不死の咎人 (旧不死鳥の四男坊)   作:kaikai9032

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約一年ぶりの投稿、誠に申し訳ございません。
理由としましては、忙しくて時間がなかったというものでございます。
一年経って、漸く時間を余らせることができるようになって来たので、これからはまだまだ遅いかもしれませんが、少しずつ投稿を再開させていただけたらと思っております。

では一年のブランクがありましたが、不死鳥の四男坊(仮)をお楽しみください。






誓い

レインside

 

人間界、いや、冥界も含めて、塔城さんは僕にとって初めてできた友人だった

 

最初は、リアス・グレモリーの眷族だから警戒していたけど、毎日言葉を交わしていると、それも薄れてしまった

 

彼女は、あまり喋る方では無かったけれど、人との付き合い方の分からない僕には、とても話しやすかった

 

だけど、それもここまでだろう

 

僕はリアス・グレモリーと敵対した

 

それはつまり、塔城さんとも敵対するということだ

 

婚儀がどうなろうと、リアス・グレモリーは兄様を拒絶するだろう

 

そうなれば、兄様の弟である僕は学園を去ることになる

 

だがそれは覚悟していたことだった

 

兄様の為ならば、この(人生)を全て賭ける気でいた

 

ただ、学園での一ヶ月は、僕には刺激的すぎた

 

少なくとも、離れたくないと思わせてしまうほどに

 

幼い頃から世話になっているあの人は、今の僕を見て何と言うのだろうか?

 

偽善の代償だとでも言うだろうか?

 

それとも、呆れて物も言えなくなるのだろうか?

 

どちらも有得そうだが、きっとこう言うだろう

 

気づくのが遅い、と

 

サーゼクス様と並び讃えられる彼は、擬似的に未来を観ることができる

 

それは経験からではなく、圧倒的な知識と、計算力からくるものだ

 

彼から学んだことは多い

 

僕にとって彼は先生と言えるだろう、又は師匠だ

 

魔術や体術などの戦闘系、料理や勉学などの日常系など、様々なことを学んだ

 

ゲーム中の雷や、睡眠魔法も彼から学んだものだ

 

そんな彼に、人間界に来るときに問われたことがある

 

お前の夢は何だ?何を目指して生きている?

 

その問いに、僕は応えることができなかった

 

最近、そのことを思い出してしまう

 

目指していることといえば兄様を越えることだが、それを果たせば死んでもいいのかといえば、そうではない

 

ましてや将来やりたいことなど、考えたこともなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

余計な話はここまでにしよう

 

僕は今、塔城さんがいる部屋の前にいる

 

はっきり言えば、合わせる顔がない

 

ゲームでの対戦中、僕は武術ではなく、魔法(邪道)を用いてリタイアさせてしまった

 

彼女を傷つけたくなかったとは言え、武人である彼女のプライドを汚してしまったかもしれない

 

さらには、リアス・グレモリーと敵対してしまった

 

最悪、友人関係すら無くなるかもしれない

 

僕はそれが、とてつもなく怖かった

 

でも、謝らなければいけないことが山ほどある

 

だからこそ僕は覚悟を決め、扉を開いた

 

 

 

 

 

「塔城さん?」

 

 

 

 

 

 

 

そこには、涙を流している塔城さんがいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小猫side

 

懐かしい夢を見た

 

私が小さい時の夢だった

 

夢に出てくる私はいつも笑顔だった

 

そこには姉様がいた

 

小さい時の私は姉様が大好きだった

 

不満なんて何もなかった

 

この生活がずっと続くものだと思っていた

 

()()()までは

 

場面が切り替わる

 

怒号が飛び交い、城内は混乱に包まれていた

 

この光景を私は知っている

 

忘れるはずもない

 

この日は

()()()()()()()()()なのだから

 

この混乱は、姉様が当主を殺害したことによって起こったものだ

 

当時の私は、姉様が殺したということを信じられず、いつも通り部屋に閉じこもっていた

 

そうしていれば、いつものように姉様が迎えに来てくれると思っていたから

 

でも、現実はそう甘くはなく、何日も何日も待ったが、姉様が迎えにくることはなかった

 

あの時、小さかった私でも薄々感じてはいた、本当に姉様が殺したんだと

 

