前回、力を上げて再び姿を現したレジスター怪人。謎の御札で猫又を召喚するだけでなく、バイクと融合し街中を暴走し始めるなどやりたい放題。しかし、そんなレジスター怪人もセクハラーメンマンの活躍により、見事に、食い止められた。
謎のイタチの面をかぶった爆乳少女も姿を現し、物語はますます目が離せない展開に…。果たして、セクハラーメンマン(葛城)とラブハンターY(首領パッチ)に、今後どのような試練が巻き起こるのか。そして、謎の少女の企みとは何なのか!
ここは、東京にある某公園。
清々しい広場の真ん中には、広々とした池がある。
デートスポットとしてもよくカップルが足を運ぶことで有名だ。
本日は、休日。
そのためか、多くのカップルや家族が足を運び、その公園にて休日を楽しんでいた。
そんな中、一人の作業員がゴミトングを片手に公園のゴミを、これでもかと思うほど拾い込んでいた。
その作業員は、肌が綺麗に焼けていた。
腕まくりした時に見える黒い肌と白い肌の境目は、思わず二度見してしまうほどである。
でも、そんな肌より気になるのは、ファスナーが開いて時に露わになる、なんとも言えない爆乳であった。
「お、こんな所にも。あー、よくこんな所思い付くなぁ…」(?)
彼女の名前は、焔。
忍である。
数多くの悪忍を輩出した悪の名門、秘立蛇女子学園選抜メンバーの元リーダーなのだ。
かつて、国立半蔵学院の5人(飛鳥・斑鳩・葛城・柳生・雲雀)とは接戦を繰り広げたほどのライバルでもある。
戦いに敗れた焔達は、選抜メンバーからはずされ『抜忍』となってしまうも、『焔紅蓮隊』のリーダーとして今も忍道を歩んでいるのだ。
さて、そんな彼女が何故ココで働いているのか。
抜忍となった焔を含め4人の仲間達(詠・日影・未来・春花)は、人里離れたある山の洞窟を基地として、共に暮らしている。
山で食べれる雑草や残りわずかな食料を分け合っており、食生活は蛇女にいた時と比べて傾きが生じている。
そのため、修業の合間を縫って5人はそれぞれバイトを掛け持ちしているのである。
ゴミを拾う手を一旦止めると、焔は近くのベンチに座り込んだ。
「春花からいいバイトがあるって聞いて来たけど、公園のゴミ拾いも案外楽じゃないなぁ……んっ?このにおいは…」(焔)
突然、奥の方からいい臭いが。
振り返ってみると、後方の少し離れた場所にあった小さな屋台で、美味しそうにフランクフルトが焼かれていた。
においを嗅いだ焔は、自然とお腹の音とともに、涎をジュルリと流れた。
「あー…上手そうなフランクフルト…はっ!いかんいか。今はバイト中だ!集中集中!!」(焔)
食べたい気持は山々だが、バイト中でもあり、手持ちも少ない。
ここで食べてしまっても、給料は帳消しにされてしまう。
焔は、涎と涙をこらえて我慢した。
焔は、ベンチから立ち上がり再びゴミを拾い始めた。でも、何だか浮かない表情で溜め息をつく。
「はぁ~…抜け忍になってもうどのくらい経つかな。修業とバイトを両立させながら生活してきたが、何だかコレといった刺激がないというか……正直退屈だ」(焔)
修業にバイト、バイトに修業と毎日同じことの繰り返し。
『たまには、自分と対等に戦える強敵と闘いたい』と焔は思っていたのだ。
「まっ、変なこと考えずに仕事仕事!アタシは、飛鳥をいつか超えてやるんだ」(焔)
焔にとって、飛鳥は最高の戦友(ライバル)である。
今度はいつ闘えるかはわからないが、いつか飛鳥を超えて忍の頂点に立ちたいという目標が焔にはあった。
変な事は考えるのをやめて、焔はバイトへと戻った。
今日は休日。
公園には家族連れやカップルなど、多くの人が足をはこんでいた。
そんな中、母親と5歳くらいの男の子が、池の周りを散歩していた。
すると子供は、池で泳ぐアヒルを見つけ喜ぶ。
「ママ、見て見てアヒルさんが泳いでる」(子供)
「可愛いわね」(母親)
母親と子供が池が、楽しそうに池で泳ぐアヒルを見つめている。
「あっ!ねぇねぇ、アレはなーに?」(子供)
ここで、子供は何かに気づいた様子。
「えっ、どれどれ……ヒッ!……きゃぁぁぁぁ〰」(母親)
母親は、突然叫びだした。
目の前に見えたのは、羽を引きちぎられ、体の肉を食いちぎられて骨と化してたアヒルの姿であった。
それを見た母親は、膝から崩れ落ち言葉を失った。
すると、水面からブクブクと空気が放出され、それと同時に2つの目玉が出現する。
目玉は、キョロキョロと動き、辺りを見回した。
「プハー食った食った。ここの池の飯も悪くねえなぁ。さーてと、食後の運動がてら……ひと暴れするか」(?)
