インフィニット・ストラトス~君が描いた未来の世界は~   作:ロシアよ永遠に

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前話のハロウィン後編を投稿した翌日

日間ランキング8位

(ºДº)



……

………

「そして時は動き出す…ッ!」

あ、ありがとうございます!
まさかランキング一桁とか夢にも思ってなかったので…。
これからも当小説をヨロシクお願いします!


さて、今回はゲームのオリキャラを一名出しています。

少々短めはご了承下さい。


第43話『俺達の戦いは、これからだ!』

何やらヤバげな第二試合を終え、着々と対戦が進んでいく。Aブロックはやはりと言うべきか、オウカの圧倒的な戦いによって、決勝トーナメントへと進出していった。なお、彼女と当たった男プレイヤー、その(ことごと)くは腰が引き気味になっており、その隙を突かれて十分な実力を発揮できずに敗れ去った事をここに記す。

 

「じゃあイチカ。行ってくるね。」

 

「応!全力でぶつかってこい!」

 

選手の待機アリーナ、ユウキに付き添ってここで待っていたイチカは、やる気に満ちた表情の彼女を見送った。オウカの実力を目の当たりにしたユウキのメンタルがこれ以上磨り減らないよう、二人きりになれるルームを見つけて、ユウキの精神面を立て直すに至った。

確かにユウキが絶望を抱くのはわかる。

正直、オウカの実力は異常だ。

あの戦いぶりを見るに、初心者かどうかは別にしても、戦い慣れしているようにも感じる。

だがゲームというシステム上、やはりプレイ時間の長さ=システムの熟知に繋がる。それはやはり、長い時間プレイして培われるもの。ユウキがつけ込むとしたらそこか、若しくは彼女の並外れたフルダイブ適正による反応速度。これがオウカに対抗しうる鍵になるだろう。

 

(頑張れよ…ユウキ…!)

 

応援することしか出来ないもどかしさにうちひしがれながら、大歓声に包まれる中で始まるユウキの試合を見守るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結果から言えば、ユウキに緊張からくる堅さはなく、いつも通りの軽やかで俊敏な動きで翻弄し、鋭い剣戟によって的確なダメージを与え、特に苦戦も無く切り抜けた。

文字通り快進撃を続け、全勝による予選突破を果たした。

続くCブロック。

イチカの属するブロックだ。

目の前の相手。それは異質とも言えるほどに研ぎ澄まされたものだった。

いわば、極限までに研がれた真剣のような…。

無言。

だが試合前にもかかわらず、彼から滲み出る気配や気迫は、恐ろしいまでにこちらを圧倒してくる。

 

「絶刀のイチカ…。」

 

「…なんだ?」

 

「ALO随一と謳われる貴様と手合わせ出来るとは、俺としてはとても喜ばしく思う。」

 

こちらを圧すプレッシャーこそ強大なものだが、その目や口許は笑っている。

自身の手に持つ雪華に自然と力が入る。

 

「そんな、たいそうなものじゃないさ。ただ研鑽を重ねた、馬鹿の一つ覚えの成果なだけだからな。…それよりも、アンタの方こそ何者だ?その気迫は只者じゃない割に聞かない名前だけど。」

 

「俺は、ただ知り合いの付き合いで、仕方なくこのゲームを始めただけだ。…だがまぁ…こうして現実のように動かせて強者と戦える、というのは悪くはないと思っている。」

 

そう自嘲気味に笑ったウンディーネのプレイヤーは、手に持った刀『天叢雲剣(アメノムラクモノツルギ)』、その切っ先をイチカに向け、その表情から笑みをけす。

 

「故に、貴様のような男と戦えるのは、このVRMMOの楽しみだ。そして貴様を打ち負かし、かの絶剣や黒の剣士、Aブロックのオウカとやらと手合わせさせて貰う。」

 

「…悪いな。」

 

左手に持った雪華、その鞘から優美な白銀の刃を抜き放ち、同じく相手にその切っ先を向ける。

 

「約束しててね。また戦おうって。だから俺も負けない。負けられない。」

 

互いに勝ちたい、負けない。その気持ちは気迫となり、闘気となり、フィールドを包み込んでいく。

 

『それでは!Cブロック一回戦…インププレイヤー・イチカ対…』

 

「………。」

 

名を呼ばれた瞬間、基本の構えである下段に構える。

 

「ウンディーネプレイヤー・スメラギ!」

 

スメラギと呼ばれたプレイヤーも、天叢雲剣を上段に構え、切っ先と視線をイチカに集中する。

 

『試合開始!!!!』

 

「「オオオオオオオォォッ!!!」」

 

