果たして、葛城の秘密とは!?
いろいろと相談した結果、4人は葛城の部屋の前へとやって来ました。
なぜやって来たかというと、葛城が自分達に内緒で、何かを行っている事が本当なのかを探る為であります。
「本当にやる気なの斑鳩さん?」
「雲雀、ちょっと怖い…」
決断したの良かったものの、やはり抵抗を感じている飛鳥と雲雀。
「何を今さら言っておられるのですか。これはあくまで、葛城さんの為であり、私達チームの問題でもあります。この葛城さんの部屋から、遅刻の原因となったモノを探すのです」
斑鳩は、ただ葛城の秘密を知ろうとしている訳ではない。
自分達に何も話さず、1人で何かを抱え込む葛城に対し、もっとチームを信じてほしいといった思いが彼女の心にありました。
だからこそ、葛城をチームの仲間・家族として助けたいと考えているのです。
「アイツ(葛城)に聞いても、絶対隠すからな。こうした方がいい」
柳生も照れ臭そうに言い回すが、斑鳩と同じで葛城を助けたいという気持がある。
「そ…そうだよね!チームの為にも、私達が頑張らなきゃだめだよね!」
「うん。雲雀…怖いけど頑張ります」
そして4人は、葛城の部屋へと入った。すると、飛鳥が思わず一言。
「意外と普通の部屋だね」
葛城の部屋は、そんなに散らかってる訳でも無く、意外片付いているようだ。
それはさておき、4人は部屋を調べ始めた。
「では早速、手分けして探しましょう」
4人は、部屋の捜索を始めた。
クローゼットから押し入れ、骨董品の裏側、屋根裏など、とにかく小まめに探していた。
すると、クローゼットを捜索していた飛鳥が、何かを発見した様子。
「あっ!これは」
一同は、手を止めて、飛鳥の元へと向かった。
「何か見つけましたか、飛鳥さん!」
「これっ、私が葛姉に貸してた手ぬぐい。こんな所にあったんだ」
飛鳥が見つけた手ぬぐいは、葛城の遅刻とは関係なかった。
「飛鳥さん!真面目に探してください!」
「あっ!ごめんなさい」
再び、部屋の捜索を始める4人。
すると、今度は雲雀が何かを見つけた。
「あ~!これは!!」
「雲雀!」
「何か見つけましたか?」
今度こそ、目的のモノをみつけたか!
「月刊コミック乳々(にゅうにゅう)の抽選で、10人にしか当たらないプレミアムキーホルダーだ。雲雀、100枚ハガキを送ったけど全部はずれだったんだ。まさか、葛姉が当たってたなんて…」
「オホン(咳払い)」
「は!ご、ごめんなさい…」
雲雀が見つけたキーホルダーも、葛城の遅刻とは関係なかった。
その後も4人は、部屋の中を隅から隅まで調査を行ったが、どこを探してもこれといった証拠が1つも見つかりません。
ある所を除いては。
「あとは、この引き出しだけだな」
「いかにも何かが隠されていそうだね」
4人が最後に目を向けたのは、葛城の勉強机の鍵付きの引き出しである。
確かに鍵付きのとなると、よっぽど見られたくないモノが中に入っている可能性が高い。
「でも斑鳩さん、これをどうやって開けるの?鍵はたぶん葛姉が持っているし…」
「問題ない!俺が開ける」
飛鳥の心配をよそに、柳生は胸元から一本の針金を取り出した。
なんと、ピッキングで開ける作戦に出た。
柳生は、針金を鍵穴にさし、手慣れた手つきで鍵を開けていく。
「こ、これはあくまで葛城さん為でもあり、私達チームの為です。プライバシーの侵害ではありません」
斑鳩は、急に抵抗を感じたのか、慌てて一言添えた。
「いや、プライバシーの侵害っぽいけど」
思わず、斑鳩の一言にツッコミを入れる飛鳥。
そうこう話している間に、鍵は開いた様子。
