どうもキャプテンタディーです。
今回も第3話、前回からの続きになります。
でも今回は少し短めにしました。
あっ、エロ要素なしです()
最後まで見てくれれば嬉しいです!
それでは、本編をどうぞ!
私たちは鞠莉さんについて行くと、鞠莉さんが行き着いた場所はなんと学校の体育館だった。
「もしかして…ここですか?」
「イェス!あなた達はライブで、この大きな体育館を“満員”にしてください!」
「「「えっ!?」」」
すると鞠莉さんはとんでもないことを言い出す。
この体育館を“満員”にすることだった。
まだ始めたばかりの私たちに、いきなりこの体育館を満員にするなんて無謀過ぎる。
そしたら千歌ちゃんは、もしここを満員出来たらの条件を聞こうと鞠莉さんに尋ねる。
「も…もし満員に出来たら?」
「ここを満員に出来たら、部員の人数に関わらず、部として承認してあげます!」
「本当!?やった〜!」
「部費も使えるしねっ!」
鞠莉さんが出した条件は、この体育館を満員に出来たら、部を立ち上げる際に必要な人数に満たなくても、部として認めてくれることだった。
条件を提示するには見合った条件。
だけど梨子ちゃんは、千歌ちゃんがした質問とは逆の質問を鞠莉さんに尋ねた。
「でも…ここを満員に出来なければ?」
「…………………」
鞠莉さんは私たちに背を向け、間を置く。
そしてそれから鞠莉さんは言い放った。
それはとてもシンプルで、私たちにとってはとてもシビアな条件だった。
「その時は、“解散”してもらうしかありません」
「えっ!?そ…そんなぁ……」
「嫌なら別に断ってもいいんですよ?」
悪戯っぽく笑みを浮かべ、冷たく私たちに向かって言い放つ鞠莉さん。
この人は多分、私たちを試している。
私は…そんな気がする。
「どうって・・・」
「結構広いよねここ。千歌ちゃん、どうする?」
不安な表情を見せる梨子ちゃん。
それを横目に私は千歌ちゃんに尋ねる。この体育館でライブをするのかどうなのか?
それで千歌ちゃんは言う。
「やるしかないよっ!他にやれそうな場所もないし、他に手があるわけじゃないんだし!」
「うんっ!そうだね!!」
千歌ちゃんはやるとやる気満々。
それを見ていた私も梨子ちゃんも、この体育館でライブをすることを決心した。
それを見た鞠莉さんは、私たちに言う。
「OK…ということでいいのね?」
「はいっ!ここでやらせていただきます!」
「そう。それじゃあ、楽しみにしているね!」
鞠莉さんはそう言い残した後、私たちに背を向け、体育館を後にするように出て行った。
そしたらその直後、梨子ちゃんは何かを思い出したように私に問いかけてきた。
「あっ…待って!」
「うん?どうしたの?」
「この学校の全校生徒、全部で何人?」
「えっ?うん…えっと……」
梨子ちゃんが聞いてきたのは、この学校の全校生徒の数。梨子ちゃんはそんなことを尋ねてきたから、私は無意識に指を折って生徒の人数を数えた。
そしたら私は、とあることに気づく。
早くそれが気づいていればと、私は悔やんだ。
「……あっ」
「えっ?なになに?」
「千歌ちゃん分からない?この学校の全校生徒全員来たとしても、ここは満員にならない……」
「えっ?嘘……」
その言葉と共に、千歌ちゃんは膝を落とす。
鞠莉さんに突きつけられたのは、どちらに転んだとしても絶望しか待っていないということだった。
それを知った千歌ちゃんは、呆然だった。
「まさか鞠莉さん…それを分かってて……」
「うん。きっと分かってて言ったんだと思う」
鞠莉さんって、あんな性格や雰囲気を醸し出しながらも、実は頭が切れるタイプなのかもしれない。
鞠莉さんは、策士なのかもしれないと思った。
