レインside
あれから9日間、先輩はあの訓練を繰り返した
僕と魔王様の傷も完全になくなった
そして今日、兄様との一騎打ちがある
その前に僕とリアス様のレーティングゲームを行う
そして今、そのゲームが始まった
小猫side
私は塔城小猫です
いまから部長の婚約をかけたレーティングゲームが始まります
相手は、高校で初めてできた友達の、レーくんです
レーくんが悪魔だと知った時はとても驚きました
でもそれ以上に、レーくんが部室や別荘に来た時に話せなかったことに、とても胸が苦しくなりました
なんでそうなったのかはわかりませんでしたが、レーくんのことを考えていると、なぜかモヤモヤした気持ちになります
それがなんなのか知りたくて、朱乃先輩に聞いたのですが
「あらあら、それは私の口からは言えませんわ、でもこれだけは言えます、小猫ちゃん?その気持ちはとても大事なものです、もし小猫ちゃんがその気持ちに気付いた時は、自分に正直になりなさい?」
そう言われましたが、なんのことだかまったくわかりませんでした
レーくんと話せば何かわかるかもしれない
今の私はそんな気持ちでここにいます
でも、同時にレーくんとは戦いたくないと思ってしまってます
部長の婚約がかかった大事な試合なのに、そんなことを思ってしまうなんて、私はダメな眷属です
でも私はやらなければいけません
そしてゲームが始まりました
三人称side
ゲームが始まってすぐ、リアスたちは作戦会議を始めようとしていた
だが
「っ⁉︎リアス大変よ‼︎彼がこっちに向かって来てる‼︎」
「なんですって⁉︎」
「すごい速度よ!もうここにたどり着くわ‼︎」
「っ!えぇ、そのようねっ‼︎」
「9日ぶりです、リアス様」
「堂々と突っ込んで来て、勝てる気でいるのかしら?」
「はい、僕は兄様以外に負ける気はありませんので」
「そう………祐斗!」
「ハァ‼︎」
「……ハァ」
レインはため息をつきながら、自分に突っ込んで来た木場の鳩尾に、拳を入れた
そして木場は気絶し、リタイアとなった
「リアス様、忠告しておきます、戦い、また殺し合いの場で、相手に聞こえる大きさで指示を出すのは愚策です、また相手にバレているのに真正面から突っ込んで来るのは、相手に殺してくれと言っているようなものです」
「あなた、よくも祐斗を‼︎小猫‼︎」
「………はい」
小猫は前に出た
だが、まだ小猫には迷いがあった
「………塔城さん、構えてください、そうしなければゲームは終わりません」
そう言いながらレインは、拳を構えた
「レーくん………いきます!」
そして小猫が攻撃を仕掛けた
それをレインは紙一重で躱す
小猫は追撃に回し蹴りを繰り出す
だがそれも躱される
それを何度も何度も繰り返す
レインから攻撃して来ることはなく、またカウンターを仕掛けて来る様子も見られなかった
そうすること五分、小猫の動きは躱されるたびに鋭くなっていき、ついに達人レベルの動きになっていた
そんな中、放送が流れる
《レイン様、このまま続けられるようでしたら、残った眷属の数でリアス様の勝ちとなりますが、よろしいでしょうか?》
「……………わかりました、ご忠告感謝します」
「レーくん?」
「………塔城さん、申し訳ございません、僕は負けるわけにはいかないんです、だから少しの間だけ眠っていてください」
「え?」
そういうとレインは小猫に近づき、頭に手を乗せた
そして
「眠れ」
そう言われた時、小猫はだんだんと意識が遠のいていた
「レー……くん……」
「………ごめんなさい、塔城さん……」
《リアス様のルーク、リタイアです》
眠る直前、小猫が見たレインは、とても寂しそうな顔をしていた
「雷よ‼︎」
瞬間、レインに雷が降り注いだ
「っ!直撃ですわ!」
だが
「僕は確かに不死性と焔は使わないと言いました、ですがそのほかの魔法を使わないとは言っていません」
「あらあら、参りましたわ(汗)」
そういうレインは雷を纏っていた
朱乃の雷を退けるほど、強力な雷を
「お返しします」
「っ⁉︎」
そしてレインから、先ほどの倍以上の威力の雷が放たれた
そして朱乃もリタイアとなった
「……そん、な⁉︎」
「リアス様、リザインしてください」
「ふざけないで‼︎私はまだ諦めてないわ‼︎」
「………リアス様、僕はあなたが嫌いです」
「っ!なぜかしら?」
「今、こうしてゲームを行なっているのはあなたの我儘が原因です」