それでもまだ、心のどこかでは信じていたのだ、姉様が私を捨てるはずがないと

 

だがそれもすぐに崩れ去る

 

私の元に魔王様が訪れた

 

そして小さかった私にこういった、

『君のお姉さんは自分の主人を殺した、そして1人で逃げてしまった、君のお姉さんがここにくることはもう二度とない』と

 

魔王様には感謝している

 

あの時助けて下さらなかったら私は殺されていた

 

そうしたらレーくんとも会うことができなかった

 

そう考えた途端、また場面が切り替わった

 

今度はとても暗い、何処までも続く黒い世界

 

今自分が立っているのか、寝ているのか、座っているのかさえもわからない

 

そんな中にひとつだけ別の色があった

 

とても綺麗な、見慣れた金色

 

レイン・フェニックスがそこにいた

 

しかしレーくんは、あの日の前日の姉様と同じ目をしていた

 

そしてレーくんは私の目を見てはっきりと言う、

『さよなら』と

 

待って!と声をかけようとするが声は出ない、動こうとしても鎖に縛られたかのように動けない

 

そして止められないままレーくんは消えて行き、私は暗い世界で独りぼっちとなってしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこで私は目を覚ます

 

すると横にはグレイフィア様がいた

 

「目が覚められましたか?」

 

「………はい」

 

「ではレイン様をお呼びいたします」

 

「レーくんを、ですか?」

 

「はい、塔城様が目覚められましたら連絡するようにと言われております」

 

「……わかりました」

 

「では失礼いたします」

 

そういうとグレイフィア様は部屋を出ていった

 

さっきの夢はなんだったんだろう?

 

最初の夢は分かる、過去のものだ

 

でも次の夢が分からない、身に覚えのないものだった

 

夢であったとしても、あんなもの見たくなかった

 

そこで私は、ある可能性を考えてしまった

 

そもそも睡眠魔法というのは、発動者の見せたい夢を見させるものが多い

 

そこで、例えばレーくんがあの夢を意図的に見せたとする、又は深層心理が映されたものだとする

 

そうした時に、あの夢で伝えたいことはなんだったのだろうか?

 

いや、簡単だ、考えるまでもない

 

私はまた1人になるのだろう

 

レーくんが言ったさよならも、もう会うことがないという意味だろう

 

そこまで考えて、私はそんな訳がないと考えるのをやめた

 

でも、一度考えてしまったがために、忘れようとしても思い出してしまう

 

それを何度も繰り返していると、声が聞こえた

 

「塔城さん?」

 

「………レーくん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レインside

 

 

少し驚いている自分がいる

 

普段、塔城さんは感情を表に出さない

 

故に、僕には塔城さんが泣いている理由もわからない

 

だが、なんと話しかければいいか迷っていたのは事実

 

話かける理由の一つにはなるだろう

 

そんなことを思ってしまう自分に嫌気がさしてしまうが、そうしてでも僕は塔城さんと話さねばいけないのだ

 

そして、無言のままというのも嫌なので、僕から話しかけることとする

 

「………なぜ泣いているのですか?」

 

「え?私、泣いてなんか……」

 

「気づいていないのですか?では目元を触ってみるといいですよ?」

 

そういうと、塔城さんは目元を触る

 

どうやら本当に気づいていなかったようだ

 

すると塔城さんは、

 

「少し、嫌な夢を見ていました……」

 

と、言った

 

僕はどういうことか分からず、つい聞き返してしまった

 

「嫌な夢、ですか?」

 

言ってから後悔する、あまり思い出させないほうが良かったのではないか、と

 

しかし塔城さんは俯きながらではあるが、話し始めた

 

「………一つ目は、小さい頃の夢です……」

 

「……お姉さんの夢ですか?」

 

「……はい」

 

「………魔王様から伺っています……塔城さんのお姉さんは……」

 

「……はい……主人を殺した、犯罪者です……」

 

お姉さんのことを話している時の塔城さんは、震えて、怯えていました、それを見ていられず、どうにかしてあげたいと思いましたが、立場上側に寄ることも出来ず、その場に立ち会っていない僕では、軽々しく大丈夫なんて言葉はかけることも出来ませんでした

 

せいぜい僕に出来るのは話題を変えることだけでした

 

