかるが、昨夜にあっさり躱されると、そのまま突き飛ばされてしまう。

「うわぁっ!」

昨夜は尻餅をついている残庫に向け、嘲笑う。

「ふん。これが貴様の力だ、貴様らの様な弱者はただ奪われ、踏みにじられる。強者の風格を取り繕っても、それはメッキと同じ、外面だけだ」

昨夜は呆然としている子分二人も乱暴に突き飛ばしながら、階段の奥へと消えていってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

「ふんふふふーん♪」

今日もご機嫌な様子の秋。

間違っても彼は男子生徒なのであるが、彼の成りで男子生徒用の制服は余りにも、違和感があり過ぎたので、学校側としては異例の男子生徒が女子生徒の制服着用を許可してるのだ。

こう言うのは良く、いじめの対象にされるが不思議とそう言うことは無く、寧ろ男子達から告白される事もしばしばだ。

そんな秋は放課後終わりに、雄一の好きなサンドイッチを差し入れに持っていくべく教室へ向かっていく途中だった。

「雄一君、美味しいって言ってくれるかなぁ♪」

しかし、そんな陽気な気分に浸っている彼に悲劇が訪れる。

「あーー!イライラする!!くっそぉ!!!アイツ、今度あったらこれで…!!」

先ほど、昨夜に好きな様にやられた残庫は身体中に迸るイラつきを抑えながら戦極ドライバーを眺めていた。

だが…。

「おっ!?」

「きゃっ!?」

秋と残庫が有ろう事かぶつかってしまった。

「あぁん??!おぉい!テメェ…!どこ見て歩いてやがる!?」

「あわわっ!!」

残庫が鬼の形相をしながら、秋の胸ぐらを掴む。

「あ、親分!こいつ、七瀬秋っすよ!例のオカマの!」

「あぁ?七瀬ぇ?…どうでもいいわ!おい、ただではすまさねぇぞ!?来いっ!!」

「やだぁっ!!離してよ!!」

嫌がる秋を乱暴に二人の子分が押さえつけ、残庫が胸ぐらを掴んだまま、学校の裏口に出る。

その様子を…

「秋!…雄一を呼ばなきゃ!!」

 

 

 

 

 

 

「やだぁっ!!離してってば!!」

「うるせぇ!ガタガタ言うなこのオカマ野郎がよ!」

乱暴に突き飛ばし、木に叩きつける残庫。すると残庫は指をポキポキと鳴らし、秋を起こし上げる。

「あぁ!」

「おら?男なら、多少殴っても大丈夫だろ?…恨むなら、俺が機嫌の悪い時にぶつかってしまったテメェの不運を恨むんだなぁ!!」

「ひぃっ!!」

残庫はそう怒鳴り、大きく拳を振り上げ、思わず秋は目を瞑る。

だが、そんな時ヒーローが現れた。

「やめろっ!!」

「あぁん!?」

後ろから響く、そこ声に残庫は後ろを向く。

するとそこには、荒い息を吐いている雄一が立っていた。

「ゆ、雄一君!!」

「テメェ…七技か」

「あぁ…。夏から聞いてな。なぁアンタ、こんな事は止めろ。そいつは俺の大切な友達なんだ」

雄一はゆっくりと秋の方へ歩み寄りながらそう言うが、その前を子分二人がニヤつきながら立ちはだかる。

「何の真似だ?」

その行為に、雄一は顔をしかめ、声を震わせながら残庫に問いかける。

「へっ、こいつを助けたければ、俺とインベスゲームで勝つんだな」

「きゃっ!!」

そう言って残庫は、秋から乱暴にヒマワリロックシードを奪い取ってみせる。

「おい!……くそッ…」

雄一はヒマワリロックシードに手を伸ばす。が、戦力の拮抗するヒマワリロックシード同士で、三対一となれば、まず勝ち目は無い。

ならばと、雄一は戦極ドライバーとイヨカンロックシードを取り出す。

「あ!?お前もクラスAのロックシードを!?」

子分の一人が驚愕する。

「それにその黒いのは何だよ!!」

もう一人も、戦極ドライバーを指差して怒鳴る。

本来なら、イヨカンロックシードで片付けようとしようとした雄一だが、自身は今までインベスゲームは実はやった事が無く、クラスAの性能がどれ程の物か分かっていない以上、まだ経験のあるアーマードライダーの方が勝率が高いと踏んでいた。

「雄一君!もういいよ!早く逃げて!」

「いや!!…いい、俺が相手になってやる、勝って、秋を助ける!!…見せてやるよ!七色の奇跡を!!」

雄一はそう叫ぶと戦極ドライバーを腰に装着し、ロックシードを解錠した。

 

『イヨカン!』

 

「変身ッ!!」

 

『ソイヤッ!イヨカンアームズ!刀の覇道!オンザロード!!』

 

友を守るため、立ち上がる橙侍、アーマードライダー剣舞、ここに参上!

