赤い瞳と赤い弓兵   作:夢泉

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キャラクター紹介 
・エミヤ ライブ 
本編主人公。女の子。ファザコン。この話では9歳くらい?小学校に通ってます。産まれながらに怪物の力を宿し、「呪われた子供達」とよばれている。産まれてすぐ捨てられ、ずっとひどい差別や暴力をうけてきた。誰も彼もが死んでいく地獄の中で、アーチャー(エミヤ)の召喚を偶然する。能力使用時には瞳が赤くなる。普段は青色の瞳。容姿は白い肌に金髪。とても優しく、人の感情を読むのに長けている。
・エミヤ シロウ
言わずと知れた赤い弓兵。ライブの義父。親バカ。


プリズマ☆イリヤ「雪下の誓い」公開記念~赤い瞳と衛宮一家①~

「はぁ、なんでさ………。」

 

 傷だらけの弓兵は床の上で一人呟いた。

 

「今日はこれくらいにしといてあげる♪」

 

 今彼の目の前には腕を組んでふんぞり返っている彼の姉、そしてその従者である屈強な大男の二人がいる。

 

 どうしてこうなったんだっけ?思い出してみよう。

 

 

__________________________________________

 

 私は今、娘のライブの作ってくれた昼食を食べている。今日の昼食は全てライブの手作りだ。と言うのも、エミヤは今日は家に隣接した定食屋でかなり忙しく働いていて、自分のぶんを作る暇がなかった。昼時の混雑がなくなった今、ライブが作ってくれた昼食を食べているのだ。

 

「…………どう?」

 

 おそるおそるといった様子で感想をたずねるライブ。

 

「…フム…」

 

 弓兵はおもむろに箸をおき、呟き、暫しの沈黙のあと、一言、

 

「………旨い。」

 

「っ!本当に!?」

 

 さっきとはうってかわって、とても嬉しそうな表情をするライブ。

 

「あぁ。本当に美味しい。どんどん上達しているな。」

 

「よかったあぁぁ………。」

 

 どうやら相当気を張っていたらしい。ライブは一気に脱力して、椅子にもたれかかる。

 

「ふっ…だが、まだ厨房には上がらせられないぞ?」

 

「ぶ~。まだダメなのぉ?」

 

「まだ厨房(せいいき)は君には早い。」

 

「む~。わかった。もっともっとがんばる!」

 

「ふっ、、、。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごちそうさまでした。」

 

「お粗末様でした。」

 

「では私は厨房に戻ろうかな。」

『ピン、ポーン!』

「誰か来たようだな………私が出よう。」

 

 

 

 

 

 

「どちら様でしょうか?」

 弓兵は扉を開けつつ尋ねた。そう、開けた。否、開けてしまった。

 

「おっじゃまっしまーす!!」

 元気な声でそう言いながら家に入ってくる白い肌に白い髪、そして赤い瞳を持つ少女。

 

「なっ、イ、イリヤ!?」

 

「もう!お姉ちゃんって呼んでって言ったでしょ!」

 

 訪ねてきたのは死んでしまったはずの少女だった。

 

 

 

「どう、して…?」

 

「それは私がここにどうやって来たかってこと?………それとも、どうして私が生きているのかってこと?」

 

「私は君を守れなかった。君を、私は、私は、」

 

「シロウ。」

 

「………?」

 

「屈みなさい。」

 

 意味がわからなかったが、シロウは姉の真剣な声音に黙って従い、屈んで彼女に目線をあわせた。すると、

 

「っ!…………な、、、に、、を?」

 

 イリヤはシロウを抱き寄せ、頭を撫で始めた。彼女は、そのまま言葉を紡ぐ。優しく、慈愛に満ちた声音で。

 

「シロウ。私が何で生きているのかなんてどうだっていいじゃない。今私はここにいる。ここにいてシロウを抱き締めている。それで十分じゃない。」

 

 真っ白い手が弓兵の目尻を撫でた。知らず、彼の目からは涙が流れていた。とっくに枯れたと思っていた涙が。

 

「泣いてもいいのよ。私はあなたのお姉ちゃんなんだから。」

 

「泣く?私が?何故だ?そんなこと、、、そんな、こと、、、、」

 

 そんなことあるわけない。そう言いたかったが、それが言葉になることはなかった。

 

「シロウ、よく頑張ったわね。」

 

「っ!…………くっ、ふッ」

 

 彼が守れなかった、その手から取りこぼしてしまった命。血は繋がっていなくとも、確かに繋がっていた家族からの、なんの変鉄もない、ただの言葉。ありふれた言葉。されどそれは、弓兵の硝子の心を、ひび割れ、ボロボロになった彼の(せかい)を揺るがし、かつての少年へと戻してしまうには十分すぎる言葉だった。