水面の泡は数を増し、池から謎の巨漢らしきモノが跳び上がってきた。
その巨漢は、ガッチリとした手足をはじめ、固く引き締まった大胸筋の持ち主。
しかし、別の意味で普通ではなかった。
両手は、太くて鋭いハサミ。
大きな体を守る赤くてトゲの付いた甲羅。
そう、巨漢の正体は、ザリガニの様な姿の怪人であった。
近くにいた母親と子供は、驚きをかくせません。
「いや〰!!」(母親)
「うわ!ザリガニのお化けだ-!」(子供)
怪人は、体の筋肉をほぐして動きを整えていた。
「さーてと、この体はどれほどの力があるか試してみるとするか」(ザリガニ怪人)
そう言って、怪人は辺りをキョロキョロすると、近くにあった一方の木に目を向けた。
そして、腕のハサミで木を挟み、そのとてつもない力で木を豪快に切り落とした。
「いや〰〰〰!!!」(母親)
「怖いよ-」(子供)
その様子を見た親子は、泣きながらその場を去った。
怪人は、自身の力に満足している様子だ。
「ニッシシシシシー、凄い力だ。コレさえ有れば忍び何ぞ敵ではない!ニッシシシシシ。…ンッ?」(ザリガニ怪人)
怪人が何かに気づき、周りを見渡した。
すると、周りには公園に来ていた人達が怪人の姿を見て、様子を伺っていた。
驚いて逃げる人、行動を観察するひと、写メを撮ってツイートするなど、それぞれが反応が分かれる。
しかし、一方の怪人は、そんな反応に対し不満を感じていた。
「テメーら……ジロジロ見てるんじゃね〰ぞ〰!!」(ザリガニ怪人)
怪人が両腕のハサミを開くと、中からマシンガンの弾丸の様に、エネルギー弾が乱射された。
うわぁぁぁぁぁぁぁぁ(人々)
周りの木々には、多くの傷と風穴が。
逃げ遅れてエネルギー弾に当たる人々も数知れない。
もはや、公園は地獄絵図の様な状況であった。
怪人が攻撃を辞めると、周りには多くの人々が傷つき倒れていた。
いくら、気分が変わったからといっても、さすがにやり過ぎである。
「ふー、スッキリした。んっ?イイ物落ちてるじゃねーか。もーらい」(ザリガニ怪人)
怪人は、逃げた人が落としていったサングラスを見つけて、掛け始めた。
そして、水鏡で自分の姿を確認する。
「う~ん…オレってイカしてるぜ~」(ザリガニ怪人)
自分の顔を満足そうに見ていた。
ガサッ!