「……それで、二つ目は?」

 

「………レーくんの夢です」

 

「僕の、ですか?」

 

「……はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小猫side

 

私がレーくんの夢を見ていたことを伝えると、レーくんはとても驚いた顔をしていました

 

とてもと言っても普段に比べたらの話で、あまり大きな変化はありませんでした

 

でもその時、私はあの夢をレーくんが意図的に見せたものではないと判り、少し安心してしまいました

 

しかし、それでも私の中から不安がなくなることはありませんでした

 

意図的ではなかったとはいえ、もしかしたらレーくんは私に別れを告げに来たのかもしれないからです

 

その不安に耐えきれなかった私は、無意識のうちに口にしていました

 

「…………レーくんは……何処にも行きませんよね?」

 

それを聞いたレーくんは、少し目を見開き、驚いたような顔をした後、私が見たことのないほどとても優しい顔で微笑みました

 

それは以前先輩から聞いた、レーくんがスイーツを食べている時と似たような顔でした

 

そして

 

「……よかった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レインside

 

「……よかった」

 

僕は塔城さんの話を聞き、そして何処にも行かないか?という問いかけに対して、安心してしまいました

 

そんな風に考えていると塔城さんが今にも泣き出しそうな顔をしていました

 

僕の一言で勘違いしてしまっているようなので、早めに誤解を説かなければいけませんね

 

なので

 

「大丈夫ですよ、実は僕もここに来るまでに同じことを考えていました」

 

「……同じことですか?」

 

「はい」

 

「なら……レーくんも…?」

 

「はい……塔城さんと友達ではいられなくなるのではないかと考えていました」

 

「そう…ですか…」

 

「なので、僕からひとつだけ言わせて欲しいことがあります」

 

「?」

 

「もう一度、僕と友達になってください」

 

「……え?」

 

「今までのような、人間としての友達ではなくて、自分の思いをちゃんと伝え合える、本当の友達になってくれませんか?」

 

「……いいんですか?…だって私たちは……」

 

「僕もそう思っていました、でもそれ以上に僕は塔城さんと友達でいたいんです」

 

「………私なんかでいいんですか?」

 

「むしろ塔城さんじゃないとダメなんです」

 

「……どうして私何ですか?」

 

「実は僕、同い年の友達が居ないんです」

 

「え?」

 

「おかしいと思いませんか?僕の友達って、思い返してみると年上の人しかいないし、僕よりも立場が上の人たちばかりなんです」

 

「……もしかして、レーくんはぼっち?」

 

「……それは言わないでください、かなり傷つきます」

 

「ご、ごめんなさい」

 

「……塔城さん」

 

「はい?」

 

「まだ敬語は取れませんか?」

 

「……レーくんがやめてくれたら考えます」

 

「考えるだけですか?」

 

「……そういうのは気づいてはいけないんですよ?」

 

「……わかりました、なら外してくれるまで気長に待ちます」

 

「?……はい」

 

「だからこれからもよろしく、小猫」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小猫side

 

「だからこれからもよろしく、小猫」

 

「っ‼︎/////////」

 

私は、自分の顔が真っ赤に染まっていくのを感じ取ってしまいました

 

私は自分でも、感情が表に出にくいことは自覚していましたが、これは無理です////

 

そのあとレーくんは会場の準備があるからと、部屋を出て行きました

 

私はレーくんのお陰で、安心することができました

 

あの夢を見て不安だった私に、とても優しくしてくれました

 

でもどうしてでしょう?胸の奥でズキズキと痛みがするのは?

 

レーくんが友達で居たいと言ってくれて嬉しいはずなのに、どうしてなのだろう?

 

その答えがわからないのがなんだかもどかしくて、知ってしまうのが怖くて、でも、早く気づかないといけない気がして

 

私はどうしたらいいのでしょうか?

