魔法少女リリカルなのは『INNOCENT BRAVE』 作:ウマー店長
「なんだ、この状況・・・」
アヤトは思わずつぶやいた。
なのは達とT&Hの近くで別れ、フェイトと対戦の約束をし、足早に自宅に戻ったところでシュテルと出会い少しだけお茶をして。そしてシュテルに引っ張られるようにして再びT&Hに戻ってくるまでの所要時間、約30分~40分。
この短時間でどうやったらこのような事態になるのだろう、とアヤトは思わず額に手を当てため息をついた。
チラリと目をやったT&Hの入り口付近に設置されているディスプレイには水色の髪の少女が高らかに笑っている姿が映っていた。
『エキシビションマッチ中!!』というテロップが更なる頭痛をアヤトに与えてくる。
「さすがはレヴィ、行動力の高さはダントツですね」
「まったくだよ・・・」
アヤトが見つめる画面の中ではバリアジャケットを纏ったなのは・フェイト・アリサ・すずかの四人がレヴィと呼ばれた少女の名乗りに苦笑いを浮かべていた。
なのはだけではなくアリサとすずかもストライカーチェンジをしているところを見ると新しいN+のカードを手に入れたようだ。
「おもちゃに夢中ってこういうことか・・・」
「ええ、昨日からそわそわしていましたよ」
レヴィは“雷刃の襲撃者”の二つ名を持つロケテストプレイヤーだ。アヤトの隣にいるシュテルと同じチームに所属するデュエリストで、とにかく火力と速さを追求したプレイスタイルをしている。
本人曰く「当たらなければどうということはない」そうだ。
そんな彼女は相棒たるデバイス”バルニフィカス”を準備運動とばかりにデュエルのスタート地点で振り回している。
「いくらなのはちゃんたちが初心者とはいえ・・・さすがに4対1はつらいんじゃないかな。T&Hチームにはフェイトちゃんもいるし・・・」
アヤトが見たところ今回の対戦形式は互いの体力を削りあう形式ではなく、スタート地点からゴールまでたどり着く順位やターゲットの破壊による総合ポイントでを競う”スピードレーシング”という形式のようだ。
レヴィがスピードに特化した”ライトニングタイプ”のバリアジャケットとはいえ、ターゲットの破壊という要素も含まれるこの試合では圧倒的に不利なように見える。
レヴィの実力が確かなのは疑うべくも無いが、レヴィと同じライトニングタイプのバリアジャケットを纏っており、全国ランカーのフェイトもいるT&Hチームのほうが圧倒的に有利なのは間違いない。
「ええ、もちろん承知の上だと思います。しかし・・・」
「そんなの関係ない、って?」
「そんなところでしょう」
猪突猛進を体現したかのようなレヴィの性格ならば、特に深く考えずになのは達に挑戦状をたたきつけていてもおかしくは無い。人数合わせのためのフレンドNPCをすべて自分のカードで呼び出しているところを見れば一目瞭然である。
フレンドNPCは同じ人物のカードから呼び出すとちょっとした弊害が起こったりする。
たとえば、今目の前のモニターに映っている”フレンドNPCの誰がターゲットを壊すか揉める”といった出来事などがソレだろう。
「『僕の完璧な作戦がっ!?』とか言ってそうだな・・・」
「言ってそうですね」
そんな会話をしていると、シュテルは突然くすくすと笑い出した。
「急にどうしたの?」
「ふふっ・・・いえ、あなたと会わなかったのが半月程度だったというのにこのような他愛も無いやりとりがずいぶんと久々に感じてしまいまして」
アヤトに向けられた表情は彼女の年齢とは不釣合いなほど大人びていた。にもかかわらず違和感を覚えないのは彼女の日ごろの行動ゆえだろうか?
しかし、シュテルがこのような表情を見せるのは本当に信頼している相手だけだということを、付き合い始めて日の浅いアヤトはまだ知らない。
「せやなぁ・・・ウチもこんな会話をするのは久々や」
「あはは・・・ごめんね、なかなか顔を出せなくて」
「ま、アヤトさんも急がしかったんやろ?事情は人それぞれってな」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「ん?どないしたん?」
ごく自然に会話に混じっていた少女の存在を認識するまでアヤトは数秒を要した。
「やっほ~。アヤトさんおひさやな~」
いつの間にかアヤトの隣にはタヌキ耳のついたパーカーを羽織った茶髪の少女が立っており、何食わぬ顔でアヤトに向かって手をひらひらと振っていた。
「は、はやてちゃん・・・いつの間に・・・」
「さっきからおったよ。アヤトさんが気づいとらんかっただけやって」
「え、シュテルは気づいてた?」
「ええ、まあ・・・。横目で彼女が近づいてくるのが見えていましたし」
したり顔でアヤトを見つめている少女の名は”八神はやて”。なのは達と同い年でありながらアヤトの行きつけの古書店”八神堂”の店主である。
先日なのはたちの練習に乱入してきたヴィータも八神堂の一員であり、八神堂を代表するショッププレイヤーである。
なぜ古書店にブレイブデュエルの筐体があるのかは深く考えてはいけない。いろいろな縁あったのだ、たぶん。
「おっ!そろそろ決着みたいやね」
はやての言葉にハッとしてアヤトは再び店頭ディスプレイに視線を戻した。
すいません!投稿が大変遅れました!
しかも短い!いやホントに忙しかったんですよ
リアルの仕事とか提督の職務とかクッキーとかハンターとかトレーナーとかいろいろ兼任してたんです!
すいません、次はがんばりますorz