4月25日。月曜日。
どうやら文化部の募集が始まったらしい。演劇部と吹奏楽部が募集しているそうだ。
「……え」
朝のHR前。僕は椅子に座って数分後驚きの声をある人物に向かって言った。後ろの人、と言えばわかるだろう。鳴上悠だ。
「一応訊こう。何で僕に?」
花村とか里中……いや里中は運動系の方が似合ってる。
「じゃあ逆に訊く。花村も文化系が似合うと思うか?」
「思わないな」
「おいっ」
あ。聞こえていたようだ。花村がこちらに来る。
「おはよう。花村」
「相棒おはよう……じゃなくて。俺だって出来るよ? 似合うよ? 文化部」
「そう」
「有里もっと興味もって!?」
花村がそう軽く叫ぶが僕には特に関係ない。僕は鳴上に話を戻すよう言う。
「鳴上。もう一度言って」
「一緒に吹奏楽部に入ろう」
何でそうなった。
鳴上は吹奏楽部に入ろうと思ったが何なら誰かと一緒に入った方が楽しいかと思い僕を誘ったらしい。
「別に部活出る日は合わせなくてもいいから。頼む」
僕は花村をチラリと見る。「俺知らね」とでも言うように目線をそらす。少し苛立ったから消ゴムを花村に向かって投げた。
「いてっ」
「あ、手が滑った」
「わざとだろ」
「うん」
ここでチャイムが鳴った。「考えておいてくれ」と鳴上に言われた。リーダーの頼みだからたまには真面目に考えようと試みることにした。
◇◇◇
「いいよ。入る」
「ありがとう」
僕と鳴上は音楽室に行った。部員に挨拶したあと、今日は見学して終わりになった。
「……手伝おうか」
「え、あ。ありがとうございます」
僕と鳴上は一年の女子の片付けの手伝いをした。名前は「
「手伝ってくれてありがとうございました。これからよろしくお願いします」
「こちらこそ」
「よろしく」
ーー新たなコミュニティ。「太陽:松永綾音コミュ1」
◇◇◇
4月26日。火曜日。
今日の夜から29日まで雨が降るらしい。そろそろマヨナカテレビの確認もしないといけないだろう。今日は特に何もせず、何も起きなかった。
◇◇◇
4月27日。水曜日。
放課後。鮫川河川敷。
今日は一日中雨が降っていた。川の流れを見ながら歩いていると急に声が聞こえた。周りに誰もいないことから僕に向かって言っていることがすぐに分かった。
「ちょっ! ちょっと傘入れてーっ!!」
「……っ!!」
聞き覚えがかなりある声と共に一人の女性が傘に入ってきた。その女性は屋根のあるところを見つけるとそこまでお願いと頼んできた。僕はゆっくりと歩く。
到着すると女性はバックからタオルを取り出して濡れたところを拭く。傘を持ってない少女に渡してしまったとか。
「ホントありがとね~。こどもに傘を渡したのはいいケドそれで私が風邪ひいたらどうするのって話よねぇ……」
「……あの。名前訊いても、いい?」
「ん? いいよ。入れてくれたお礼だと思えば安いしね。……私の名前は「
「一応。知り合いが好きだから」
「よかった……。今ここら辺で撮影してるの。結構長い撮影でね。“今年はずっといる”んじゃないかな」
二年前からとても成長してる。身長だったり精神もそう。順平と同じく大人になってる。
ちなみにフェザーマン見てるのは完全に天田の影響かも。ゆかりがフェザーピンクやっているのも知ってた。見てるからね。けど撮影で八十稲羽来てるのは驚いた。
「そうだ! 今度見に来る? 君、私の知り合いに雰囲気が似てるって言うか? ミステリアスな感じなのよねぇ。それに傘のお礼」
「いいの?」
「うん!」
知り合いに雰囲気が似てるって……順平にも言われたな。そんなに似てるかな?