「え〜!どうしよう〜!」
頭を抱えて叫ぶ千歌ちゃん。
でも何となく、鞠莉さんが伝えたかったことも分かる。ただ彼女が、遠回しで私たちに伝えただけ。
だから私は鞠莉さんに騙されたと思いながら、彼女からの確かな1つのメッセージが込められていた事に気づくことが出来た。
「でも千歌ちゃん、鞠莉さんの言うことは私には分かる。ここでそのくらい出来なきゃ、この先もダメってことでしょ?」
「でも……曲も出来たばかりだし、それに遼くんに教えてもらってるダンスだってまだだし……」
頭を抱えてたまま、そんなことを呟いて思いつめている千歌ちゃん。そんな彼女に私は、アレを言う。
「じゃあ……諦める?」
「ううんっ!諦めない!」
千歌ちゃんのその言葉に、私は笑顔になる。
けども梨子ちゃんは私の尋ね方に不満な表情を見せ、梨子ちゃんは私に問いかけてくる。
「何で…そんな言い方するの?」
「この方が千歌ちゃん、凄く燃えるから」
良くも悪くも単純。小さい頃から私は千歌ちゃんにそう言ってきたこと梨子ちゃんに説明をした。
すぐに梨子ちゃんは納得してくれて、同時に梨子ちゃんへ私は今みたいなことになったら試しに言ってみてと、冗談交じりに言った。
「あっ、良いこと思いついた!」
すると千歌ちゃんはピョンと立ち上がる。
「どうしたの千歌ちゃん?」
「私ね、良いこと思いついちゃった!」
千歌ちゃんはどうやら何かを思いついたらしくて、私と梨子ちゃんに対して目を輝かせていた。
「何よ…良いことって…?」
「とりあえず早くきてよ!早く早く!」
一体どんなことを思いついたのかはいざ知らず、千歌ちゃんは私と梨子ちゃんに対してそう言い、先にに体育館から飛び出して行ってしまった。
「あっ!待ってよ千歌ちゃ〜ん!」
「もう〜!一体なんなのよ〜!」
慌てて私も梨子ちゃんも千歌ちゃんの後を追いかけたけど、千歌ちゃんの家に着くまで私と梨子ちゃんは、千歌ちゃんが一体どんないいことを思いついたのかは、全く分からなかった。
〜〜〜〜〜〜※※※※〜〜〜〜〜〜
「おかしい。完璧な作戦のはずだったのに……」
「お姉さんが言うことも、分かるけどね」
千歌ちゃんが思いついたことは、千歌ちゃんのもう1人の姉である美渡さんに対して人を集めて欲しいということだった。
美渡さんは社会人として仕事をしているから、千歌ちゃんはそこに漬け込み、その会社の社員さん達を体育館に連れてきてライブを見てほしいとお願いしたらしいんだけど…。
だけどそのお願いはあえなく撃沈され、千歌ちゃんのおでこに『バカチカ』と書かれていた。
「えぇ!?曜ちゃんお姉ちゃん派!?」
「お姉ちゃん派…というよりも、まずは体育館に人を集める方法を考えなきゃね」
「そうだねぇ……」
お姉ちゃん派…千歌ちゃんのお姉ちゃん…って、私は一体何を考えてるんだ。集中…集中……。
私はいつもの通り衣装を作る作業をして、糸が通された針で布を合わせるようにチクチクと縫っていく作業を地道に続けていた。
私は美渡さんの思いが、千歌ちゃんの額に書かれている『バカチカ』で伝わっている。
きっと人に頼らず、自分たちの力で人を集めて見にきてもらえってことなんだと思う。美渡さんなりの伝え方だから、千歌ちゃんも伝わってると思う。
「う〜ん、何かいい考えないかぁ……」
「例えば、校内放送で呼びかけるとかいいんじゃない?頼めば出来ると思うけど…」
私が意見を出したのは、学校の校内放送を使って、ライブを見に来てもらうという意見。
その方がより多くの人に放送を聞いてもらえるし、見に来てくれる人も多くなるだろうからね。
プルルルルッ♪ プルルルルッ♪
「んっ?誰からだろう?」
