「撤回はしないが、クラス巻き込んでしまって正直すまんかった」『ゆ゛ る゛ さ゛ ん゛!!』
ブーイングを受けながらクラスに戻ると全員ブチ切れられて手厚い()歓迎を頂いた。ごめんって。
そして早速予選の第一種目『障害物競走』が発表された。計11クラスでの総合レース。コースはスタジアムの外周4Km。
順番など関係なく、早速全員が位置に着き、気を張り巡らせる。
3、
2、
1、
『スターーーート!!!!』
スタート地点に近かったメンバーが既に怒涛の勢いでに出発して、後の人間がつっかえていく。遥か前方で轟がスタート地点を凍らせ、ソレを次々とA組が追走するが俺のスタート位置は最後尾で被害は無い。周囲の生徒たちがジロジロと不審な目つきで見ていく。
正直前方に俺が居たらモンスター召喚した際に妨害と見なされそうだから、この位置がちょうどいい。
待ちに待った特訓の成果を見せる時!選ばれたのは『RR』だ!!
一気に手札を引き胸を躍らせる。どれどれ一枚目は………【手札抹殺】…?こんなカード『RR』に入れた覚えは…
暗黒界の方々 \主の晴れ舞台と聞いて/
…あえて言わせて頂こう、
「どう…いう…ことだッッ…!!?」
まるで意味が分からんぞ!!!!(心からの叫び)
なんでや!前のページで『変なデッキ使えねーわ』とか言ってたじゃん!?フラグ回収乙!!全国放送で暗黒界とか受難過ぎるだろ!?しかも三積みしたおかげで初手に『グラファ』があるし!!
どうやら駄弁ってよく確認せずにとったのが原因だった。周囲は既に俺一人で完全に出遅れた。『おおっと!さっき堂々と宣誓かました札戯何故かスタート地点で棒立ちしてんぞ!?』おいやめろミザエル俺の傷を抉るな!!……もう四の五の言ってはいられない。覚悟を決めて「【手札抹殺】!!」
【ベージ】【死のデッキ破壊ウィルス】【グラファ】【魔のデッキ破壊ウイルス】を墓地(ポケット)に送り枚数分ドロー。…なんか手札にガチで危ないカードがあったような…。ともかくココからはハイスピードでお送りする。スタート地点近くの植木を『グラファ』の効果で破壊(森林破壊ダメ絶対)【ベージ】を戻し【グラファ】を特殊召喚する。流石『龍神』でけぇ。【グラファ】の手助けで背に乗り命令を下す。
「思いっきり飛ばせボス!!…お前デカいからちゃんと高いとこ飛べよ!!」
『グラファ』は咆哮を上げて黒い両翼で羽ばたいた【グラファ】を見て絶叫を上げる生徒達を高笑いしながら置いてけぼりにして【グラファ】は遠慮なく飛ばす飛ばす。
『おおおおおおおおッ!!!?ココで怒涛の追い上げを見せる札戯!!つーかなんだあの化けモン!!?こッッわッ!!!ラスボス感パネェ!!』「いるんだよなぁOCGには!これ以上のラスボスが!!」
下で「「「「「「「札戯(君)ッッ!!!?」」」」」」」と驚愕の声を上げるクラスメイト達を通り過ぎ、妨害する仮想敵へ「全速前進DA!」と放てば【グラファ】は両腕を力強く振り払い、多数を一気に薙ぎ払う。
流石暗黒界の新顔ボス!!そこにシビれる!あこがれるゥ!カラレス?知らん、俺の管轄外だ。
途中目が合った轟と勝己が物凄い形相で此方を見て来た。…見なかったことにした。
『スロースタートした札戯が悪魔を従わせて再登場!!トップへ躍り出た!!喜べマスメディア!!お前等好みの展開だああ!!』
第二関門は『ザ・フォール』。落ちたら即アウト終わりの谷。綱を渡って行くのが常套手段だが、飛行している【グラファ】には関係ない。
だが、
「俺より出張ってんじゃねぇ!!!!クソナード!!!!!!」
背後からやってきた巨大なの爆音と罵声に振り返ると、悪鬼の面した勝己が両手を爆破させ俺より上空に飛んでいた。反射的にカードフレームだけを確認して頭上に召喚する。俺の頭上に【メタモルポット】が召喚された。
勝己は急降下し、爆破で威力を上げた踵落としを【メタポ】に落とす。「、げ、」その一撃で目を回した【メタポ】が俺の上に圧し掛かって来た。い、意外に重い!!潰れる!!
