前回と同じように駆逐イ級と戦闘になるが、前回と違って、ノーマルではなくエリート級の駆逐イ級との戦闘となり、戸惑うことになる。
かつての親友たちとの再会と今はまだあり得ないはずの出会い。
前回との違いに戸惑いなから改めて吹雪は守る決意を固めていく。
第二話です。見切り発車の小説ですが楽しんでいただければ幸いです。
色々な感想・コメントをお待ちしています。
とりあえず、艤装のチェックは済んだし自分の今いる海域にも見当はついた。
なんせ前回の始まりの場所と全く同じ場所だしね。
まずは本土を目指そう。その途中でみんなにまた会えるはずだ。
「第三船速。よーそろー。さて、行きますかね。」
確か、本土に向かっている最中で前回は私を入れた『始まりの艦娘』の他の4人、電、五月雨、漣、叢雲と出会ったけどそのあいだに何回か戦闘もあったはずだ。
ほとんど訳も分からない状態での初めての戦闘で怖かったのを覚えてる。
まあ、訓練を全くしていない当時の私や電たちが勝つことができたくらいだ。深海棲艦の中でも本当に下っ端だったんだろう。
それでも、人間の現代兵器では全く歯が立たないのだからたいしたものだと思う。
……叢雲たちを含めたみんなにまた会える。……前回では戦争序盤に戦った私たちのような第一期の艦娘たちは最後のころには残っていたのは数えるほどだけだった……確か、私を含めて8人ほどだったはず。
私みたいに記憶を残していたら嬉しいけどそんな奇跡みたいなことありえないよね。今の私が既に奇跡みたいなものだしねぇ。
「ん・・・・・・電探に感あり?・・・やはり来ましたか。」
私の後方、6時方向から接近する物体あり・・・か。反応からして恐らくはノーマルの駆逐イ級だろう。前回もそうだったし。
「とは言え、こちらで初めての戦闘だしね。油断しないで行かないとね。」
イ級が来るであろう方向を目視で確かめる。
なるほど、確かにイ級らしき影が微かに確認できた。しかし、ノーマルのイ級にしては少し早すぎる気がするのだが、前回の感覚が残っている私の気のせいだろうか?・・・・・・いや、そんなはずはない。前回の感覚が残っているのならむしろノーマルのイ級の早さ程度遅いと感じなければおかしいはずだ。なんせ、前回ではイ級よりはるかに強い相手と闘ってきたのだから。
「装備は前回のものを引き継いでいる。油断さえしなければやれるはず。」
向かってくるイ級に対して私も速度をあげて突撃する。いわゆる反攻戦の形をとる。射程に入り次第砲撃を開始する。一撃、二撃と砲撃していくが、当たらない。
「外れて!?・・・いや、回避されてる!?」
前回よりも強い!けど、それなら!!
相手からの砲撃を回避しながら更に加速する。
「私の主砲をその辺の物と一緒にしないでほしいよ!!」
トリガーとはまた別に存在するボタンを押す。すると右手にもつ主砲が回転して主砲後部が前方にやってくる。そして後ろ部分が前方にせりだしてくる。簡易的なナックルだ。私の主砲は打撃武器としての改良が施されている。
それによって、イ級のこめかみ?を殴り付ける。
さすがにこんな接近戦をしてくるとは思ってなかったんだろう。相手はなかなか綺麗に吹き飛んだ。その際に相手のイ級をしっかりと確認できた。赤いオーラをまとい赤い目をしたイ級を。
「エリート級!?なんでこんなところに?」
こんなところにいるような相手じゃないはずなのに。
と言うか、前回もいたら叢雲たちに会う前にやられていたはずだ。・・・ここは前回とは・・・・・・違う?
だが、あそこまで接近しなければ気づかないほどオーラが弱い。成り立てかそれとも?
