蒼天英光譚   作:アマザケ01

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リリラと白髪の優男

自分とシルビアちゃんがモモディさんからの紹介で、ウルダハの街を出た先にある「ウルダハ操車庫」という場所ににいる、パパシャンという人物の元へと向かった。そこへ向かう途中の行く道々では草木はあまり目立つことなく、かといって生息していないというわけではない、砂漠の道を通ることとなった。

 

「それにしても暑いでゴワスねぇ。やっぱり水とかは必需品でゴワスかねぇ」

 

「アクアオーラいる?」

 

「……いや、結構でゴワス。おいどんもう水は持ってるでゴワスから」

 

そう言いながら、事前に準備しておいた水筒を掲げながら苦笑いを浮かばせる。余談ではあるが、移動にはチョコボキャレッジを使わせてもらった。

 

「あ、見えてきたみたいだよ。あそこがそうみたいだね」

 

シルビアちゃんが指を指した先には、鉄道が敷かれており、列車やトロッコなどが通れそうな線路があった。その線路を中心とし、周りには木材でできた幾つかの家々が建ち並んでいた。

 

自分とシルビアちゃんはキャレッジを止め、町中を歩き始めた。数分後、列車のホームのような場所にいる、小さな老人がそこには立っていたので話を聞くという結論に至った。

 

近づけば、その男性はその場であたふたと慌てふためきながら辺りをキョロキョロと見渡していた。

 

「失礼でゴワスが、パパシャンという人物を探しているのでゴワスが……」

 

「ぱ、パパシャンは私ではありますが、何かご用ですか? できるのであればまた今度色々とお話を伺いたく思いますが……」

 

「モモディさんのしょうかいでわたしたち来たんだけど、そのようすだと何かあったのかな?」

 

「モモディ殿の紹介ですと……? となるとあなた達は冒険者……お、折り入って頼みがあるのです、冒険者殿! 先ほど某家のリリラお嬢様という方がこちらにいらしたのですが、私が目を離した隙に居なくなってしまって……できるのであれば、一緒に探していただきたく思うのです!」

 

そう言いながら、パパシャンはあたふたと慌てふためきながらも視線をキョロキョロと様々な方向へと向けている。

 

「だってさ、どうするゴレくん。たすける?」

 

そう言いながら、シルビアちゃんはちらりとこちらへと視線を向ける。

 

「もちろんでゴワスよ。助けるに決まってるでゴワス」

 

こくっと頷きを返せば、パパシャンは満足そうに頷いた。

 

「ありがたい、恩に着ますぞ! 私達は北西方面へと騎士を向かわせました故、お二人は南東方面をお探しいただきたい!」

 

「わかったでゴワス。何かあればまた知らせるでゴワスよ」

 

そう言いながらもシルビアちゃんと目を合わせれば、二人同時にこくりと頷いた後、南西の方面へと足を向けて走り出した。

 

「そうは言っても、お嬢様がなんでこんなところにいるんでゴワスかね? それも護衛もかけずにフラフラと出かけるでゴワスかね、普通」

 

「さー、しるびあはよくわかんないや」

 

「そうでゴワスよねぇ……ん?」

 

苦笑いを浮かばせながらも走り続けていれば、小さな谷が出来ている場所があり、その中心に、ピンク色の布のようなもので頭を覆っているララフェルの後ろ姿を発見した。

 

「あれでゴワスかね……?」

 

「さー、声かけてみるといいんじゃない?」

 

「そうでゴワスね。おーい、そこにいるお方はリリラお嬢様で合ってるでゴワスか?」

 

後ろから近づきながらも声をかければ、そこにいた少女は小さくピクンと肩を震わせつつ、立ち上がってはこちらに振り向いて声を上げた。

 

「誰じゃ!」

 

「おいどん達は、パパシャンっていうお爺さんからリリラお嬢様を探してくるように頼まれた冒険者でゴワス。リリラお嬢様でゴワスか?」

 

「……うむ、わらわ……こほん、私がリリラである。私はもうすこしここにいるから、お主達だけで早くここから立ち去ると良い」

 

「いや、そう言われてもでゴワスけど……」

 

リリラお嬢様のその言葉にどうしようか、と考えていると

 

「こんなところにおられましたか、リリラお嬢様。探しましたよ」

 

そのような声が、自分達のさらに後ろから声が聞こえてきた。振り返ってみれば、白髪で少し身長の高い、優男というイメージがすぐに浮かんだ男性であった。

 

「お主も早く帰るのじゃ! 心配せずともそのうちに帰るのじゃ」

 

「そうはいきませんよ。このところ物騒ですし、何やらここは嫌な予感がします。さ、早くこちらに……」

 

そう言いながらも自分達の横を歩きながら通り抜け、リリラお嬢様のそばへと歩みよる。その時、突如として空から影が舞い降り、自分たちの眼の前へと飛翔してきた。その見た目からして、文献で読んだことのある、ガーゴイルと似ている姿をしていた。

 

「な、なんじゃ此奴は?」

 

「恐らくは、異界ヴォイドに棲むと言われている妖異の一種です。リリラお嬢様、下がっていてください」

 

そう言いながら、優男は一歩前へと足を踏み出す。

 

「君、手伝ってくれるかな? と言ってもやるしかないようだけれど……ね!」

 

そう男性が声を上げた直後、その妖異は自分たちに向かって、その鋭い爪で切り裂くかのようにと腕を大きく振り降ろして来た。

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