突然後ろから物音がした。
「ん?」
振り向くと、そこには先程逃げ遅れて物影に隠れていた母親と5歳くらいの男の子の姿があった。
「ヒッ!」(母親)
「ほほー、こんなところにまだいたか」(怪人)
「ど…どうか命だけは……お助けを…」(母親)
「ママ、怖いよ-、怖いよ-(涙)」(子供)
母親は、わが子を抱きしめながら必死に守ろうとする。
対する子供は、怪人の怖さに泣き崩れていた。
「助けてくださいだ……ま、オレもそこまで鬼じゃない。いいだろう、命だけは助けてやるよ。…じゃーな」(怪人)
怪人は、振り返りその場から立ち去ろうとした。
「ホッ…」(母親)
母親も子供も一安心。
怪人は、5メートルも歩かずにその場に止まった。
「……な〰んて、言うと思ったか〰!!」(ザリガニ怪人)
怪人は、物凄い速さで振り返り、その大きく分厚いハサミで母親の顔面めがけて殴りかかろうとした。
「きゃぁぁぁぁぁぁ」(母親)
この時母親は、もう自分と息子は殺されてしまうとばかり思っていた。
その時、遠くから猛スピードで何かが怪人の頭めがけて飛んできた。
それは、怪人の体と甲羅の丁度境目の部分へと、見事に刺さった。
「ん?イダ!!…いててて……ん?誰だ!オレのイカした顔に、汚いゴミトングを投げつけたのは!!」(ザリガニ怪人)
「アタシだよ!どりゃあ」(焔)
勢いよく走ってきた焔は、その勢いのまま跳びあがった。
さらに空中で1回転し、落下の勢いを活かしたキックを繰り出した。
「何っ!ぐわ〰っ」(ザリガニ怪人)
「お姉ちゃんすごーい」(子供)
「た…助かりました。ありがとうございます」(母親)
「礼はいらねーから、子供と一緒に早く逃げろ!」(焔)
「あ、はい!行くよ」(母親)
母親は、子供を連れてその場を去った。
公園には、緊張感が漂っていた。
怪人と焔は、お互いに睨み合っていた。
ここで、怪人が、あることに気付いた。
「痛ててて…痛いなぁね姉ちゃん。体からチャクラの気配を感じるなぁ……姉ちゃん、もしかして忍かい?」(ザリガニ怪人)
「へぇー、アタシを忍と見抜くなんて……アンタ、一体何が目的だ!!」(焔)
「目的………そんなの簡単さ……忍を…殺すのみ!」(ザリガニ怪人)
すると怪人は、急にハサミを地面に叩きつけた。
すると、辺り一面が大きな壁に包まれた。
そう、忍結界を発動させたのだ。
「忍結界……ふん!わざわざステージを設けてくれるなんて気が利くじゃないか。ちょうど、戦いたくてウズウズしてたところさ…忍・転身」(焔)
焔が印を称えると、作業服姿から龍手のついた制服へと変わり、背中に7本の鞘に収められた刀が出現した。
焔は、7本中6本の刀を抜いて、片方にそれぞれ3本ずつ持ち、戦闘態勢へと入った。
「焔!悪の誇りに舞い殉じる!!はぁぁぁ〰」(焔)
焔は、自慢のスピードで怪人へと突っ込んだ。
すると怪人は、謎の御札を大量に取り出した。
「面白い!まずは、小手調べだ…それ!」(ザリガニ怪人)
怪人は、御札をばらまいた。
すると御札は、次々と猫又の姿へと変わり、一斉に焔へと襲ってきた。
ニャ〰〰〰〰〰!
「へー、まずは猫ちゃんとお遊びか!上等じゃねーか!!」(焔)
焔は、猫又の攻撃を次々と見切りながら、自慢の6刀流を豪快に振りまくった。
猫又軍団も、負けじと襲いかかる。
爪で攻撃するモノ、剣術で対抗するモノ、肉球の様な先端をした棒で攻撃するなど、様々な猫又が焔を襲う。
何度斬られてもまた起きる、そして襲う。
それでも焔は、難なく次々と倒していき、5分も経たない内に相手も残り1匹となっていた。
「これで終わりだ〰」(焔)
ギニャ〰〰〰〰!