「何だ…!コイツは!!」

子分があまりの出来事に腰を抜かし、秋はただ呆然としている。

「…ゆう…いちくん…なの?」

「おう。俺はアーマードライダー剣舞だ」

「く、くそっ!やっちまえ!!」

子分と残庫がインベスを呼び出し、呼び出されたインベスが剣舞を取り囲んだ。

「…あん時の化け物に比べれば大した事ない」

「嘗めんな!!」

三体のインベスが交互に剣舞に襲いかかる。

しかし、そもそもの体格が違っては攻撃も当てる事ができず、剣舞は余裕の構えで避ける。

「ちょ、調子に乗ってんじゃねえぞ!!」

子分がロックシードを掲げて、インベスに攻撃指令を出すと剣舞はその二体のインベスの頭を鷲掴みにすると、投げ飛ばした。

「もう終わりにしよう。見苦しいだけだ」

静かに剣舞がそう言ってカッティングブレードを倒した。

 

『ソイヤッ!イヨカンスカッシュ!』

 

剣舞は飛びかかってくる三体のインベスを絶妙なタイミングで切り落とし、消滅させた。

そして、インベスゲームの勝利者となった剣舞に自動的に飛んできたロックシードが剣舞の手元に渡って来た。

「おっと。ほら、もう悪さしねえって言うならこれ返すよ」

しかし剣舞は返信を解き、受け止めたロックシードを子分に返し、秋の元まで近寄ると、震えている彼の手元にロックシードを握らせた。

「うぅっ…ゆ、雄一くん…」

「泣くなって、な?」

雄一が涙ぐんでいる秋の頭を優しく撫でてやると、秋はゆっくりと彼の胸に顔を埋める。

「……ははっ…」

その時、残庫が不敵に笑った。

「?…おい、アンタ。もう勝負はついた、二度と悪さしねえって言うなら今回は…」

「うるせぇ!!!!」

「ひいっ!!」

その怒鳴り声に秋は身体を飛び跳ねらせて、雄一の後ろに隠れる。

「勝負はついたぁ…?バカかテメェは…?俺にはなぁ?まだ隠し玉があるんだよぉ…」

残庫はそう言うと、懐から漆黒の鍵、戦極ドライバーを取り出した。

「…!戦極ドライバーだと!?…」

その黒い影に驚く雄一だが、同時に昨日の出来事を思い出していた。

そう、あの男と初めて会った時、天明高校の生徒が彼からロックシードとドライバーを受け取るところを…。

「もしかして…昨日、天樹さんと取引してたアイツだったのか…!」

あの時、顔がよく見えていなかったが、よく思い返してみれば、確かに体格は似ていた。

「ハハッ…見せてやるよ、俺の力をな!」

残庫はカクレミノの刻印が施されたロックシードを取り出し、ドライバーを腰に装着した。

その瞬間、ドライバーのフェイスプレートに新たなアーマードライダーのイニシャライズが入る。

「!」

「変身…!」

 

『カクレミノ!』

 

残庫の真上に開く裂け目から姿を現わす緑色の木の実を模した鋼鉄の鎧。

そして吹き鳴らされる法螺貝の待機音を遮る様にカッティングブレードを倒した。

 

『ソイヤッ!カクレミノアームズ!霧隠れ!忍者オブ!ホーク!!』

 

残庫は展開したカクレミノアームズを纏い、アーマードライダーへと姿を変える。

雲、霧、そして空をかける鷹の如くその短刀を振るう忍の名は、アーマードライダー鳶鷹 カクレミノアームズ!

「俺の名は…アーマードライダー!鳶高だぁっ!!」

鳶鷹がそう叫ぶと、高く飛び上がり、雄一の方へ向かう。不意を突かれた雄一は咄嗟にイヨカンロックシードを手に取り、解錠せんとするが…。

「っ!変しっ…!」

「遅えよ!!」

「っ!!」

鳶鷹が、変身前の雄一を殴り飛ばし、吹っ飛ばす。雄一は地面を転がりながらイヨカンロックシードを落としてしまった。

「雄一君っ!……きゃあっ!」

寄り添おうとした秋だが、鳶鷹の手にその細い首を掴まれ木に叩きつけられる。

「あぁっ…!はな…して…よっ!」

「うるせぇ…てめえの顔に傷の一つでも付けてやるよぉ…!」

鳶鷹はアームズウエポン、短刀の『隠刀』を構え、秋の顔に刃を向け、秋は恐怖から、その顔を涙で濡らす。

「ヤメロ…!やめろぉぉ!!」

痛む身体に鞭打って立ち上がった雄一は鳶鷹の方へ走り出した。

だが、その時…。

 

