俺のパンツが無い。   作:彼是

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そろそろ話しを進めます。


おや、圭の様子が……

  12月の特に寒い日の事だ。その年は初雪遅く、風が冷たいとニュースで言っていたと記憶している。町はクリスマスの装飾を始め、その雰囲気に飲まれ人々は嬉しそうだ。

 

 

 この世界のクリスマスは男にとって大切な日らしい。手編みのマフラー等を用意し気になる子に思いを告げる。

しかし、こんな話は都市伝説だ。男女比が違う今、幼馴染で両思いなどほとんどいないだろう。

この世界の女性の欲望の高さから思春期には食われている、もしくは嫌われているだろう。

理由は様々だが一番の理由は男は数回、女性は気を失うまで出来るのだから、まさに欲望尽きるまでというやつだな。

 

 

 俺にとってのクリスマスは果てしなく面倒な期間だ。

例えばジュンはクリスマス前日の男子会に誘ってくるし、咲達は今年こそ何かあるだろうと期待している。

なので遊びに誘う事すら難しい。

 

 

 で、前回のゲーセン巡りをしていたわけだが……

 

 

「なぁ兄ちゃん遊ぼうよ」

 

 

「ねぇ暇でしょ?私達とカラオケ行こうよ」

 

 

 1人で街を歩いていたらめっちゃ声をかけられる。今日の服装は灰色のパーカーに黒いチェスターコートにリュックとちょっと肌寒いが大学生ぽい格好をしている。

その為か声をかけてくる人は年上のチャラい人が多い。

 

 

「はぁ……」

 

 

 吐く息が白い。嘆息をつくと幸せが逃げるというが、冬の時期なら捕まえられそうだな。

そんな事を考えながら街を歩く。

 すれ違う人々を見れば本当に男が少ない。男が1人で歩いているのが珍しいのだろう。

ジロジロ見られるのも、もう慣れたものだが……しかしこの疎外感だけは慣れない。

 

 

「………」

 

 

 待った。今、気が付いた。俺は前の世界で言うと女の子ポジションなわけだ。

しかし学校では変わり者……この世界で言うと女勝り、またはフェミニン(女の子らしい)キャラなわけだ。それは前の世界のまま生活しているからだ。

 

 

 でも、それは非常に勿体無いのではないだろうか?せっかくこの世界に生まれたのだ。

豪に入れば郷に従えという。この疎外感を感じないほどに馴染んで見るのは楽しいのかもしれない。

 

 

「………もしもし?ジュン?急に悪いんだけど、前に言ってた男子会参加していい?

え?ははは。俺もそろそろ男らしくしようと思ってさ」

 

 

 思い立ったら吉日と言わんばかりに即ジュンに電話し、例の男子会に参加していかと聞くとビックリしていた。

わかる。これでも今までジュン以外の男友達などいなかったしな。

そんな俺を心配してずっと誘ってくれていたジュンに感謝だな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 数日後、ジュンから連絡(メール)が来た。どうやら男子会には無事参加することが出来るようだ。

詳細は……

 

 

「…………マジで?」

 

 

 男子会はお泊まり会らしい。問題はそれが《男子のパジャマパーティー》だという事だ。

待ってくれ。男のパジャマパーティーなんて聞いてない。はっきり言ってヤバイだろう。

 しかも俺が持ってるパジャマはこの世界では珍しいシンプルなデザインだ。

本当はジャージがいいのだが、男物のジャージは無い。ネットで注文したいが両親に全力で止められた。話がズレた。この世界の普通の男物パジャマはカラフルなのだ。

 

 

「やめとけばよかった……」

 

 

 いきなり男同士のパジャマパーティーなんてハードル高くね?

 

 

 

 

 

 

 




数日前に初めてパソコンがお亡くなりになりました。
新しいパソコンに慣れない……

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