 

そんな風に思いながら私は、ゲームの会場へと足を運びました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三人称side

 

レインと小猫が話していた頃、一誠とライザーは自分たちの待合室で集中力を高めていた

 

そして一誠は、とある人物と対話をしていた

 

「……なぁ?」

 

《なんだ?》

 

「俺は、ライザーに勝てるのか?」

 

《普通なら不可能だろうな》

 

「そんなに強いのか?」

 

《少なくとも先代の魔王共よりは上だろうな》

 

「まじっすか」

 

《さらに言えば、全盛期の俺と互角とまではいかんだろうが、だいぶ苦戦するだろうな》

 

「なんでだ?」

 

《単純にあの男、死んでも倒れんだろうからな》

 

「確かフェニックスの炎って」

 

《あぁ、本人が気絶するまでか、魔力が尽きるまで回復し続ける》

 

「なら、レインやサーゼクス様が言ってた通りだとしたら」

 

《相棒では一生かかっても勝てんだろうな》

 

「だよなー」

 

《しかし、今回はあの小僧からとどめの一撃を授かっているだろう?》

 

「でもそこまで持つのか?」

 

《安心しろ、あの小僧からの攻撃を耐え切った今の相棒ならば、そこまで持ち込めば道は見えてくる》

 

「お前がそこまでいうなんて、やっぱレインってそんなにすげーのか?」

 

《あれは怪物だ、俺はあいつを悪魔だとは認めんぞ、あれは全盛期の俺を遥かに超えている》

 

「はぁ〜⁉︎」

 

《信じられんかもしれんが、事実だ》

 

「ドライグより上って」

 

《だが、完全には制御できていないようだな》

 

「どういうことだよ?」

 

《そのままの意味さ、膨大すぎるその魔力を自由に扱うことはできても、自らの内側に抑え込むことができないんだろう、だから魔力を解き放ったとき体から漏れ出て自分を傷つけることになるのだ》

 

「…そうなのか」

 

《さらに言えば、奴の魔力は悪魔の弱点である太陽そのものだ、それを自らの内側に内包するなど、想像を絶する苦痛だろうな、それも常人ならば発狂するレベルの痛みだ》

 

「それなのにレインは顔色ひとつ変えないのかよ⁉︎」

 

《恐らく生まれた時から感じていたのだろう、その結果奴は痛みを感じなくなった、奴が普段無表情なのもそのせいだろう》

 

「生まれた時から…」

 

《さてと、おしゃべりはここまでのようだぞ?》

 

「もうそんな時間か」

 

《怖いか?》

 

「あぁ怖いさ、でも逃げ出したりなんか絶対にしない」

 

《それは何故だ?》

 

「誓ったからだ」

 

《誰にだ?》

 

「自分に、そして親友(レイン)に」

 

《誓ったからどうなる?所詮は口上で述べただけだ》

 

「わかってる、だからこそ俺は逃げない」

 

《ではもう一度聞こう、それは何故だ?》

 

「俺は死んでもダチには嘘をつかねぇ‼︎」

 

《ク、クハハハハ!!!!よく言った‼︎それでこそ赤龍帝に相応しい‼︎我ら赤龍帝が突き進むは、邪道でも覇道でもない‼︎王道ただ一つ‼︎さぁ!歴代最弱の宿主よ!今宵貴様が挑むは歴代最強の敵!勝ち目など皆無!それでも挑む覚悟はできたか⁉︎》

 

「そんなものとっくの昔にできてる‼︎」

 

《ならば行くぞ!二天龍と恐れられた我が力を思い知らせてやるといい‼︎》

 

「赤龍帝ドライグ!この試合に勝つためにお前の力を借りるぞ‼︎」

 

《下級悪魔兵藤一誠よ!その力を持って悪魔共に刻み込んでやれ!自分こそ赤龍帝に相応しいのだと!自分こそが今代の赤龍帝なのだと!そして自分こそが!》

 

「《リアス・グレモリーのポーンなのだと!》」

 

《クハハハハ‼︎わかっているではないか相棒!》

 

「当たり前だ!誰がなんと言おうとも、俺が部長のポーンなんだ‼︎」

 

《さぁ、行くぞ相棒?我らの記念すべき初陣だ!》

 

 

 

 

そうして一人の悪魔と、一体の龍は、戦場へと向かった

 

その胸に親友への誓いを乗せて

 

 

 

 

 

 

 




一年もの間が空いてしまったので、前話との違和感や、誤字、脱字が見当たるかもしれません。
その場合はご報告よろしくお願い致します。
そして最後に、これからも不死鳥の四男坊(仮)をよろしくお願い致します。
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