「よし、これで開くはずだ」
鍵が開いたことを知り、一同に緊張感が奔る。
そして斑鳩は、引き出しの取っ手に手を当てた。
「ここまで来たら、後には引けません。皆さん、心の準備は出来ましたか?」
「う、うん」
「雲雀…やっぱり怖いなぁ…」
「安心しろ雲雀!俺が付いている」
4人は、冷や汗をかきながらも、引き出しを開ける事を決意した様子。
「では…参ります!」
斑鳩が取っ手を引こうとしたその時であった。
「こら〰!」
背後から一人の少女の声がした。
4人が振り返った途端、少女は目に止まらぬスピードで近づき、斑鳩の爆乳を鷲掴みする。
「きゃあ!!」
「アタイの部屋を荒らすなんて10年早いっつーの」
「か、葛姉!!」
なんと、葛城が居残りを終えて寮へと帰ってきていた。
「ちょっと、葛城さん…そ、そこは…きゃあ!」
自分の部屋に侵入し、勝手に秘密を探ろうとした罰として、葛城はいつもより激しくセクハラ(乳揉み)攻撃を斑鳩へ行っていた。
「アタイの部屋を荒らし代償は、大きいぞ~」
「きゃあ!こ、これはその…きゃあ!プライバシーの侵入では…あん!」
「ほれほれ、真面目委員長にはいつもより激しく…これが終わったらお前らもな!」
「ギクッ!!」(飛鳥・柳生・雲雀)
残りの3人は、こっそりと逃げようとしたが、手遅れであった。
「ま、待って葛姉!これには事情が…。私達は葛姉の為に…」
「言い訳は、無しだぞ。さーて、今日は揉めるだけ揉んじゃうぜ~」
「うわ~!」
葛城は、目を光らせながら3人に向ってセクハラ攻撃をいつも以上に炸裂させた。
柳生と雲雀は何とか回避したものの、飛鳥と斑鳩に関しては『もう絶対に、葛城の部屋は入りたくない』と心に焼き付くまで、揉まれ続けたらしい。
その後、斑鳩は葛城に全てを話しました。
「あ~そういうことか…。でも、だからといって勝手に人の部屋を捜索することないだろ」
斑鳩の意見に対し、葛城は正論を返した。
「いいえ、葛城さんに話しても絶対隠します!」
「グサッ!」
正論を返したつもりが、逆にキツい言葉で返された。
「葛城さんは、1人で何事も抱えすぎなんです。こういう時こそ、私達を信用してください」
「そーだよ葛姉。私達仲間なんだから」
「雲雀、心配したんだから」
3人は、葛城に思っている事をぶつけました。
「お、お前ら…」
「葛城さん、お願いです。私達に隠している事を、打ち明けてください、お願いします」
「私からもお願い葛姉!」
「雲雀も、お願いします」
3人は、葛城に深く土下座し、自分達にも秘密を打ち明けるようお願いした。
「お、おい、そんな土下座なんて大袈裟だろ。べ、別にそんな土下座してまでお願いすることじゃ…」
これには、さすがの葛城も焦りだした。
3人がの土下座を見て葛城は、動揺を隠せない。
もしかして、『自分が隠している物を見せない限り、この時間はずっと続いてしまう』と、心の中で思っていた。
そんな中、4人はあることに気づく。
「あれ、柳生のヤツがいないな」
「え、柳生さんが?」
なんと、いつの間にか柳生姿がなかった。
「さっきまで一緒にいたんだけど…」
一同が心配する中、ある物音が聞こえてくる。
それは、何かの鍵を開けている様な音です。
「この音…まさか…」
葛城は、恐る恐る後ろをふりかえった。
「よし、開いた」
「あ〰〰〰〰〰〰〰〰〰!」
なんと柳生が、話の間にスキを突き、引き出しの鍵を開けていました。
これには葛城も、予想外です。
「柳生さん、いつの間に!」
「まっ、待て!その引き出しの中身は…」
葛城は柳生を止めようとした。