「甘いな。七技雄一」

「え…?」

裏門の陰から、謎の男の声が聞こえ、全員の視線がその男に向けられる。

「お、お前は!!」

雄一や鳶鷹はその姿を見て声を荒げる。

雄一は初めてアーマードライダーへ変身した時にその男の顔を、鳶鷹は完膚なきに叩きのめされた時にその顔を見た事があった。

「み、峰村…昨夜!!」

さすがの鳶鷹も動揺し始めるが、秋を放り出すと、その隠刀を昨夜に向けた。

「秋っ!」

雄一は震えてる秋に寄り添い、震える秋の体を撫でた。

そして、雄一は緊張状態の鳶鷹と昨夜の方を見る。

「…貴様は勝者であるにも関わらず、コイツらから奪った物を返した…」

「は…?」

「強さとは、奪い、踏み躙り、その強さを立てる。貴様の様な腰抜けにはその覚悟が足りない様だな」

昨夜はそう呟きながら、鳶鷹に近付く。

鳶鷹はアーマードライダーであるにも関わらず、昨夜から放たれる謎の気迫にその腕を震えさせていた。

「そして貴様も気に食わん。自身が弱者である事を他の弱者にぶつける事で強さを妄想するとは…見苦しい弱者だ」

「な、なんだどゴラァ!!今の俺はアーマードライダーだぞ!?テメェなんかイチコロだぞゴラァ!!」

そう粋がる鳶鷹に蔑みの視線を昨夜は送ると、あの漆黒の鍵を取り出した。

「!?…アイツも…戦極ドライバーを…!?」

「な、何で!!」

雄一も鳶鷹が驚愕する中、昨夜は鼻で笑うとそれを腰に装着し、グアバロックシードを取り出した。

「ふん、強さと言うの名の剣技、見るがいい…変身」

 

『グアバ!』

 

昨夜の頭上に現れるグアバを模した鋼鉄の果実。

全員の視線が昨夜に集まる中、昨夜はカッティングブレードを倒した。

 

『カモン!グアバアームズ!サムライ・オブ・ナイト!』

 

鋼鉄の果実が鎧へと変化すると、それは昨夜を覆い、異形へと変える。

黒のスーツに備え付けられたグアバアームズ、緑と赤の装甲にはえる、黄色い煌めきは星を彷彿させる。

弱き者を断じ、自らの強さを示そうとする夜に生きる侍の名は、アーマードライダー夜切 グアバアームズ!

「さ、三人目のアーマードライダーだと…!」

雄一はあまりの事にそれしか言葉が出ない、夜切はそれや、周囲の視線に対し、一切の動揺や関心を見せず、そのパルプアイ越しから放たれる視線は鳶鷹へと向けられていた。

「ふ、ふざけんなぁ!!!」

鳶鷹は隠刀を振りかざし、夜切に挑む。

「ふん」

夜切はグアバアームズ、アームズウエポンの刀、グアバサムードを構え、迎え撃った。

夜切のグアバサムードは、その星の光の如く素早い太刀を放つ事ができる。

よって、乱雑な鳶鷹の斬撃では夜切を捉える事は出来ない。

「ふっ…遅いな」

「なにっ…!?」

素早く間合いを詰め、懐でその刀を振るい、火花を散らす夜切。

「ぐあっ!」

地面を転がる鳶鷹、立ち上がるも、眼前にサムードの剣先が向けられる。

「っ…!」

「はぁっ!!」

それで怯んだ隙を逃さず、更に装甲に切り傷を入れる夜切、鳶鷹はまた倒れ込み、その戦意を更に削がれていく。

「ひ…ひいっ!」

思わず情け無い悲鳴を出してしまう鳶鷹、夜切はそれを見て、戦闘続行の必要無しと判断したのか、カッティングブレードに手を伸ばした。

 

『カモン!グアバスカッシュ!』

 

刀が赤、緑、白に光り、凄まじい気を纏う。

そして、剣を下から上へと撫でると、それを一気に鳶鷹に向けて放った。

「はぁっ!!」

「ぐぁぁぁぁぁぁあっ!!」

強烈な一閃が、カクレミノアームズを砕き、変身の解かれた残庫の身体を強く、木へ打ち付けさせた。

「がああぁぁっ!!!」

余りの痛みに暴れる残庫、二人の子分は腰を抜かしながらも、残庫の側により、痛みに悶える親分をそこから連れ出した。

「ふん。弱者めが…」

夜切はそう蔑むと、ゆっくりとロックシードのキャストパッドを閉じ、変身を解いた。

 

『ロックオフ!』

 

「お、お前…」

未だに唖然としている雄一はそのまま秋を支えたまま、咲夜に視線を向ける、すると咲夜は雄一の方を向き、言い放った。

「七技、これが俺とお前の差だ。いずれお前自身がそれを思い知る時が来るだろう」

咲夜はそう言い残すと、裏道の中にある林の中へ消えて行った。

「…一体何なんだよ…。にしてもこれ、ただのオモチャかと思ってたが…とんでもないものじゃないのか…?」

雄一はそう呟くと腰に付けられている戦極ドライバーを眺めた。

すると雄一の服の裾を強く掴む手が見えた。

「…秋。大丈夫か…?」

「うん…。でも……でもっ…とても…怖かった…!」

秋はまた泣きじゃくり始めたので、雄一は自身の痛みも収まるまで、その場へ座りこんだ…。

 

 

 

 

「なるほど、彼がこの世界での『奴』と言うことか…。しかし、この世界が向こうの世界と同じ運命を辿るとは、まだ決まったわけじゃない…」

謎の男は、その右手にクルミの意匠が表された錠前を握りしめながら、その場から離れた。

雄一達はまだ、この力の真の意味を知ってはいない…。

 

 




サラクとは、蛇の鱗のような表面からスネークフルーツとも呼ばれるそうです。
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