【メタポ】の重さでバランスを崩した俺は【グラファ】の背から滑り落ちた。勝己はそのまま俺達を抜き去る。
「どんな身体能力してんだアイツ!!!」
呪詛の言葉を吐きながらすぐさま命令を下す。
「ッ、やべッ、グラファ!!」
【グラファ】は俺を多少乱暴に救い上げたがそのままバランスを崩す。
参加者の多数は既に第三関門に差し掛かっていた。
置いてけぼりとなった途端思い出される自身の宣誓
――キング(になるの)は一人、この俺だ!!―
「……フッ、キングの決闘はエンターティメントでなければならない…!!」
引き直したカードを見てカン☆コーン!と頭が閃いた。
――――――――
戦闘では既にゴール目前まで差し掛かっており、爆豪と轟が首位の争いを繰り広げ、それに生徒たちが食い下がる。
『またもここで先頭がかわったーー!!一体誰が一位に・・・・ってんン!?なんだありゃあァ!?』
「「「「「「「「「「うわああああああああああァァァァッッ!!!!!!!!??」」」」」」」」」」
「 た だ い ま 」
両脇に飛行する二体の龍神を従わせ、自身も飛行する魔神に乗り現れた男。参加者や観客、MCすら置いてけぼりにして現れた決闘者は高笑いしながら宣言する。
「凡人どもよ!心に刻め!キング・オブ・キングの、三歩先を行く決闘を!
発動、【暗黒界の雷】ィ!!」
後にそれを見てしまった人間達は語る。「まさしく地獄の光景だった」、と。
雲すらない青天だった筈の空から黒い雷が地雷原に落ち、雷は地雷原を一気に伝い、作動する。威力、音共に小規模の地雷だったが、如何せん数が多すぎた。
「キングは一人!この俺だ!!」
BOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOM!!!!!!!!!!!!!!!!
『ここで札戯が猛追ーーーー!?なんか、あれだな、もう…あいつ暴君みてぇだな!!!』
「魔法カード消費1枚でこれだよ(真顔)」
【雷】一枚でこの大惨事。札戯自身ドヤ顔でやっといて見なかったことにした。
爆風と爆炎を背にトップへ舞い戻った札戯、だが視界の端で、見慣れた人物が自身の頭上から彼を追い越した。
「出久ッ…!?なッ!!?」
咄嗟の判断でプレートを盾に爆風に乗ってやってきた出久は、続けて【レイン】の頭へプレートを叩き付け、そのまま一気に前へ躍り出る。
出久を捕まえようとした両脇の【グラファ】は、その巨碗では捕まえられずすり抜けられ、札戯が乗っていた【レイン】は前方を塞がれ他2体の腕に激突した。
これ以上はタイムロスと判断した札戯は飛び降りてそのまま走り出す。
『緑谷間髪入れず暴君を妨害!!そして暴君の策を即クリア!!イレイザーヘッドお前のクラスすげぇな!!どういう教育してんだ!』
「俺は何もしてねぇよ。奴等が勝手に火ィつけ合ってんだろう」
『サァサァ、序盤の展開から誰が予想できた!?「無視か」今一番にスタジアムへ還ってきたその男――…
緑谷出久の存在を!!』
出久に続き、札戯、轟、爆轟と次々とゴールへ続いて行った。
―――――――――
「クソ、油断した…!」
”個性”を解除し、激しく呼吸する自分の身体を落ち着かせる。短距離とはいえタイムロスした挙句全速力で走った結果がこれだ。調子乗って三体も召喚するんじゃなかった…。ミッドナイトが1位から42位が予選通過とし、順位を発表される。
2位、と表示される自分の名前の悔しさに歯噛みした。
アニメとカードイラストに一応翼あったけど巨体のグラファとレインは果たして飛べるのか、という純粋な疑問。
セルリ「僭越ながら私も追走しておりました。」