幼女戦記~秋津洲皇国助太刀ス!(本編完結)   作:宗田りょう

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遅くなり申し訳ございません。


〈G〉号兵器 後編

 国際問題研究所に入ってからというもの、雑用もとい便利屋として使われる日々。研究員たちに代わって出張に出たり、女子計算助手の世話話に付き合ったり(彼女らとの関係を円滑に保たないと仕事にならない)夏と冬の一時期一斉に「展示会」のために研究員たちが休暇を取ってしまう間、たった一人で始末を付けたりといったことだ。

 

(彼は文芸同人をやっていたが、大規模な交流祭の参加はしていない。学生時代大変に不愉快な思いをしたから、金輪際参加しないと決めていた)

 

 それは福田が正規の軍人ではなく、かといって大学や大企業からの出向者ではないという自由な立場や、彼の性格にその原因があった。いかにはみ出し者が多い研究所とはいえ、それなりに面倒はあったのだ。

 本人としては特に不快なこともなく、まあ楽しいからええか、という感じであったからまた更に仕事が増えるのだけど。

 

そしてそんな福田の業務の一環として「情報交換」がある。

常に最新の研究・開発情報を集め「ゲーム」をする上での最新の情報を手に入れる活動のことだ。

例えば、新しい戦法が生まれればそれに対する評価を加味して図上演習を行わねばならない。近年計画として存在する「魔導反応信管」「誘導噴進弾」と、モノによっては「戦争のルール」その物が変わる可能性さえあるかもしれない。また、実戦部隊の依頼を受けて、試したいが実際に部隊を動かすのは難しい戦術研究の肩代わりを行うことがあった。

 部隊内有志のみの図上演習では評価を行うことが難しい場合があるし、専門の試験部隊は得てして「実験結果が分かっている」検証しか行わない。予算や時間の都合や「常識」が顔を出すからだ。(紙とサイコロであっても問題点抽出の役には立つ。むしろ単純化した分結果は分かりやすいかもしれない)

 

 そして現場や開発側からも、研究所からの分析と評価をもらえることは悪いことではない。欧州における大戦の直前から兵器の革新速度が()()()()()()加速しており、これらの業務の重要性は高まっていた。

 

研究所は正規の機関であるから、定期的なレポートや資料は回ってくる。

しかし、皇国的組織の常として所謂「タテ・ヨコ・ナナメ」の繋がりで情報を集めた方が遥かに効率的なのだ。軍隊でも会社でも、同期や先輩後輩といったつながりは役に立つ。福田がこの試験場にいることも、そのような背景が有ってのことだった。

 

そして福田の強みはこの「ナナメ」ーー というのか、奇妙な縁に恵まれていることだ。

 

*** *** ***

 

「あ、福田さぁん! 来てたんですね!」

輿水はようやく福田に気がついたらしい。起動車の到着後、機関部を抜き出す最中になってようやく声をかけた。

 いやぁ、先生、お久しぶりです。三ヶ月ぶりですかねぇ。それはそうと、今日は技術資料の受け取りに来たのですが、背広着た部外者にいきなり作業着着せて試験場に来いなんて、少し非常識ではないですか?というかなんですかこの馬鹿と冗談が同居した技術的悪夢は?

 

という声を経験と教育による何かで押し殺し

「お久しぶりです。いやぁ……かなりの大物を作りましたね!これは強そうだ」

「フフーン、そうですよ。東亜で一番強くて硬くて、カワイイ戦車です!!」

 

と、また胸を張って答える輿水。まぁ、機関部の連結が上手くいってないようですが。と付け加える。

 後部からレールを滑り、エンジンが抜き出される。かなり長いエンジンで、車体長が長いのはそのためらしい。

「エンジンの固定に問題はなさそうですね?」「先生、モノはガソリンなんで一応下がっててください。漏れていたらことです……ああっ、だから中に入らないで!」

 

 今度は戦車の中に入ってしまった。出たり入ったり忙しい人やな。と思ったが

 ちょうど四つん這いの格好なので、小ぶりで形の良いお尻が目に入ってしまう。戦車服のせいで余計にラインが目立って、目のやり場に困る。

 

 この行動は彼女の立場――皇国有数の大財閥輿水家の(分家筋とはいえ)令嬢にして、輿水重工・車両部門の統括者――からすれば戯れが過ぎるものだった。技術者と汗を流すのはトップの仕事ではない。何でも自分でいじり倒さなければ気が済まないというトップは厄介でもある。が、それによって技術陣をまとめてしまったのだから、1つの稀有な才能だった。