 弓兵は泣いた。静かに、静かに…。

 

 

_____________________________________

 

 

「で?この子は誰との子なの?シロウ?この金髪。もしかしてセイバー?」

 

「いや、だから違うんだ。」

 

「違う?……まさか、こんな小さい子に手をだしたの!?」

 

「いや、なんでさ!だから彼女は・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・というわけだ。」

 私は軽くライブとの出会いを話した。

 

「…………なるほどねぇ。」

 

 イリヤがライブの方を見やる。すると、今まで話についていけずに呆然としていたライブは、恐る恐る、といった様子で声をかけた。

 

「あ、あのぉ、、、、、」

 

「あっ!ライブ、よね!私はシロウの姉のイリヤ!イリヤスフィール・フォン・アインツベルンよ。よろしくね!」

 

 そういって手を差し出すイリヤ。ライブも手を出して応える。

 

「…………は、はい。よろしくお願いします。イ、イリヤさん。……………あれ?お父さんのお姉ちゃん?」

 

「そうよ。」

 

「えっ!お姉ちゃん!?妹じゃなくてですか!?」

 

「えぇ。」

 

「そう、、ですか。じゃあ、私の、お、おばさん?」

 

「・・・・。」

 

「ク、ク、ク、お、おば、おばさん、、ハハ!」

 

「………天使の詩(エルゲンリート)。」

 

「すみませんでした。お姉さま。優しい優しいお姉さま。どうか、コウノトリの騎士(シュトルヒリッター)をおしまいください。」

 

 英霊の誇り?そんなもの知らない。とっくに青い犬に食べさせました。

 弓兵は綺麗な、それはそれは綺麗で、お手本になるような土下座をした。

 

「ライブ、私のことは()()()()()って呼んでね♪」

 

「は、はいぃぃ!」

 

 すごい。何がすごいって、あれほど可愛らしい姿で、あれほど綺麗な笑顔なのに、有無を言わせぬ圧倒的な力を感じることだ。

 

「よろしい。」

 やはりイリヤは鬼畜ロリ(イリヤ)である。

 

 

「では私は店にいく。」

 イリヤとライブを二人で残すのは少し、いや、物凄く、物凄く不安である(防犯的な意味ではない。むしろ私の姉なら最強の防犯システムだ)が、生憎私は仕事に行かなければならない。

 

「いってらっしゃーい!」

 元気に言うイリヤの横でライブが懇願するように私を見ている。くっ、そんなつぶらな瞳で見るのはよすんだライブ…!

 ライブに心の中で謝りつつ、私は急いで厨房へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いったわね………。それじゃあ、ライブ。お姉ちゃんと遊びましょ♪」

 

「助けて、おとーーさーーーーーーーーーーーん!!」

 

 ライブの叫びは虚しく響いた。

 

「そんなびくびくしないで、とって喰おうってわけじゃないんだから。」

 

「うん……。」

 

「ねぇ、先ずはあなたのことを教えて。」

 

「え?」

 

「シロウは簡単に説明しすぎなのよ。あれじゃあよくわからないわ。あなたの言葉で聞きたいの。」

 

「………わかりました。私は・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・というわけです。」

 

 話ながらだんだん声が小さくなっていく。目の前の彼女に軽蔑されるのではないか。怒鳴られるのではないか。今が幸せでも、この呪われた血がなくなるわけじゃない。話しているうちに、彼女の心の内にある恐怖が溢れ出そうとしていた。すなわち、いつまでこの幸せな生活が生活が続いてくれるのか、という潜在的な恐怖だ。

 そんな感情の激流に呑まれ、今にも泣き出しそうになっている少女の姿を見つつ、イリヤは、

 

「ふーん……。そうなの。」

 

 驚くほど素っ気なく、普通の会話のように応えた。

 

「え?」

 

 イリヤの反応はライブには意外だった。この話を聞いた人は、お父さんや同じ境遇の子供等ごく一部の人は「頑張ったね。」とかいってくれるが、大抵の人は私を嫌った。しかし、イリヤの反応はそのどちらでもなかった。

 

 イリヤは、面倒くさそうに、ふぅ、と一息着いたあと、少女に質問をする。

 

「だって今幸せなんでしょ?」

 

「うん!」

 

 即答した少女を、少女の顔を見て、イリヤ微かに笑みを浮かべて続けた。

 

「ふふ、ならいいじゃない。もうそれでおしまい。ね?」

 

 嫌うでもなく、同情するでもない。このいっそ冷たく感じる対応だが、ライブはこの方がやりやすいなと思った。ライブは人の感情に敏感だ。故に、イリヤの冷たい反応の中に、たしかな優しさを感じれた。

