俺達の満足はこれからだ!
そういえば昨日下校する際にセキュリティの所を通ったが、青いビニールシートが張られていて首を傾げた。昨日のマスコミ騒動でぶっ壊れたんだろうか?
ともかく今回のヒーロー基礎学はオールマイトと相澤先生、それともう一人の三人体制で行う演習で、学校の施設内にある疑似災害ルームでの人命救助訓練らしい。
・・・訓練かぁ、俺の”個性”は”対人”戦闘だと問題多すぎるから人命救助訓練は応用の幅を広げられるといいなぁ。
今回の訓練はコスチュームの着用自由なので遠慮なく着て、メインの”HERO”をディスクにセットし、その他のデッキをホルダーと、コート裏のデッキケースに全部入れる。人命救助用のデッキとか発見できるかもしれないし。デザインに手を抜いた分、サポート会社が力を入れて特殊加工したこのコスチュームは動きを阻害せず、尚且つ”カード”を取り零したり何かの拍子で落ちないように設計されている為中々便利である。
訓練場にはバスで移動するので乗り場へ向かうと既に飯田がフルスロットルだった。委員長に就任したせいで尚更力が入ってる気がする。だが彼の努力も空しく結局各々自由に席に座り訓練所に出発した。良くも悪くも”個性的”だもんな、このクラス。
俺も適当に席に座って窓の外みてたら唐突に鋭児郎に「お前の個性も中々人気でそうだよな!ホラ色々呼べる個性だし!」と話を振られた。
「そうか?結構使い勝手悪いぞこの”個性”。」「でも子供とかに人気でそう!」芦戸の言葉に、確かに『いつかE・HEROの戦隊とか作ってみたいな』と考えてしまった。『融合』も定番の『合体』として受けそうだし。
因みにネオスはその案の中にはいない。彼にはウル〇ラマン枠として一人で出てもらおう。『!?』
「まぁでも派手で強えっつったらやっぱ轟と爆豪だな。」「爆豪ちゃんはキレてばっかりだから人気でなさそ」「んだとコラ出すわ!!」
キレた勝己を蛙吹がホレ見ろと言わんばかりに指を指す。いや、絶対無理だろ。人気出したいならまずその短気を治・・・・やっぱり治さなくていいな。治されたらそれはそれで不気味だ。
だが電気の「クソを下水で煮込んだような性格」という勝己への評価は吹いた。流石に騒がしすぎて相澤先生に注意されてしまったが俺は中々満足した。
着いて出た感想は『完全にUSJ』だった。え?だってこれ・・・・え?
オールマイト先生は授業に遅れるらしく、
今回の指導担当ヒーローの13号先生が授業の初めに「あらゆる事故や災害を想定してつくった
演習を始める前に13号先生から己の”個性”『ブラックホール』を混ぜての真剣で重みのあるお言葉を頂いた。
現在の超人社会は個性の使用を厳しく規制することで成り立っているように見えるが、一歩間違えれば人を容易に殺せる個性となる。
自分たちが”いきすぎた個性”を持ってることを忘れず、人命の為に己の”個性”を使うかを学んでいき、自分達の”個性”は人を傷つけるのではなく救ける為にあると心得て帰ってくださいな。
ブラボー!おお・・・ブラボー!!
13号先生の言葉に拍手を送り、感動していた時、
「一かたまりになって動くな!!!!!13号!!生徒を守れ!!」
「え?」
相澤先生の声に振り返ると自分達の下にある噴水広場から黒い靄が広がりそこから次々と人が現れてきた。
ここは雄英施設内だがどう見てもアレ等は今まで見たヒーローとかそういうものの逆だ。
「なんだありゃ!?また入試の時みたいなもう始まってるパターン?」「…いや、あれって」「動くなあれは敵だ!!!!!」
マジかよ!昨日もマスコミにセキュリティ突破されたのに昨日の今日とか・・・
・・・ん?
皆が敵に身構え、騒ぐ中、敵の中央に『掌の人』を見つけて動きが止まる。
・・・・ちょっと待って、あの『掌の人』なんでここにいるの?
いや違う、冷静に、思い出して考えろ。昨日セキュリティゲートに
・・・・もしかして、昨日のあのゲートを壊す何かしらの個性の持ち主だとしたら?あのゲートを壊したのはあの『掌の人』か?
だとしたら昨日の今日で現れた理由は何だ?轟の言う通り用意周到に隠されているんだろうが、なんで多数の敵を引き連れてこの”雄英”、もっというと”なんでこの演習場にピンポイントで現れた”?侵入するならあのゲートを壊せるはずだ。このタイミングで、この場所じゃないとだめなのか?
疑問に思う中、階段の下へ飛び出した相澤先生に我に返り、13号先生の指示により1-A全員が退避させられる。相澤先生が時間を稼いでいるのに踏みとどまる出久を引っ張り外へ向かうが、その直前俺達の前に先程の黒い靄を纏った敵が現れる。
俺は素早く【E・HEROネクロダークマン】を召喚した。
「初めまして、我々は敵連合。僭越ながら…この度ヒーローの巣窟雄英高校に入らせて頂いたのは平和の象徴オールマイトに息絶えて頂きたいと思ってのことでして」
「手加減するな」
いち早く反応をした勝己と鋭児郎もネクロダークマンと一緒に靄敵に攻撃を仕掛けたが、「危ない危ない・・・」彼らの攻撃は当たることなくすり抜けるのみ。うわ、俺こういう敵向いてねぇな。
靄の男は俺たち全員を覆うように靄を拡げて呑み込む。その拍子に思わず出久の手を掴んでいた手を放してしまった。
急に感じた浮遊感に目を開けると真下に広がる瓦礫の山。流石に落下で死にたくないぃ!慌てて【E・HEROエアーマン】召喚して飛行する彼に掴まりボロッボロのビルの上に下ろしてもらった途端飛んでくる飛び道具。
二人揃ってすぐさま避けた。っていうかあぶねぇな!!俺が決闘者じゃなかったら死んでたぞ!!?(?)
周囲を見ると瓦礫の影からわらわらと出てくる敵敵敵敵・・・見事に囲まれていた。てか俺一人かよ!あの靄野郎殺意高すぎぃ!しかも【ネクロダークマン】が俺とは別の場所に飛ばされたから《除外》扱いになってるし!
こんな多数対1とか鋭児郎じゃないが男らしくねぇぜ!
更にかなり遠いところに皆バラバラに分散させられたため、誰も増援には来ないだろうと予測される。しかも敵の狙いはオールマイト、広場の大人数は相澤先生が戦って抑えているし、警報機はまだ鳴ってないから学校側はまだ敵連合が侵入したことに気付いてない。絶望的な状況である。
・・・だったらここで満足するしかないじゃないか・・・・
デュエルディスクへデッキをセットした俺を【エアーマン】がなんとも言えない顔で見て帰ってたのをスルーして、一回言ってみたかったこのセリフ。
「さあ・・・俺を満足させてくれよ!」