緩い感じの『プレゼント・マイク』の声にカードをセットし一気に走り出す。が、なんでか他受験者達は未だスタートしない。…え?今スタートって言ったよな…?
『どうしたあ!?実戦じゃカウントなんざねぇんだよ!!…ってもう一人始めてんじゃねぇか!!続け続け!!賽は投げられてんぞ!?』
…あ、なんだ反応できなかっただけだったのか…。
早速融合召喚を含めて複数召喚し指示を出しつつ、目に見える範囲の仮想敵を撃破し、取り零した敵を魔法罠で除去。若しくは動きを止めてからHEROで止めを刺し行動不能にしていく。人ではなく仮想敵なので遠慮はしない。
試験開始5分超えてからポイント数えてないけど、まぁ大小構わず結構な数倒していってるからいいだろう。
…いや、てかなんか最初から派手に動き過ぎたせいで俺と”HERO”中心に仮想敵集中してない?途中から団体かよ!!ってレベルで受験者も俺の周辺に固り始めて仮想敵も襲ってくるんだけど!?なんだよ、何見てんだよ!?
他の受験者を振り切る為、【フレイムウィングマン】の背に乗り、10階建てのビルの屋上からまだ生きている仮想敵を探しだす。
――BOOOOOOOM!!
突然の轟音と共にビルを破壊しつつ現れた巨大な仮想敵…0Pのお邪魔虫の登場にビビる。ゴ〇ラ並みじゃねーか!!
だが近くから聞こえてきた悲鳴に我に返る。下を見ると先程まで固まっていた受験者達が0Pの仮想敵を前に腰を抜かしていた。
そこへ容赦無く行われようとする追撃に
「【魔法の筒】!」
大きく振り上げた仮想敵の腕が、受験者達の前に現れた筒に吸い込まれ、全く別の方から現れ向かって来た自身の腕に仮想敵はバランスを崩す。「そこの受験者!早く逃げろ!!」
俺の怒鳴り声に受験者達は慌てて立ち上がり、一目散に逃げていく。だがそのせいで仮想敵は『俺達』に完全に標的を変えた。これは、マズイか…?
だが撤退しようとした俺と構えた”HERO”達を制した【フレイムウィングマン】に、ハッとして俺は不敵に笑う。「…こんな所で逃げちゃ本物のヒーローになれないよな。」『彼ら』はその言葉に頷いた。天高く飛び立った【フレイムウィングマン】を目掛け、おおきく振りかぶった仮想敵。
「どんな敵だろうがHEROは必ず勝つ!!そうだろ!?
【H-ヒートハート】発動!」
【フレイムウィングマン】の全身を激しい炎が包みこむ。
「焼き尽くせ!!フレイムシュートッ!」
勢いよく放たれた巨大な炎は、一気に仮想敵の巨体を包み、
――THOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOM!!!!
大爆発を巻き起こした。「・・・・あ。」当然ほぼ目の前にいた俺も爆風で吹き飛ばされ、ビルから足を踏み外してしまう。「ほわあああぁぁぁぁぁぁッッッ!?」絶叫を上げ落下する俺を、慌てて飛んできた【フレイムウィングマン】がキャッチし、地面に下す。俺以外にも落下した飛べないHEROも【エアーマン】達に拾われた。
し、死ぬかと思った…!!!
激しい動悸と息切れを起こし、背中を撫でられながらorz状態の俺とそこに流される試験終了の放送。HERO達に礼を言って”終了宣言”しドッと襲って来た疲労。
かくして俺の実技試験は終わった。
――――――――――
「実技総合成績が結果が出ました」
救助P0、敵P77で合格となったタフネスの賜物、敵0P、救助P60で7位となった合格者、と粒ぞろいの実力者の中で一際目立つ合格者の映像。
次々とあの手この手とモンスターを喚び出し、妙計奇策で仮想敵を迎撃し続ける受験者。
「しっかし、0Pをブッ倒すレベルの奴含めて複数使役してる上に、そいつ等を指揮する統括力、状況を把握する情報力。一貫して冷静でいられる判断力。精神のみだけ見るなら並のヒーロー以上だ。」
「敵P56、0P出現の際に受験者達を助けた救助活動P65、計112P、筆記も上等!こりゃ文句なしだろ!!」
「(…たく、わいわいと…)」
―――――――――
一週間後。
雄英から送られた封筒を開けると『私が投映された!!!』「…ファッ!?」机の上にオールマイトが投映された。ど、どんなところに技術注いでんだ雄英…!…まさかソリットビジョンも可能では…!?ワクワクを思い出した俺を置いて、オールマイトは俺に合格だと告げる。
『敵P,救助P共に申し分なし!!
札戯少年、君はヒーローに成れる素質を持っている!雄英にて待っているぞ!!』
ニカッ!!と笑ったオールマイトに、「…此方こそよろしくお願いしゃっす!」と映像なのに頭を下げた。
Q.ヒートハート要るか?→A.作者の演出です。