 

「うん!ありがとう!お姉ちゃん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まずい。天使(ライブ)小悪魔(イリヤ)に毒された気がする。」

 弓兵はチャーハンを炒めながら一人呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_____________________________________________

 

 

「ライブ、その服装は?」

 

「お父さんが選んでくれたの。」

 

「シロウってばセンスないわねぇ。」

 

「私は着られれば何でも・・・・。」

 

「だめよ!あなたこんなに可愛いんだから!もったいないわ!」

 

「そ、そうですか?」

 

「私がコーディネートしてあげる♪」

 

 こうしてイリヤの、イリヤによる、イリヤのためのライブの着せ替え(おあそび)が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_____________________________________

 

 

 

「ライブは大丈夫だろうか?」

 今エミヤは店を一旦閉めて家に向かっている。エミヤはずっと気がかりだったため、人がいなくなった隙をついて様子を見に来たのだ。

 

 

「ライブ、イリヤ、入るぞ。

 

「「「・・・・・・。」」」

 

 エミヤが扉を開けると、そこには絶賛お着替え中のライブとイリヤが・・・・。

 

「す、すまなかった!」

 

 しばし硬直していたエミヤだが、誰よりもはやく復活すると、すぐさま扉を閉めた。

 

「「きゃああああああああああああ!」」

 

 遅れて響く悲鳴。

 

「本当にすまなかった!」

 

 エミヤは扉越しに謝罪する。

 

「フフフ、いいわシロウ。」

 

 イリヤの明るい(?)声が聞こえる。

 

「許して、くれる、のか?」

 

「フフフ、やっちゃえ、バーサーカー♪」

 

「は?」

 

「⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛ーーーー!!!!!!」

 

 どこからともなく大男が現れた!

 

「へ?」

 

 エミヤに99999999ダメージ!

 

「いや、なんでさぁぁ!!!」

 

 エミヤは倒れた!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_________________________________________

 

 

 ここで冒頭に戻るのである。

 

 エミヤはお仕置きを受けたあと、よろよろと店に戻ってきた。

 

「はぁ、なんでさ。」

 

 溜め息をつきながら扉を開けると・・・・

 

「ひさ、、し、ぶり、、士、郎。」

 

 床で悶える全身黒ずくめの養父、衛宮切嗣がいた。

 

「じ、爺さん!?どうしたんだ!」

 

「じ、、つ、は」

 

 死ぬ間際の様に掠れた声で言う養父。そこに正反対の物凄く明るい声が響く。

 

「あらあら、あなたが士郎ね!切嗣から話は聞いてるわ!」

 

 厨房を見るとイリヤに似た白い肌に白髪、赤い瞳の女性がいた。

 

「私はアイリ。アイリスフィール・フォン・アインツベルンよ!お母さんって呼んでもいいのよ!切嗣の子供なら私の子供ですもの!」

 

「あ、あの・・・・。」

 

「ねぇ!せっかくだし、私の料理食べてみない?切嗣に今作ったんだけど作りすぎちゃって。」

 

「は、はぁ、それじゃあ、」

 

 矢継ぎ早に紡がれる言葉に、状況が飲み込めないまま流されていく。が…

 

「駄目、だ。士郎、それを、、たべちゃ、いけ、ない。」

 いただきます。そう言おうとしていたエミヤは、養父の小さな小さな言葉で何故こんな状況になってるのか理解し、とっさに、

 

「今さっき食べたばかりなので大丈夫です!」

 

「そうなの?残念だわ。切嗣が一口でひっくり返るほど美味しいのに・・・・。」

 

「そうですか。残念だなぁ。」

 ハハハ、と苦笑いを浮かべるエミヤ。なんとか危機を脱したようで胸を撫で下ろす。

 

 

 ・・・まぁ、後で食べることになるのだが。母の手料理(ダークマター)を。

 

 何はともあれ、衛宮一家大集合である。

 

 

 

 

 

 

 

~続く?~

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ということで、劇場番プリズマ☆イリヤ公開記念として投稿しました。すごく見たい!けど時間がない!

ところで、fgo始めました。無課金でひっそりとやってます。まだ始めて1ヶ月たってませんが、ガチャ運にだけは恵まれており、☆5鯖はオジマンディアスと、エルキドゥ、獅子王が出ました。ちょっとSNのとは違うけどアルトリア出た!やったね!
☆4は水着ノッブと水着ニトクリス、水着イシュタル、タマモキャット。
リミゼロも出たし、概念礼装も充実してる。最近は、イシュタルに概念礼装の言峰つけてますw

エミヤ来て!イリヤ来て!お願い!

評価・コメントお待ちしております!

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