試合が始まると同時、2人は瞬時に距離を詰め、片や下からの切り上げ、片や上からの振り下ろし。互いに示し合わせたかのように同時にブレーキをかけ、互いの得物で相手を斬り捨てんと振るったのだ。

刃と刃がぶつかり合い、コロッセオ中に響き渡る甲高い金属音を轟かせた。

ビリビリと手に伝わる振動、イチカはその痛みに一瞬顔をしかめるが、目の前の相手はそれが治まるまで待ってはくれない。

 

「うぉっ!?」

 

鍔迫り合いで負けまいと押していた腕、その抵抗が一切なくなり、イチカは前のめりになる。スメラギが雪華を受け流し、イチカの体勢を崩したのだ。その隙を見逃さず、スメラギは天叢雲剣の刃を、まるで断頭台の刃(ギロチン)の如く振り下ろす。

普通ならばこれで決着となるだろう。

 

だが、

 

生憎とイチカは普通ではない。

 

体勢を崩されながらも地を向いていた身体をひねり、その勢いで雪華を振るう。

再びぶつかり合うその音と共に、イチカは相手の振り下ろしの勢いを上手く利用して距離を取る。

 

「なかなか機転が利くではないか。」

 

「そりゃどーも。」

 

流石にあの程度で終わってしまっては、面目も何もない。呆気なさ過ぎるだろう。とっさに身体が動いたのは、2年という間に命を賭けた戦場を生き延びる上で身についた慣れに過ぎない。

 

「俺としてもあの程度で終わられては困るからな。…絶刀の実力、この程度ではあるまい?」

 

「どうだろうな?…アンタのお眼鏡にかなうかどうかなわからないけど。」

 

「フッ……ならば貴様の実力…否が応でも引き出させよう。」

 

瞬間、スメラギが5メートルは開いていた距離を一飛びで詰め、横凪に刀を振るう。彼のその速さは、親友のそれと大差ない程のものだ。だがその速さにイチカはある程度慣れている。咄嗟に後ろに飛び退いて躱すと、腰に差していたピックを3本抜き取り、スメラギに投げ付ける。だが彼の反応速度も普通ではない。瞬時に刃を返し、刃の腹でピックを防ぎ落とす。

だが、イチカは当てようなどとは思ってはいない。一瞬、スメラギの視線がイチカから切れた。それを狙っていた。

飛び退きから着地し、一息の暇もなく再び距離を詰め、撃ち落とした直後のスメラギに迫る。右への凪払いで胴を狙う。

しかしスメラギもそうはさせまいと刀を縦に構えて壁を作り、雪華の刃を受け止める。

 

「今のを防ぐかよ…!」

 

「先程より迅いな…!ギアが上がった、とでも?」

 

「どうだろうな?身体があったまってきただけかも知れないぜ?」

 

「フッ、どちらにせよ、ギアを上げてきたのなら、こちらも上げるだけだ。」

 

ギィンッ!とイチカの刃を力任せに弾くと、ワンステップ後ろに飛び退くと、剣道での上段の構えを取る。

ここまでなら何の変哲のないものに感じるだろう。

 

だがこのスメラギは違った。

 

彼の身体の輪郭、それが陽炎のように揺らいでいるのだ。

 

いや、よくよく見れば、身体からオーラのような何かが滲みでている。

 

そしてそれは、爪先から膝、腰、胸を介して腕…その先である天叢雲剣へと集約していく。

 

「さぁ…征くぞ…!」

 

揺らぎが光った瞬間、彼の背後に浮かぶ何かが見えた。

 

幻覚?

 

にしては徐々にハッキリとその見目形が現れつつある。

 

それがなんなのか。

 

それを理解したとき、現れた彼のその巨大な()()()()は振りかぶっていた。

 

「受けてみよ…!この俺の一撃…OSS(オリジナルソードスキル)…!」

 

透き通りつつも、巨大なその腕に持つ、その大きさに比例した巨大な刀。

 

それはもはや異質とも言えるほどで。

 

「デュールの…隻腕…!」

 

そして振り下ろされた刃は、

 

巨大な粉塵を巻き上げて、フィールドを一刀の元に真っ二つに叩き割った。




スメラギさん現る。

今回、スメラギさんは原作までピリピリしてないです。
セブンが企てをしてないので、セブンに付き合いつつも、本音を言えば
「俺より強いプレイヤーに会いに行く」
というスタンスでプレイしてます。

円夏が一夏を呼ぶ時の呼び方は?今後の小説に反映されます。

  • にいに。
  • お兄ちゃん。
  • 兄さん。
  • 兄貴。
  • 一夏。

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