赤き正義の味方と禁忌教典   作:暁紅

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閑話:アリシアさんやっぱりアンタはスゲェよ

 

d_ o_ nさん、一つ一つ丁寧に誤字報告ありがとうございます。貴方様のおかげで前より読み易い文になりました。

心から感謝を申し上げます。

 

それとこの話をもって閑話を終了します。

─────────────────

2人が目を覚ました時には授業参観も後半に差し掛かり、外で魔術を使用して戦闘経験を積む実践系に移っていた。

 

アイリスフィールは2人が気絶している間にも一人映像録画機を止めておらず、ずっとシロウを写していた。

 

今日の授業では競技場を『荒地』の設定にしていて、足場はかなり悪く生徒と親も含め歩きづらそうにしている。

 

「私としてはこのような時がこないようにと思ってはいますが、生徒の皆様は魔術師です。魔術師であれば他者と戦う機会がないとは言いきれません」 【注】てにをはレベルですが……「~他者と戦う事がないとは~」等、代替表現を提案。不要であれば差し戻し下さい

 

いつものグレンを見ていれば背中がむず痒くてしかたのない、真面目な説明を聞く。

 

「本日は戦闘訓練用ゴーレムを相手に、魔術を使用しての戦闘訓練となります」

 

グレンは準備が万端の状態で停止しているゴーレムの肩を叩く。

 

「先生...ゴーレムの戦闘レベルはどれくらいですか?」

 

リンが恐る恐る手を挙げ質問する。

 

「そうですね...今回はレベル2でやりましょう」

 

ゴーレムのレベル2とは喧嘩慣れしたチンピラレベルだ。 【注】変換

レベル1だと一般的な成人男性。

レベル3だと途端に強さは跳ね上がり、帝国軍一般兵ほどある。

 

だが、生徒の一部はレベル2だと知るとブーイングを始める。

 

いつもならば渋々聞いているのだろうが、今日は親が来ている。親に少しでもカッコイイ姿を見せようとしているのだろう。

 

グレンは彼らの心も理解できる。だが、下手にレベルを上げると怪我をしかねない。だから合意は出来なかった。

 

それに便乗するようにアリシアが声を上げる。

 

「ゴーレムに危険は無いんですか?もし怪我をしてしまったら、どうしてくれるですかぁああ!!!」

「何かどっかで見た事が......まぁモンペには変わらねえか。はぁ...めんどくさ」

 

今はアリーと名乗っているアリシアに今回は安全だと説明を始めるも、なかなか納得してくれず、逆に他の親達も危ないの?と呟き始める。

 

グレンはまたため息を吐きながら生徒の親達に説明に四苦八苦する。

 

 

そんな中誰にもバレないようにコソコソと2人の生徒が移動していた。

 

「どうやってレベル上げるんだ?」

「確かここをこうやって...」

「何をしている?」

「「ひやぁっ!」」

 

カイとロッドはシロウの突然の声に驚いて、設定中の手を誤って動かしてしまう。

 

するとゴーレムの戦闘レベルは3に上がり、勝手に立ち上がり一番近くにいたカイとロッドに殴りかかる。

 

「「うわぁあああ!!」」

「リン、グレンを呼べ」

「ううん」

 

シロウは手元に夫婦剣を投影すると、ゴーレムの腕に上手く当てて直撃しないように逸らす。

 

「なにやってんだぁああ!!」

「「グレン先生...」」

「たくお前らは」

「グレンいい加減手を貸せ」

「シロウ、2人を頼むぞ」

「任せろ」

 

シロウが五秒から数え始め0と言い放つと、ゴーレムの腕に当てていた夫婦剣を離し、カイとロッドを抱えるその場から飛んで離れる。

 

グレンは高速で【グラビティ・コントロール】を三節で発動させると、振り下ろされるゴーレムの腕を躱しながら浮かび上がり、ゴーレムの頭に強烈なパンチを叩き込む。

 

殴ったグレンの腕からは骨が折れる音が鳴る。

 

それもそのはずだ、今のグレンは身体強化を行わず、素の状態で鉄の塊を殴ったのだ。シロウ以外であれば普通に折れる。

 

運が良かったのか、ゴーレムはその一撃で機能を停止し、倒れてから再び立ち上がる事は無かった。

 

 

 

 

 

 

 

「このバカがぁああ!!危険だからレベル上げるなって言ったよな!」

「ごめんなさい...」

「たく...怪我は無かったか?」

「俺達は大丈夫だけど、グレン先生の手が」

 

ロッドの言った通りグレンの手は見るだけで痛々しく紫色に腫れ上がっていた。

 

 

「別にこんなの平気だよ。それにこれなんかより、お前達の方が大事だからな」

「「先生...」」

 

グレンの痩せ我慢も限界が近づいてきたらしく、段々と顔が険しくなる。 【注】誤字です

それに気づいたルミアが急いで駆け寄り、治療魔術をかける。

 

その後も軽く一悶着あったが何も問題なく授業が終わった。

 

 

 

どうにかアリシアの正体もバレずに終わり、キリツグ達を見送るためにシロウは一緒に歩いていた。

 

アイリスフィールが馬車をつかまえアリシアと先に乗ると、キリツグはシロウにずっと持っていたアタッシュケースを渡す。 【注】脱字……と思います

 

「これは...まさか...」

「その通りだよ。今回はこれを渡すのも目的の一つだったんだ」

 

アタッシュケースを開けると、その中には20発の銃弾とキリツグが愛用しているトンプソン・コンテンダー。

 

そして特殊な雰囲気を纏っている、青と金の色が入り混じった鞘。

 

それらは全てここに来る前にシロウがキリツグへと注文していた物だった。

 

「これは起源弾だと分かるが、この鞘のような物は何だ?」

「それは所有者に強力な治癒を授ける古代魔術(エインシャント)がかかっている魔法遺産(アーティファクト)だよ。名前は全て遠き理想郷(アヴァロン)

 

キリツグは随分と簡単に言ってのけているが、基本魔法遺産(アーティファクト)など持っていれば他人に渡す何てしない。

 

それをキリツグはシロウに普通に差し出した。

 

ここまで来ると只の親バカではないような気がしてくる。

 

シロウは断ろうとしたが、将来的にかなりの強者と戦う可能性があるので、貰えるものは貰おうと三つとも受け取った。

 

 

それを満足そうに見るとキリツグは何も言わずに馬車に乗る。

 

この2人には別れの言葉など必要ないようだ......

 

 

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「はぁエルミアナァァ......可愛かった......アイリさん写真は」

「えっと...これで良かったのかしら?」

「それであってるよ」

 

アイリスフィールは恐る恐るボタンを数回押すと、大きな機械的な音が鳴りエルミアナの映し出された写真が出てくる。 【注】脱字……と思います

 

それも数枚に留まらず、百枚程出てきていた。

 

それを大事そうに一枚一枚確認し、折れないようにケースへと丁寧にいれる。

 

「良かったのキリツグ?」

「ふぅ......まぁね。きっとシロウはアレを上手く使えるはずだよ」

 

僕は使えなかったからねと、肩をすくめて笑う。

 

キリツグは全て遠き理想郷を使おうとしたが、何故か反応せず全く使えなかったのでシロウに渡したのだ。

 

シロウも使えなければ元も子もないのだが、何故か使えると確証のない自信があった。

 

そして、キリツグ達はアリシアをバレないように王室に戻すと、可愛い娘達の待つ家へと帰宅する。

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