左右に3本ずつ持った刀に炎を纏い、最後の一匹へと振り斬った。
倒された猫又軍団は、元の御札の姿へと戻り消えてなくなった。
焔の戦いぶりを見た怪人は、感心しながら腕を…いやっ、ハサミをチョキチョキさせていた。
両腕のハサミを擦り合わせて、切れ味抜群の刃になるまで磨いでいた。
「姉ちゃん、なかなかやるねぇ」(ザリガニ怪人)
「当たり前だろう!このくらい、修業で相手になる傀儡と比べたら大したことないね。さーて……次は、アンタが相手かザリガニのオッサン」(焔)
「そのようだな。ただ…オッサンはちょっと余計だな……死ね〰!!」(ザリガニ怪人)
怪人はハサミを開き、エネルギー弾を焔へと放った。
「何の!」(焔)
焔は、高く跳りエネルギー弾をよけた。
さらに、落下の勢いを活かして、そのまま3本の刀を振りかざした。
しかし、一方の怪人は腕のハサミを使って剣を防いだ。焔は、続けて斬りかかるも、怪人の硬いハサミや甲羅によって剣がなかなか通らない。
焔は、一旦怪人と距離をとった。
「チッ、なんて硬い体なんだ。剣が全然通らねーじゃんか」(焔)
「ガハハハハ、オレの鉄壁(甲羅)はそう簡単には壊せない。悔しかったら、ヒビ1つ入れてみろ!」(ザリガニ怪人)
怪人の挑発に、焔は機嫌を悪くすると。
しかし、変に突っ走っても返り討ちをくらってしまう為、冷静にならなくてはならない。
「あのオッサン、動きは遅いが体の甲羅が硬すぎる。まさに鉄壁の守り。……それなら…」(焔)
焔は、何か秘策を思い出し怪人へとまっすぐ突っ込んだ。
「ふん!勝ち目が無いから怖じ気づいたのか?ならば、死ね〰」(ザリガニ怪人)
怪人は、再びエネルギー弾を発射させた。焔は、刀を使ってエネルギー弾に斬り掛かりながら前進した。
「秘伝忍法 暁」
焔は、刀に炎を纏わせながら剣を振った。
すると、炎を纏った斬撃は怪人へと突っ込んだ。
「炎だと!?うわっ、あちちちちちちちち」(ザリガニ怪人)
斬撃は、怪人の体で燃え上がった。
「どうだ、アタシの炎の味は」(焔)
「やるなぁ姉ちゃん。だが、“俺達”もそう簡単にやられる訳にはいかなくてよ…」(ザリガニ怪人)
「“俺達”!?」(焔)
焔は、怪人の発言に耳を疑った。
まさか『他に仲間がいるかもしれない』と、次の出来事で確信がついた。
池の中からから再び、ブクブクと空気が放出していた。空気は量を増して、やがて大きな爆発がおこった。
バシャーーーーーン!!
「なんだ!?」(焔)
爆発というよりは、池の中から勢いよくなにかが飛び出してきたような感覚であった。
「ふー、イカしたシャワーだぜ」(ザリガニ怪人)
水しぶきが雨のように降り注ぎ、怪人の体を包んでいた炎が鎮火された。
「しまった!……はっ、何だ!?」(焔)
水しぶきで隠れていた黒い影が、姿を現した。
「ニョホホホホ-、コレでもくらえ―」(???)
突如現れたもう一体の怪人は、口から謎の透明の粘液を大量に吐き出した。
焔は、すぐさま剣を構え直す。
「ち、秘伝忍法 暁!」(焔)
謎の液体は、焔の炎によって蒸発された。
しかし、粘液のほんの一部が、服についてしまう。
現れたもう一体の怪人は、全身真っ黒で触手のように細長くヌルヌルとした手足、背中にはヒラヒラとさせた背びれ。
口の中には細かい無数の牙。
まるで、ウナギの様な姿をした怪人であった。
ウナギの怪人は、ザリガニの怪人へと寄り添った。
「大丈夫でありますか、ブラザー」(ウナギ怪人)
「遅ーよ。いくら飯食ってたからって、時間掛けすぎだろブラザー」(ザリガニ怪人)
どうやらウナギの怪人は、河の中でエネルギーを蓄えながら待機していた様子。
その証拠に池を見てみると、そこには食いあさられたアヒルや魚の骨や死骸が浮き出ていた。
間一髪、相手の攻撃を回避した焔だが、新たな敵の出現に額に汗が。
だが、これは恐怖の汗ではなく戦いを楽しめられるという喜びの汗である。
