ペルソナ4 有里湊のif世界での物語   作:雨扇

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4月30日(土)~5月2日(月)

 4月30日。土曜日。

 

 里中の言うとおり元気な姿で天城がやってきた。体調に問題はないようだ。安心。

 

 放課後。僕らは屋上に集まっていた。天城と里中はカップ麺を食べるようだ。現在お湯を入れてしばらく待ってるところ。

 

「お待たせ。千枝はお蕎麦のほうだよね」

 

「サンキュ! お~この匂いたまらん……。これ、あとどんくらい待ち?」

 

「全然まだよ」

 

 話を戻す。天城に事情を訊くために今回は集まったのだ。花村は天城にさらわれたときのことを覚えてないか訊く。

 

「落ち着けば思い出すかなって思ったけど時間が経つほどよくわからなくなっちゃって……。ただ、玄関の……チャイムが鳴って誰かに呼ばれたような気はする」

 

 だけどそのあとは気づいたらもうお城の中だったらしい。天城は「ゴメンね」と謝った。

 

「謝んなくていいって。けどやっぱその来客ってのが犯人!?」

 

「どうだろうな……もしそうなら相当大胆だぜ。玄関からピンポーンなんてさ、目撃者がないか警察も洗ってんだろうけど……。あんま期待できねーな。すぐ身元割れるようなナリで歩き回んねぇだろうし」

 

 「なぜこんなことするのか?」についてはわからなかった。鳴上は犯人に訊かないとわからないとか言っていた。だけどハッキリしたことがひとつある。

 

ーーこれは悪意のある人がさらってテレビに放り込んでる。つまり……“殺人”だということだ。

 

「あ。そうだ言ってなかったな。俺と鳴上に有里で犯人挙げちゃうことにしたからさ! この事件、正直警察には無理そーだけど俺らには“(ペルソナ)”があるからな」

 

 里中も元気に手を挙げて「あたしもやる」と名乗りをあげた。そしたら天城もやると言った。もう自分から逃げたくない、と言った。

 

「でもどうやって犯人捜す? 今んとこ手がかりなしだよね」

 

 「先回り」という案があったがそもそも誰が次に放り込まれるのか分からないのが悩みだ。でもひとつだけもしかしたらの手がかりがあった。“マヨナカテレビ”だ。

 

 ハッキリ映るのが放り込まれた後ならノイズ音の混じった荒い映像はその前。天城のときはその順だった。

 雨が降ったら要注意。とりあえずみんなでそう決めて、この話は終わりにした。

 

 ちなみに、天城と里中のカップ麺を鳴上と花村が食べてしまい、肉を奢ることになったのは……また別の話。だって僕は食べてないから関係ないしね。

 

◇◇◇

 

 クマを天城に紹介するため、僕たちはテレビの中にきた。

 

「お礼に来たよ。クマくん」

 

「ユキちゃん元気?」

 

「まあこのクマきちのためにも犯人見つけようってことになってさ」

 

 クマは事前に作ってあったらしく、天城にメガネを渡した。メガネをかけた天城はとてもインテリ系でスゴい似合っていた。

 

「クマはメガネをしないの?」

 

「おっとハンチョーそれ訊いちゃう? またまたいい質問クマ! 何を隠そうクマはこの“眼”自体がレンズになってるクマ! 知らなかったクマ~?」

 

 花村が「知らねーよ」と呟く。クマは指先を動かしているらしいが全然わからない。花村が肘でクマの頭を突くと何かが落ちた音がした。

 

「あ。それちょっぴり失敗したメガネ」

 

 そのメガネを天城がかけてみる。

 

「あはは。どう?」

 

「似合ってる」

 

「え!?」

 

「うん。むしろ自然」

 

「へ!?」

 

 失敗したメガネとは宴会で使われると言われている「鼻メガネ」だった。意外と似合ってる。

 

「はい次は千枝ね」

 

「どういう流れ? これ……」

 

「ぷふーっ!! う……ぷぷっ! あはは、あははっはっはっは! ち……千枝の顔……ぷっ……ははは。あははっはっはっはっは!」

 

 急に爆笑しだした。確かに里中の鼻メガネ姿面白いけどそこまでいく?

 

 里中によると天城は笑いのツボがおかしいらしく、よく変なことで笑うのだとか。里中の前以外ではないと思っていたらしい。つまり、他人でも見せるくらい天城は変わったってことだ。それでもまだ僕らしか見せないのかもしれないけど。

 

ーーランクアップ。「愚者:自称特別捜査隊2」

 

◇◇◇

 

 5月1日。日曜日。

 

 月が変わって5月になった。この世界に来てもうそろそろ一ヶ月になると思うと時の流れは早いなと思う。

 ……と、思っていたのだが。ボーッとしてばかりいられなくなってしまった。

 

「花村。休憩まだ?」

 

「始まってまだ一時間しか経ってねぇのによくそんなこと言えんな」

 

 さっそくバイトを始めました。初めてのジュネスでのバイトということで花村のサポートを今回はすることになった。

 

「てか最近花村とばかり絡んでる気がするのは気のせい?」

 

「……どうも気のせいとは思えねぇのはなぜ?」

 

 暇になるたびに花村を呼びつけている気がする。

 

「ほら続きやるぞ」

 

「はーい」

 

 そんなこんなで今日のバイトは終わり、無事にバイト代をゲット出来た。……節約しててもいつかはなくなってしまいそうで怖いんだよね。

 

◇◇◇

 

 5月2日。月曜日。

 

 里中に頼まれて河川敷で特訓することになった。二人きりとかどんな苦行だよ、と思い鳴上も連行。チラッとベンチの方を見たらいつも通り少年野球チームが練習してた。

 

 ボールが転がってきて順平が「湊ヘイ!!」とか言っていたので思いっきり投げたら順平が尻餅ついた。速かったらしい。別に僕はそんなつもりないんだけどな。(戦車コミュ2)

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