 この時点の福田は知る由もないが、ある意味で彼女は帝国の天才技術者たち、例えば戦闘機のカール・タンク博士や戦車のフェルディナント・パルシェ氏と同じ精神性を持っていたのだ。(技術的才能では大きな差があったが)

 

目の前の光景と、邪な思考を追い払うために福田は改めて戦車に目を向けた。やはり、巨大な戦車だった。かつて福田の乗っていた戦車――チハ改がおもちゃに見えるくらいだ。

全体の面影は連邦の影響を強く受けている。全面には被弾傾斜――装甲に角度をつけて命中した砲弾を滑らせることと、見かけ上の厚さを増すことを目的にしたもの――が取り入れてあり、かなり角ばっている。防盾の形もそのままだ。しかし、かなり長砲身なことや車高が低いといった皇国製の特徴も見てとれる。足回りの作動輪を見るに、いままでと変わらずクリスティー式らしい。

(なりよりも……)

 

 目をを引くのはその長大な砲だ。

 福田が乗っていたチハ改の長57ミリ砲や100式重戦車の8センチ砲――中古の連合王国製高角砲だから正確には76ミリ――よりさらに巨大だ。

 福田は気になったものは人に聞いたり調べたりしなければ済まない性だった。それは悪癖でもあり、彼最大の長所だ。

 今彼女は機関部にいる。上手くすれば答えてくれるか……?

 

「大きい大砲ですなぁ!長砲身の8センチですか!!」

「大サービスの8センチですよ!! しかも百式のような連合王国製豆鉄砲ではなく、帝国の88ミリのです!」

 お尻が答えた。よし、もう少し聞いてみよう。

「装甲は?」

「防秘ですが、通常の三倍に!!」

「速度は?」

「最速55キロを目指してます!」

「新式砲弾の開発は?」

「新型タングステン弾芯徹甲弾!もちろん発射薬も新開発です!」

 

「装甲貫徹力は?1000メートルで100ミリとか?」

 

 輿水車体から出てきた。腰に手を当て、勝ち誇った笑みを浮かべる。気が付くと、輿水の後ろにはさっきまで尻を眺めていた技師やら技術将校がならんでいる。

 

「2000メートルで100ミリです!!((ドヤァ!!))」

「……完璧ですな。先生」

 

 

*** **** ***

 

G号戦車

 

要目

全長約9メートル

全幅約3.5メートル

最大車高2.7メートル

試作8センチ砲 (帝国 8.8センチ高射砲改造か?)

正面装甲 ……チハ改の三倍なら装甲は最大で防盾込み150ミリ以上。もっとありそうだが

重量   軽く60トンは超えているだろう100式の二倍はありそうだ。

 

 

 福田の脳内感想

 

・100式を超えた化け物戦車、以上。まともに動いているのは奇跡やな。どう見積もっても60トンかそれ以上はあるから、足回りだけで悪夢や。でも動いていたから凄い。

・本当に帝国製8センチ砲なら、やたら重くて高価だが初速は速いし弾も重い。戦車砲としては理想的なのかなぁ。モノはあるわけやから面倒な初期開発の必要もない。(問題ないとは言ってない)

 

 あとで聞いた話だが、依頼主は大陸の国府らしい、毛の紅軍が連邦供与の新型で攻めてくるから、「親衛警護師団用の最強戦車を作れ」ということやと。

 国府軍の戦車装備数は皇国より多い。しかしどれだけチハがあっても大半が撃破されるというが、チハのせいというより寝返るから意味がないというのが本当のとこやな。だから一騎当千戦車なんてものが出たに違いない。

 

 大陸では最強の戦車だろうが、稼働率がとれるんか。足回りが問題。履帯を幅広くとって踏破性を上げているが、更に足に悪い。戦車なんて途中で止まったら棺桶以下や。

 

 まあ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




リアルが忙しかった(´・ω・`)

あ、パルシェ博士は誤字ではないです。
あと、チハ改とか100式とか一応皇国は史実よりまともな戦車を売ってます(重要)

カルロ・ゼン氏のインタビューを見るに、第一次世界大戦を書きたかった(少なくともww1よりに)そうなのですが、アニメや漫画版を見るに明らかに戦車はww2なのです。
 ターニャもサラマンダー戦闘団結成時に「4号Ⅾ型とかゴミや!(意訳)」と言ってるので史実より技術進歩が早いのでしょう。

だってウェブ版ラストは***が投入されますし

今後は

ハードとシーパワーでは圧倒的だが戦歴がない皇国(皇国・連合王国枢軸)
ソフトとランドパワーが圧倒的だが優位性を生かしきれなくなる帝国(欧州同盟)

そこまでかけるかなぁ(´・ω・`)

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