つまり、戦う時を制限された焔にとって敵が増えることは、自身の実力を試すチャンスでもあった。
「なんだなんだ…ザリガニの次は鰻か…ちょうど食料に困ってたところでな。今夜は、鰻の蒲焼きとザリガニの甲羅焼きに決まりだな」(焔)
力試しの他に別の感情も混ざっているが、何がともあれ焔はやる気満々の様子。
「いくぜブラザー。俺とオマエが組めば百人力だぜ!」(怪人)
「ニョホホホホ-、いざ……参る!」(ウナギ怪人)
ウナギの怪人は、足元から先程の透明の液体を放出し、地面になじませた。
液体をはどんどん広がり、気がつけば焔の足下にも液体が充満していた。
「行くであります、ブラザー」(ウナギ怪人)
「OKブラザー!」(ザリガニ怪人)
2体は、アイススケートの様に地面を滑り始めた。速さは増して、2体は焔の元へと向かった。
「ふん!確かに速いが、アタシら忍のスピードに比べたら遅い!!」(焔)
焔は、その場で高く跳び上がり攻撃をかわした。
「考えが甘かったな」(焔)
そう言って焔は、地面へと着地するも。
「どわ!な、なんだコノ液体。ヌルヌルして足が……うわっ、おっと……す、滑る…」(焔)
着地したと思いきや、ウナギの怪人が放出させた謎の液体により、足下がヌルヌル滑って上手く体勢が直せません。
そう、その液体の正体こそ鰻の粘液だったのである。
これにより、鰻は皮膚呼吸を行うことができ、陸でも活動が可能になる。
さらにこの粘液は、水のない場所からある場所へと移動する際にも使われるらしいのだ。
粘液のせいで、焔は右往左往。
「うわ!おぉぉぉぉぉ…体が…思うように…動け…ない」(焔)
気がつくと、焔は叉を大きく開き地面に付いてお尻もついていた。
そのスキを狙って、2体は再び向かってきた。
「チャーンスだ、ブラザー」(ウナギ怪人)
「OKブラザー」(ザリガニ怪人)
粘液を上手く活かしながら、スムーズに焔へと接近する。
『このままではまずい…』そう思った焔は、片手にもってる3本の刀を地面に刺し始めた。
さらに、その刺した刀を支点とし立ち上がり、刀を踏み台の様にして近くの木へと跳び上がった。
さらに、木へ移ると今度はその木を踏み台にし、高く跳び上がった。
「ふん、そうはさせないぜ~」(ザリガニ怪人)
ザリガニの怪人は、片方の挟みからエネルギー弾を、焔の止まった木へと放った。
焔は再び高く跳び上がり、攻撃をかわす。しかし、足場の悪い地面へと戻るハメに。
「おっと……へー、見た目の割にはなかなか手強いじゃんか…」(焔)
「見た目の割にはは、余計だぜ!」(ウナギ怪人)
鰻怪人は、大きなヒレで焔を殴りかかる。
それに対し焔は、刀を再び手に取り攻撃をうまく受け流す。
しかし、追い打ちをかけるようにザリガニ怪人の大きなハサミが襲いかかる。
「クラブラリアット」(ザリガニ怪人)
「ぐっ…、ぐわぁぁぁぁぁぁぁ」(焔)
すぐさま攻撃を防ぐ焔だったが、ザリガニ怪人による強烈なパワーによって、吹っ飛ばされ木々に衝突した。
地面には、ウナギ怪人による粘液でヌルヌルと滑りやすくなっているため、思い通りに攻められない。
公園の木やベンチなども壊され、足場は制限されている。
「ハッハッハ-。思っていたよりもイケそうだなブラザー」(ザリガニ怪人)
「このまま一気に追い打ちを掛けるでありますぞ、ブラザー」(ウナギ怪人)
「チクショー、なめやがって…こんなヤツに負けてたら、飛鳥に合わせる顔がねーよ」(焔)
焔は、策を考えた。
足場さえ正常なら、2体の怪人を倒すことが出来る。
どうにかして、足場を元に戻すことは出来ないのかと焔は心の中で考えながら辺りを見回していた。
―!!―
すると焔は、何かに気付き閃いた。
「なんだ、意外と単純な手があるじゃんか。……さーて、反撃といくか」(焔)
そう言って焔は、再び地面に刺した刀を踏み台にし、高く跳び上がった。