とにかく、今は倒すだけだ。幸いにも先程の打撃で弱っているようだ。打撃形態から砲撃形態に主砲を戻して狙いを定める。
「これで!決める!!」
砲撃が当たって火を吹きながらイ級が沈んでいく。しばらくは主砲をかまえて警戒していたが完全に沈んだあと手を下ろした。
「・・・・・・なんだったんだろう?今のイ級は。」
ここはいったい何処なのだろう?前回とは違うのか?かこれから出会うはずの電たちは本当に電たちなんだろうか?・・・・・・わからない。当然だ。まだ、会っていないのだから。けれど・・・・・・
ハッと気づくとイ級が沈んだ場所から青い光が溢れている。これはこの世界では当然知られてないだろうが艦娘のドロップ現象だ。
「・・・・・・ドロップ・・・か。こんな状況で誰が来るんだろうね?」
ドロップした相手の姿が段々と見えてくる。頭の後ろで二つに結ったお下げ髪、青と白地の標準的なセーラー服、何よりその背中に背負った吹雪型の艤装。まさかこんな形で妹に会うことになるとは思わなかった。
「白雪・・・・嬉しい・・・けど、どうして・・・いま?」
顕現したばかりで自我がうまく目覚めずボーッとしている白雪に戸惑いが先行してしまい声をかけられずにいると、後方で人の気配を感じた。
「誰だ!?」
前回からの経験の賜物か即座に反応して威嚇も込めて主砲を突きつける。
結果的にこの行為は無駄だった。主砲をかまえた先にいたのは叢雲たちに4人だったから。
突如振り返って主砲をかまえた私に見るからに驚いていたが・・・・・・。
「むら・・・くも・・いなづ・・・・ま・・・さ・・・ざなみ・・・・さみだ・・・れ」
「吹雪姉・・・さん?」
「おーーっ吹雪お姉ちゃん。おひさですよ(^-^)/」
「ふ、吹雪お姉ちゃん、お久しぶり・・・です。」
「えっと、私ははじめましての方がいいかな?五月雨です。」
耐えられるわけがなかった。だって今目の前にいるのは私が守りたかった大切な妹兼親友たちなんだから。
気がついたら4人を力一杯に抱き締めていた。前回の記憶などないだろう。けど、やはり第1期の特にこの4人は特別なんだ。今回こそ守ってみせる!!
「吹雪、少し大袈裟よ(//∇//)」
「さ、さすがにこれは照れますなぁ(///ω///)♪」
「は、はわわわ(///∇///)」
「うーーん。私は特型じゃないんだけどやっぱりちょっと恥ずかしい。」
抱きしめて改めて感じる。みんなの大切さを。
「・・・・・・ずるい・・・です。」
え?今の声は?
みんなを離して声のしたほうを見てみる。
いつの間にか頬を膨らませた白雪がこちらを見ていた。
「私のときは戸惑っているばかりでなにもしてくれなかったのに・・・」
あのときか!?あの時、白雪ちゃんと意識あったんだね。ボーーッとしていてその時の事は覚えていないとばかり思っていたんだけど、これは謝らないとまずいかな?
「あぁ、ごめんごめん。白雪に会えたのだって嬉しかったんだよ?ただ、その状況が叢雲たちとは違ったから」
実際、嬉しかったのは本当だ。ただ、会えるのはもう少し後だと思っていたから驚いて戸惑ってしまったんだ。
「むう・・・その状況と言うのはよくわかりませんが、叢雲ちゃんたちだけずるいです。」
「はいはい。お姉ちゃんが悪かったよ白雪。」
白雪の頭を優しくなでてあげてやる。そういえば、前回でも白雪は私に頭を撫でられるのが好きだったっけな・・・・・・。
「ウーーッまあいいです。これからどうするんですか?」
それからは前回同様皆で話し合って本土に向かおうという話しになった。
それにしてもこの世界は何なのだろう?前回はいなかった白雪がいて、叢雲たちとの出会いも違ったものだった。
出会った瞬間は感極まって気にしなかったけれど、本当ならまず私と叢雲が出会ってそれから電たちと合流する流れだったはずなのに私がこの世界に来てから前回と比べてこんなにも変化してしまっている。もう訳が分からないよ。
思わず頭に手を置いて考え込んでしまう。もちろんそんなことをしていれば皆にも気づかれる。
「吹雪お姉ちゃん、どうしたのです?体調でも悪いのですか?」
「ん?・・・大丈夫だよ。少し敵の事とかこの世界の事とかを考えていただけだから。」
「それならいいのですが、あまり無理をするものじゃないっすよ?」
電と漣が声を掛けてきてくれる。他の皆にも心配そうな気配が窺いしれた。
駄目だな私・・・・・・考えるのは後でもできるのだから今はこれから起きるはずの日本の船の救出のことを考えなくちゃ!皆に心配かけるわけにはいかない。心配するのは私の役目なのだから・・・・・・
その時、私たちの電探が戦闘の様な物をとらえた。一つは駆逐艦ほどの大きさでもう二つは先ほど戦闘したイ級のものだ。
どうやら駆逐イ級二隻にどこかの船が襲われているようだ。おそらく前回の場所的にも日本船だろう。
そうでなかったらさすがに泣く。
「戦闘のようだけどどうするみん・・・ちょっと!?」
叢雲がみんなに聞き終わる前に私は既に戦闘に介入するため、走り出していた。
「行くよ白雪、電、漣、叢雲、五月雨!!私たちの使命を果たすためにも!!」
守るんだ!今度こそ私の手の届く全てを!!