するとその時、一本の電話がかかってくる。
しかも私のスマホに電話がかかってきた。だから、もしかしたらと思い作業を一旦止め、ポケットからスマホを取り出して電話をしてきた名前を見る。
『遼くん』
電話をしてきたのは、遼くんだった。
「もしもし?」
『もしもし曜か?電話してきてごめんな?』
「ううん大丈夫。どうしたの?」
『いや、今どんな感じなのかなって、ちょっとした様子見で電話してみたんだ』
どうやら遼くん、私たちのことを心配してくれているみたいで、まだ遼くん自身部活中にも関わらずに電話してくるなんてね。
本当…遼くんってば……。
「遼くんどうしたの?部活は?」
『千歌か。ということは曜は千歌と一緒にどこかにいるんだな?』
「うんっ!今ね、千歌の家なんだ!」
千歌ちゃんの声を聞いた遼くんは、すぐに私が千歌ちゃんの一緒にいることが分かったみたいで、千歌ちゃんは彼に今は自分の家にいるよって伝える。
すると遼くんは、千歌ちゃんがさっき尋ねた部活のことで私たちに話をしてくれた。
『そうか。実は今日部活が早く終わったんだ』
「えっ!?本当!?」
『あぁ!もし良かったら今からそっちに行こうか?何か手伝えることがあったら手伝うよ!』
「本当!?ありがとう遼くん!」
そして遼くんは、なんとこっちの手伝いをしようとまで言ってきた。千歌ちゃんは嬉しそうにはしゃいでいたけど、いいのかなぁ…。
「いいの?手伝ってくれるの?」
『あぁ。千歌たちが何かに困ってることがあるなら、俺も何かしら手伝うよ!」
本当に遼くんは優しい。
人を集める方法を考えていたところに、ちょうど電話でそんな風に言って、まさに正義の味方。
遼くんは正にヒーローみたいだった。
「じゃあ今から来て!曜ちゃんと梨子ちゃんも一緒にうちで待ってるから!」
『分かった。じゃあ切るね?』
「うん!早く来てね!」
そう千歌ちゃんが言ったあとで、電話は遼くんの方から切られた。私は電話の間、あまり遼くんと話すことが出来なかった。
それなのに…千歌ちゃんはとても嬉しそうで、早く遼くんが来てくれないかとはしゃいでいた。
「あぁ〜早く遼くん来ないかな〜」
「……うん、そうだねぇ……」
そう言う千歌ちゃんに苦笑いした私は、その後にまた衣装の作業を再開した。
だけど、その作業は長く続かなかった。
ズキッ…ズキッズキッ
「……っ!」
なんでなのか私にも分からない。私の胸を……原因不明の痛みが襲い、とても苦しかった。
遼くんと千歌ちゃんが電話で話していた時のことを思い出すと、途端にまた胸が息苦しくなって、痛みが激しくなる。
何故…そんな出来事を思い出すたびに突然胸が痛み出したり、息苦しくなるのか…。
それは…私には全く分からなかった。
何が原因なのかも…全然分からなかった。
〜〜〜〜〜〜※※※※〜〜〜〜〜〜
「とりあえず…早く急がないとな」
実は、今日は学校がまず午前中で終わった。
それで部活を夕方までみっちりこなした後で、曜に電話をして急遽千歌の家に向かうことになった。
手伝いに行くのは別に構わないんだが、今考えればちょっと失敗したかもしれない。
なにせ千歌の家に向かうときに、一度俺の家の前を通り過ぎるからである。そう…移動の問題なのだ。
「はぁ…はぁ…」
地味に今日は暑いわけで、制服のワイシャツが自分の体に張り付いていていや感じだった。
はやいとこ…急いで千歌の家に行くべきだなと思った俺は、1人で海が見える海岸沿いの道を、いそいそと自転車を漕いでいた。
「大体…あと30分ってところかな?」
スマホで現在時刻を確認した俺は、千歌の家に着くまでの時間を憶測で考えてひたすら漕いだ。
それから10分くらい漕いだところだろうか?