さらに、もう片方の手に握っていた3本の刀へと、炎のチャクラを注ぎ込んだ。
刀は、まさに炎を纏った爪の様になっていた。
「秘伝忍法 暁!!」(焔)
炎を纏った刀を焔が強く振りかぶると、炎は半月の様な刀の斬撃と変わり、2体の怪人へと襲いかかった。
「ふん、馬鹿め。同じ手が二度も通じるかよ!」(ザリガニ怪人)
「以下同文であります、ブラザー」(ウナギ怪人)
2体は、粘液が染みこんだ地面をアイススケートの様に地面を滑り、攻撃をよけた。
「まだ、終わらないぞ!暁!!」(焔)
焔は、着地するやいなやすぐさま跳び上がり、炎の斬撃をもう一度放った。
「おっと!」(ザリガニ怪人)
「暁!!」(焔)
「ホイであります!」(ウナギ怪人)
「暁、暁、暁、暁、暁!!!!」(焔)
着地しては、ひたすら炎の斬撃を放つ焔。
しかし、2体の怪人は粘液を上手く滑りこなし次々とかわしていく。
このままでは、大量のチャクラの消費により焔自身が戦闘不能になるのも時間の問題であった。
しかし、その一方で怪人達にも異変が起こり始めていた。
「まだ、まだ〰!」(焔)
「ハァ、ハァ…おかしいぞブラザー。あの姉ちゃん、エネルギーを消耗するどころか、なんだか動きが戻ってきてやがる…」(ザリガニ怪人)
「そんな馬鹿な……吾輩の粘液がある限り、思い通りに動くことはまず……アチッ!」(ウナギ怪人)
突然、ウナギ怪人が何かにビックリし動きが乱れ始めた。
「うぉぉぁ…おっ、ととととお…のわー」(ザリガニ怪人)
「いぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ」(ウナギ怪人)
ウナギ怪人の動きが乱れたことによって、後ろにいたザリガニ怪人もバランスを崩してしまい、前にいたウナギ怪人を下敷きにしてしまった。
「あ!?大丈夫か、ブラザー」(ザリガニ怪人)
下敷きになったウナギ怪人は、ザリガニ怪人の体の硬い甲羅と棘によって、全身が傷だらけに。
「ブラザ〰!チクショー、どうなってやがる…」(ザリガニ怪人)
「教えてやろうか…」(焔)
前を見ると、そこには凛々しく安定した歩行を見せながら接近する焔の姿があった。
「馬鹿な…歩いてやがる!?粘液は、地面に……ハッ!」(ザリガニ怪人)
ザリガニ怪人は、あることに気付いた。
「まさか…貴様、“乾き”を利用しやがったな…」(ザリガニ怪人)
ザリガニ怪人の口から出た“乾き”という言葉。
それは、地面に答が示されているようなものでした。
そう、焔が空中から下へと斬撃を放っていたのは、攻撃目的ではなく、自身の行動範囲を広げる為であったのだ。
つまり、焔が放った炎の斬撃により、地面に染みこまれていた粘液が蒸発したのだ。結果、元の地面へと戻したのである。
「まっ…そんなところだな。周りを見回していたら、あんたらの攻撃で燃えた木を見つけてな。そしたら、その炎で地面の粘液は蒸発してたものだから、燃やしたってわけさ」(焔)
焔はすっかり得意気だ。
そして、再び戦闘態勢を整え始めた。
「これで、あんたらとようやく対等に戦えるってことよ!」(焔)
焔の発言を聞いたザリガニ怪人は、馬鹿にされている気分になり怒り始めた。
「俺達と対等だ……ふざけるな!忍の分際で生意気なこと言ってるんじゃねーよ!!お前なんか、俺一人で十分だ!!!」(ザリガニ怪人)
そう言い、ザリガニ怪人は焔へと一人で突っ込んだ。
「ハッ、待て…ブラザー!」(ウナギ怪人)
意識を取り戻したウナギ怪人は、一人で突っ込むザリガニ怪人を止めようとした。
しかし、もう遅かった。
焔は、六本の刀を鞘へと収めた。
そして、まだ抜いていなかった1本の長刀を手に取った。
すると、先程まで黒かった焔の髪が紅蓮の炎の様な赤髪へと姿を変えた。
「どうやら相手を間違えたのは、お前達みたいだな」(焔)