しかし柳生は、引き出しの中身をさっと取り出し、葛城を避けて3人の元へと戻った。
「あ〰柳生〰 」
「柳生ちゃんナイス!」
葛城の動揺レベルは、もうMAXに達していた。
3人は、柳生が引き出しの中から持ってきた物を、早速拝見した。
「これが葛姉の遅刻の原因…」
それは、何かが書いてある書類のような物でした。
「こ、これは…ぷ…プロレスの情報資料!?」
「エーーーー!!」
「やはり、俺の予想どおりだ…」
葛城が隠していた物の正体は、プロレスの選手や試合のデータが書かれてある手作り資料でした。
「あははは…とうとう見つかっちまったか」
葛城は、この場を誤魔化そうとしました。
「葛姉、これは一体何なの?」
「そうだよ。雲雀達、斑鳩さんから聞いたよ。葛姉は同じ試合を何度も見て、頭の中に情報を入れ込んでるって」
葛城は、動揺しながらもいつもの調子で質問に答えようとる。
「何つーか…その…最近いろんなレスラーが増えてきて…頭の中だけでは覚えきれなくなっちまって…その…」
「要するに、その行動をバラさないようにする為だけに、コソコソやっていたんだな」
柳生は、確信を突いた一言を添える。
「だ、だってよ~…最近選手の情報は複雑すぎるっつーか、それにバレると何かかっこ悪いじゃん。ほら、趣味の秘密を他人にバレたらやけに恥ずかしいというか…なんていうか」
葛城が言い訳を話している中、斑鳩が彼女の目の前へと向かっていた。
そして、近くに来ると斑鳩は、葛城の頬めがけて強いビンタを放った。
「痛っ!!」
「馬鹿!!人がどれだけ心配したと思っているのですか!」
斑鳩の顔を見ると、その瞳から大粒の涙がこぼれていた。飛鳥・柳生・雲雀の3人は、思わず黙り込んだ。
「…い…斑鳩…」
葛城は、斑鳩の涙をみて心配する。
「確かに私は、真面目で大袈裟ですが…仲間として仲間を心配する義務があります!」
「斑鳩…」
これまでの彼女達は、様々な試練を乗り越えてきた。
しかし、それは1人ではなく仲間の支えがあったからこそのりこえられたのである。
斑鳩の言葉には、そういう意味が込められていた。
「そうだよ葛姉!前に言ったよね。“1人で抱えず、先輩や後輩に頼れ”って」
飛鳥は、過去に葛城が自分に掛けてくれた言葉を思い出す。
「私はプロレスの事は、正直あまり興味はないけど…その…情報収集くらいなら手伝えるかな」
「雲雀も、手伝える事があったら協力する」
「お前の趣味は、理解できん。でも、雲雀が手伝うなら俺も少しくらいは…」
3人は、それぞれの思いを葛城へ伝えた。
「お前ら…」
葛城が感心する中、斑鳩が肩に手を当てた。
「これでわかりましたね、葛城さん。私達は、チームです。どんな事であっても、共に分かち合いましょう」
斑鳩は、葛城に1番伝えたかったことを伝え、葛城に手を差し伸べた。
「葛姉、これからもよろしく」
「よろしくね」
「感謝するんだな…」
飛鳥・柳生・雲雀もそれぞれの思いと共に、手を差し伸べた。
「飛鳥、柳生・雲雀・斑鳩……これからも宜しくな!」
葛城は、仲間の思いを知り、四人の差し伸べた手にそれぞれ握手した。
握手すると、先ほどの斑鳩のビンタが嘘だったかのように自然と少女達に笑顔が見られた。
まさに、「雨降って地固まる」である。
しかし、葛城の笑顔は4人と比べて冷めるのが一番早かった。
「あれ、葛姉どうしたの?」
「え!?い、いや何でもない…アハ、アハハハハッ」
何やら一瞬気まずそうな雰囲気をみせた葛城であった。
「葛城さん、これを機にしばらくプロレスは控えてくださいね」
斑鳩は、同じ事が無いように葛城に念を押した。