「我儘ですって⁉︎」
「あなたは兄様と結婚したくない、もっと幸せになりたいと言います………」
「何が言いたいの⁉︎」
「………ふざけるな」
その瞬間、膨大な殺意がリアスを襲った
「……ぁっ……!」
「あなたは言いました、僕を倒して婚約を解消すると………なぜあなたはそう思えたんですか?僕を倒せると、なぜ思えたんですか?」
「それ、は……」
「それは………それはあなたが僕のことを見下していたから、そして、あなたが兄と両親に甘えていたから」
「ち、違っ!わ、私は………!」
「間違っていません…………あなたは今まで、自分よりも強い相手と戦ったことがなかった………」
「それは……」
「それもそのはずです、あなたに依頼されるはぐれ悪魔の討伐はランクの低いもの、魔王様が危険ではないと判断したものばかり、だからあなたは僕が提案した時こう考えた、『これは魔王様がくださったチャンス、またいつものように倒せる相手だ』と」
「…っ……」
「………あなたは兄様に言いました、自分をグレモリー、魔王様の妹ではなく、リアスとしてみてくれる人と結婚したいと…………なら努力したんですか?どうすればいいか考えたんですか?」
「……わ…たし…は……」
「していないでしょうね、当たり前です、生まれてからの17年と数ヶ月、一度も努力したことがないんですから」
「………違う、違う!違う‼︎……私は努力した!力を使いこなせるように頑張ったわ‼︎貴族としての礼儀作法だって覚えたわ‼︎」
「力を使いこなせるようになる?礼儀作法を覚える?何を当たり前のことを言っているんですか?」
「……え?」
「使いこなせない力は周りを傷つける、あなたはあなたの手で仲間を殺すつもりですか?礼儀作法だってそうです、貴族なら覚えて当たり前、家を潰す気ですか?」
「ぇ……ぁ…」
「それは努力とは呼びません、あなたが言ったものは、やらなければいけないことで、自分で判断したものではありません」
「…………」
「…………最後に一つ………自分では何もできないくせに、夢を語るな………努力すらしてないくせに、努力を語るな…………何もしない
「……ぁ」
それを最後に、リアスは気を失った
サーゼクスside
「珍しいね、レインがあんなに怒るなんて」
「………それよりも2人は?」
「ライザーとイッセー君かい?」
「はい」
「2人なら今、お互いに自室で集中力を高めているよ」
「…………それで、いつ始めますか?」
「う〜ん?リーアたん達が目を覚ましてからかな?」
「塔城さんはもうじき起きるとして、他の人、特に
「これは完全に嫌われてるのかな?というよりも、レインが人を完全に嫌うのって何気にリーアたんが初めてなんじゃないかな?」
「………僕は聖人ではありません、嫌いになることだってあります」
それを聞きながらサーゼクスは思い出す、かつてレインは、3人のレーティングゲームプレイヤーをフルネームで呼んだ
レインは嫌っている相手、または、
そしてフルネームで呼ばれた3人は、後者に値する
1人目のプレイヤーに言った言葉は、『なぜそんなに退屈そうに、そして機械的にゲームをするんですか?』だった
最初、僕はレインが何を言っているのかわからなくて、なんどもそのプレイヤーの対戦映像を見直した
そして意味を理解した
彼はゲーム中、全ての試合において、一度も笑ったことがなかったのだ
レインの言う通り、機械のように淡々と命令を出し、能力で相手を倒す
彼を問い詰めたところ、最初ははぐらかそうとしていたが、レインが彼の逆鱗に触れ続け、彼は話してしまった、誰にも知られてはいけない秘密を
そもそも彼の逆鱗はなんだったのか、それがこの話の重要点になる
彼の逆鱗に触れた言葉は、『実力があるのに、勝てるように努力しないなんてもったいない』と言う言葉だった
そして彼は言葉にしてしまう、自分の過去を
彼はどんなに努力しても、才能には勝てないと言った
それをレインが否定しようとした時、彼は言った、『こんなものを使わなければ、才能の差は埋まらない』と
そしてレインはその言葉を聞き逃さなかった
問い詰めると彼の口からあってはならないものが話された
それはゲームの歴史を大きく変えるものだった
そしてレインは脅しをかけた、『バラされたくないなら、僕を倒してみろ』と
そして彼は全力で戦い、負けた