焔が長刀を構えると、長刀の刃に炎が注がれて炎の刀へと変わった。
「超・秘伝忍法 紅!! いっけぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
勢いよく突っ込んだ焔は、炎が纏った長刀を大きく振りかぶり、ザリガニ怪人の大きな体を斬りつけた。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…熱い、熱い!」(ザリガニ怪人)
攻撃をくらったザリガニ怪人の体は、炎によって全身を包まれていた。
体中の皮膚は焼けて膨張し、鉄壁であった自身の甲羅は次々と剥がれていく。
「俺の甲羅が…俺の……鉄壁の体が…」(ザリガニ怪人)
「どうやら、勝負ありだな」(焔)
焔が長刀を鞘に収めると、ザリガニ怪人の体に複数の斬れ跡が刻まれた。
「ぎゃぁぁぁぁ……ザリガニは…意外とバイ菌多いから…触った後は…手を洗おう…ぜ!」(ザリガニ怪人)
ボカーーーーーーン
ザリガニ怪人は、最後に教訓の様な言葉を残しながら爆発し、消えて無くなった。
「ぶ…ブラザーーーー!」(ウナギ怪人)
ザリガニ怪人がいなくなったことで、ウナギ怪人に鋭い緊張感が奔った。
「残るは、オマエだけのようだな…」(焔)
―!!―
目の前を見ると、焔が長刀を構えて立っていた。
「ひぃぃ!このまま死んでたまりますか…逃げるが勝ち!……あれ?粘液が出ない…」
粘液を使って逃げようとするが、いくら力んでも粘液が出て来ません。
さらに、ウナギ怪人の体も若干乾いた様子であった。
「しまった!粘液を使い過ぎたでありますか……ナッ!」(ウナギ怪人)
「悪く思うなよ。ハァァァァァ!」(焔)
焔は、長刀を大きく振りかぶり、ウナギ怪人を斬りかかろうとした。
この時焔は、自身の勝利を確信していた。
そう、この瞬間は…。
「ハッ…」(焔)
焔は突然、怪人の額ギリギリのところで攻撃をやめた。さらに、さっきまで赤く染まっていた髪も元の黒髪へともどっていた。
さらに、焔の起こった変化はまだ終わらない。
「なんだ……急に目まいが……一体どうなってる」(焔)
焔の様子に気付いたウナギ怪人は、笑みを浮かべていた。
「スキあり〰」(ウナギ怪人)
「なっ、しまった!」(焔)
スキを見せてしまった焔に対して、怪人は力を振り絞って、右腕へと噛みついた。
「ぎゃぁぁぁぁぁ…き…さま…」(焔)
ウナギ怪人の歯は、それほど大きくはないが、鋭い歯が口の中で無数に生えており、焔の腕を噛んだまま離れない。
「くっ、離せ……ウナギ男め……ああ〰」(焔)
「ニョホホホホ…パワーはそれほど残ってはいないが…オマエの血を吸い取って……回復さえ出来れば…」(怪人2)
「ちぃ、そうはさせるか!ハァァァァァ!」(焔)
焔は、体内のチャクラを集中させ、一気に解放し始めた。
「のわ!……この忍……まだこれほどの力が……か、体が引き離される…」(ウナギ怪人)
チャクラの圧で、ウナギ怪人は焔から離されそうになっていた。
「うぉぉぉぉぉ、アタシはここで…やられるわけには……いかないんだよ〰!」(焔)
焔は、体内のチャクラをさらに放出させた。ウナギ怪人も、やがて圧に耐えられなくなり、噛む力もそろそろ限界を迎えていた。
「ぐ……ぐごごごご…まずい…」(怪人2)
「アタシから…離れやがれ〰!」(焔)
「ありがとよ、姉ちゃん」(???)
―!!!―
突如、聞こえてきた謎の声。そして、忍は沈黙する。
「!!!…………ぐは…」(焔)
少女に忍び寄るもう一つの影。そして背後に、深手の切り傷。
「なん……だと」(焔)
そう、この時紅蓮の少女は、策に溺れた…。
驚きの展開ですが、今日の話はここまで。果たして、焔を襲った魔の手の正体は!?
そして、焔は無事なのか…。
次回もよろしくお願いします。ご愛読ありがとうございますm(_ _)m