インフィニット・ストラトス~君が描いた未来の世界は~ 作:ロシアよ永遠に
『約一名早速
『さて…第1コーナーを曲がったところで、まずトップグループを見ていきましょう。』
トップグループ
セシリア
マドカ
和人&明日奈
須郷
少し開いて
一夏&木綿季
『流石に自動車量と自力稼働とでは差がありますね。』
『頑張れぇぇ!!一夏ぁぁ!!木綿季ぃぃぃ!!!!』
『織斑さん。自身の家族に頑張って欲しいのはわかりますが、あくまで公平に解説をお願いします。』
『はっ!?私としたことが…。』
「オ~ッホッホッホ!今の私を止めることは叶いませんでしてよ!!」
「くそっ!やっぱり速いな…!」
「いいなぁ…黒のバイク。」
「キリト君!?何で競争相手の車両を羨ましがってるの!?しかも何か黒いナニかが漏れ出してるし、普通じゃ無いわよあのバイク!…ひぃっ!?」
「う~ん、やはり良い匂いだ…!いや…もっとこう…男心を擽るフェロモン…それを僕は感じるんだよ明日奈君!」
ターンしてもX号…略してターンX号を和人と明日奈の車に横付けし、助手席に座る明日奈の匂いを身を乗り出して嗅ぎ出す須郷。嫌なトラウマが蘇り、思わず身を引いて和人の方へと寄る。
「き、キリト君!右!右に行って!」
「わ、わかった!」
「つれないじゃないか!いや、いやよいやよも…と言う奴か!中々奥ゆかしいじゃないか明日奈君!」
「こっち来ないでぇ!」
明日奈、半泣きである。
車を避けようとも、須郷はそれを追って寄せてくるんだから溜まったもんじゃない。
「明日奈君アスナクンあすなくんアスナクン明日奈君あすなくん明日奈君アスナクン…!」
「い、いやぁぁぁっ!!」
何処から取り出したのかわからないが、ランベントライトを抜き取り、SAOで猛威を振るった高速の刺突を繰り出す。
ブスッ!と言う何とも良いがたい効果音が当たりに響いた。
「うぎゃぁぁぁああぁぁあっ!僕の目が!目がぁぁっ!」
両目を押さえながらのたうち回り、ハンドルを操作することも出来ず、須郷のターンX号は道路脇に植えられた木に正面から突っ込んだ。
「はぁっ!はぁっ!清々したっ!」
しばらくして…
「あれ?一夏…事故かな?」
「みたいだな。危険運転したのか?それとも妨害しようとして返り討ちにあったのか?」
先頭集団からやや遅れていた一夏と木綿季は、須郷と明日奈のやり取りを知らず、ただただ物言わぬ須郷を横目で見送りながら追い抜いていく。
「でも良いのか木綿季。こんなにゆっくりで。」
「いいの。ボク、タンデム自転車って初めて乗るから楽しんでいたいんだ。」
「そっか。」
「それに、一夏とこうしてツーリングって中々無いだろうし…この時間を大事にしたいの。」
「…おう。」
まぁ確かに一夏からしてみても、こうして木綿季とツーリングするのは新鮮だし、心が洗われるような気分になるため、ゆっくり漕いで走るのも良いんじゃないかって思う。
「木綿季。」
「なぁに?」
「このままどっかに出掛けるか?」
「へ?で、でも大会は…。」
「あぁ。貯金の為って言ったけど、別に生活が苦しいってわけでも無いからさ。俺達が学園卒業しても大丈夫なくらいはな。」
「そ、そーなの?」
「お金なんて、働きさえすればどうとでもなるし、今は…木綿季との時間を大事にしたい。」
「一夏…。」
うれしいこと言ってくれるじゃないの。
彼の心遣いに心が温かくなる。
木綿季としても、一夏が貯金したいというから一緒に出ただけで、それ程彼女自身に強い願いがあるわけでも無い。なので、一夏がこうしてお出かけのお誘いを掛けてくれるのは願ってもないことだった。
「それじゃあ…今日はこのままデートに変更だね一夏!」
「おう!」
丁度差し掛かったT字路。
本来レースの順路は右なのだが、2人のタンデム自転車は左へとその進路を変える。
『い、一夏君!?』
「悪ぃ!俺はこのまま木綿季とデートに変更する!」
「皆~!頑張ってね~!」
木綿季は大きく手を振りながら、一夏と共に路地の中へと消えていく。
観客もポカンとするしかないらしく、レース会場は静まり返っていた。
『フッ…相も変わらず仲睦まじいことだ。』
約一名、姉バカを除いて。
「じゃ、俺と木綿季の代わりにレースの方、楽しんでくれよ。」
「うむ、了解した!」
「バッチリ優勝してくるね!」
一夏と木綿季が消えた路地の路肩から、1台の車両が飛び出した。
それは、真っ黒に染められたハンヴィー…。
物々しさ抜群のソレが先頭集団目掛けてトップギアで追いすがっていった。
円夏が一夏を呼ぶ時の呼び方は?今後の小説に反映されます。
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にいに。
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お兄ちゃん。
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兄さん。
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兄貴。
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一夏。