その時、レインは全力ではなかった、だが彼は一撃の元に能力を無効化され、肉弾戦でも大敗した
そして彼は、『不正までして手に入れた力を持ってしても、才能には敵わないのか』と言った
だがレインはそれも否定した
レインは語る、とある男の話を
その男は兄弟の中で一番才能がなく、周りの貴族達からは無能と呼ばれていた
だがその男は決して腐らず、何度挫折しようが努力することをやめなかった
その結果、本気を出されれば、自分でも勝てない所まで強くなったとレインは言った
それを聞いた彼は、『私もそうなれるか?』と質問した
するとレインは、『なれるかはあなた次第です、でも、今の実力に満足していたら、その人どころか、僕にも届きませんよ?』と答えた
その言葉の元、彼は今、毎日修行に明け暮れているという
実際に世間の声も変わり、以前は貴族らしく、堂々としすぎて近寄りがたいと言われていたが、今ではとても社交的で、話しやすい好青年とまで言われている
2人目は女性で、男女問わず人気があった
そんな彼女にレインが言った言葉は、『なんで悔しそうにゲームをやっているんですか?』だった
僕は疑問に思った、ゲームなんだから勝ったら嬉しいし、負けたら悔しいのは当たり前だろうと
だがレインはそれを否定した、『目を見ればわかります、ゲーム中、表情は楽しそうなのに、目だけは悔しそうにしています』と
彼女は最初は否定していたが、レインがゲームで行われているという不正を口にしたら、反応が変わった
そしてレインが彼女の過去を調べ、事実か確認をした
彼女は諦めたかのように頷いた
自分の過去も、ゲームでの不正も、そして、悔しそうにしていたことも認めた
だが彼女は、不正をしたことには後悔をしていないと言った
彼女は、小さい頃からレーティングゲームの舞台に立つことを、夢見ていたという
では、なぜ悔しそうにしていたかというと、彼女は戦っている最中、自分とは違い、才能と努力で同じ舞台に立つライバル達を見て、努力をしなかった自分を情けなく思ってしまうのだという
それを聞いて、レインは聞き返した、『不正を行うと、そこまで変わるのか』と
そう言われ、僕も初めて気がついた、1人目の彼も、今目の前にいる彼女も、幼い頃は才能がなかったのだ、不正をしたと言っても、そこまで変わるものなのだろうか?
彼女によると、不正によって得られるのは、体内で生まれる魔力が、跳ね上がるだけだという
レインはそれを聞いて、『なら、あなたは努力していますよ』と言った
彼女は否定しようとしたが、レインに『体内で生まれる魔力が増えるということは、
それでも納得のいかない彼女だったが、レインはこう言った、『それでも納得がいかないのでしたら、これからまた努力をしなおせばいいんですよ』と言った
彼女はなぜそこまで言ってくれるのか?と聞いたが、レインは、『事情は違いますが、僕も似たような状況ですから』と応えた
それから2人は、その話題で盛り上がり、彼女の方は、腫れ物が落ちたような顔をしていた
それからの彼女は、幼き頃からの夢であった、レーティングゲームへの参加を控え、出場しなければならない時も、不正で得た魔力を使わずに、元々の魔力と戦略のみで戦っている
それから変わったことといえば、もともと年下好きということもあり、自分を救ってくれたレインにべた惚れしてしまったということだろうか
もはや狂信者ではないかというほどの惚れっぷりである(汗)
そして3人目だが、確か彼は………?
3人目の彼のことを考えていると、グレイフィアが部屋に戻ってきた、そして
「レイン様、塔城様が目を覚まされました」
「………わかりました」
そうしてレインは、部屋へと向かった
如何でしたか?
今回、今作のメインヒロインの、小猫の想いが明らかになりました
まだ自分では気づいていないようですが、いつ気づくのでしょうか?(笑)
そしてその後に、レインがリアスに怒りを向けました(苦笑)
レインに完全に嫌われたリアスは、この後の物語で信頼を得ていくわけですが、これはリアスアンチをつけないとダメですかね?(苦笑)
また、サーゼクスの回想で出て来た3人ですが、誰だかわかりますかね?(笑)
最初の2人はヒントがあるのでわかると思います(笑)
最後の1人ですが、答え合わせはかなり後になります(苦笑)
最後に、誤字、脱字などがございましたら、ご報告よろしくお願いします