翌日校門の前にマスコミが押し寄せていた。
オールマイトが教師に就任したことに対する取材なんだろう。オールマイトの知名度は知ってたっちゃ知ってたが、物凄い邪魔だ。
門以外からの出入りは無理なので仕方なく通り過ぎようとしたときに俺も質問攻めにあったが「知ら管」と答えて通った。
他生徒も質問攻めにあっており、しつこすぎるとマスコミも敵と変わらないような気がする。
マスコミの中に昔見かけた手をいっぱいつけた人がいて目が合ったが、『マスコミ』にしては変だったし、もしかしてオールマイトのファンなのかな。
朝のHRの際、出久と勝己が相澤先生から昨日の戦闘訓練の事を注意された。というか俺の前後の二人問題多すぎるだろ。そのうち俺もオセロみたいに問題児扱いされないよね?・・・・されないよね?
相澤先生からクラスの学級委員長を決めるよう指示され全員が手を上げる。集団を導くヒーローの素地を鍛えられる役だからだ。俺は人を引っ張るのには向いてないし、適任がいるだろうと考え、辞退させて頂いた。
途中飯田が皆に『ここは投票で決めるべき』と発案したが、口とは裏腹に彼の手はそびえ立っていた。
自分もやりたい、だが平等で行うべきだという思いが両方まぜこぜになった結果だろうが・・・・こいつ実は真面目なバカなんじゃないか?結局投票で出久が委員長、副委員長に八百万に決まった。
勝己はまたも出久に敗けたことに震えていたが範太の「まー、おめぇに入れるよかわかるけどな!」の一言に「分かる」と隣で俺も頷いた。
発案者である飯田は飯田で別の人間に入れたらしく(本当何がしたいんだ?)膝を突き項垂れていた。因みに俺は飯田に入れた。だってアイツ委員長らしくない?
昼休みの際、鋭児郎と電気達から「一緒に昼飯食わねぇ?」と誘われたので、デュエル飯持参でご同行させて頂く。一応勝己も誘ってみたが予想通り返答すらせずどっかに行った。
食堂で「お前と緑谷と爆豪が同中?にしては仲悪くね?」と聞かれたので「いや、出久は従兄弟で、中学までは勝己が襲撃する側で俺がされる側だったな。」と答えたら「マジでどういう関係!?」と全員に突っ込まれた。しょうがないね、事実だから。出久とは友達でもあるが、じゃあ勝己とは?と聞かれると返答に困る。
その時突然なったデカい警報音に耳が一瞬遠くなり、食堂が騒然とする。
周囲の誰かが「学校のセキュリティが破られた!」「誰かが侵入してきたんだ!」と叫び一気に場が混乱し我先にと外へ出ようとする。あまりの勢いに俺達も人波に流されてしまう。
流れに逆らえず、かといって身動きすら取れないまま電気たちとは離れてしまった。マジかよ、これヤバくない?
この危機を脱するに相応しいカードなど都合よくある筈も無く、身動きが取れないままでいると、視界の端で何かが人ごみの上へ飛び出し、非常口上の壁に叩き付けられた。
アイエエエエエ!?飯田!?飯田がなぜあそこに!?まさか自力でこの人込みから脱出を!?
非常口マークの様な体勢で飯田は大声で、ただのマスコミです、落ち着いて雄英に相応しい行動を心掛ける様に皆に声を掛ける。
彼の行動に皆は(唖然とし)冷静を取り戻し、食堂はゆっくりと平静になっていった。
俺も電気たちと合流でき、人ごみに揉まれてボロボロの出久を見つけだし、本当に校内に侵入していたマスコミは警察の到着により撤退。
ようやく事態が収束した。
その後の委員決めの際、出久は委員長の座をあの事態を収束させた飯田に譲り渡したいと主張し、俺達も出久の案に賛成する。
とどのつまり、あの食堂の混乱を収めた手腕に俺達も飯田を委員長に推した。
皆からの推薦により飯田はめでたく委員長に就任し本日の授業は終わった。
そういえばあのセキュリティ、厳重って入学パンフレットに書いてあったけどマスコミの中にそのセキュリティを割って入れる”個性”を持ってる奴でもいたんだろうか?
そうだとしたらマジで危ない話である。貴重品と特にデッキ達を盗まれないよう気を付けとかねば。