「……んっ?あの後ろ姿は……」
俺は海辺の砂浜に目をやったときに、1人の少女が白い砂浜から海に沈む夕陽をじっと眺めていた。
その少女をよく見てみると、服装が千歌や曜と同じ制服。どうやら浦の星の生徒のようだった。
「すぅ……はぁ……」
少女の髪の色は黒。ちょうど太陽と少女と俺が一直線上に並ぶ感じだったから、太陽の逆光で黒にしか見えなかった。実際のところ髪の色は何色なのかは俺も分からない。
とりあえず彼女はとても深い深呼吸を1つする行動を見せたあと、彼女は声を発した。
『あい〜して〜るばんざ〜い』
『こ〜こでよか〜った〜』
『わ〜たした〜ちのい〜まが こ〜こにあ〜る〜』
とても綺麗な歌声だった。
海に向かって歌っている彼女の後ろ姿は、顔を見ていなくても間違いなく美少女だということが、間違いなく俺には分かる。
でも何故か、どこかで聞いたことのある声だった。
『あい〜して〜るばんざ〜い』
『は〜じまったば〜か〜り〜』
『あ〜した〜も〜よ〜ろしく〜ね〜』
『まだ〜ゴ〜ルじゃな〜い〜』
彼女の歌はそれだけで終わった。
つい自転車を止めて、彼女の歌を真剣に聞いてしまっていたが、ずっとその歌声を聞いていたくなるような…そんな綺麗な声だった。
もうちょっと聞いていたかったと名残惜しかったが、千歌の家に向かわなければと、俺は自転車をもう1度漕ぎ始めようとした。
その時だった。
海に向かって歌っていた少女がこちらを向いた時、俺はその少女の顔を見て驚きを隠せなかった。
俺自身、彼女と会うのが久しぶり過ぎて、俺は彼女の名前を呼ばずにはいられなかった。
「……っ、ダイヤ!?ダイヤ…なのか?」
「えっ!?もしや……遼……さん!?」
彼女も俺を見ては、久々の再会に驚いていた。
なにせ、もう2年も会ってないんだからな。
「ダイヤじゃないか!久しぶりだな!」
「間違いないですわ。遼さんですわ」
俺は彼女に出会えたことに嬉しく思っていた。
けど彼女は俺と久々に会えたにも関わらず、あまり嬉しそうには見えなかった。
なんというか、嬉しさと悲しさが半分半分くらいに混ざりあっているような…そんな感じがした。
「どうした?何が悩みごとか?」
「………いいえ。何でもありませんわ」
今の少しの間。明らかに何かを隠してる。
こちらから先制攻撃を仕掛けるしかないと思った俺は、すぐさまダイヤに尋ねる。
「ダイヤはさ、生徒会長なんだろ?」
「…っ!?ど…どうしてそんなことを…!?」
「千歌たちから聞いた。ダイヤ、スクールアイドル部を設立させるの止めてただろ?」
俺はそう言うと、彼女は1つため息をついたから何となく理解出来たんだろう。俺が千歌と曜と関わりを持っているって…。
するとダイヤは鋭い目つきで答える。
「そうですが?」
「何で止めるんだよ?だって…お前…」
「お黙りなさい!!」
「……っ!ダイヤ……」
俺はダイヤに言おうとしていたことを彼女本人から怒声で止められる。あまりにも大きい声だったから、ビクッて体が跳ね上がる。
何故そこまで怒るんだ?俺が言おうとしていたことは、ダイヤの全ての真実だというのに…。
「私はもう…スクールアイドルは嫌いですわ」
「何でそんな簡単に言えるんだよ……」
「もう…私自身が決めたことなので……」
なんで…そこまで澄ました顔で言えるんだ。
好きなものを、わざと自分から嫌いと言って、自分自身を抑え込んでいるようにしか見えない。
「じゃあなんで歌ってた?」
「…………………」
ダイヤは何も答えない。口を噤むだけだった。
一体、彼女の身に何が起きたんだろうか?
「ダイヤ、2年前に何があった?」
「別に…何もありませんわ」
「…………………」
2年前のことを聞いても、ダイヤは口を噤む。
もう何も話してくれそうにないと思ったとき、彼女は目を瞑りながら私の横を通り過ぎ、俺の目の前から去ろうと歩き出す。
「では…私はもうこれで……」
「……ダイヤ!」
俺は彼女が歩き去ってしまうのを止めようと、ダイヤの方を振り向いて彼女の名前を叫んだ。
その時、彼女は言った。
「鞠莉さんが…帰ってきましたわ」
「えっ!?鞠莉姉が!?」
俺はダイヤから告げられた事実に驚き、空いた口が塞がらず、声も何も発することが出来なかった。
鞠莉姉が、内浦に帰ってきた。
「それだけ…あなたに伝えて起きますわ」
「…………………」
そしてダイヤは去ってしまった。
その時のダイヤの背中は何か…悲しみなのかはよく俺には分からないけど、ダイヤは何か苦しいものを背負っているような、そんな気がした。
「鞠莉姉、帰ってきたのか……」
そして俺はダイヤから告げられた、鞠莉姉が帰ってきたことを、ただボソリと呟いたのであった。
はい、一旦終わりずらっ。
次回もこの続きになります!
曜を襲う…原因不明の痛み。
ダイヤの背負っているもの…それが一体何か?
次回も楽しみにしててください!
感想・評価等、お待ちしてます!