今度、撮影を見学させてもらう約束をした。とても嬉しかった。なにげに僕もハマったのかな? フェザーマン。
「じゃあ電話番号とメルアド。それと名前教えて」
「僕の名前は……有里湊」
「うん。よろしく、有里くん」
やっぱり、昔の仲間に会えるのは嬉しいよな。今も楽しいけど、やっぱり命がけで戦ったからかな? これからも戦うことになるけれど。
この調子で他のみんなとも出会えるといいな。
ーー新たなコミュニティ。「悪魔:岳羽ゆかりコミュ1」
◇◇◇
4月28日。木曜日。
「いらっしゃいアルー!」
「肉丼一つ」
「あいヨー!!」
「愛屋」によった。お腹へったしジュネス行くの面倒だし、それに暇。夜ごはんと暇潰しを兼ねて来た。
カウンターの席に座りふと隣を見た。大盛りの雨の日限定「スペシャル肉丼」を食べている男性だった。そこまではよかった。問題が一つ、いやかなりあった。
「あの」
「ん? 何だ?」
「何故、“マント姿で上半身裸”なんですか?」
顔見て驚いたが正直順平やゆかり程ではなかった。むしろ衝撃が小さすぎた。何故だか納得してしまったのだ。目の前にいるのはかつて一緒に戦った「
「少し前まで大学を休んで外国に修行に行っていたんだ。この町には雨の日限定の肉丼があると聞いてな。一旦帰国することにしたんだ」
「いや大学行ってくださいよ。もうかなり筋肉あるじゃないですか」
「いいや。まだまだ足りんのだ」
「そうですか」
「お待たせー 肉丼一つアルー!」
肉丼きたので僕も食べることにした。真田先輩はもくもくとスペシャル肉丼を食べている。するとふと真田先輩が僕に訊いてきた。
「最近、不可解な事件が起きてるらしいな。それとマヨナカテレビ……だったか? おまえは何か知らないか?」
この真田先輩の真剣な表情。もしかして美鶴先輩辺りが何か組織とか作った? まぁどうでもいいけど。……でも真田先輩たちにはこっちの事件には踏み込んでほしくない。
これは、僕たちの解決すべき事件だと思うから。
「……何も知らなくていいと思いますよ。“真田先輩”」
だからと言って何も知らせないのはアレなのでは? と思ったのであるキーワードだけ言おうと思う。
「何故俺の名前を知っている?」
「これは警察じゃ解決出来ない。何故なら“シャドウ関連”だから」
「まさかおまえ……」
「これは僕たちが解決すべき事件だと思うから、あなたたちは踏み込んでほしくない」
小声で会話したから周りの人には聞こえていないと思うけど、少し心配。でも、これで僕がペルソナ使いだということは分かってもらえただろうか。
「ふっ。そうか。覚悟はあるようだな。別に構わん。どうせ俺はまた修行に戻るからな」
「いやだから大学行ってくださいよ」
真田先輩は会計を済ませると僕の肩に手をポンと置き、一言行って去っていった。
「頑張れよ」
ただ、それだけだった。
◇◇◇
4月29日。金曜日。
今日を過ぎれば霧が出る。今夜はマヨナカテレビを見ようと僕たちは決めた。
家に帰り深夜12時まで待つ。この時間がかなり長く感じる。影時間の時だってそうだ。タルタロスに行くと知らせてから時間になるまでがかなり長く感じるのだ。
「……そろそろ」
そう呟くとすぐにテレビがついた。誰も映っていなかった。つまり天城は死ぬことはない。無事に今回は救出出来たとようやく実感がわく。
すると電話が鳴った。鳴上からだ。
「もしもし」
『明日から天城来るって里中が』
「よかった」
『……やったな』
「喜ぶのは犯人捕まえてから」
『そうだな』
「おやすみ」と言い合って電話をきる。今日はよく寝れそうだ。……いつものことだけど。
真田先輩とはコミュはないです。また外国に向かいました。