「え~、なんだよそれ」
「当たり前です。今回の事はしっかり反省していただきます」
「自業自得だな」
斑鳩達は、葛城がしまっていたプロレスの資料や録画したDVDを没収した。
ついでに、隠していたプレミアムキーホルダーは、雲雀の手に渡った。
趣味を制限されて、落ち込んでいるように見えた葛城であったが、仲間が自分の事をこれほど考えていると知り胸がいっぱいでした。
しかし、彼女の胸の中にはもう一つの感情がありました。
それは、「複雑」というものでありました。
なぜなら、葛城が隠していた物はプロレスの情報なんかではないからだ…。
それから数日が経過。葛城は、自主練の為、ある山道を1人走っていた。
「ハァハァ…まだまだ…ハァハァ」
この間の遅刻が嘘のように、葛城はひたすら汗水流し、急な山道を走っていた。
そして、目標の場所へ到達する。
「ご…ゴール…ハァハァ」
息を切らした葛城は、近くの岩に座り込み一休みした。
「あら、お見事ね。さすが半蔵学園の忍ね」
何やら、1人の少女の声が拍手と共に後ろから聞こえてきた。
しかし、葛城は動揺もせずに堂々としていた。
「ハァハァ…1番乗りかと思ったら、来てたのか…春花」
少女の正体は、頭の上の大きなリボンがトレードマークが特徴的な、元・秘立蛇女子学院3年の春花であった。
蛇女子学院は、かつて半蔵学園と死闘を繰り広げた悪忍育成の学院だ。
闘いに敗れ抜忍となった春花とその4人は、現在リーダー焔のもと「焔紅蓮隊」として今でも忍として道を歩んでいるのである。
「別にトレーニング中に会わなくても、他の時間とかでもイケたんじゃないの?」
「仕方ねぇだろ。こういう時しか余裕がなくてよ」
何やら葛城は、春花に用事がある様子。春花は、深刻な顔をして葛城聞いた。
「本当にやる気なの?葛城」
春花の質問に対し、葛城は返す。
「あぁ、アタイはやるって決めたんだ!」
葛城は、キリッとした表情で春花を見つめた。そして、葛城は春花に聞いた。
「春花!例のモノは、出来たのか?」
「まぁ、一応ね…急に夜遅くに電話が掛かってきてビックリしたわよ。それも…“変身ベルト”を造ってだなんて」
春花は、胸の谷間から謎のベルトを取り出し、葛城に差し出した。
葛城は、ベルトを受け取ると何やら深刻な表情を見せていた。
「葛城…アナタは何故こんな事を…」
春花は、そんな彼女を見て心配する。
「さぁな…。でも、アタイの体っていうか…心っていうか…何かがそうさせているのさ…この闘いだけは、4人を巻き込む訳にはいかないんだ…」
葛城は、決意していた。
自分を信じてくれる仲間の為にも、この闘いをやり切ってみせると。
その闘いこそ…今回の葛城の物語でもあった。
「ごめんな…飛鳥・柳生・雲雀…そして…斑鳩」
目から一滴の涙を流す葛城。
涙をふき取り、葛城は山に向かって叫んだ。
「立ってやるぜ!アタイが…邪道ヒーローの頂点に!!」
「葛城…」
こうして、葛城のヒーロー伝説が始まった。
信頼してくれる仲間の為に果たして葛城は無事ヒーローになる事が出来るのか?
さらに、ヒーローを目指す葛城に、一体どんな試練がこの先待ち受けているのか?
これは、本編では語りきれなかったヒーロー達の物語である…。
3話目を描き終えました。ご愛読ありがとうございます。
展開がいろいろと複雑になっていきましたが、少しでもこの後の展開を良くできるように、これからもがんばります。
最近、閃乱カグラSVとEVを買ってプレイしたおかげで、カグラの知識が少しずつ広がりつつあります。まだ偏りはありますが、今後ともよろしくお願いします。