勇者「絶対に笑ってはいけない魔王討伐24時?」   作:めんぼー

1 / 8
気まぐれというか思いつきです


ここで待て

―目覚めなさい―

 

―目覚めるのです―

 

―そして、救うのです―

 

―世界を―

 

―~で―

 

 

「ん…んん~~~」

 

穏やかな朝の日差しが差し込む部屋で

伸びをしながら青年は目を覚ました

 

「夢…」

 

どうやら夢を見ていたようだ…内容は覚えていないが

 

ベッドから降りようと床に足をつけると

ひやりと冷たさが伝わってきた

立ち上がりふと、外を見に窓際へ寄った

空は青く雲ひとつ無い快晴で

町では人々が朝早くから行き交っていた

 

「いよいよか…」

 

母 「勇者~?起きたの?今日はお城へ行く大事な日でしょ~?」

 

居間から母親が声をかけてくる

 

勇者「起きてるよ~!すぐ準備します!」

 

と、返事をしてすぐに着替える

身なりも整え、これからしばらくは口に出来ない

母の料理に舌鼓を打ちに行った

 

母 「さ、たくさんお食べ」

勇者「ありがとう、いただきます」

 

朝食は色とりどりの新鮮な生野菜と川魚を塩で焼いた品々

魚の身を箸でほぐし、一切れ口へ運んでみる

 

咀嚼する、魚の味が口に広がり塩加減も調度よかった

野菜も口へ運ぶ

シャキシャキとした食感と瑞々しさが口の中で踊る

 

そんな調子で朝食を手早く、しかしじっくり味わいながら済まし

 

母 「とうとう旅立ちの日だねぇ…」

勇者「そうだね、でも大丈夫。仲間も一緒だし」

母 「あぁ、勇者…どうか元気に、無事に帰ってきてね」

勇者「はい、お母さんもお身体お大事に。それじゃ行ってきます」

母 「気をつけて行くんだよ!」

 

城へと向かう道中、町の人に声をかけられる

 

勇者、勇者くん、ゆうくん、ゆうちゃん

小さい頃から見知った仲である人達は皆声をかけてくれた

知らない人も勇者様等と呼んで話しかけてきた

様と呼ばれるのは、少し照れくさいが悪い気はしない

 

城の前まで行くと、3人の人影が見える

 

戦士と魔法使いと僧侶

この3人は一緒に旅をする仲間だった

 

―戦士―

明るくみんなを引っ張る筋肉質な男

よく笑い、よく泣き、よく怒り

感情をまっすぐにぶつけてくれる

 

―魔法使い―

赤い髪が栄える明るい女

少し気が強いが根はいい人だった

 

―僧侶―

気が弱い少女だが

芯は強く一度決めたら最後までやり通す人

 

 

勇者「おはよう」

戦士「おう、ようやく揃ったな」

魔法使い「それじゃ、行きましょ」

僧侶「き、緊張してきました…」

 

 

城の門をくぐ…りたいのだが

何か看板が立ててある

 

戦士「なんだぁ?」

魔法使い「何かしら、これ」

 

看板には

 

【勇者一行、ここで待て】の文字が

 

僧侶「なんでしょう…これ」

戦士「おいおい、これから王様に謁見だろう?」

魔法使い「でも門が閉じられたままだし、どの道動けないわよ?」

勇者「ここで待て…か。しばらく待ってみようか?」

戦士「勇者がそう言うならいいけどよ」

 

~5分後~

 

門が開かれ、中から一人の男が出てきた

この始まりの町の教会にいる神父その人であった

 

僧侶「神父様?」

戦士「門が開いたと思えば神父様か」

魔法使い「どういうこと?」

 

神父「どうもこうもないわ」

 

!?

 

僧侶「し、神父様…口調が…」

勇者「気のせいじゃ…」

 

神父「今日このおめでたい旅立ちの日の為にしょーもないお前らの案内役を掴まされた神父や、よろしくな」

 

戦士「ガラ悪ッ!」

魔法使い「口も悪いわ…こんな人だったかしら…?」

 

神父「これからお前らを城に案内するけどな、一個だけ言っとく事があるわ」

 

僧侶「嗚呼…神父様相当お疲れに…」

戦士「いや、これそういう問題じゃ…」

 

神父「ったくベラベラとしょーもないやっちゃでほんまに」

 

勇者「こわっ」

 

神父「ええか?この門をくぐったらそこから先、魔王を倒すまで絶対に笑ったらアカンで」

 

勇者「あの、なんでですか?」

神父「うるっさいわ言うとおりにしたらええんや」

勇者「あ、はい」

神父「因みに笑ったらペナルティーがまっとるからな、気ィつけろや」

  「ほな、いこか」

 

戦士「討伐が終わるまで笑っちゃいけないとか…」

魔法使い「なんでそんなよくわかんない事を…」

 

 勇者達 は 門を くぐった ! ▼

 

プアーン

 

勇者「何今の音」

魔法使い「さぁ…?間の抜けた音ね」

 

神父「わしの屁や」

 

戦士「そんなわけないだろwwwあ」

 

3人「あっ」

 

 

デデーン、戦士、アウトー

 

ガシャンガシャンガシャンガシャン

 

フルフェイスの兜を被った黒騎士が

目にも留まらぬ速さで駆け抜けてくる

 

戦士「えっなんだよおまえこっち来ん」

 

スッパァァァァァァン!!!!

 

戦士「アッー!!!!!!!」

 

勇者「うわっ」

僧侶「せ、戦士さんのお尻を…」

魔法使い「黒い騎士が棒でひっぱたいて行ったわね…」

 

黒騎士はその後走り去った

 

戦士「いってぇぇぇぇぇ」

神父「笑う度にペナルティーの意味わかったか?」

 

 

勇者達の笑いを堪える旅が

 

今、始まる

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。